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  • ヒソップ(ヤナギハッカ)の育て方|種まきや収穫方法・増やし方も

    ヒソップ(ヤナギハッカ)の育て方|種まきや収穫方法・増やし方も

    ヒソップ(学名:Hyssopus officinalis)は、別名・和名としてヤナギハッカとも呼ばれ、シソ科の多年草です。

    ヒソップは花が美しく、紫や青、白などの色の花を楽しめるほか、香りが良く虫除けや消臭にも効果があります。

    ハーブティーとしても栄養価が高く、風邪や咳などにも効くと言われているほど有用なハーブなので、自宅でも育ててみたいという方はきっと多いでしょう。

    この記事では、ヒソップの育て方の基本から収穫方法・増やし方など、活用するための方法をご紹介しています。

    参考にして、ヒソップ栽培を楽しんでみてくださいね。

    ヒソップの種まき時期と方法

    ヒソップは、春から夏にかけて種まきするのが一般的です。

    種は小さくて発芽率が低いので、多めにまくことがポイントです。ビート板や深さの浅い鉢に土を入れて蒔き、土はかぶせずに霧吹きや底面給水で水やりをしながら明るい場所で管理します。

    種まき用の土は、水はけが良くて肥沃なものを選びます。土に種をまいたら、軽く土で覆って水を与えます。

    2週間ほどすると発芽するので、本葉が2~3枚になったら間引きします。

    間引いた苗は、別の鉢に植え替えることもできます。

    ヒソップ栽培に適した環境(用土づくり・水やりと肥料の与え方)

    ヒソップは、日当たりがよく風通しのよい場所を好みます。

    水はけのよい土を好みますが、あまり土質には神経質にならなくても大丈夫です。ただし、酸性の土を嫌うので、苦土石灰を混ぜて土のpHを中和するとよいでしょう。

    ヒソップは丈夫なハーブですが、過湿や蒸れに弱いので、水やりは控えめにしましょう。

    肥料も控えめにすると香りがよくなります。植え付け時に元肥として堆肥を混ぜておき、生育期間中は液肥を週に一回程度与える程度で十分です。

    ヒソップの地植えの時期と方法

    ヒソップが発芽して本葉が6枚から7枚になった頃、庭に定植する適期です。

    定植する場所は日当たりがよく、風通しのよい場所を選びます。

    ヒソップは水はけがよいアルカリ土壌を好むので、植え付ける前に苦土石灰を土に混ぜ込んでおきます。(堆肥も混ぜ込んでおくと元肥として効果的です)

    ヒソップは株が大きくなるので、他の植物との間隔は30cmほどあけて植えつけますが、その際、少し盛り土をして植え付けると、水はけがよくなります。

    ヒソップを鉢植え・プランターで育てる方法

    ヒソップは鉢植えやプランターでも育てることができますが、日当たりがよく、水はけのよい場所に置くことが大切です。

    ヒソップは湿気に弱いので、鉢の底には鉢底石を敷いておきましょう。用土は市販のハーブ用や草花用の土を使うか、赤玉土6:腐葉土3:バーミキュライト1の割合で自分で作るとよいでしょう。

    鉢植えやプランターでヒソップを育てる場合、植え付け時期は4月から6月が適期です。苗を購入する場合は、花が咲いていなくて、葉が生き生きとしているものを選びましょう。

    根を傷めないように丁寧に植え付けて、株元をしっかりと押さえます。最初はたっぷりと水を与えてください。

    鉢植えやプランターでヒソップを育てる場合、水やりは土が乾いたらたっぷりと行います。

    肥料は5月から6月の間に液体肥料を1週間に1回程度与えるようにします。

    ヒソップの植え替え時期と方法

    ヒソップは鉢植えやプランターで育てる場合には、根が回ったら一回り大きな鉢に植え替えする必要があります。(地植えの場合は植え替えは必要ありません。)

    植え替えの時期は春先が適しており、植え替えをするときは以下の手順で行います。

    1. 植え替える前に、ヒソップにたっぷりと水を与えておく。
    2. 新しい鉢に鉢底石を敷き、用土(赤玉土6:腐葉土3:バーミキュライト1の割合で混ぜる)を入れる。
    3. 古い鉢からヒソップを抜き取る。
    4. 根の回りについている古い土を手で優しく払い落す。
    5. 新しい鉢にヒソップを入れる。
    6. 株元が鉢の縁から2cmほど下になるよう用土を詰める。
    7. 植え付けた後に、再びたっぷりと水を与える。
    8. 日当たりのよく、風通しの良い場所に置く。

    根を傷つけないように優しく行うよう注意しましょう。

    古い鉢から苗を取り出す際に根が鉢に張り付いていることがありますが、鉢を軽く叩いてから抜き取るようにするととれやすいです。

    根が絡まっている場合は、指で優しくほぐしてから植えつけるようにしましょう。

    ヒソップの花が咲く時期と香り・花言葉

    花 学名 英語

    ヒソップは夏(6月から9月)に、ピンク、青、紫、白など美しい花を咲かせます。

    花は穂状に咲きミントのような清涼感のある香りがします。香りは花が咲いている時期が一番強いと言われています。

    ヒソップの花言葉は「清潔」と「浄化」です。これは、ヒソップが古くから神聖な場所を清めるのに用いられていたことに由来します。また、ミントのような香りが気分をすっきりさせることも関係しているでしょう。ヒソップの英語の花言葉は「cleanliness(清潔)」と「sacrifice(犠牲)」です。

    なお、ヒソップは5月25日と9月10日の誕生花です。清潔感や浄化力を持つヒソップの花は、自分や周りをきれいにしたい人や、何かに打ち克つ人に贈ると良いでしょう。

    ヒソップの室内での育て方

    ヒソップは日当たりと風通しの良い場所を好みますが、室内でも育てることができます。

    室内でヒソップを育てる場合のポイントは以下のとおりです。

    ポイント 補足
    日当たりの良い窓辺に置く ヒソップは日光が不足すると、茎が伸びて弱くなります。室内で育てる場合は、南向きや西向きの窓辺に置き、1日6時間以上の直射日光を当てましょう。
    土が乾いたら水やりをする ヒソップは過湿に弱く、根腐れや病気の原因になります。水やりは土が乾いたらたっぷりと与えるようにします。夏は毎日、冬は2~3日に1回程度が目安です。
    肥料は控えめに与える ヒソップは肥料が多すぎると香りが弱くなります。肥料は液体肥料を薄めて月に1回程度与えるか、緩効性の化成肥料を春と秋に少量施す程度にしましょう。
    剪定や切り戻し ヒソップは放っておくと茎が伸びすぎて枝垂れたり、花付きが悪くなったりしますので、剪定や切り戻しをして株をコンパクトに保ちましょう。

     

    ヒソップを剪定・切り戻しする方法と目的・時期

    ヒソップを剪定・切り戻しする目的は、以下のとおりです。

    目的
    株の形を整える ヒソップは放っておくと茎が伸びて枝垂れたり、株が乱れたりします 。剪定で株の形を整えると、見た目が美しくなります。
    株の生長を抑える ヒソップは放っておくと茎が伸びすぎて弱くなります 。切り戻しで株の生長を抑えると株が丈夫になります。また、香りも強くなります。
    株の形を整える ヒソップは放っておくと茎が伸びて枝垂れたり、株が乱れたりします 。剪定で株の形を整えると、見た目が美しくなります。
    香りを強くする ヒソップは肥料が多すぎると香りが弱くなります 。剪定で株の生長を抑えると、香りが強くなります。

    ヒソップを剪定・切り戻しする方法は、以下のとおりです。

    時期・方法
    花が終わったら切り戻す ヒソップは初夏から夏にかけて花を咲かせます 。花が終わったら、株の半分~三分の一程度切り戻します 。切り戻す位置は、茎に葉がついている部分にしましょう。切り戻した後は水やりや肥料を控えめにしてください。
    秋に整形する ヒソップは秋にもう一度花を咲かせることがあります 。秋の花が終わったら、株の形を整えるために剪定しましょう。剪定する量は、株の大きさや形に応じて調整してください。剪定した後は水やりや肥料を控えめにしてください。
    冬に枯れ枝を取る ヒソップは常緑多年草ですが、寒さで枝や葉が枯れることがあります 。冬になったら、枯れた枝や葉を取り除きましょう 。これは病気や虫の予防にもなります。

     

    ヒソップの夏越し・冬越しの方法

    ヒソップは暑さにも寒さにも強く丈夫なハーブですが、過湿や蒸れには弱いです。夏越しと冬越しの方法は以下のとおりです。

    補足
    夏越し ヒソップは真夏の日照りにも耐えられますが、完全に水切れにすると枯れてしまうので、水やりは土が乾いたらたっぷりと与えるようにしましょう。
    冬越し ヒソップは耐寒性がありますが、寒冷地では地上部が枯れて休眠します。地植えの場合は、株元にマルチングをして防寒をすると安全です。鉢植えの場合は日当たりのよい軒下に置き、鉢を新聞紙やシートで覆うと良いでしょう。冬でも気温が暖かめの日にはたまに水やりをしておきます。

     

    ヒソップの増やし方

    ヒソップを増やす方法として、

    1. 挿し木で増やす方法
    2. 株分けで増やす方法

    上記2つの方法についてご紹介します。

    挿し木で増やす方法と時期

    ヒソップは挿し木で簡単に増やすことができます。初夏のまだ気温が高くない時期に行うと良いでしょう。

    挿し木の具体的な方法は以下のとおりです。

    1. 切った枝は1時間ほど水に入れて水揚げをする。
    2. 赤玉土や鹿沼土など清潔な土に挿す。
    3. 土を乾燥させないように水やりをし、半日陰で管理する。
    4. 2~3週間で発根します。
    5. 根がしっかり出たら取り出して、新しい鉢や庭に植え替える。

    株分けで増やす方法と時期

    ヒソップは株分けで増やすこともできます。春の4~5月頃か、秋の9~10月頃に行うのが適しています。

    株分けの具体的な方法は以下のとおりです。

    1. 株分けするヒソップを掘り上げて根を洗う。
    2. 根が絡まっている場合は、ナイフやハサミで切り離す。
    3. 分けた株を新しい鉢や庭に植え付る。
    4. 植え付け後はたっぷりと水やりをし、日陰で管理する。

    ヒソップの収穫時期と方法

    ヒソップの収穫時期は、初夏から秋のよく育つ時期に行います。花が咲く前の時が一番香りもよいので収穫におすすめです。

    収穫の方法は以下のとおりです。

    収穫方法と補足
    葉や茎の収穫 摘心を兼ねて柔らかい葉や茎を切り取ります。摘心は10cm以上育ってきたら行います。摘心のし過ぎは花つきが悪くなるので注意が必要です。
    花穂の収穫 開花直前のものを茎ごとカットします。開花後は早めに花穂をカットすると長期間楽しめます。
    ドライハーブにする場合 刈り取った茎は葉も花もついたまま束ねておきます。1週間ほど軒下などにつるして陰干しにします。

    ヒソップの育て方に関するQ&A

    ここでは、ヒソップの育て方に関するQ&A(質問&回答)を紹介します。

    • ヒソップは日陰でも育つ?
    • ヒソップ栽培で気を付けるべき病害虫
    • アニスヒソップはヒソップの別名?違いはあるか
    • ハーブとしてのヒソップの魅力は?

    上記の問いについて詳しく回答していますので、参考にしてみてくださいね。

    ヒソップは日陰でも育つ?

    ヒソップは基本的に日当たりの良い場所で育てるのが望ましいですが、半日陰でも育つ可能性があります。

    ただし、半日陰で育てる場合は、風通しや水はけに注意する必要があります。ヒソップは高温多湿に弱く、病害虫の発生や根腐れの原因になりやすいからです。

    また、半日陰で育てると葉や茎が柔らかくなり、香りや味が弱くなる可能性もあるため、半日陰で育てる場合は、定期的に剪定して葉の密度を減らしたり、乾燥させたりして利用すると良いでしょう。

    ヒソップはピンク色の花を咲かせる美しい植物ですが、日陰で育てると花付きが悪くなることもあるので、その点もご了承ください。

    ヒソップ栽培で気を付けるべき病害虫

    ヒソップは丈夫なハーブで、基本的には目立った病害虫の害はありません。ただし、高温多湿や過湿には弱いので、水やりや剪定を適切に行って風通しを良くすることが大切です。

    病害虫については以下の点に注意しましょう。

    病害虫 補足
    葉が黄色くなる 株元の葉が黄色くなったり葉を落とす場合は、水やりが多すぎるか葉が蒸れている可能性があります。水やりを控えめにして、枯れた葉や咲き終わった花を取り除きましょう。
    害虫が付く ヒソップにはあまり害虫が付きませんが、アブラムシやカイガラムシなどが付くことがあります。害虫を発見したときは、早めに手で取り除いたり水洗いしたり、殺虫剤を散布しましょう。

    なお、苗から育てる場合は、購入する苗が無農薬かどうか、苗に虫が付いていないかという点はチェックしておきましょう。

    アニスヒソップはヒソップの別名?違いはあるか

    アニスヒソップは、ヒソップと名前が似ていますが、実は別の植物です。

    科名・原産
    アニスヒソップ シソ科 の多年草で、カナダやアメリカが原産 藤紫色や青紫色、白色などの穂状の花 卵形で先がとがった形状。アニスのような甘い香り があり、ハーブティーや料理に使われる。
    ヒソップ シソ科の半樹木で、ヨーロッパ南部から西アジアが原産 アニスヒソップと花の色や形がよく似ている 細い長方形。ゴマとミントを合わせたような苦みのある香りがあり、スープやピクルスなどに使われる。

    また、アニスヒソップは比較的丈夫で育てやすいですが、ヒソップは寒さに弱く育てにくいという違いがあるので、育てる際は注意が必要です。

    ハーブとしてのヒソップの魅力は?

    ヒソップはハッカのような清涼感のある香りが特徴で、ハーブティーやスパイスとしても利用されています。

    ヒソップはハーブティーとして飲んだり、精油としてアロマテラピーに使ったりできる点が魅力です。

    まとめ:ヒソップの育て方のポイント

    ヒソップはシソ科の多年草で、花や香りが魅力的な植物です。

    ヒソップは日当たりと排水に気を付ければ、鉢植えや花壇で育てることができます。また、ヒソップは挿し木や分株で増やすことも可能です。

    この記事では、ヒソップの育て方について、選び方や植え方、管理方法などを紹介しました。ヒソップの香りは癒し効果もあるので、自宅で育ててゆっくり楽しんでみてくださいね。

  • カレーリーフ(カレーの木・オオバゲッキツ)の育て方|挿し木や剪定方法も

    カレーリーフ(カレーの木・オオバゲッキツ)の育て方|挿し木や剪定方法も

    カレーリーフ(カレーの木・オオバゲッキツ)は、インド料理やタイ料理などのエスニック料理に欠かせないハーブです。

    日本ではあまり馴染みのない植物なので、栽培は難しそうに感じるかもしれませんが、いくつかの注意点に気を付けるだけで自宅で簡単に栽培できます。

    この記事では、カレーリーフの育て方について、種まき時期や方法、栽培に適した環境や水やりとなど、カレーリーフ栽培のコツを紹介します。

    カレーリーフの新鮮な葉をいつでも収穫できるようになるだけでなく、観葉植物としても魅力的なので、是非カレーリーフ栽培に挑戦してみてくださいね。

    [surfing_other_article id=”2279″]

    カレーリーフとは

    カレーリーフとは、インドやスリランカが原産のスパイスです。

    カレーノキというミカン科の植物の葉で、別名でオオバゲッキツやナンヨウザンショウとも呼ばれます。その名前の通りカレーによく使われるスパイスですが、特にインド料理には欠かせないものとされています。

    カレーリーフは、柑橘系の香りとスパイシーな香りを持ち、料理の風味づけに利用されます。生の状態で使用するのが最も良いといわれていますが、日本では乾燥されたものが多く市販されています。乾燥させると香りが弱まるため、油で炒めたり、他のスパイスとブレンドしたりすることで香りを引き出します。

    カレーリーフには、滋養強壮や食欲増進、消化促進などの効能があるといわれています。また、殺菌作用や解毒作用、解熱作用などもあるとされています。さらに、白髪予防にも効果があると伝えられており、ココナッツオイルと一緒に頭皮に塗ると良いといわれています。

    カレーリーフは、カレー以外にも豆の炒め物やラッサム、チャツネ、サンバルなどのスープやソースにも使えます。また、ピラフやお粥などに入れて風味付けに使うこともできます。ハーブティーにすると香りも味もまろやかになります。

    カレーリーフの種まき時期と方法

    カレーリーフ(カレーの木・オオバゲッキツ)は種から育てることができます。

    種まきに適した時期は春(5月)から夏(8月)です。乾燥した種は発芽率が低くなるので、新鮮なものを選びましょう。

    種まきの方法は以下の通りです。

    • 種まき用のポット(直径10cm程度のもの)に土を入れる。
    • 土を湿らせる。
    • 種をポットに1粒ずつ植える。(深さは1cm程度で十分です)
    • 種を覆うように土をかぶせる。
    • ポットを直射日光が当たらない明るく暖かい場所に置く。
    • 土が乾かないように水やりをする。
    • 種から発芽する約2週間から1ヶ月間、管理する。
    • 発芽したら日光に当てるようにする。(最初は半日陰から始めて徐々に日光量を増やすと良い)

    以上でカレーリーフの種まきは完了です。

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    カレーリーフ栽培に適した環境(用土づくり・水やりと肥料の与え方)

    種まきを終えた後は、カレーリーフ栽培に適した環境づくりを始めましょう。

    カレーリーフは暖かく乾燥した気候に適しています。日本では夏場は屋外で栽培できますが、冬場は室内で管理する必要があります。

    カレーリーフ栽培に適した環境と用土づくり・水やりと肥料の与え方は以下のとおりです。

    要素 ポイント
    日光 カレーリーフは日光が大好きです。直射日光が当たる場所に置きましょう。ただし、真夏の強い日差しは葉焼けの原因になることがあるので、その場合は午前中だけ日光に当てたり、半日陰に移動させたりして調節しましょう。
    気温 カレーリーフは高温多湿を嫌います。気温が25℃以上になると生育が停滞することがあるので、その場合は風通しの良い場所に移動させたり、水分量を減らしたりして調節しましょう。逆に低温も苦手です。気温が10℃以下になると葉が落ちたり枯れたりすることがあります。その場合は室内に取り込んだり、保温対策をしたりして調節しましょう。
    用土 カレーリーフは水はけの良い用土を好みます。市販の培養土や赤玉土などがおすすめです。また、排水性を高めるためにパーライトやバーミキュライトなどを混ぜることでも対応可能です。
    水やり カレーリーフは乾燥耐性が高いですが、完全に乾かすと枯れることがあります。水やりは土の表面が乾いたら行います。一度にたっぷりと与えるよりも、少しずつ頻繁に与える方が良いです。水はけが良いように注意しましょう。
    肥料 カレーリーフは肥料切れすると葉色が悪くなったり枯れたりすることがあります。肥料は春から秋まで月1回程度与えます。液体肥料や有機肥料などがおすすめです。

    カレーリーフの苗はダイソーで100円で買えるのか

    ダイソーではカレーリーフの苗を買えることがあります。しかし、在庫や店舗によって異なるため、必ずあるという保証はありません。

    ちなみに100円商品ではなく300円商品として販売されているのが確認されています。

    ダイソーでカレーリーフの苗を買う場合は以下の点に注意しましょう。

    注意点
    品質 ダイソーで買える苗は品質が低い可能性もあります。葉色が悪かったり枯れかかっていたりする場合は購入しない方が無難です。
    大きさ ダイソーで買える苗は小さくて成長が遅いことが多いです。大きく育てたい場合は、他の販売店で大きめの苗を買う方が良いかもしれません。
    種類 ダイソーで買える苗はカレーリーフの種類が分からないことが多いです。カレーリーフには様々な品種があり、葉の形や香りや味に違いがあります。特定の品種を求めている場合は、他の販売店で確認して買う方が良いかもしれません。

    ダイソーでカレーリーフの苗を買うメリットは、安くて手軽に入手できることです。しかし、デメリットがある可能性についても考慮に入れて購入を検討してみてくださいね。

    カレーリーフの苗はホームセンター(カインズ・コーナン)に売ってるのか

    ホームセンターではカレーリーフの苗を売っていることがあります。しかし、在庫や店舗によって異なるため、必ずあるという保証はありません。

    ホームセンターでカレーリーフの苗を買う場合は以下の点に注意しましょう。

    注意点
    品質 ホームセンターで買える苗は、比較的品質が高いことが多いです。葉色が良くて元気なものが多く見られます。しかし、時々枯れかかっていたり虫食いされていたりするものもあるので、その際は購入しない方が無難です。
    大きさ ホームセンターで買える苗は大きさが様々です。小さくて安いものから大きくて高いものまであります。予算や目的に合わせて選びましょう。
    種類 ホームセンターで買える苗はカレーリーフの種類が分かることが多いです。ラベルに品種名や特徴などが書かれています。特定の品種を求めている場合は、確認して買う方が良いでしょう。

    ホームセンターでカレーリーフの苗を買うメリットは、品質や大きさや種類が選べることです。しかし、デメリットは、値段が高めであることや在庫が不安定であることが挙げられます。

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    カレーリーフを鉢植えで育てる方法

    カレーリーフは鉢植えで育てることができます。鉢植えで育てる場合で特に注意が必要な点は、鉢の大きさが挙げられます。

    カレーリーフは根が深く伸びる傾向があるので、深めの鉢を選びましょう。鉢の素材は陶器やプラスチックなど何でも構いませんが、水はけの良さや重さなどを考慮して選びましょう。

    鉢の置き場所は、カレーリーフ栽培の環境の項でもお伝えしたとおり、直射日光が当たる場所に置きましょう。ただし、真夏の強い日差しや冬場の低温に注意しましょう。

    次に、カレーリーフの苗の植え替え時期と方法と注意点についてお伝えします。

    カレーリーフの苗の植え替え時期と方法

    カレーリーフは鉢の大きさに合わせて大きくなるので、生育に合わせて植え替えが必要です。植え替えをすることで、根が健康になり、葉の成長や香りも良くなります。

    カレーリーフの苗の植え替えは春か秋の気温が20℃以上、30℃以下の時期が適しています。夏は暑すぎて根が傷みやすいですし、冬は寒すぎて根が伸びにくいので避けるようにします。

    です。植え替えの方法は以下のとおりです。

    1. 鉢の底に網と鉢底石を敷き水はけを良くする。
    2. 新しい鉢に用土を入れる。
    3. 古い鉢からカレーリーフの苗を抜き取る。
    4. 新しい鉢にカレーリーフの苗を植え付けて軽く押し固める
    5. 水抜き穴から水が出るまでたっぷりと水やりをする。
    6. 日光に当てます。最初は半日陰から始めて徐々に日光量を増やす。

    上記の方法で、1~2年に1回程度の頻度で植え替えを行うようにしましょう。

    カレーリーフの花が咲く時期

    カレーリーフの花

    カレーリーフの花は白色で小さくて目立ちませんが、甘い香りがします。

    花が咲く時期は春から夏ですが、すぐに咲くことは無く、3年目から4年目くらいに花が咲き始めます。

    カレーリーフの花は、そのまま楽しんだり、収穫して料理に使ったりできます。花は生葉と同じようにカレーなどの料理に風味を加えることができます。

    カレーリーフの室内での育て方

    カレーリーフは、冬場や寒冷地では室内で育てる必要があります。室内で育てる場合は以下の点に注意しましょう。

    要素 注意点
    日光 カレーリーフは日光が大好きなので、窓際など明るい場所に置きましょう。ただし、直射日光が当たると葉焼けすることがあるため、その場合はカーテンなどで調節しましょう。
    気温・室温 カレーリーフは低温を嫌います。気温が10℃以下になると葉が落ちたり枯れたりすることがあるので、暖房器具などで調節が必要です。
    湿度 カレーリーフは乾燥を好みます。室内では湿度が高くなることがあるので、除湿器や換気扇などで調節が必要です。
    水やり カレーリーフは乾燥耐性が高いですが、完全に乾かすと枯れることがあります。水やりは土の表面が乾いたら行います。一度にたっぷりと与えるよりも、少しずつ頻繁に与える方が良いです。
    肥料 カレーリーフは肥料切れすると葉色が悪くなったり枯れたりすることがあるので、肥料は春から秋まで月1回程度与えます。液体肥料や有機肥料などがおすすめです。

    カレーリーフの剪定・摘心方法と目的・時期

    カレーリーフは、剪定や摘心をすることで、葉の成長や香りを良くし、樹形も整えることができます。

    剪定はカレーリーフの生育にとって大切な作業ですが、摘心も同様に重要です。摘心は成長している先端を摘み取ることで、脇芽の発芽成長を促し、枝の数や葉の収穫量を増やすことができます。

    カレーリーフは先端優勢(頂芽優勢)という性質を持っており、幹の先端にある芽が優先的に成長するため、枝が伸びすぎて葉が少なくなったり、樹形が乱れたりします。

    また、冬に葉や枝が傷むと幹から落ちてしまい、新芽が幹の先端にしか出なくなることもあります。

    剪定・摘心をすることで、以下のような効果が期待できます。

    • 葉の数や香りを増やす
    • 樹形を整える
    • 根の健康を保つ
    • 花や種子を付ける
    • 剪定・摘心の時期

    剪定・摘心の具体的な方法は次のとおりです。

    1. 鋭利なハサミを用意して消毒する。
    2. 剪定は幹や枝の分岐点(節)より下に葉がついていない部分を切り落とす。
    3. 剪定は幹や枝が密集している部分を間引きする。
    4. 剪定は幹や枝の先端にある芽(頂芽)も摘み取る。
    5. 摘心は成長している先端だけを摘み取る。
    6. 剪定・摘心した部分から新芽が出るまで水やりを控えめにする。

    以上がカレーリーフの剪定・摘心方法と目的・時期です。剪定・摘心後は新芽が次々と出てきて葉が茂ります。

    なお、カレーリーフの剪定・摘心の時期は、春か秋の気温が20度以上、30度以下の時期が適しています。夏は暑すぎて根が傷みやすく、冬は寒すぎて根が伸びにくいため避けるようにします。

    目安としては、剪定は1~2年に一回、摘心は暑いうちであればいつでもできますが、特に新芽が出始めた頃がおすすめです。

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    カレーリーフの冬越しの方法

    カレーリーフは熱帯地方原産の植物で、寒さに弱く最低気温が5℃以下になると枯れる恐れがあるので冬越しはとても重要になります。

    室内で管理する場合は、前述の「カレーリーフの室内での育て方」を参考にしてください。

    作業 冬越しの方法
    葉の収穫 冬になると葉の色や香りが落ちるので、収穫できるだけ葉を収穫しておきましょう。葉柄を付け根から折り取るかハサミで切り取ります。
    剪定 翌年の新芽を早く芽吹かせるためにも、剪定を早めにしておきましょう。剪定は幹や枝の分岐点より下に葉がついていない部分を切り落とします。
    鉢の置き場所 土が凍らないように、室内や温室などに移動させましょう。最低気温が10℃付近になる場合は、室内で管理したほうが安全です

    冬越し中は、土が過乾燥しないように水やりをしますが、葉が少ない状態では水分の消費量が少ないので控えめにしましょう。土が乾いていなければ水やりは不要です。

    気温が低くなると葉が黄色くなって落ちることがありますが、これはカレーリーフの自衛反応で、落葉後も根は生きているので心配はいりません。

    カレーリーフを挿し木で増やす方法と時期

    カレーリーフは、挿し木で増やすことができます。挿し木で増やすことで、親株と同じ品種のカレーリーフを手軽に増やせます。

    挿し木に適した時期は春から夏です。成長期に挿し木することで、根付きやすくなります。

    挿し木で増やす方法は以下のとおりです。

    1. 挿し木用のポットに土を入れる。(ポットは直径10cm程度のものが適しています)
    2. 土を湿らせる。
    3. 親株から枝を切り取る。(切る枝は太さが1cm程度で長さが10cm程度のものが適しています)
    4. 切った枝の下部から葉を取り除く。(残す葉は上部の2~3枚だけ)
    5. 切った枝の下部に発根促進剤を塗る。
    6. 切った枝をポットに挿す。(深さは3~4cm程度で十分です)
    7. ポットを直射日光は避け、明るく暖かい場所に置く。
    8. 土が乾かないように水やりをする。
    9. 約1ヶ月から2ヶ月すると枝から根が出る。
    10. 根が出たら日光に当てるようにする。
    11. 最初は半日陰から始めて徐々に日光量を増やす。

    以上の手順でカレーリーフを挿し木で増やすことができます。

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    カレーリーフの実の収穫時期と方法

    カレーリーフは、花が咲いた後に実がなります。実は緑色から黒色に変わると収穫できます。

    カレーリーフの実の収穫時期と方法は以下の通りです。

    • 時期:秋から冬にかけて、実が黒く熟したら収穫します。
    • 方法:枝先をハサミなどで切り取ります。切った実は乾燥させて保存します。

    カレーリーフの実はそのまま食べることもできますが、苦みが強いので料理に使う場合は種を取り除いて使います。種は乾燥させて保存することもできます。

    カレーリーフが枯れた時の復活方法

    カレーリーフが枯れてしまった場合、以下の方法で復活させることができる可能性があります。

    補足
    剪定 カレーリーフが枯れた部分は剪定して取り除きましょう。剪定することで新芽や新葉の発生を促進できます。
    根洗い カレーリーフが根腐れしている場合は根洗いを行います。

    根洗いの方法は以下のとおりです。

    1. 根を傷つけないように鉢からカレーリーフを抜き取る
    2. 水道水かぬるま湯で根から土を洗い流す
    3. 根腐れした部分や傷んだ部分を切り落とす
    4. 新しい鉢と用土を用意して植え付ける
    5. 水やりをする

    なお、カレーリーフが枯れた原因については、水やり不足や水やり過多、低温や高温、病気や虫害など様々です。

    上記、「カレーリーフに適した環境」の項を参考に環境を整えましょう。

    カレーリーフの育て方に関するQ&A

    ここでは、カレーリーフの育て方に関するQ&A(質問&回答)を紹介します。

    • カレーリーフの種や苗木の販売店は?どこで買えるのか
    • カレーリーフがひょろひょろしている時の対策は?
    • カレーリーフ栽培で気を付けるべき病害虫は?

    上記の問いについて詳しく回答していますので、参考にしてみてくださいね。

    カレーリーフの種や苗木の販売店は?どこで買えるのか

    カレーリーフの種や苗木は、先述したとおりダイソーやホームセンターで販売されていることがあります。

    そのほか、ガーデニングショップやインターネット通販で購入することができます。

    ただし、お住まいの地域によっては販売されていなかったり、ネット通販の配送先地域外になってしまうことがあります。

    カレーリーフがひょろひょろしている時の対策は?

    カレーリーフがひょろひょろしている時の原因と対策は以下のとおりです。

    原因 対策
    日光不足 直射日光が当たる場所に移動させましょう。
    水やり不足 土が乾いたらたっぷりと与えるようにします。
    根詰まり 深めの鉢に用土を入れて植え替えをします。
    根腐れ 根から土を洗い流して傷んだ部分を切り落とします。
    病害虫 市販の殺菌剤や殺虫剤などを使って対処します。

    カレーリーフ栽培で気を付けるべき病害虫は?

    カレーリーフ栽培で気を付けるべき病害虫は以下のとおりです。

    病害虫 防除 防止
    アブラムシ 手で取ったり水で洗い流すほか、ニンニクやタバコなどの水に浸した液体を散布することも効果的です。 アブラムシは弱った植物に付きやすいため、日光・水やり・肥料などを適切どを適切に管理することで防止できます。
    カビ 湿気が多いと発生しやすいです。カビが発生すると、葉や茎に白いふわふわしたものが見られます。 水やり・換気・日光などを適切に管理することで防止できます。

    まとめ:カレーリーフの育て方のポイント

    インド料理に欠かせないスパイスであるカレーリーフの育て方についてお伝えしました。

    カレーリーフは日当たりと水やりに気を付ければ、室内でも鉢植えで育てられますし、挿し木や種まきで増やすことも可能です。

    この記事では、カレーリーフの苗の選び方や植え方、管理方法などを紹介しました。

    カレーリーフを自宅で育てて新鮮なカレーリーフの香りと味を楽しんでみてくださいね。収穫したては格別ですよ。

     

    【補足】

    カレーリーフ好きの方にはカレープラントもおすすめ!

    カレープラントの育て方についてはこちらのページでご紹介しています。

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  • 蚊よらず(サザンウッド・アルテミシア)の育て方|挿し木の増やし方についても

    蚊よらず(サザンウッド・アルテミシア)の育て方|挿し木の増やし方についても

    蚊よらず(サザンウッド・アルテミシア)は、ゼラニウムとシトロネラ草を交配して作られたハーブで、蚊が嫌うシトロネラールという香り成分を持っているのが大きな特徴です。

    蚊よけに効果がある植物はいくつかありますが、その中でも蚊よらずの効果は最強と言われる効果があるので、蚊の対策に家庭菜園や室内に置いておきたいという方はきっと多いと思います。

    この記事では、そんな蚊よらずの育て方について、初心者にもわかりやすく種まきから剪定まで詳しくご紹介しますので、蚊よらず栽培の参考にしてみてくださいね。

    ※なお、「カヨラズ」「サザンウッド」「アルテミシア」といった別名で呼ばれることもありますが、いずれも蚊よらずと同じなのでここでは「蚊よらず」として表記することにします。

    蚊よらずの種まき時期と方法

    栽培カレンダー(蚊よらず・サザンウッド)

    蚊よらず(サザンウッド・アルテミシア)の種まき時期は、春(3月)から夏(5月頃)にかけてです。

    3月から5月にかけては室内でポットに種まきし、発芽後に日当たりの良い場所に移動します。6月から8月にかけては、直接屋外でポットやプランターに種まきすることができます。

    蚊よらずの種まき方法は、以下のとおりです。

    1. 種まき用の土を用意する。
    2. 種を土の上にまんべんなく撒く(種は小さいので深く埋めないようにする)
    3. 種の上に薄く土をかけて軽く抑える。
    4. 土が乾かないように霧吹きなどで水やりします。
    5. ポリ袋やラップなどで覆って保温(気温が15度以上になるように)する。
    6. 発芽するまで毎日水やりをする。(カビが生えないように注意する)
    7. 発芽したらポリ袋やラップを外し、日当たりの良い場所に移動する。
    8. 本葉が4枚以上になったら間引きする。

    間引いた苗は別のポットに植え替えることができます。

    蚊よらず栽培に適した環境(用土づくり・水やりと肥料の与え方)

    種まきが終わったら蚊よらず栽培に適した環境を整えましょう。

    蚊よらずは、日当たりの良い場所と乾燥を好む植物です。夏の暑さにも強いですが、高温多湿には弱いので風通しの良い場所がおすすめです。

    冬は凍らせないように、寒冷地では霜が降りる前に室内に取り込んだり、ビニールなどで覆って保温したりしましょう。

    用土づくりや水・肥料の与え方のポイントを以下にお伝えします。

     

    【用土づくり】

    蚊よらずは、水はけの良い土を好むので、市販の培養土を使う場合は、赤玉土やパーライトなどを多めに混ぜて排水性を向上させましょう。

    自分で用土を作る場合は、赤玉土と腐葉土と砂を3:2:1の割合で混ぜると良いです。

     

    【水やり】

    水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりと行います。水やりの回数は季節や気温によって変わり、夏の暑い時期は朝と夕方に1回ずつ、冬の寒い時期は、土が乾いてから数日後に水やりをするくらいが目安です。

    水やりの際は根元から水を与えるようにし、水やり過ぎや過湿に注意しましょう。

     

    【肥料の与え方】

    肥料は、3要素(窒素・リン・カリウム)がバランス良く配合された一般的なもので構いません。

    肥料の時期は3月中旬~7月下旬と9月中旬~10月下旬です。液体肥料なら月に一回程度、粒状肥料なら2~3ヶ月に一回程度与えるくらいが良いでしょう。

    肥料を与えすぎると、花付きが悪くなるので注意が必要です。

    蚊よらずの地植えの時期と方法

    蚊よらずは、鉢植えでも育てることができますが、地植えにするとより元気に育ちます。蚊よらずの地植えの時期と方法をご紹介します。

    蚊よらずは、春と秋に植え付けるのがおすすめです。

    春に植え付ける場合は、3月~5月、秋に植え付ける場合は10月頃が適期です。夏は暑さに強いですが、高温多湿には弱いので、植え付けには向きません。

    蚊よらずの地植えの方法は以下のとおりです。

    1. ポット苗の2~3倍の大きさ程度の植え穴を掘る。
    2. ポットから苗を取り出して根をほぐす
    3. 苗を植え穴に入れて土をかぶせる
    4. 根元から水をたっぷりと与える

    以上が、蚊よらずの地植えの時期と方法です。蚊よらずは地植えにすると根が広がって香りが強くなります。

    蚊よらずを地植えして、自然な蚊よけ効果と爽やかな香りを楽しみたいですね。

    蚊よらずを鉢植え・プランターで育てる方法

    蚊よらずは、地植えにすると根が広がって香りが強くなりますが、鉢植えやプランターでも十分に育てることができます。

    蚊よらずの鉢植えやプランターの選び方は以下のとおりです。

    1. ポット苗の2~3倍の鉢・プランターを用意する。
    2. 水はけの良い土を入れる。
    3. 苗を鉢・プランターに植え付ける。
    4. 水をたっぷり与える。
    5. 日当たりと風通しの良い場所に置く。

    なお、鉢やプランターの素材は、陶器やテラコッタなどの通気性の良いものを選びましょう。プラスチックなどの素材は、水分が蒸発しにくく、過湿になりやすいので陶器やテラコッタに比べると育てにくくなります。

    また、根が詰まって水はけが悪くなると根腐れの原因になるので、鉢やプランターには必ず穴を開けて、排水性を良くしておきましょう。

    蚊よらずの植え替え時期と方法

    蚊よらずを鉢植えやプランターで育てていると、いくら排水性を良くしていても段々と根が詰まって水はけが悪くなってしまいます。

    そのため、1~2年に1回程度のタイミングで根鉢の底と肩を軽くほぐして一回り大きな鉢やプランターに植え替えることが必要です。

    植え替え時期は、蚊よらずの生育が活発で新しい土にもすぐに馴染みやすい5月中旬~9月中旬頃が適しています。気温が15度以上ある頃から始めるようにすれば問題ありません。

    なお、蚊よらずは冬場は寒さに弱いので、植え替えは避けましょう。

    蚊よらずの植え替え方法は以下のとおりです。

    1. 古いものの2~3倍の大きさの鉢・プランターを用意する。
    2. 古い鉢やプランターから蚊よらずを抜き取る。
    3. 根鉢の底と肩を軽くほぐして、古い土を落とす。
    4. 新しい鉢やプランターに市販の培養土を入れる。
    5. 新しい鉢やプランターの中央に蚊よらずを置く。
    6. 根元から少し上がるくらいに土を盛る。
    7. 土が崩れない程度に固める。
    8. 水が流れ出るまでたっぷりと与える。
    9. 日当たりの良い場所に置く。

    以上が、蚊よらずの植え替え時期と方法です。

    蚊よらずは植え替えで根が伸びて香りが強くなるので、虫除け効果をアップさせられます。

    蚊よらずの花が咲く時期

    蚊よらずは、蚊を寄せつけないだけでなく、かわいらしいピンク色の花も咲かせます。

    蚊よらずの花は5月頃から咲き始め、夏にかけて次々と花が開きます。花は小さくて目立ちませんが、淡いピンク色で可憐な印象です。花は8月頃まで楽しむことができます。

    なお、花が咲く前と咲いた後に切り戻しをすると、蚊よらずの効果を最大限に得られるので、面倒でも行うようにしたいですね。

    具体的な方法や効果については切り戻しの項をご参照ください。

    蚊よらずの室内での育て方

    蚊よらずは、室内で育てることもできます。

    室内で蚊よらずを育てる方法は以下のとおりです。

    • 蚊よらずは日光を好むので、日が当たる窓辺に置く。
    • 寒さに弱いので、冬場は暖房器具の近くに移動する。
    • 蚊よらずは乾燥を好むので、水やりは控えめにする。
    • 土が乾いたらたっぷりと水やりをする。
    • 水やりの回数は夏は2~3日に1回、冬は1週間に1回程度にする。
    • 蚊よらずは風通しを好むので、定期的に換気をする。

    注意点としては、蚊よらずを他の植物と一緒に置かない点が挙げられます。蚊よらずの強すぎる香りが他の植物に影響を与える可能性があるためです。

    あとは花の時期の前後に切り戻しを行うことで、蚊よけ効果が得られつつ元気に育てることができるでしょう。

    蚊よらずを水耕栽培で育てる方法

    蚊よらずは、水耕栽培で育てることもできます。

    水耕栽培で蚊よらずを育てる手順は以下のとおりです。

    1. 蚊よらずの茎を5~10cm程度に切り取る。
    2. 葉を半分程度落とす。
    3. 切り口を乾かした後、発根剤をつけてガラス瓶などに挿す。
    4. ガラス瓶に入れた挿し木は日当たりの良い場所に置く
    5. ガラス瓶の水位が下がったら水を補充する。
    6. 約2~3週間で発根する。
    7. 発根した挿し木を水耕栽培用の容器に移植する。

    上記の手順で蚊よらずの水耕栽培ができます。

    蚊よらずは、水耕栽培の方が必要な栄養素を効率的に吸収できるため、香り成分のシトロネラールが増えて香りが強くなるという報告があります。

    屋内の蚊対策としては、水耕栽培を行って香りを強くした方が効果は得やすいので、水耕栽培も検討してみてくださいね。

    水耕栽培のやり方はこちらをご参照ください。

    [surfing_other_article id=”345″]

    蚊よらずを剪定・切り戻しする方法と目的・時期

    まず、蚊よらずを剪定・切り戻しする目的ですが、主に以下の3つがあります。

    No. 目的 補足
    1 香りを強くする 蚊よらずの香りは、新しい芽から出るので、古い茎や葉を切って新しい芽を出させることで香りが強くなります。香りが強くなれば、虫除け効果も高まります。
    2 見た目をきれいにする 放っておくと茎が伸びすぎてボサボサになってしまいます。茎が長くなると花も咲きにくくなります。
    3 健康に育てる 枯れた葉や茎を切って風通しを良くすることで根の健康を保ちます。

    剪定・切り戻しする手順は以下の通りです。

    1. 枯れた茎や葉を切り落とす。
    2. 伸びすぎた茎や枝分かれした茎を適度な長さに切り詰める。
    3. 切った部分から新しい芽が出るので、その芽の数や向きに合わせて形を整える。
    4. 切った茎や葉は土から取り除く

    切り詰める際は、茎の先端から3~4節目(節とは茎から葉や芽が出る部分のことです)の間で切るようにします。

    ハサミは刃が鋭利で錆びていないものを使います。刃が鋭利であれば、植物の茎や葉をキレイに切ることができます。錆びていなければ、植物に病気を移す心配がありません。

    なお、剪定・切り戻しは春と夏に行うようにします。時期ごとの留意点も併せてお伝えします。

    時期 留意点

    (3月~4月)
    冬の間に伸びすぎた茎や枝分かれした茎を整えます。春先から新芽が出始めるので、その前に剪定しておきます。春の剪定は大胆に行っても大丈夫です。

    (7月~8月)
    花後や新芽が出た後に行います。夏は虫除け効果が必要な時期なので、香りを強くするために新芽から出るシトロネラール成分を増やすことが目的です。夏の剪定は控えめに行いましょう。

     

    蚊よらずの夏越しの方法

    蚊よらずは、夏は暑さに強く夏越しはそれほど難しくありませんが、以下の点に注意して育てると良いでしょう。

    必要なもの やり方
    日光 日当たりの良い場所で育てましょう。直射日光でも大丈夫ですが、真夏の強烈な暑さに関しては半日陰に移動した方が良い場合もあります。
    風通し 高温多湿には弱いので風通しの良いところに置きます。長雨に当たると草姿が乱れたり腐る可能性があるので、屋根の下や室内に移動すると良いでしょう。
    水やり 乾燥を好むので、水やりは土が乾いたらたっぷりと行います。2日~3日は水をやらなくても大丈夫です
    肥料 3要素(リン、カリウム、窒素)がバランス良く配合された一般的な肥料を使います。肥料の時期は3月中旬~7月下旬、9月中旬~10月下旬に与えますが、液体肥料なら月に1回程度、粒状肥料なら2~3ヶ月に1回程度与えるくらいが適しています。

    蚊よらずの耐寒性と冬越しの方法

    蚊よらずの耐寒性は低く、気温が5℃以下になると枯れてしまう可能性があるので、冬越し対策は欠かせません。

    冬越しのポイントを以下にまとめました。

    必要なもの やり方
    温度 冬は0℃以下にならないように注意しましょう。霜や凍結に弱いので、室内で管理するのがおすすめです。室内の日が当たる場所に移動するようにします。
    水やり 室内で管理する場合は水やりは控えめにします。土が乾いてから少量ずつ与えます。
    剪定 冬は休眠期なので剪定は必要ありません。春になって新芽が出始めたら切り戻しを行います。

    温暖地であれば、屋外でもビニールや不織布などでマルチングしても問題ありませんが、それ以外の地域であれば室内へ取り込むようにします。

    また、冬期間は肥料は与えないようにしましょう。

    蚊よらずの増やし方

    蚊よらずの増やし方は以下の方法があります。

    • 挿し木・挿し芽で増やす方法
    • 株分けで増やす方法

    それぞれの増やし方についてお伝えします。

    挿し木・挿し芽で増やす方法と時期

    挿し木・挿し芽で増やす方法と時期は以下のとおりです。

    増やし方 やり方 時期
    挿し木 新芽で伸びた茎を約5cmにカットして、切り口近くの葉を落とします。水に浸した後、発根促進剤を塗って土に挿します。 4月~7月が適期
    生育期の前のため、切り取った挿し穂の切り口から根が出やすい。
    挿し芽 草花などの茎を約7cmにカットして、切り口近くの葉を落とします。水に浸した後、発根促進剤を塗って土に挿します。 花が終わった頃が適期
    生育期の前のため、切り取った挿し穂の切り口から根が出やすい。

    株分けで増やす方法と時期

    蚊よらずは、株分けで増やすこともできます。株分けの方法は以下のとおりです。

    1. 鉢から植物を抜き出して、根をほぐします
    2. 根が絡まっている場合はナイフやハサミで切り離す。
    3. 根が2~3本以上あるように分ける
    4. 分けた株を別の鉢に植え付けて水やりをする。

    株分けで増やす時期は、春か秋が適期です。この時期は気温が適度で、植物のストレスが少ないためです。

    以上が、蚊よらずを挿し木・挿し芽・株分けで増やす方法と時期です。上手に行ってどんどん蚊よらずを増やしてみてくださいね。

    蚊よらずの使い方

    蚊よらずの使い方としては香りを楽しむことができますが、やはり一番は蚊除け効果を得ることでしょう。

    蚊よらずの地植えにすると根が広がって香りが強くなるのでできれば地植えが望ましいですが、蚊よけ効果を得たい場所に移動できる鉢植えにしておくと使いやすいメリットはありますね。

    蚊よらずの香りは、葉をこすると増すので蚊除け効果は高くなりますし、葉を水にさして室内に置くと、香り成分のおかげで虫よけになるので、使い方の幅が広がります。

    また、蚊よらずの葉を摘んで乾燥させると虫除けのポプリを作ることも可能です。

    蚊よらずの育て方に関するQ&A

    ここでは、蚊よらず(サザンウッド・アルテミシア)の育て方に関するQ&A(質問&回答)を紹介します。

    • 蚊よらずが枯れる主な原因は?
    • 蚊よらずの寄せ植えのコツやポイントは?
    • 家庭菜園で栽培したら蚊が来ない庭になる?
    • 蚊よけ植物で最強は蚊よらず?
    • 蚊よらずに猫や犬が寄ってくることはある?
    • 蚊よらずは常緑の植物なの?

    上記の問いについて詳しく回答していますので、参考にしてみてくださいね。

    蚊よらずが枯れる主な原因は?

    蚊よらずが枯れる主な原因は、以下のようなものが考えられます。

    枯れる原因 対策
    水やりのしすぎ 蚊よらずは乾燥を好み過湿を嫌います。水やりのしすぎは根腐れの原因になります。
    水やりは土が乾いたらたっぷりと行い、鉢底から水が出たら余分な水は捨てましょう
    直射日光の当たりすぎ 蚊よらずは日光を好みますが、真夏の直射日光は葉焼けや枯れの原因になります。
    夏場は半日陰に移動したり、日よけをしたりしましょう。
    寒さの影響 蚊よらずは冬の寒さに弱く、霜や凍結にあたると枯れてしまいます。
    冬場は室内に取り込んだり、防寒対策をしたりしましょう。

     

    蚊よらずの寄せ植えのコツやポイントは?

    蚊よらずの寄せ植えのコツやポイントは、以下のようなものが考えられます。

    ポイント 補足
    蚊よらずと相性の良い植物を選ぶ 蚊よらずはゼラニウムやシトロネラと交配して作られたハーブなので、同じく蚊を寄せ付けない香りを持つハーブと相性が良いです。
    例えば、レモンバーム、レモングラス、ローズマリー、タイム、ペパーミント、ラベンダーなどがおすすめです。
    鉢やプランターのサイズや配置に注意する 蚊よらずは根が詰まると弱る性質があるので、大きめの鉢やプランターで寄せ植えるのが望ましいです。
    また、根の発達が早いので端の方に植えた方が良いでしょう。
    蚊よらずの香りを強くする 蚊よらずは葉をこすると香りが増すので、水やりや手入れの際に葉に触れると蚊よけ効果が高まります。
    蚊よらずは新芽からより強い香りが出るので、花がらや枯れた葉は摘み取って新芽を出させましょう。摘み取った部分から新芽が出て、大きく育ちます。

     

    家庭菜園で栽培したら蚊が来ない庭になる?

    家庭菜園で蚊よらずを栽培したら蚊が来ない庭にさせられる可能性はあります。

    ただ、蚊よらず以外の要因によっても影響されるので、以下のようなポイントを抑えてるようにすると蚊が来ない庭に近づくでしょう。

    • 蚊が嫌う植物を選ぶ
    • 蚊の発生源を減らす
    • 蚊の隠れ場所を減らす

    蚊は強い香りを嫌うので、ハーブ類や芳香植物を庭に植えると蚊よけになります。レモンバーム、レモングラス、ローズマリー、蚊連草、タイム、ペパーミント、ラベンダーなどがおすすめです。

    これらの植物は葉をこすると香りが強くなるので、手入れの際に葉に触れると効果的です。

    また、蚊は水の中で卵を産み幼虫や蛹になるので、庭に水が溜まりやすい場所があればこまめに水を捨てたり、水受け皿や鉢底石などを使って水が溜まらないようにしましょう。

    そのほか、庭に雑草や枯れ葉が多いと蚊の隠れ場所になるので、定期的に除草や掃除をほか、庭木や生垣は剪定して風通しを良くすると蚊が住みにくい庭にできるでしょう。

    蚊よけ植物で最強は蚊よらず?

    蚊よらずは、ゼラニウムとシトロネラを交配させて、蚊が嫌うシトロネラールという成分を多く含むように人工的に作られた植物です。

    蚊よけ効果のある植物としては、蚊連草、ニーム、ラベンダー、レモンバーム、レモングラス、ローズマリー、タンジー、タイム、ペパーミントなどがありますが、その中でも蚊よらずが最強だとされています。

    蚊よらずに猫や犬が寄ってくることはある?

    蚊よらずは蚊が嫌う香りを出しますが、この香りは猫や犬にとっては魅力的に感じるようで猫や犬が寄ってくることがあります。

    特に猫はハーブの中でもキャットニップやレモングラスなどレモン系の香りに反応する傾向があり、蚊よらずもレモン系の香りを持つため、猫が好んで匂いを嗅いだり、葉を食べたりすることが確認されています。

    犬も同様に、蚊よらずの香りに興味を示すことがあります。犬は嗅覚が優れているため、様々な匂いに反応します。

    また、犬は草を食べることで消化を助けたり、胃の不調を改善したりすることがあります。蚊よらずも草の一種なので、犬が食べてみたくなることもあるでしょう。

    蚊よらずは人間やペットに有害な成分を含んでいるわけではありませんが、過剰に摂取すると吐き気や下痢などの副作用を引き起こしたり、アレルギー反応を起こす可能性もあるので注意が必要です。

    蚊よらずは常緑の植物なの?

    蚊よらずは常緑の植物ではありません。寒さに弱く冬には枯れてしまいます。

    夏期の蚊よけ対策として、春に種まきをして準備をしておく必要があります。

    まとめ:蚊よらず(サザンウッド・アルテミシア)の育て方のポイント

    蚊を遠ざける効果があるハーブ「蚊よらず」の育て方についてご紹介しました。

    育て方は難しくないので初心者にもおすすめのハーブですが、植え付け時期や剪定・切り戻しの方法など、いくつかのポイントを押さえておくと良いでしょう。

    蚊の対策として、家庭菜園だけでなく屋内でも育てたいという方は多いと思いますが、室内での栽培も可能ですし、水耕栽培でも育てられるので挑戦してみてくださいね。

    蚊よけ植物の中で最強と言われる蚊よらずを上手に活用する際の参考にしていただけたらと思います。

     

    蚊よけのハーブとしては蚊連草もおすすめ。爽やかな香りを楽しみながら蚊よけができるハーブです。

    蚊連草の育て方について、こちらのページで詳しくお伝えしています。

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  • キャットニップ(イヌハッカ)の育て方|室内の栽培方法や種まきについて

    キャットニップ(イヌハッカ)の育て方|室内の栽培方法や種まきについて

    キャットニップは、別名西洋マタタビとも呼ばれネコが大好きなハーブとして有名ですが、人間にもリラックス効果があります。

    愛猫家をはじめとして多くの方が興味を持っており、育て方は簡単か室内でも栽培できるかと聞かれることが多い植物です。

    キャットニップは自宅で簡単に育てることができますが、いくつかのポイントを押さえておくとより良い成長を期待できるでしょう。

    この記事では、キャットニップの種まきから収穫までの育て方を詳しくお伝えしていますので、キャットニップを育ててみたい!という方はぜひ参考にしてみてくださいね。

    キャットニップの種まき時期と方法

    キャットニップ(イヌハッカ)の種蒔きは春(3月~4月)と秋(9月中旬~10月中旬)の年2回行うことができます。

    発芽温度は15℃~25℃なので、気温がこの範囲内に入る時期に行うのが良いです。

    ただし、気温が高すぎる夏場は避けたほうが良いでしょう。

    キャットニップの種は小さくて細かいので、まずは育苗ポットに入れた培養土の表面に2~3ヶ所浅いくぼみをつけて、くぼみの中に1粒ずつ種をまきます。

    軽く土で覆った後に霧吹きで優しく水やりを行い、土が乾かないように湿らせます。

    種まき後は、日当たりの良い場所に置きます。

    1週間~2週間ほどすると発芽してくるので、本葉が5~6枚生えてきた頃に生育状態の良い株を残して間引きます。その後、草丈が15cmほどに育ったら鉢や庭に植え付けましょう。

    キャットニップ栽培に適した環境(用土づくり・水やりと肥料の与え方)

    種まきを行ったらキャットニップ(イヌハッカ)栽培に適した環境づくりを行います。

    キャットニップ栽培に適した環境は、日当たりが良く水はけの良い用土です。

    キャットニップは、水はけがよければ土質はあまり選ばない丈夫なハーブですが、酸性の土は嫌うため、用土づくりをする場合は、以下の点に注意してください。

    1. 地植えの場合は、植え付けの2週間前に苦土石灰を混ぜて酸度を中和する。
    2. 腐葉土を混ぜて通気性をよくする。
    3. 水はけの悪い土の場合は、川砂を混ぜるなどして改善する。

    土を自作する場合は、赤玉土7:腐葉土3の基本的な配合の培養土を作り、少量の苦土石灰も混ぜておきましょう。草花用の培養土やハーブ専用の土を使うと手軽で便利です。

    水やりは土の表面が乾いたら行います。水やりの際は、根元からたっぷりと与えます。水やりの回数は季節や気温によって調整します。

    肥料は必要ありませんが、より旺盛な生育を促したい場合は、液体肥料を月に1回程度与えます。肥料は薄めに作ってください。

    また、花期に入る前に一度だけ緩効性肥料を施すこともできます。

    キャットニップの地植えの時期と方法

    キャットニップ(イヌハッカ)の地植えの時期は、春から秋までです。ただし、霜が降りる寒冷地では冬場は地植えではなく鉢植えにして室内に入れる必要があります。

    また、種まきと同様に気温が高すぎる夏場に地植えするのは避けた方が良いでしょう。

    地植えする場合は、株間を30cm~40cm程度あけて植え付け、水やりや除草などの管理を行います。

    キャットニップを鉢植え・プランターで育てる方法

    キャットニップ(イヌハッカ)を鉢植え・プランターで育てる方法もあります。鉢植え・プランターで育てる場合は、鉢底に穴があるものを選びます。

    鉢の中に鉢底石や赤玉土などを敷いて水はけを良くします。用土は市販の培養土や赤玉土などを混ぜて使います。

    鉢植え・プランターで育てる場合も日当たりの良い場所を選びます。

    水やりや肥料などの管理は地植えの時と同じで良いですが、鉢植え・プランターでは水分や栄養分が失われやすい点には注意してください。

    キャットニップの植え替え時期と方法

    キャットニップ(イヌハッカ)を鉢植えしている場合、根が鉢からはみ出すと成長が止まってしまうため、根が鉢からはみ出したら、大きめの鉢に植え替える必要があります。

    なお、キャットニップのの植え替え時期は春に植え替える場合は芽が出る前、秋に植え替える場合は、花が終わった後に行います。

    植え替える方法は以下のとおりです。

    • 水やりをしてから鉢から抜き取る。
    • 根球を崩さないように注意しながら古い用土を落とす。
    • 新しい用土を入れた鉢に根球を入れる。
    • 根元から水やりをして固定します。
    • 日陰に置いて様子を見ます。

    なお、地植えの場合は、株分けをして移植することもできます。

    キャットニップの花が咲く時期

    キャットニップ(イヌハッカ)の花は時期は夏から秋にかけて咲きます。

    花穂が伸びて小さな花が密集して咲き、花色は白やピンク、紫などがあります。

    キャットニップの花も猫に好まれる香りがありますが、人間にとっても美しい香りがします。花期中は切花として楽しむこともできます。

    なお、花が咲く前に液体肥料を与えると花付きが良くなるので、長く花を楽しみたい方は開花前に液体肥料を与えると良いです。

    キャットニップの室内での育て方

    ャットニップ(イヌハッカ)は室内でも栽培可能です。室内で育てる場合は以下の点に注意してください。

    • 日当たりの良い窓辺などに置く。
    • 水やりは土が乾いたら行うようにする。
    • 室内では乾燥しやすいので霧吹きなどで葉水を与える。
    • 肥料は液体肥料を月に1回程度与える。
    • 害虫や病気に注意する。
    • 家族の猫が食べ過ぎないように注意する。

    室内で育てる場合は、キャットニップの香りが部屋中に広がる可能性があるので、猫が興奮したり落ち着いたりする効果があります。

    猫がキャットニップを食べることは安全ですが、食べ過ぎるとお腹を壊したり吐いたりすることもあるので注意が必要です。

    また、キャットニップを食べると猫の性格や気分によっては攻撃的になったり嫉妬したりすることもあるので、初めのうちは特に注意して観察するようにしてください。

    キャットニップを水耕栽培で育てる方法

    キャットニップ(イヌハッカ)を水耕栽培で育てる方法もあります。水耕栽培とは、土を使わずに水や栄養液だけで植物を育てる方法です。水耕栽培のメリットは以下のとおりです。

    • 土を使わないので、用土の準備や交換が不要。
    • 水やりや肥料の管理が簡単。
    • 害虫や病気にかかりにくい。
    • 根が張らないので、鉢のサイズに制限されない。

    水耕栽培で育てる場合は以下の点に注意してください。

    • 水耕栽培用の器具や栄養液を用意する。
    • 水耕栽培用の苗か挿し木を準備する。
    • 水位や水温やpHなどを定期的にチェックする。
    • 栄養液は2週間~1ヶ月に1回程度交換する。
    • 日当たりの良い場所に置く。

    水耕栽培はそれほど難しいことがないので、気になる方は是非挑戦してみてくださいね。

    水耕栽培の詳しいやり方はこちらのページにまとめました。

    [surfing_other_article id=”345″]

    キャットニップを剪定・切り戻しする方法と目的・時期

    キャットニップ(イヌハッカ)の剪定は、枝切りばさみやはさみなどを使って、茎の先端や花がらを切り取ります。切り戻しの場合は茎の半分くらいを切り取ります。

    切り口は、葉の付け根や節の近くにします。切り取った部分は、乾燥させて猫用のおもちゃや枕などに使うことができます。

    なお、キャットニップを剪定する目的は以下のとおりです。

    • 茎が伸びすぎて倒れたり、枯れたりしないようにするため。
    • 花が咲き終わった後に種が飛ばないようにするため。
    • 花の咲き方や形を整えるため。
    • 新芽の発生を促して植物の活力を高めるため

    上記のことから、剪定を行うのは以下の時期に行うようにします。

    時期 目的・行うこと
    芽が出る前に、冬に枯れた部分や病気になった部分を切り落とす。(剪定する)
    花が咲いた後に花がらを切り取ります。また、茎が伸びすぎている場合は半分くらいに切り戻す。
    花が終わった後に、種が飛ばないように花がらを切り取ります。また、株分けをする場合は、根元から10cmくらいの高さに切り戻す。

    キャットニップの夏越し・冬越しの方法

    キャットニップ(イヌハッカ)は夏でも耐暑性が高いので、特別に夏越しのための対策は必要としません。

    乾燥したら過湿にならない程度に水やりをすることと、日差しが強すぎる場所であれば移動するか日よけをする程度で問題ありません。

    キャットニップは耐寒性も高いので温暖地では冬越しの対策は必要ありませんが、霜が降りる地域では、霜が降りる前に種まきをするか、鉢植えにして室内に入れる必要があります。

    また、雪が積もる場合は、雪を払って凍結を防ぐと良いでしょう。

    キャットニップの増やし方

    キャットニップ(イヌハッカ)を増やす方法として、次の方法をご紹介します。

    • 挿し木・挿し芽で増やす方法と時期
    • 株分けで増やす方法と時期

    挿し木・挿し芽で増やす方法と時期

    キャットニップ(イヌハッカ)は挿し木・挿し芽で増やすことができます。挿し木・挿し芽で増やす方法は以下のとおりです。

    増やし方 やり方
    挿し木 新芽が出ていない健康な枝から10cm~15cm程度の長さに切って取ります。葉を半分程度落としてから水苔などに挿します。発根までは日陰に置きます。発根したら鉢植えか地植えに移植します。
    挿し芽 新芽が出ている健康な枝から5cm~10cm程度の長さに切って取ります。葉を2~3枚残してから水苔などに挿します。発根までは日陰に置きます。発根したら鉢植えか地植えに移植します。

    なお、挿し木・挿し芽でキャットニップを増やす時期は、春から秋まで(気温が高すぎる夏場を除く)が適しています。

    株分けで増やす方法と時期

    キャットニップ(イヌハッカ)は株分けで増やすこともできます。株分けで増やす方法と時期は以下のよおりです。

    植え付け方 やり方
    地植えの場合 スコップなどで株元から2~3個に分割します。それぞれ新しく穴を掘って植え付けます。
    鉢植え・プランターの場合 鉢から抜き取って根球を2~3個に分けます。それぞれ新しい用土を入れた鉢に植え付けます。

    なお、株分けで増やす方法も、気温が高過ぎる夏場を避けた春から秋までが適しています。

    キャットニップの収穫時期と方法

    キャットニップ(イヌハッカ)は春から秋口までの間で生育の良い時期であれば、いつでも収穫ができるハーブです。

    葉や茎を摘んで利用しますが、花を楽しむよりも香りを重視するなら開花する前に収穫したほうが良い香りを楽しめます。

    キャットニップの収穫時期と方法は以下のとおりです。

    1. 葉や茎を摘む
    2. 乾燥させる
    3. 刈り取る

    キャットニップの葉や茎は、株元から10cmほど上の部分を摘み取ります。摘んだ部分は水洗いして汚れや虫を落とします。

    キャットニップは生でも利用できますが、乾燥させて保存することもできます。乾燥させる場合は、茎ごと切り取って束ねて風通しの良い日陰に吊るします。

    完全に乾燥したら、葉を茎からはがして密閉容器に入れて保存します。

    刈り取る。乾燥して保存する場合は、つぼみがつき始める4月下旬~5月上旬にかけて、株元から株全体を刈り取るようにして収穫します。刈り取った株は同じく乾燥させて保存します。

    キャットニップの育て方に関するQ&A

    ここでは、キャットニップ(イヌハッカ)の育て方に関するQ&A(質問&回答)を紹介します。

    • キャットニップは繁殖力が強くて増えすぎるハーブなの?
    • 猫が喜ぶキャットニップの香りで野良猫や犬が寄ってくる?
    • キャットニップが枯れる主な原因は?
    • キャットニップ栽培で気を付けるべき病害虫は?
    • キャットニップの苗はホームセンターに売ってる?

    上記の問いについて詳しく回答していますので、参考にしてみてくださいね。

    キャットニップは繁殖力が強くて増えすぎるハーブなの?

    キャットニップは繁殖力が強くて増えすぎるハーブというイメージがありますが、実際はそうでもありません。

    キャットニップは種子や根から簡単に増えることができますが、適切な管理をすればコントロールすることができます。

    繁殖をコントロールするには以下のような対策が有効です。

    • 花が咲いたら摘み取って種子を飛ばさないようにする。
    • 根が広がらないように鉢植えやプランターで育てる。
    • 地植えの際は根をネットに入れて植え付ける

    猫が喜ぶキャットニップの香りで野良猫や犬が寄ってくる?

    結論から書くと、キャットニップを植えていても野良猫や犬が寄ってくることはあまりありません。

    キャットニップに含まれるネペタラクトンという成分が、猫の脳に作用して興奮やリラックスなどの効果をもたらすため、キャットニップの香りを嗅いだ猫はキャットニップのある場所に引き寄せられるのは確かです。

    しかし、キャットニップに対する感受性は遺伝的なものであり、すべての猫が反応するわけではなく、キャットニップに反応する猫でも個体差や気分によって反応の強さが異なります。

    また、犬にとってはキャットニップの香りは特別なものとして感じません。たまにキャットニップに含まれるマグネシウムやビタミンなどの栄養素が犬の健康に良い影響を与えることから香りを好むケースもありますが、それほど多くありません。

    ちなみに、イヌハッカの「イヌ」は動物の犬ではありません。昔は、似非(えせ)の意味合いで使われていた「イヌ」から来ており、「似非ハッカ」という意味から名付けられたものとされています。

    キャットニップが枯れる主な原因は?

    キャットニップが枯れる主な原因は以下のとおりです。

    枯れる理由
    水不足 水不足になると葉がしおれたり黄色くなったりします。水やりは土が乾いたら行うようにしましょう。
    水過多 水過多になると根腐れや茎腐れを起こしたりします。水やりは適度に行います。
    日光不足 日光不足になると葉が伸びすぎたり色あせたりします。日当たりの良い場所に置きます。
    寒さ 寒さに弱く、霜や雪に当たると枯れてしまいます。冬場は室内や温室などに移動させます。
    害虫や病気 次の項で詳しくお伝えします。

    キャットニップ栽培で気を付けるべき病害虫は?

    キャットニップ栽培で気を付けるべき病害虫は以下のとおりです。

    病害虫 特徴と対処法
    アブラムシ 葉裏や茎先に集まって吸汁します。葉がしおれたり変形したりします。手で取ったり水洗いしたりします。
    カイガラムシ 茎や葉に茶色や黒色の甲羅状の虫体をつけて吸汁します。葉が黄色くなったり落ちたりします。爪楊枝などで取ったりアルコールで拭いたりします。
    灰色かび病 茎や葉に灰色のカビが生えます。湿度が高いと発生しやすいです。感染部分を切除したり殺菌剤を散布したりします。
    立枯れ病 茎の基部から黒変して枯れてしまいます。水過多や根腐れが原因です。感染部分を切除したり用土を交換したりします。

    キャットニップの苗はホームセンターに売ってる?

    キャットニップの苗はホームセンターに売っているところもあります。ただし、季節や店舗によって在庫が異なることもあるのでご注意ください。

    また、同じイヌハッカ属で名前も似ているキャットミントと間違えることもあるので注意してください。(キャットミントは観賞用で食用にはできません)

    キャットニップの苗を購入する場合は以下の点に注意してください。

    • 健康そうで新鮮な苗を選ぶ。
    • 根詰まりしていない苗を選ぶ。
    • 葉や茎に害虫や病気の跡がない苗を選ぶ。
    • キャットニップと表示されている苗を選ぶ。

    まとめ:キャットニップ(イヌハッカ)の育て方のポイント

    この記事では、キャットニップ(イヌハッカ)の育て方について紹介しました。

    キャットニップは、猫に嗅がせると興奮したりリラックスしたりする効果があるハーブです。

    キャットニップは自宅で育てることができますし、猫にとっても人間にとってもメリットがたくさんあります。

    自宅で育てるには、種まきから収穫までに以下のポイントを押さえておくと良いでしょう。

    • 種まきは春から夏にかけて行う
    • 日当たりの良い場所に植える
    • 水やりは土が乾いたら行う
    • 肥料は月に一回程度与える
    • 花が咲いたら摘む
    • 収穫は茎から切って行う

    キャットニップを育てることは難しくありません。少しの手間で、愛猫の健康や幸せに貢献することができます。ぜひチャレンジしてみてくださいね。

     

    キャットニップはハーブティーとして楽しむこともできます。キャットニップのハーブティーの作り方はこちらでご紹介しています。安眠効果やリラックス効果など嬉しい働きがたくさんありますよ。

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  • 蚊よけハーブ「蚊連草(カレンソウ)」の育て方|冬越しや増えすぎを防ぐ方法も

    蚊よけハーブ「蚊連草(カレンソウ)」の育て方|冬越しや増えすぎを防ぐ方法も

    蚊連草(カレンソウ)は、ゼラニウムとシトロネラ草(レモングラスの一種)を交配して作られた植物で、葉に柑橘レモン系のさわやかな香りがあります。

    蚊連草の香りには蚊を寄せ付けない効果があり、虫除けとしても人気のあるハーブです(英語では「mosquito reed grass」と名付けられるほどです)。

    蚊嫌草、蚊取り草、蚊遣り草、蚊逃げ草、蚊よらずと表現されることもありますが、どれも蚊連草のことを指します。

    蚊よけの効果に魅力を感じて、蚊連草を自宅で育ててみたいと感じる人は多いと思いますが、どんな環境を好むのか、冬越しはできるか、増えすぎることはないかと気になる点は多いでしょう。

    この記事では、蚊連草栽培に適した環境づくりといった基本的な育て方から、挿し木や株分けなどの蚊連草を増やす方法についてご紹介します。

    蚊連草の種まきの時期と方法

    蚊連草(カレンソウ)の種は春から秋にかけて、気温が15度以上になる日が続く時期にまくことができます。日当たりが良くて水はけの良い場所が適していますが、鉢植えやプランターでも育てることができます。

    蚊連草の種は非常に小さいので土に混ぜてまく方法がおすすめです。実際の手順は以下のとおりです。

    1. 土を軽くふかしておく
    2. 土と種を1:1の割合で混ぜたものを土の表面に均一にまく
    3. 霧吹きで水を与える

    水やりは、土が乾かないように毎日行います。約2週間ほどすると発芽します。

    発芽したら、間引きをして本葉が2枚以上出たら根を傷めないように注意して植え替えます。植え付け間隔は10cm程度あけると良いでしょう。

    植え付け後は水やりや肥料を適宜与えて育てていけば、夏になると白い花が咲き始めます。

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    蚊連草栽培に適した環境づくり

    種蒔きをした後は、蚊連草の栽培に適した環境づくりを行います。

    蚊連草は日当たりの良い場所で水はけのよい土壌で育てれば、香り豊かな葉と可愛らしい花を楽しむことができます。

    用土づくり

    蚊連草は、水はけがよく適度に肥沃な土壌を好みます。有機物の多い肥沃過ぎる土壌は葉の香りを弱める可能性があるため避けましょう。

    また、粘土質な土壌は根腐れや茎葉の腐敗を招きやすいため避けて下さい。花壇に植える場合は、植え付けの前に土壌診断を行いましょう。

    土土質が悪い場合は、パーライトや軽石などで通気性を高めたり、堆肥などで肥沃さを調整したりしてください。酸度が高い場合は、石灰などで中和してください。

    土壌改良後は耕して表面を平らにして完成です。

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    水やり

    水やりは表面の土が乾いてからたっぷりと行いましょう。乾燥を好む植物ですが、水切れさせると枯れてしまう可能性があります。一方で、水やり過ぎも根腐れや病気の原因になるので注意してください。

    肥料の与え方

    肥料は3要素(リン、カリ、チッ素)がバランス良く配合された一般的なもので問題ありません。肥料は早春に土質を改善する堆肥と緩効性肥料を与え、秋に再度緩効性肥料の追肥を行います。

    1年に2回、時期としては早春(3月中旬から7月下旬)と秋(9月中旬から10月下旬)にすると良いでしょう。

    痩せ地の方が香りが強くなるため、肥料はやや控え目にする事をおすすめします。

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    蚊連草の地植えの時期と方法

    蚊連草(カレンソウ)は寒さに弱く、霜に当たると枯れてしまう可能性があるため、地植えする時期は霜が降りなくなった5月頃が適しています。

    もし早く植えたい場合は、株元に腐葉土を盛り上げたり不織布やビニールで覆うなどの霜よけ対策をすれば良いでしょう。(もちろん、暖地であれば霜対策は不要です)

    地植えの方法は、次の手順で行うようにします。

    1. ポット苗を水に浸して根をほぐしておく
    2. 株元から10cm~15cm離して穴を掘って苗を埋める
    3. 苗の周りの土を固く押さえる
    4. たっぷりと水やりをする

    地植え後の管理としては、蚊連草は乾燥を好む植物なので水やりは控えめにしましょう。目安としては、土の表面が乾いてから水やりを行う程度にします。

    蚊連草を鉢植え・プランターで育てる方法

    蚊連草は地植えの方が向いているものの、鉢植えやプランターでも充分育てられるハーブです。

    ここでは、蚊連草を鉢植えやプランターで育てる方法について、

    1. 鉢やプランターの選び方
    2. 用土づくり
    3. 適した日当たりと置き場所

    上記3点に分けてご紹介します。

    【鉢やプランターの選び方】

    蚊連草は乾燥を好む植物なので、水はけの良い鉢やプランターを選びましょう。素焼きやテラコッタなどの通気性の高い素材がおすすめです。

    また、深さがある方が根が張りやすくなります。鉢やプランターの底には鉢底石や粗めの土を敷いておくと、水はけを良くすることができます。

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    【用土づくり】

    肥料が配合された園芸用の土も利用できます。ただし、肥料分が多すぎると根が傷んだり、茎が伸びすぎたりすることがるため、その場合は培養土や赤玉土などで薄めて使いましょう。

    土を作る際には、市販の赤玉土(小粒)4割+パーライト2割+腐葉土4割+元肥の割合で混ぜてつくります。

    【適した日当たりと置き場所】

    蚊連草は日当たりと風通しの良い場所で育てましょう。日陰に置くと、茎が伸びすぎたり、花付きが悪くなったりします。

    また、長雨に当たると草姿が乱れたり、花が腐ったりしやすくなるので、その場合は屋根のある場所や室内に移動させましょう。冬は凍らせないように注意してください。

    上記のポイントについては、地植えと同じなので参照していただけたらと思います。

    蚊連草の植え替え時期と方法

    鉢植えの蚊連草は、根が鉢からはみ出したり、水やりが足りなくなったりすると根詰まりや栄養不足になるため、2年~3年に一度は春か秋に植え替えが必要です。

    植え替え方法は、以下のとおりです。

    1. 古い鉢から苗を抜き出す。
    2. 古い土や枯れた根を取り除く。
    3. 新しい鉢に用土を入れる。
    4. 苗を入れて空隙部分に培養土を詰める
    5. 苗の周りの土を固く押さえる
    6. たっぷりと水やりをする

    以上の手順で、蚊連草の植え替えは完了となります。

    蚊連草が伸びすぎるのを防ぐ方法

    蚊連草は成長が早く、放っておくと徒長してしまいます。

    蚊連草が伸びすぎると、見た目が悪くなるだけでなく株が弱ったり、病害虫にかかったりするリスクも高まるだけでなく、香り成分であるシトロネラールの含有量が減少して香りが弱くなったり、花芽がつきにくくなる可能性もあります。

    「蚊連草が伸びすぎ!」とならないように徒長を防ぐ方法について詳しくお伝えします。

    まず、蚊連草が伸びすぎる原因についてですが、蚊連草が伸びすぎる原因は、主に以下の3つが挙げられます。

    1. 日当たりが良すぎる
    2. 水やりが多すぎる
    3. 切り戻しや剪定をしない

    日当たりを適度にするためには、直射日光の当たらない半日陰の場所に置くか、カーテンなどで日光を遮ることができます。水やりは前述したとおり、土の表面が乾いたら水を与える程度にします。

    次に、蚊連草の切り戻しと剪定について、具体的な方法と最適な時期についてお伝えします。

    蚊連草を剪定する方法と目的・時期

    蚊連草の剪定・切り戻しの方法は、以下のとおりです。

    1. 切り戻しに用いるハサミを消毒する
    2. 葉を少し残すように草丈の約半分くらいの位置で切る

    葉を少し残すように草丈の約半分くらいの位置で切ることで、根や株への負担を減らしつつ成長を促すことができます。切り戻し時に病原菌や虫の感染を防ぐために、ハサミ消毒してから使うと良いでしょう。

    剪定の時期と目的は以下のとおりです。

    剪定の時期 目的
    早春 新芽を摘む(摘芯)ことで茎数が増えてフサフサとした草姿になり、沢山の花を咲かせることができます
    初夏 夏から秋にかけて再び花を咲かせる準備ができます。風通しや日当たりを改善し、過湿や過乾燥を防ぐことができます

    ハーブの剪定の方法については、こちらのページで詳しくお伝えしています。

    [surfing_other_article id=”1456″]

    蚊連草を切り戻しする方法と目的・時期

    蚊連草を切り戻しの方法は、剪定の項をご参照ください。

    切り戻しの時期と目的は以下のとおりです。

    切り戻しの時期 目的
    梅雨時期 春から続いた開花が一段落する梅雨時期に切り戻すことで、夏から秋にかけて再び花を咲かせる準備ができる。また、風通しや日当たりを改善して過湿を防ぎ、病気や虫の被害を予防する。
    乾燥する季節に切り戻すことで、水分の蒸散を減らして乾燥に耐えやすくするほか、株を小さくして冬越ししやすくする。

    剪定によって冬越しがしやすくなりますが、もう少し詳しく冬越しの方法をご紹介します。夏越しの方法と併せてご確認ください。

    蚊連草の夏越しの方法

    蚊連草は夏と冬に注意して管理すれば長く楽しむことができる植物です。

    それほど難しいことも面倒なこともないので、適切に管理して夏越し・冬越しを成功させたいですね。

    蚊連草は夏の暑さや乾燥に耐えることができますが、長雨によるジメジメとした過湿環境は嫌います。

    過湿による根腐れや灰色カビ病等の病気を防ぐため、長雨が続く場合は雨の当たらない場所に避難させたり、土の排水性を高かめておくといいでしょう。

    また、初夏に強く切り戻すことで株の風通しと株元への日当たりが良くなり、ジメジメした過湿が防げます。切り戻すと、また新芽が増えて強い香りが続きます。

    蚊連草の冬越しの方法

    蚊連草は寒さに弱く霜に長く当たったり強い霜に当たると枯れてしまいます。暖地ならば外でも冬越しできますが、寒冷地では室内に取り込んで管理する必要があります。

    室内で冬越しする場合は日当たりと風通しの良い場所に置きましょう。温度は10℃以上を保つようにします。

    水やりは土が乾いたら少量ずつ与えますが、肥料は必要ありません。

    晩秋に強く切り戻すことで、室内への取り込みやビニールを被せることが容易になりますし、枯れた茎や葉を取り除くことで病気や害虫を防ぐ効果もあります。

    蚊連草が増えすぎるのを防ぐ方法

    増えすぎた蚊連草

    蚊連草は挿し木・水差し・株分けの3種類の方法で簡単に増やすことができますが、ミントなどのように地下茎でどんどん繁殖して手に負えなくなるほど増えすぎるわけではないので心配はいりません。

    ただ、蚊や猫を寄せ付けないようにと、庭にたくさん蚊連草を植えた結果「増やし過ぎた」と感じるケースの方が多いかもしれませんが、このように意図的に増やさない限りは増やし過ぎたと感じることはないでしょう。

    効果を考えた場合、屋内にも屋外にもあると嬉しい蚊連草なので、計画的に増やしていきたいという方も多いと思います。

    次の項では、蚊連草の増やし方についてご紹介します。

    蚊連草の増やし方

    蚊連草は、葉に柑橘系の香りがあり、蚊を寄せ付けない効果があると言われるハーブですが、一つの株だけでは香りが弱く蚊除け効果も期待できません。

    蚊連草を増やして効果的に虫除けができるだけでなく花や葉も楽しめるので、インテリアとしても数を多くしたいという人は多いと思います。

    ここでは、蚊連草を増やす方法をご紹介します。

    増やす方法としては、

    • 挿し木で増やす方法
    • 水差しで増やす方法
    • 株分けで増やす方法

    上記3通りがあり、それぞれの方法とポイントについてご紹介します。

    [surfing_other_article id=”1593″]

    挿し木で増やす方法と時期

    挿し木とは、茎の一部を切り取って土に挿すことで新しい株を作る方法を指します。

    挿し木で蚊連草を増やす手順は以下のとおりです。

    1. 蚊連草の新芽が伸びた茎(5cm程度)を節から上方向に斜めに切り取る。
    2. 切り口近くの葉を落とす。(残す葉は2~3枚あれば十分です)
    3. 切った茎を半日から一日程度日陰で乾燥させる。
    4. 水はけの良い土を用意して、切った茎を半分ほど埋め込む。
    5. 水を与えて湿らせた後、日陰か半日陰の場所に置く。
    6. 土が乾いたら水を与える。

    約1ヶ月ほどで根が出てくるので、その後は普通に育てます。なお、挿し木の時期は春から夏が適しています。

    水差しで増やす方法と時期

    水差しとは、茎の一部を水に浸けて根を出させる方法を指します。

    1. 蚊連草のの新芽が伸びた茎(5cm程度)を節から上方向に斜めに切り取る。
    2. 切り口近くの葉を落とす。(残す葉は2~3枚あれば十分です)
    3. 切った茎を透明なガラス瓶などに入れて、節より下の部分が水に浸かるようにする。
    4. 日陰か半日陰の場所に置く。
    5. 水が減ったら足す。

    約2~3週間ほどで根が出てくるので、その後は土に植え替えて普通に育てます。なお、水差しの時期も挿し木と同様に春から夏が適しています。

    株分けで増やす方法と時期

    株分けとは、一つの株をいくつかに分割して新しい株を作る方法を指します。

    1. 蚊連草の鉢から株を抜き出す。
    2. 根球を手で崩しながら、茎や根が絡まっていない状態にする。
    3. 株を2~4個程度に分割し、それぞれに茎と根があることを確認する。
    4. 分割した株をそれぞれ新しい鉢や土に植え付ける。
    5. 水を与えて湿らせた後、日陰か半日陰の場所に置く。
    6. 土が乾いたら水を与える

    約1ヶ月ほどで新芽が出てくるので、その後は普通に育てます。なお、株分けの時期は春か秋が適しています。

    蚊連草の花が咲かない時の原因と対策

    蚊連草は夏には桃色の花を咲かせて魅力的な植物ですが、花が咲かないという悩みを持つ方もいるかもしれません。

    ここでは、蚊連草の花が咲かない時の原因と対策について紹介します。

    花が咲かない原因 対策
    肥料の種類や量が不適切 肥料は窒素よりもリン酸やカリウムが多めのものを選ぶようにします。これらは花芽形成や開花を促進する効果があります。与える頻度としては1~2週間に1回程度が適切です。
    日光不足 蚊連草は直射日光が6時間以上当たる場所が適していますが、真夏は日光が強すぎると葉焼けや水分不足になる恐れがあるので、午後から半日陰に移動させるのが望ましいです。地植えの場合は日陰を作るようにします。
    水やり過多 土の表面が乾いてきたら、鉢底から水がしたたり落ちるくらいたっぷりと与えましょう。雨水で土が湿っている場合は水やりを控えます。

    蚊連草の育て方に関するQ&A

    ここでは、蚊連草の育て方に関するQ&A(質問&回答)を紹介します。

    • 蚊連草が枯れる原因は何がある?
    • 蚊連草栽培で注意したい病害虫は?
    • 蚊連草の苗はホームセンターに売ってる?
    • 蚊連草が木質化する原因は?
    • 蚊連草は猫だけでなく犬も寄せ付けない?

    上記の問いについて詳しく回答していますので、参考にしてみてくださいね。

    蚊連草が枯れる原因は何がある?

    蚊連草に枯れるという時には、以下のような原因が考えられます。

    1. 水やり過多
    2. 日光不足
    3. 肥料の種類や量が不適切
    4. 病気や害虫によるもの

    1から3の対策については、上記の「蚊連草の花が咲かない時の原因と対策」を参照してみてください。

    病気や害虫の予防については、土が湿ったままにならないように注意することと、定期的に茎葉の状態をチェックして、病気や害虫の兆候があれば早めに対処することが大切です。

    なお、蚊が寄ってこない蚊連草ではありますが、カイガラムシやアブラムシなどの虫は付く可能性があります。

    病害虫については、次に詳しくお伝えしています。

    蚊連草栽培で注意したい病害虫は?

    蚊連草は病害虫に強いと言われていますが、完全に免疫があるわけではありません。

    特に湿気や水はけの悪い環境では、カイガラムシやアブラムシなどの害虫が発生しやすくなります。

    そこで、蚊連草栽培で注意したい病害虫とその対策についてご紹介します。

    主な害虫 害虫の特徴 対策
    カイガラムシ 茎や葉に小さな茶色や黒色の殻をつけた虫で、殻の中から吸汁針を出して植物の汁を吸って生育を阻害する。 日当たりの良い風通しの良い場所に植える。また、適度な水やりと肥料を与えて植物を健康に保つことが重要。
    アブラムシ 茎や葉の裏側に集団で付着する小さな緑色や黒色の虫で、植物の汁を吸って生育を阻害する。 弱った植物に付きやすいので、植物を健康に保つことが重要。虫は強めの水流で茎や葉の裏側を洗い流す。除去できない場合は洗剤水やニームオイルなどの殺虫剤を散布します。(夕方に行うのが効果的)

    蚊連草の苗はコメリなどのホームセンターに売ってる?

    蚊連草はポット苗は、園芸店やコメリなどのホームセンターで販売されていることがありますが、季節や店舗によって品揃えが異なります。また、「蚊嫌草」や「蚊取り草」「蚊遣り草」「蚊逃げ草」「蚊よらず」などの別名で販売されていることもあるので、探す際の参考にしてみてください。

    [surfing_other_article id=”1081″]

    ホームセンターで蚊連草の苗を探す場合は、以下のポイントに注意してみてください。

    • 春から夏にかけて出回りやすい
    • 冬は寒さに弱いため販売されていない場合が多い
    • 小型店舗や地域性によっては取り扱っていない場合も多い
    • ローズゼラニウムと同じとして出回っていることもある

    ローズゼラニウムは香りが似ていますが、観賞用ではなく食用として用いられることもあるため、注意が必要です。

    蚊連草が木質化する原因は?

    蚊連草に木質化という現象が起こるときには、以下のような原因が考えられます。

    木質化する原因 補足
    年数が経過した 蚊連草は多年草ですが、年数が経過すると茎や枝が硬くなり、木質化してしまいます。これは自然な老化現象であり、避けることはできません。
    日光不足 蚊連草は日向を好む植物です。日光が十分に当たらない場合は光合成が不十分になり、茎や枝が細く弱くなります。
    肥料不足 蚊連草は痩せ地を好むため、肥料はやや控えめにする必要があります。しかし、肥料が不足すると栄養分が不足し、茎や枝が細く弱くなります。

    対策としては、年数が経過した株や木質化した茎は切り戻して捨ててしまうのが良いです。

    増やすのは簡単なので、新しい株や挿し芽から新鮮な蚊連草を育てるのが最も簡単な対策です。

    日光や肥料については、上記の蚊連草栽培の環境の項を参考にしてみてください。

    以上のように、挿し木や株分けや日光や肥料といった基本的な管理を見直すことで、蚊連草が木質化する可能性を低減できます。

    蚊連草は猫だけでなく犬も寄せ付けない?

    蚊連草の香りは猫だけでなく犬も嫌います。

    犬や猫が蚊連草の香りを嫌う理由は、犬や猫の嗅覚が人間よりもはるかに優れているからです。

    人間にとっては爽やかで心地よい香りでも、猫や犬にとっては強烈で不快な臭いに感じられることもあり。特に柑橘系の香りは神経系に刺激を与えてストレスを引き起こすと言われています。

    また、犬や猫はハーブを分解する酵素を持たないため、ハーブを食べると消化不良や中毒症状(軽度の場合で口内や喉の灼熱感、重度の場合で読級困難や心臓麻痺)を起こす恐れがあります。そのため、本能的にハーブ類を避ける傾向があると考えられます。

    ローズゼラニウムと蚊連草の違いは?

    ローズゼラニウムと蚊連草は見た目や香りが似ているハーブですが、実は異なる品種です。ローズゼラニウムは、バラのような香りがするゼラニウムの一種で、ピンク色の花を春から秋にかけて咲かせます。

    一方で蚊連草は、ローズゼラニウムとシトロネラ(レモングラスの一種)を交配して作られた品種で、レモンのような香りがします。花は薄いピンク色で、春に一季咲きです。

    両者の最大の違いは、蚊よけ効果にあると言われています。ローズゼラニウムには、蚊が嫌がる成分であるゲラニオールが含まれています。蚊連草には、ゲラニオールに加えて、蚊の二酸化炭素探知能力を鈍らせる成分であるシトロネラールも含まれています。そのため、蚊連草の方が蚊よけ効果は大きいとされています。

    どちらも日当たりと水やりに気を付ければ育てれば良いので育てやすいハーブという点は共通しています。

    まとめ:蚊連草の育て方と増やし方について

    この記事では、蚊よけハーブとして話題にあがることが多い、蚊連草(カレンソウ)の育て方や冬越しや挿し木の方法などをご紹介しました。

    蚊連草は、ピンク色の小さな花を咲かせる可愛らしいハーブで、葉からする柑橘レモン系のさわやかな香りには蚊よけ効果があります。

    蚊連草は日当たりと水やりに気を付ければ、比較的簡単に育てられますが、冬は寒さに弱いので冬越しには注意が必要です。

    また、挿し木でも簡単にできるので、蚊が嫌いなハーブを増やしてべランダや窓際に置くのも良いですね。

    蚊よけハーブを上手に活用して、快適な住環境づくりをする際の参考にしていただけたらと思います。

     

    蚊除け効果が高い蚊よらず(サザンウッド・アルテミシア)の育て方についてはこちらのページで詳しくお伝えしています。

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  • カレープラントの育て方|挿し木や切り戻しの時期と方法についても

    カレープラントの育て方|挿し木や切り戻しの時期と方法についても

    カレープラント(学名: Helichrysum italicum)はカレーのような香りがするハーブの仲間で、銀色の細い葉と黄色い小さな花をつける南ヨーロッパ原産の多年草です。

    ちょっと変わったハーブなので育ててみたいと思っても、カレープラントの育て方や注意点の情報が足りないと感じている方も多いと思います。

    この記事では、カレープラントの地植えや鉢植え方法などの基本的な情報から、挿し木や切り戻しの方法など、幅広くご紹介しています。

    カレープラントの甘くフルーティーな香りは精神安定や疲労回復にも役立ちますし、料理の香りづけやドライフラワーやポプリなどにも使えるハーブなので、ぜひご家庭でも育ててみてくださいね。

    カレープラントの種まき時期と方法

    カレープラントの種の発芽条件は気温が15度以上なので、種まき時期は春から夏にかけて行うのが適しています。

    種は小さくて細かいため発芽率が低いので、他の植物と比べて少し多めにまくことをおすすめします。

    カレープラントの種まき方法は、

    • 土に直接まく方法
    • ポットにまく方法

    の2通りがあります。それぞれのメリットや注意点をお伝えします。

    土に直接まく方法

    土に直接まくというのは、庭の畑やプランターなどに種をまくことを指します。

    この方法のメリットは移植の手間が省けることです。注意点としては土が乾燥しないように水やりをすることと、雑草や害虫に注意することが挙げられます。

    土に直接まく方法の手順は以下のとおりです。

    1. 土をほぐし、水はけの良い状態にする。
    2. 種を均等にまく。深く埋めないように注意する。
    3. 種を軽く押さえて固定する。
    4. 水やりをして湿らせる。
    5. 日当たりの良い場所に置く。

    次に、カレープラントの種をポットにまく方法についてご紹介します。

    ポットにまく方法

    ポットにまくというのは、小さな鉢やトレイなどに種をまくことを指します。

    この方法のメリットは発芽率が高くなることと、管理がしやすいことです。注意点としては発芽後に移植する必要があることと、ポットが乾燥しないように水やりをすることが挙げられます。

    ポットにまく方法の手順は以下のとおりです。

    1. ポットに軽石や赤玉土などの排水材を敷く。
    2. ポット用土を入れる。
    3. 種を均等にまく。深く埋めないように注意する。
    4. 種を軽く押さえて固定する。
    5. 水やりをして湿らせる。
    6. ビニール袋などで覆って温室効果を作る。
    7. 日当たりの良い場所に置く。

    どちらの方法でも種まきは可能ですが、メリットと注意点を比較して種まきの方法を検討してみてくださいね。

    なお、カレープラントが発芽したら、本葉が2~3枚出た頃に元気な芽を残すように間引きします。

    間引いた苗は別の場所に移植できますが、移植する場合は根が傷まないように注意しましょう。

    カレープラント栽培の環境(用土づくり・水やりと肥料の与え方)

    種蒔きをした後は、カレープラントの栽培に適した環境づくりを行います。

    カレープラント栽培には日当たり良い場所が適しています。その他、用土づくり・水やり・肥料の与え方のポイントを次にご紹介します。

    【用土づくり】

    カレープラントは水はけの良い用土を好むので、市販のハーブ用土やポット用土を使う場合は、軽石や赤玉土などの排水材を混ぜると良いでしょう。

    自分で用土を作る場合は、赤玉土と腐葉土と砂を3:2:1の割合で混ぜるのが望ましいです。

    pHは酸性から中性が適しています。

    【水やり】

    カレープラントは乾燥に強い植物ですが水不足になると葉がしおれてしまうため、水やりは土が乾いたら行うようにします。その際、過湿にならないように注意しましょう。

    水やりの頻度は、夏場は毎日、冬場は2~3日に1回程度を目安として、朝か夕方に行います。

    【肥料の与え方】

    肥料は月に1~2回、液体肥料や有機肥料などを適量与えましょう。

    タイミングとしては、水やりの後に与えるのが望ましいです。肥料を与えすぎると香りが弱くなることがあるのでご注意ください。

    カレープラントの苗の地植え(畑へ植え付ける)方法

    カレープラントはポットで育てることもできますが、畑に植え付けることでより大きく育てることができます。

    カレープラントの苗の地植えは、春から秋にかけて行うことができます。苗の地植えの手順は次のとおりです。

    No. 手順 ポイント
    1 苗を慣らす 地植えする前に外気に慣らす必要があるので、ポットに入ったまま日当たりの良い場所に置きます。最初は数時間から始めて、徐々に時間を長くしていきましょう。
    2 苗をポットから抜く ポットから苗を抜く際は根が傷まないように注意しましょう。根が張り付いている場合は、ポットを軽く叩いて外すようにします。
    3 土をほぐす カレープラントは根が深く伸びる植物なので、土を深く耕してほぐしましょう。土が固い場合は、軽石や赤玉土などの排水材を混ぜると良いです。
    4 穴を掘る 穴は苗と同じくらいの大きさにし、穴の間隔は30~40cm程度空けるようにします。
    5 苗を植える 根本が埋まらないように注意しながら穴に苗を入れて土で固定します。
    6 水やりをする 苗を植えたらたっぷりと水やりをしましょう。水やりは根元に直接行うようにします。

    カレープラントを鉢植え・プランターで育てる方法

    カレープラントは鉢植えやプランターで育てることもできます。

    鉢植えやプランターで育てる場合は、鉢植え・プランター選びが適切であれば、地植えと同じように行えば問題ありません。

    ここでは、カレープラント栽培時の鉢植えやプランターの選び方についてお伝えします。

     

    【鉢植え・プランターの選び方】

    カレープラントを鉢植えやプランターで育てる場合は、以下のような点に注意して選びましょう。

    注意箇所 注意点
    サイズ カレープラントは根が深く伸びる植物なので、深さがあるものを選びましょう。直径は15~20cm程度が目安です。
    素材 水はけの良い環境を好むので、鉢やプランターは陶器やテラコッタなどの素焼きのものを選びましょう。プラスチックや金属などのものは水分を保持しすぎて蒸れることがあるので、使用する際は水やりに特に注意が必要となります。
    カレープラントは過湿になると根腐れの原因になるため、鉢やプランターには底に穴があるものを選びましょう。穴がない場合は自分で開けるか、鉢皿に石や砂などを敷いて高さをつけましょう。

    カレープラントの植え替え方法

    カレープラントは鉢植えやプランターで育てる場合、定期的に植え替えることが必要です。植え替えることで、根の成長や土の状態を整えることができます。

    ここでは、カレープラントの植え替え方法について紹介します。

     

    【植え替えの時期】

    カレープラントの植え替えの時期は、春から秋にかけてです。特に春は新芽が出る前に行うのが望ましいです。

    冬は休眠期に入るので、植え替えは避けましょう。

    植え替えの目安は、根が鉢からはみ出してきたり、土が固まってきたりしたら行うようにします。

     

    【植え替えの手順】

    カレープラントの植え替えの手順は以下のとおりです。

    1. 鉢を用意する
    2. 用土を用意する
    3. 苗を抜く
    4. 根を整理する
    5. 鉢に植える
    6. 水やりをする

    カレープラントの植え替えには、新しい鉢・新しい用土を用意します。鉢は深さがあるものを選びましょう。

    苗を抜く際には古い鉢から抜きます。根が傷まないように注意しましょう。根が張り付いている場合は、鉢を軽く叩くと外れやすくなります。

    根の整理は古い土や枯れた根を取り除くようにします。根が長くなっている場合は、やや切り詰めると良いでしょう。

    カレープラントの剪定・切り戻しの時期と方法

    カレープラントは定期的に剪定や切り戻しをすることで、枝分かれを促し、より茂りやすくなります。

    また、剪定や切り戻しをすることで、葉の香りも強くなります。

    ここでは、カレープラントの剪定や切り戻しの時期と方法について紹介します。

     

    【剪定・切り戻しの時期】

    カレープラントの剪定や切り戻しの時期は、春から秋にかけてです。特に春は新芽が出る前に行うのが良いです。

    冬は休眠期に入るので、剪定や切り戻しは避けましょう。

    剪定や切り戻しの目安は、枝が伸びすぎたり葉が茂りすぎたりしたら行うようにします。

     

    【剪定・切り戻しの方法とポイント】

    カレープラントの剪定や切り戻しの方法とポイントは以下のとおりです。

    作業 方法 効果
    剪定 枝先を摘み取る 枝分かれを促し、より茂りやすくなる。摘み取った葉は料理やお茶に使える。
    切り戻し 枝を半分くらいに切る 新芽が出やすくなり葉の香りも強くなる。切った枝は水挿しや挿し木にして増やせる。

     

    カレープラントの増やし方

    カレープラントの増やし方としては、以下の3つが挙げられます。

    • 挿し木で増やす方法
    • 株分けで増やす方法
    • 葉挿しで増やす方法

    それぞれの方法について、詳しくお伝えしていきます。

    挿し木で増やす方法

    カレープラントの挿し木は、春から秋にかけて行うのが適しています。

    挿し木の手順は以下のとおりです。

    No. 方法 ポイント
    1 枝を切る カレープラントの枝を10~15cmくらいに切ります。切るときは、節の上から2~3cmくらいのところで切りましょう。
    2 葉を取る 切った枝の下半分の葉を取ります。葉が多すぎると水分が失われやすくなります。
    3 水に浸けるか土に挿す 切った枝を水に浸けるか土に挿します。水に浸ける場合は、透明な容器に水を入れて枝を入れます。土に挿す場合は、排水材と用土を混ぜた鉢に枝を挿します。
    4 に当たりの良い場所に置く 水に浸けた場合は、日当たりの良い場所に置きます。土に挿した場合は、日陰の場所に置きます。
    5 根が出るまで管理する 水に浸けた場合は水が汚れたら取り替えます。土に挿した場合は土が乾いたら水やりをします。根が出るまで約1ヶ月程度かかります。

    株分けで増やす方法

    カレープラントの株分けは、春か秋に行うのが適しています。

    株分けの手順は以下のとおりです。

    No. 方法 ポイント
    1 苗を抜く カレープラントの苗を鉢から抜きます。根が傷まないように注意しましょう。
    2 根茎を分割する カレープラントの根茎を2~3個ずつに分割します。分割するときは、根茎が傷まないように注意しましょう。
    3 鉢に植え付ける 新しい鉢に排水材と用土を入れます。根茎を入れて土で固定しましょう。
    4 水やりをする 植え付けたらたっぷりと水やりをしましょう。水やりは根元に直接行いましょう。

     

    葉挿しで増やす方法

    カレープラントの葉挿しは、春から秋にかけて行うのが適しています。

    葉挿しの手順は以下のとおりです。

    No. 方法 ポイント
    1 葉を切る カレープラントの葉を2~3枚ずつ切ります。切るときは、葉柄も一緒に切りましょう。
    2 水に浸けるか土に挿す 切った葉を水に浸けるか土に挿します。水に浸ける場合は、透明な容器に水を入れて葉柄を入れます。土に挿す場合は、排水材と用土を混ぜた鉢に葉柄を挿します。
    3 日当たりの良い場所に置く 水に浸けた場合は、日当たりの良い場所に置きます。土に挿した場合は、日陰の場所に置きます。
    4 根が出るまで管理する 水に浸けた場合は、水が汚れたら取り替えます。土に挿した場合は、土が乾いたら水やりをします。根が出るまで約1ヶ月程度かかります。

    カレープラントの収穫時期と方法

    カレープラントは葉や花が食用になるハーブです。

    カレープラントの収穫は春から秋にかけて行うことができますが、花は開花時期の夏に収穫します。

    葉が茂ったり、花が咲いたりしたら行うくらいを目安にするのが良いでしょう。

    カレープラントの収穫の方法は以下のとおりです。

    収穫物 収穫方法
    葉の収穫 葉は枝先を摘み取ることで収穫できます。摘み取ることで枝分かれを促し、より茂りやすくなります。摘み取った葉は料理やお茶に使えます。
    花の収穫 花は花が咲いたら摘み取ることで収穫できます。摘み取ることで葉の成長を促し、より香り高くなります。摘み取った花は料理やお茶に使えます。

    収穫後の保存方法

    葉や花は新鮮なうちに使うと香りが良いです。保存する場合は以下のような方法があります。

    保存の手順 補足
    乾燥させる 葉や花を束ねて風通しの良い場所で陰干しする。完全に乾燥したら密閉容器に入れて冷暗所で保存する。
    冷凍保存する 葉や花を洗って水気を切り、ジップロックなどに入れて冷凍庫で保存する。
    オイル漬けにする 葉や花を洗って水気を切り、オリーブオイルなどと一緒に瓶に入れて保存する。

    上記により、カレープラントを保存して必要な時に使えるようにできます。

    カレープラントの夏越しのやり方と注意点

    カレープラントは暖かい気候を好むハーブですが、夏や冬にも注意して管理する必要があります。

    カレープラントの夏越しは、以下の点に注意して行いましょう。

    作業 ポイント
    水やり 夏は暑く乾燥することが多いので、水やりをこまめに行いましょう。土が乾いたらたっぷりと与えます。時間帯は朝か夕方が適しています。
    日陰づくり 日差しが強すぎると葉が焼けてしまうことがあるため、日差しが強すぎる場合は日陰を作ってあげましょう。日陰はカーテンやシートなどで作ることができます。
    虫除け カレープラントは虫除け効果があるハーブですが、完全に防ぐことはできません。害虫が発生した場合は手で取り除くか、水や石鹸水などで洗い流すか、天然の殺虫剤を使って対処しましょう。

    カレープラントの冬越しのやり方と注意点

    カレープラントの冬越しは、以下の点に注意して行いましょう。

    作業 ポイント
    水やり 冬は寒く乾燥することが多いのでたまに確認をし、土が乾いたら少量の水やりをしましょう。水やりは昼間に行うのが適しています。
    防寒対策 カレープラントは耐寒性が低いので、霜や雪に当たらないように注意が必要です。霜や雪が降る場合は、鉢を屋内に移動させるか、ビニール袋などで覆って保温しましょう。
    休眠期の扱い 冬は休眠期に入ることがあり、葉が枯れて落ちることがあります。これは自然な現象なので心配無用で、春になると新芽が出てきます。

    カレープランツの寄せ植えの方法とコツ

    カレープランツの寄せ植えの方法は以下のとおりです。

    No. 寄せ植えの手順 ポイント
    1 鉢を用意する カレープランツの寄せ植えには、深さがある鉢を用意します。鉢は素焼きのものがおすすめです。鉢には底に穴があるものを選びましょう。
    2 用土を準備する 地植え・鉢植えの際と同じ要領で構いません。
    3 植物を選ぶ 日当たりと水はけの好みが似ている植物を選ぶと育てやすい。
    4 植え付ける 鉢に排水材と用土を入れ、カレープランツを中心に他の植物を配置する。
    5 水やりをする 植え付けたら根元にたっぷりと水やりをする。

    カレーリーフの寄せ植えをするコツとしては、一緒に寄せ植えをする植物選びは外せません。

    日当たりと水はけの好みが似ている植物としてハーブの中で選ぶなら、ローズマリー、ラベンダー、タイム、マリーゴールドなどがおすすめです。

    植え付ける際には高さや色や形などをバランスよく整えることを意識し、小石や貝殻や木片などで飾り付けすると見栄えが更に良くなります。

    適宜、枝先を摘み取ることで剪定を行いますが、摘み取ることで枝分かれを促してより茂りやすくなります。

    カレープラントの育て方に関するQ&A

    ここでは、カレープラントの育て方に関するQ&A(質問&回答)を紹介します。

    • カレープラントに耐寒性はある?
    • カレープラントは多年草?枯れることはあるか
    • カレープラントは北海道で栽培できる?
    • カレープランツ栽培で気をつけるべき病害虫は?
    • カレープラントはずっとカレーの匂いがするハーブなの?
    • カレープラントは虫除けに使えるって本当?

    上記の問いについて詳しく回答していますので、参考にしてみてくださいね。

    カレープラントに耐寒性はある?

    カレープラントは暖かい気候を好むハーブですが、ある程度の耐寒性があり-5℃程度までなら大丈夫です。

    ただし、霜や雪に当たると枯れてしまうことがあるので、冬は鉢を屋内に移動させるか、ビニール袋などで覆って保温するなどの防寒対策は欠かせません。

    カレープラントが枯れる主な原因は?

    カレープラントは育てやすいハーブですが、枯れてしまうこともあります。カレープラントが枯れる主な原因は、以下のようなものが考えられます。

    枯れる原因 説明
    水やりが不適切 水やりのしすぎは蒸れて根腐れの原因になりますが、逆に水やりのし足りなさは葉がしおれる原因になります。
    日当たり量が不適切 日当たりの不足は葉が黄色くなる原因になりますが、逆に日当たりの過剰は葉が焼ける原因になります。
    肥料の量が足りない 肥料が足りないと成長が悪くなる原因になり、最悪の場合枯れてしまいます。
    霜や雪への対策不足 寒さに強いハーブではないので、霜や雪に当たると枯れてしまうことがあります。

    カレープラントは北海道で栽培できる?

    カレープラントは暖かい気候を好むハーブですが、しっかりと対策をすれば北海道でも栽培できることがあります。

    カレープラントは北海道で栽培する場合、以下のような点に注意して行いましょう。

    対処法 説明
    鉢植えにする 北海道では地植えにすると冬に枯れてしまいやすいので、鉢植えにそて屋内に移動させるようにします。
    防寒対策をする 鉢を屋内に移動させるか、ビニール袋などで覆って保温すると良いでしょう。
    水やりを控える 冬の休眠期に入ったら水やりを控えます。

    カレープランツ栽培で気をつけるべき病害虫は?

    カレープランツは虫除け効果があるハーブですが、病害虫に完全に免疫があるわけではありません。

    カレープランツ栽培で気をつけるべき病害虫は、以下のようなものです。

    主な病害虫 説明
    アブラムシ 吸汁することで葉がしおれたり、ウイルス病を媒介したりします。アブラムシが発生した場合は、手で取り除くか、水や石鹸水などで洗い流すか、天然の殺虫剤を使って対処しましょう。
    ハダニ 吸汁することで葉に白い斑点ができたり、枯れたりします。ハダニが発生した場合は、水や石鹸水などで洗い流すか、天然の殺虫剤を使って対処しましょう。
    根腐れ 水やりのしすぎや過湿が原因になります。根腐れが発生した場合は、根を切り取って健康な部分だけ残すか、新しい鉢に植え替えるかして対処しましょう。

    カレープラントはずっとカレーの匂いがするハーブなの?

    カレープラントは葉や花がカレーのような香りがするハーブです。しかし、カレープラントはずっとカレーの匂いがするわけではありません。

    カレープラントの香りは、以下のような要因によって変化します。

    要因 匂いの変化
    気温 気温が高いときは香りが強くなり、気温が低いときは香りが弱くなる。
    摘み取り カレープラントの香りは摘み取ることで葉や花から香り成分が放出される。
    肥料 肥料を与えることで葉や花の成長を促しますが、肥料を与えすぎると香りが弱くなることがある。

    カレープラントは虫除けに使えるって本当?

    カレープラントの葉や花から出るカレーのような香りは人間には心地よいですが、一部の虫にとっては嫌な匂いです。

    そのため、ハエや蚊やアブラムシなどの小さな虫を遠ざけることは可能ですが、カレープラントの香りに慣れてしまった虫や強い刺激に耐えられる虫に対してはほとんど効果はありません。

    結論としては、カレープラントだけで完全に虫を防ぐことはできず、あくまで補助的な効果として用いる程度にしかならないので、カレープラントを虫除け対策用として栽培するのであれば、期待ほどの効果は得られないでしょう。

    まとめ:カレープラントの育て方と増やし方

    カレープラントはカレーのような香りがするハーブで、ドライフラワーやスパイスとしても使えます。

    日当たりと風通しの良い場所で乾燥気味に育てるのがポイントなので、水はけの良い土を用意し、春か秋に苗を植え付けます。

    生育期間中はこまめに剪定し、梅雨や夏は過湿や直射日光を避け、冬は軽い霜程度なら耐えられますが、強い霜には注意しましょう。

    挿し木で増やす場合は、春から夏にかけて切った枝を水揚げして挿します。

    株分けや葉挿しでも増やすことができるので、一番やりやすい方法を選んで増やしてみてくださいね。

     

    カレープラントが好きな方は、カレーリーフもおすすめです!

    カレーリーフの育て方についてはこちらのページでお伝えしています。

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  • コモンマロウの育て方|花が咲かない時の対策や日陰での育ち方も

    コモンマロウの育て方|花が咲かない時の対策や日陰での育ち方も

    コモンマロウはヨーロッパを原産とするアオイ科・ゼニアオイ属の多年草で、別名ブルーマロウやウスベニアオイとも呼ばれるヨーロッパ原産のハーブです。

    コモンマロウはバジルやミントほどメジャーではなことから、コモンマロウの育て方や注意点の情報が足りないと感じている方も多いと思います。

    この記事では、コモンマロウの鉢植えでの育て方や種から育てる方法などの基本的な情報から、花が咲かない時の対策や日陰での育ち方など、幅広くご紹介しています。

    コモンマロウはピンクや紫の花が咲き、レモンを入れると色が変わる不思議なハーブティーにもなります。ぜひご家庭でもコモンマロウを育ててみてくださいね。

    コモンマロウの種まき時期と方法

    コモンマコモンマロウの種まき時期は、気温が10℃以上になることが多くなる春から初夏(4月から6月)にかけて行うのが最適です。

    秋に種まきをしても翌年に花が咲く可能性はありますが、開花が遅くなったり花付きが悪くなったりする可能性があります。冬に種まきをすると寒さで発芽が遅れたり枯れたりする可能性があるのでご注意ください。

    コモンマロウの種まき方法は、以下のように行います。

    1. 市販の培養土や赤玉土などが適しています。土はふかふかにほぐしておきます。
    2. 種まき用の容器に高さの3分の2程度まで土を入れる
    3. 土の表面に均等に種を散らすように蒔く
    4. 土に埋めない程度に種を軽く押させる(発芽には日光が必要です)
    5. 土が湿る程度に霧吹きなどで水を与える
    6. 直射日光の当たらない明るい場所に容器を置く(温度は15℃から25℃が最適)
    7. 土が乾いたら5と同様に水やりをする
    8. 2週間程度で発芽する
    9. 苗が3~4枚の葉を持つようになったら間引きをする
    10. 苗が5~6枚の葉を持つようになったら植え替えをする

    なお、種まき用の容器はプラスチック製のポットやトレイなどが適しています。容器に穴があることを確認しておきましょう。

    コモンマロウ栽培の環境づくり(用土づくり・水やりと肥料の与え方)

    種蒔きをした後は、コモンマロウの栽培に適した環境づくりを行います。

    コモンマロウは、日当たりが良くて風通しの良い場所を好みます。直射日光が当たることで花色や花持ちが良くなります。

    用土づくり、水やり、肥料の与え方のポイントを以下にお伝えします

    【用土づくり】

    コモンマロウは水はけが良くて肥沃な土を好むため、市販の培養土や赤玉土などを混ぜて用土づくりを行います。

    酸性度(pH)が5.5から6.5程度の土が適しているので、土の酸性度が低すぎる場合は石灰や苦土石灰などを混ぜて中和します。土の酸性度が高すぎる場合は、腐葉土やピートモスなどを混ぜて酸性化しましょう。

    土の中にある石や根など取り除き、畑の土を耕してふかふかにほぐして完成です。

    なお、土の酸性度は、市販の試験紙や計測器などで測ることができます。

    【水やり】

    コモンマロウは乾燥に強い花ですが、水不足になると花付きが悪くなってしまうため土が乾いたらたっぷりと与えます。

    根元から与えることを意識して充分に与えるようにします。

    水やりのタイミングとしては朝か夕方に行います。夜間に水やりをすると葉や茎に水滴が残って病気になる可能性があるのでご注意ください。

    【肥料やり】

    肥料は、月に1回から2回程度の頻度で液体肥料や粒状肥料などを与えます。

    コモンマロウは開花期に多くの肥料を必要としますので、開花期にはリンやカリウムなどを多く含む肥料を与えるのが良いでしょう。

    適切な肥料やりによって花色や花持ちを良くする効果があります。

    コモンマロウの苗の地植え(畑へ植え付ける)時期と方法

    コモンマロウの苗の地植え時期は、気温が15℃以上になることが多くなる春から初夏(5月から6月)にかけてに行うのが最適です。

    土づくりを行った後、以下の手順で苗を畑へ地植えしていきましょう。

    1. 幅30cm程度、高さ10cm程度の畝(うね)を作る
    2. 畝に苗と同じ大きさ程度の穴を掘る(穴と穴の間は20cm程度離します)
    3. 苗を植え付ける
    4. 根元を軽く押さえて土と密着させる
    5. 根元からたっぷりと水やりをする

    以上がコモンマロウの苗を地植えする方法です。

    地植えではなく鉢植えやプランターで育てたい方は、次を参照していただけたらと思います。

    コモンマロウを鉢植え・プランターで育てる方法

    コモンマロウは鉢植えでもプランターで育てることが可能です。

    コモンマロウは、根が深く伸びるので鉢やプランター選びに注意が必要ですが、それ以外はそれほど難しいことはありません。

    育て方は次のとおりです。

    1. 深めの鉢・プランターを選ぶ。(底に穴があることを確認しておきましょう)
    2. プランターの高さの3分の2程度まで用土を入れる。
    3. 苗と同じ大きさ程度の穴を掘って苗を入れる。
    4. 根元を軽く押さえて土と密着させる。
    5. 根元からたっぷりと水を与える。
    6. 鉢・プランターを明るい場所に置く。

    鉢の大きさは、尺鉢(10号鉢(直径30cmの鉢))が目安で、尺鉢1つに1株を植えるくらいにするのが良いでしょう。

    コモンマロウは日陰でも育つのか

    コモンマロウは日陰でも育ちますが、あまりおすすめできません。

    日陰で育てると、以下のようなデメリットがあるためです。

    • 開花が遅くなるか、花付きが悪くなる
    • 花色が薄くなるか、変化する
    • 茎が伸びすぎて倒れやすくなる
    • 病気や害虫にかかりやすくなる

    それでも、どうしても日陰で育てたい場合は、以下のような点に注意して育てるのが良いでしょう。

    • 日陰でも明るさがある程度確保できる場所を選ぶ
    • 午前中や午後に少しでも直射日光が当たる場所を選ぶ
    • 湿気や水滴が残らないようにする
    • 肥料は控えめにする
    • 茎が倒れないように支柱やネットなどで支える

    コモンマロウの剪定の時期と方法

    コモンマロウを上手に栽培するには適切な剪定が必要です。

    剪定をすることで、花付きや株の健康を良くし病気や害虫の予防にもなります。

    ここでは、コモンマロウの剪定の時期と方法について解説します。

    【剪定の時期】

    コモンマロウの剪定は、大きく分けて花後剪定と冬剪定の2回行います。

    花後剪定は、5月から7月にかけて咲く品種なら8月から9月に行い、 春から咲き続ける品種なら随時行います。

    咲き終わった花や花茎を切り取ることで、再び花を咲かせる促進や種子散布を防止するのを目的とします。

    冬剪定は、10月から11月に行います。

    冬に地上部が枯れる前に、根元から10cm~20cmぐらいのところで切り戻すことで、根の活力を高めたり、翌年の芽吹きを促進するのを目的とします。

     

    【剪定の方法】

    コモンマロウの剪定は、鋏やハサミなどの刃物を使って行います。刃物は事前に消毒しておくと病原菌の感染を防ぐことができます。

    剪定する際には以下の点に注意しましょう。

    剪定の種類 注意点
    花後剪定 咲き終わった花や花茎を根元から切り取りますが、花茎がまだ緑色であれば残しておいてもよいでしょう。花茎が茶色く枯れている場合は切り取った方がよいです。
    冬剪定 地上部が枯れる前に根元から10cm~20cmぐらいのところで切り戻します。切り口は斜めにすると水分が溜まりにくくなります。 切り口から新芽が出るまでは、乾燥や凍害から保護するために藁や落ち葉などで覆っておきましょう。

    以上がコモンマロウの剪定の時期と方法です。

    コモンマロウは丈夫な植物ですが、適切な剪定をすることでより美しく健康的に育てることができます。

    コモンマロウの摘心方法

    コモンマロウの摘心とは、茎の先端を切り取ることで横枝や花芽を増やす方法です。

    摘心することで、以下のようなメリットがあります。

    • 茎が伸びすぎて倒れるのを防ぐ
    • 茎が分岐して株がふさふさになる
    • 花付きが良くなる
    • 花色が鮮やかになる

    コモンマロウの摘心方法は簡単で、茎の先端にある新芽や葉を爪やハサミで切り取るだけです。切り取った部分から横枝や花芽が出てきます。

    コモンマロウの摘心時期は春から夏にかけて行います。成長が旺盛な時期に行うと効果的です。秋から冬は休眠期なので摘心は控えましょう。

    コモンマロウの摘心回数は、株の大きさや目的に応じて調整すると良いですが、あまり大きく育てたくない場合は何度も摘心して成長を抑えます。

    花をたくさん咲かせたい場合は、開花前に1回か2回程度摘心します。

    なお、コモンマロウの摘心後は以下のような点にご注意ください。

    • 摘心した部分から水分が失われないようにする
    • 摘心した部分から病気や害虫が侵入しないようにする
    • 摘心した部分から栄養が奪われないようにする

    具体的には、以下のような対策を行います。

    • 摘心した日は水やりをして土を湿らせる
    • 摘心した部分に傷跡が残らないように切り口をきれいにする
    • 摘心した部分に病気や害虫が発生しないように観察する
    • 摘心した部分に栄養が行き渡るように肥料を施す

    摘心することでより美しく育てることができるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

    コモンマロウの増やし方

    コモンマロウの増やし方としては、以下の4つが挙げられます。

    • 挿し木
    • 株分け
    • 葉挿し
    • こぼれ種

    それぞれの方法について、詳しくお伝えしていきます。

    挿し木で増やす方法

    コモンマロウの挿し木は成長が旺盛な時期に行うと効果的なので、4~6月か9~10月が適しています。秋から冬は休眠期なので挿し木は控えましょう。

    コモンマロウの挿し木方法は簡単で、株から切り取った枝や茎を土に挿すだけです。

    具体的な手順は以下のとおりです。

    1. 株から新芽が出た枝や茎を切り取る
    2. 切り取った枝や茎から下側の葉を取り除く
    3. 切り口を水に浸けて水分補給する
    4. 弱アルカリ性の土(赤玉土+腐葉土+苦土石灰)に枝や茎を半分ほど埋めて挿す
    5. 挿した枝や茎に水やりをして土を湿らせる
    6. 日陰で管理する

    コモンマロウの挿し木後は、以下のような点にご注意ください。

    • 挿した日は水やりをして土を湿らせる
    • 挿した部分に傷跡が残らないように切り口をきれいにする
    • 挿した部分に病気や害虫が発生しないように観察する
    • 挿した部分に栄養が行き渡るように肥料を施す

    なお、コモンマロウを挿し木で増やすメリットとしては、次の3点が挙げられます。

    1. 親株と同じ特徴を持つ苗が作れる
    2. 種まきよりも早く開花させることができる
    3. 根付きやすく管理が楽

    コモンマロウは、挿し木することで手軽に増やすことができるので、是非挑戦してみてくださいね。

    株分けで増やす方法

    コモンマロウの株分け時期は、地上部が枯れる頃(10~11月)に行うのが最適です。

    コモンマロウの株分け方法は簡単で、株から切り取った部分を土に植え付けるだけです。

    具体的な手順は以下のとおりです。

    1. 株を土から掘り起こす
    2. 根についた土をていねいに取り除く
    3. 2~3株になるよう根を切り分ける
    4. 弱アルカリ性の土(赤玉土+腐葉土+苦土石灰)に部分を植え付ける
    5. 植え付けた部分に水やりをして土を湿らせる

    コモンマロウの株分け後は、以下のような点にご注意ください。

    • 植え付けた日は水やりをして土を湿らせる
    • 植え付けた部分に傷跡が残らないように切り口をきれいにする
    • 植え付けた部分に病気や害虫が発生しないように観察する
    • 植え付けた部分に栄養が行き渡るように肥料を施す

    なお、コモンマロウを株分けで増やすメリットとしては次の3点が挙げられます。

    1. 親株と同じ特徴を持つ苗が作れる
    2. 種まきよりも早く開花させることができる
    3. 根付きやすく管理が楽

    コモンマロウは、株分けでも手軽に増やすことができるので、是非挑戦してみてくださいね。

    葉挿しで増やす方法

    コモンマロウの葉挿し時期は、新芽が伸び始める頃(5~6月)に行うのが最適です。

    コモンマロウの葉挿し方法は簡単で、葉から切り取った部分を土に挿すだけです。

    具体的な手順は以下の通りです。

    1. 親株から健康な葉を選んで切り取る
    2. 葉柄から5cmほど上まで切り落とす
    3. 切り口を乾かして傷口をふさぐ
    4. 弱酸性~中性の土(赤玉土+バーミキュライト+パーライト)に部分を挿す
    5. 挿した部分に水やりをして土を湿らせる

    コモンマロウの葉挿し後は、以下のような点にご注意ください。

    • 挿した日は水やりをして土を湿らせる
    • 挿した部分に傷跡が残らないように切り口をきれいにする
    • 挿した部分に病気や害虫が発生しないように観察する
    • 挿した部分に栄養が行き渡るように肥料を施す

    なお、コモンマロウを葉挿しで増やすメリットとしては次の3点が挙げられます。

    1. 親株と同じ特徴を持つ苗が作れる
    2. 種まきよりも早く開花させることができる
    3. 根付きやすく管理が楽

    コモンマロウは、株分けでも手軽に増やすことができるので、是非挑戦してみてくださいね。

    こぼれ種でも増える

    コモンマロウはこぼれ種で自然に増えていきます。

    コモンマロウの花が咲き終わると花茎の先端に丸い実ができますが、最初は緑色だったのがだんだんと茶色くなっていき、しばらくすると実が割れて中から種が出てきます。

    黒くて扁平な形をした種がこぼれ落ちて増えていきます。

    また、別な場所にも植えて増やしたい場合は種取りをして種植えをして増やせます。

    種取りの時期は、5月から7月にかけて咲く品種なら8月から10月に、春から咲き続ける品種なら、随時行います。(実が割れると種が飛んでしまう可能性があるので、実が割れる前に行うのがポイントです。)

    種取りする際には以下の点に注意しましょう。

    • 朝早くか夕方に行うとよい。 日中は暑くて種が飛びやすくなるからです。
    • 病原菌の感染対策として刃物(鋏やハサミなど)を消毒してから使う
    • 種取りでは、花茎ごと切り取ってから実を摘み取る。
    • 実を摘み取るときは、実を指でつまんで軽くねじって取る。
    • 種取りした実は新聞紙などに広げて日陰で乾燥させる。
    • 乾燥させた実は手で潰して中から種を出す。
    • 種は涼しくて暗い場所に乾燥剤入りの密封できる容器に入れて保存する。

    コモンマロウの収穫の時期と方法

    コモンマロウは5~8月に開花しますが、収穫時期は花が一番多く咲き色も鮮やかな6~7月が最適です。

    コモンマロウは葉や若芽も食用にできますが、ここではハーブティーとして用いられることが多い花を収穫する方法についてお伝えします。

    1. 早朝に咲いた花を摘み取る。
    2. 花弁だけを取り除き、茎や萼(がく)は捨てる。
    3. 乾燥させるために新聞紙やキッチンペーパーなどで包む。
    4. 日陰で風通しの良い場所に置き、1~2日ほど乾燥させる。
    5. 乾燥したら乾燥剤入りの密封できる容器に入れて保存する。

    コモンマロウは、早朝に咲いた花を摘むことで香りや成分が損なわれないのでおすすめです。

    収穫した花にお湯を注いで蒸らすと、青色の美しいお茶になりますが、その後、レモンを足すことで赤紫からピンク色へと変化していきます。

    この色の移り変わりが朝焼けのようであることから、「夜明けのハーブティー」とも呼ばれています。また、咳や胃炎などちょっとした体の不調に効果があるとされています。

    コモンマロウのハーブティーの作り方や効能については、こちらのページで詳しくお伝えしています。

    [surfing_other_article id=”566″]

    コモンマロウの夏越し・冬越しのやり方と注意点

    コモンマロウは耐暑性が強いとされていますが、直射日光や高温多湿には弱いです。

    特に変わった点はありませんが、コモンマロウの夏越しの方法をご紹介します。

    • 日陰や風通しの良い場所に置く。
    • 鉢植えの場合は、鉢土の表面がよく乾いたらたっぷり水やりする。
    • 庭植えの場合は、乾燥がひどいときだけ水やりする。
    • 多肥にすると倒れやすくなるので、成長期に緩効性肥料を置き肥するか液体肥料を施す。
    • 花がら摘みや花茎の切り戻しを行う。

    次に冬越しのやり方についてですが、コモンマロウは耐寒性はあるものの、-5℃以下になると枯れてしまう可能性があります 。

    冬場は霜や雪から守るために鉢植えは屋内に取り込むか、庭植えは覆いものをすることが必要です。

    冬越しの方法は以下のとおりです。

    • 鉢植えの場合は、屋内に取り込むか、鉢底から保温材を敷く
    • 庭植えの場合は、株元に落ち葉や枯草などを敷き詰めて覆う
    • 水やりはほとんど必要ないが、乾燥がひどいときだけ少量与える
    • 肥料は施さない
    • 地上部が枯れたら株元から10cmほど残して切り戻す

    コモンマロウは適切な管理をすることで長く楽しむことができるので、適切な夏越し・冬越し対策をして健康な株を育てましょう。

    コモンマロウの花が咲かない時の対策

    コモンマロウの花が咲かない時の原因は、主に以下の3つに分けられます。

    原因 補足
    日当たり不足 コモンマロウは日当たりと風通しの良い場所で育てることが大切です。日当たりが悪くても育たないことはないですが、成長が遅くなったり花付きが悪くなります。特に夏場は直射日光を避ける必要はありません。日陰や室内で育てている場合は、日当たりの良い場所に移動させましょう。
    栄養不足 コモンマロウは肥沃な土を好みます。土質が貧弱だと栄養不足になって花芽が形成されにくくなります。また、多肥にすると倒れやすくなるので適切な肥料管理が必要です。苗を植え付ける時に元肥として緩効性肥料を土に混ぜておき、追肥は春と秋に同じ緩効性肥料を1度ずつまいておきましょう。
    摘心不足 コモンマロウは草丈が高くなる植物なので、茎の先端を切って摘心しましょう。

    コモンマロウは、種まきから開花まで約3か月かかります。(開花期は6月から9月頃)

    花が咲かないと感じたら、できるだけ早い段階で上記の対策をしてみてくださいね。

    コモンマロウの育て方に関するQ&A

    ここでは、コモンマロウの育て方に関するQ&A(質問&回答)を紹介します。

    • コモンマロウ栽培で注意すべき病害虫は?
    • コモンマロウは北海道で栽培できる?

    上記の問いについて詳しく回答していますので、参考にしてみてくださいね。

    コモンマロウ栽培で注意すべき病害虫は?

    コモンマロウ栽培で注意すべき病害虫は、主に以下の4つに分けられます。

    1. 斑点病
    2. 炭疽病
    3. フタトガリコヤガ
    4. ワタアブラムシ

    それぞれについて詳しく見ていきましょう。

    1.斑点病
    斑点病は、葉や茎に褐色から黒色の斑点が出る病気です。湿度が高くて風通しの悪い場所では発生しやすくなります。

    斑点が広がって葉が枯れたり、茎が折れたりすることもあるので、斑点病に感染した部分は切り取って処分しましょう。

    また、水やりは朝の涼しい時間帯に行い土の表面が乾くまで間隔をあけることが大切です。予防的に殺菌剤を散布することも効果的です。

    2.炭疽病
    炭疽病は、葉や茎に黒い粒状の菌核が出る病気です 。菌核は風や雨で飛散して感染を広げます。

    葉や茎が枯れたり、花が咲かなくなったりすることもあります。炭疽病に感染した部分は切り取って処分しましょう。

    また、水やりは朝の涼しい時間帯に行い土の表面が乾くまで間隔をあけることが大切です。予防的に殺菌剤を散布することも効果的です。

    3.フタトガリコヤガ
    フタトガリコヤガは、コモンマロウの葉を食害する害虫です 。幼虫は葉裏に隠れて穴をあけたり、葉の端を食べたりします。

    成虫は夜行性で昼間は葉裏や茎の付け根などに潜みます。フタトガリコヤガに被害された場合は、手で取り除くか殺虫剤を散布しましょう。

    4.ワタアブラムシ
    ワタアブラムシは、コモンマロウの茎や花芽に吸汁する害虫です 。吸汁された部分はしおれたり、変形したりします。

    また、ワタアブラムシはウイルス病の媒介者でもあります。ワタアブラムシに被害された場合は、水洗いするか殺虫剤を散布しましょう。

    コモンマロウは北海道でも栽培できる?

    コモンマロウは丈夫で寒さにも強い植物なので、適切な管理をすれば北海道でも栽培できます。(冬越しも可能です)

    実際に、北海道のハーブ農園ではコモンマロウを育てているところもあります 。

    北海道でコモンマロウを栽培する際の注意点をご紹介します。

    1. 種まきは春に行う
    2. 土は水はけの良いものを選ぶ
    3. 日当たりと風通しの良い場所に植える
    4. 冬は霜や雪から保護する

    それぞれについて詳しく見ていきましょう。

    1.種まきは春に行う
    コモンマロウは種まきで簡単に増やすことができます。しかし、北海道では冬が長く寒いので、種まきは春に行うのがおすすめです。

    春に種まきをすることで、夏までに苗を大きく育てることができます。種まきは直まきでもポットまきでも構いませんが、発芽温度は15~20℃程度なので温室やビニールトンネルなどを利用するとよいでしょう。

    2.土は水はけの良いものを選ぶ
    コモンマロウは水はけの良い土を好みます。湿気が多くて重い土では根腐れや病気の原因になるので、土壌改良材や砂などを混ぜて軽くふかふかにした土を用意しましょう。

    また、酸性度は中性からややアルカリ性が適しています。

    3.日当たりと風通しの良い場所に植える
    コモンマロウは日当たりと風通しの良い場所を好みます。日当たりが悪いと花付きが悪くなったり、風通しが悪いと病気になりやすくなったりします。

    また、背丈が高くなるので、倒れないように支柱やネットなどで支えることも必要です。

    4.冬は霜や雪から保護する
    コモンマロウは寒さに強い植物ですが、北海道では厳しい冬を迎えます。

    霜や雪に当たると枯れたり凍傷したりする可能性があるので、冬は地上部を刈り取って株元から10cmほど残し、落ち葉や枯草などで覆って保温するとよいでしょう。

    また、鉢植えの場合は室内や温室などに移動させることも考えましょう。

    まとめ:コモンマロウの育て方について

    コモンマロウは丈夫で寒さに強く、育てやすいハーブの一つです。

    日当たりと風通し、水はけのよい場所に植えます。植えつけ場所や用土には有機物を加えます。

    水やりは鉢植えの場合は鉢土が乾いたらたっぷりと与える一方で、庭植えの場合はほとんど必要ありません。

    肥料は元肥として緩効性化成肥料を施し、春と秋に追肥します。多肥にすると倒れやすくなるので注意しましょう。

    増やし方も簡単ですし、夏越し・冬越しも手間もかかりませんので、キレイな花が咲くコモンマロウを育てる際の参考にしてみてくださいね。

     

    コモンマロウ好きの方であればムスクマロウもおすすめです。

    ムスクマロウの育て方については、こちらのページでお伝えしています。

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  • アルケミラモリスの育て方|冬越しの方法や大きくならない時の対処法も

    アルケミラモリスの育て方|冬越しの方法や大きくならない時の対処法も

    アルケミラモリス(レディースマントル)は、バラ科の多年草で、初夏にかわいらしい黄緑色の小花を咲かせるハーブです。

    寒さに強く、病害虫にも強いのでとても育てやすいハーブですが、ミントなどのように有名なハーブではないため育て方に関する情報は少ないのが難点です。

    そこでこの記事では、アルケミラモリスの育て方について、冬越しや夏越しの方法、大きくならない時の対処法などを交えて詳しくご紹介します。

    アルケミラモリスの種まきの時期と方法

    アルケミラモリス(レディースマントル)の種まきの時期は、春(3月~5月)と秋(9月~11月)が適しています。

    春まきの場合は翌年の夏に花が咲き、秋まきの場合は冬越しをして翌年の春から夏に花が咲きます。

    アルケミラモリスの種まきの方法は、以下のとおりです。

    1. 種を購入するか、自家採取する。
    2. 種を2時間~1日程度、水に浸してふやかす。
    3. 鉢やプランターに用土を入れて平らにならす。
    4. 種と種の間隔を約5cm程度あけ用土の表面に薄くまく。
    5. 種を軽く押さえて埋め込む。
    6. 用土が乾かない程度に霧吹きで水やりをする。
    7. 日当たりと風通しの良い場所に置く。

    以上が、アルケミラモリスの種まきの時期と方法です。2週間~1ヶ月すると発芽してきます。

    アルケミラモリスは、丈夫で育てやすい植物なので、上記の方法でぜひ挑戦してみてくださいね。

    アルケミラモリスの苗植え(庭植え)と植え替えの時期・方法

    アルケミラモリスの苗植えは種まき時期と同様に、春(3月~5月)と秋(9月~11月)が適しています。

    アルケミラモリスの苗植え(庭植え)の方法は、以下のとおりです。

    1. 植え付けに適した、日当たりと水はけの良い場所を選ぶ
    2. 土に腐葉土や堆肥などの有機質を混ぜて栄養を与えて、ふかふかの土を作る。
    3. 苗と苗の間隔を約30cm程度空けて植え付ける。
    4. 土が乾かない程度に水やりをする。
    5. 花が咲く前と咲いた後に液体肥料を与える。

    以上がアルケミラモリスの苗植え(庭植え)の方法です。

    3の植え付けについては、次にご紹介する苗植え(庭植え)と同じ方法で構いませんので、参考にしてみてください。

    それでは次に植え替えについてですが、秋(9月~11月)に行うのが最適です。

    植え替えの方法は、以下のとおりです。

    1. 根を傷つけないように株を掘り上げる。
    2. 株を手で引き裂くか、ナイフで切り分けて株分けする。
    3. 新しい鉢や場所に植える。

    以上が、アルケミラモリスの苗植え(庭植え)と植え替えの方法です。

    アルケミラモリスを育てるのに適した用土づくり

    アルケミラモリスを育てるのに適した用土づくりとしては、水はけが良く腐葉土や堆肥など腐植質の土を作ることを心がけます。

    乾燥は嫌いますが水分が溜まりすぎる土壌では根腐れをしてしまいますので、水はけが良く適度な水分を含む土壌で育てるようにします。

    用土づくりの方法は、地植えと鉢植えで異なりますのでご注意ください。

    【地植え】
    地植えの場合は、植え付けの2〜3週間前に腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んでよく耕しておきます。 土づくりをした後にしばらく時間をおくことで分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。

    【鉢植え】
    鉢植えの場合はハーブ用や山野草用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。

    小粒の赤玉土と鹿沼土を同量くらいに混ぜて、3割ほど腐葉土を混ぜた土が適しています。

    以上が、地植え・鉢植え時のアルケミラモリスを育てるのに適した用土づくりの方法です。 アルケミラモリスは、明るい黄緑色の花や葉が美しく、ドライフラワーにも向いている植物です。 用土づくりに気をつけて、元気に育てたいですね。

    アルケミラモリス栽培に適した環境(日当たり・水やり・肥料)

    アルケミラモリスは寒さに強く、暑さに弱い性質を持っているため、栽培環境には気をつける必要があります。

    ここでは、日当たり・水やり・肥料について、アルケミラモリスに適した方法をご紹介します。

    【日当たり】
    アルケミラモリスは、明るい半日陰が好きです。 直射日光が当たりすぎると葉焼けを起こしたり、根が高温になって傷んだりする可能性があります。

    一方で、暗すぎると花付きが悪くなったり、病気にかかりやすくなったりします。

    暑さが厳しい地域では午前中のみ日が差す東側や、一日中チラチラと木漏れ日が差すような涼しい場所に植えると良いでしょう。 冷涼地では日当たりの良い場所でも半日陰でも場所を選ばず育てられます。

    【水やり】
    アルケミラモリスは根の乾燥を嫌うので 水切れに注意が必要です。

    鉢植えの場合、土の表面が乾いたらたっぷりと鉢の底から水が出てくるまで与え、 庭植えの場合は、しっかり根が付いている場合は頻繁にあげる必要はなく、土の中まで乾燥するような晴天が続いた場合にはたっぷりと与えましょう。

    ただし、水やりの際には葉や花に水がかからないように注意しましょう。 水滴がつくと太陽光で焼けてしまうことがあるためです。

    【肥料】
    アルケミラモリスは肥料をあまり必要としません。

    庭植えの場合は、植え付けの時に腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んでおけば、その後は特に肥料を与えなくても良く育ちます。

    鉢植えの場合は10月~11月頃と3月~4月に、置き肥なら2回位(月に1度)鉢の縁に沿わすように、液肥なら4回位(月に2回程)施しましょう。

    アルケミラモリスを鉢植えで育てる方法

    アルケミラモリスを鉢植えで育てる際の方法と注意点についてご紹介します。

    【鉢の選び方】
    アルケミラモリスは根が横に広がる性質があるので、深さよりも幅の広い鉢を選びましょう。 (7〜10号鉢が適しています)

    鉢の底には水はけの良い軽石を敷き、鉢底ネットを使って土が流れ出ないようにします。

    【用土の選び方】
    用土づくりの項をご参照ください。

    【植え付け・植え替えの時期と方法】
    アルケミラモリスの植え付け・植え替え適期は、前述したとおり3〜5月か9〜11月ですが、ほかの時期にも苗は出回っているので、入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。

    植え付け・植え替えの方法は以下のとおりです。

    1. 鉢に用土を半分くらいまで入れる。
    2. 苗をポットから取り出して軽く根鉢をくずし、鉢に仮置きして高さを決める。
    3. 少しずつ土を入れて植え付けます。
    4. 土の量を鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安に入れる。
    5. 土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足す。
    6. 最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与える。

    鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。

    植え替えの方法は、植え替えの方法をご参照ください。

    【日当たり・置き場所】
    鉢植えで育てる際については、上記アルケミラモリス栽培に適した環境をご参照ください。

    【水やり・肥料】
    水やり・肥料の与え方についても、上記アルケミラモリス栽培に適した環境をご参照ください。

    アルケミラモリスの夏越しの方法

    アルケミラモリスは耐寒性が強いので冬越しは比較的簡単ですが、夏越しは注意が必要です。

    アルケミラモリスは高温多湿に弱く、直射日光が当たりすぎると葉焼けや根腐れを起こす可能性があります。

    夏越しする場合は、以下のポイントに注意しましょう。

    注意点 ポイント
    日当たりを避ける 午後から日が差す西側や南側は避けましょう。午前中だけ日が差す東側や一日中チラチラと木漏れ日が差すような涼しい場所が適しています。
    水やりを調節する 土の表面が乾いたら鉢底から水が出るくらいたっぷりと与えましょう。ただし、 水滴がつくと太陽光で焼けてしまうので葉や花に水がかからないようにします。また、過湿にも注意しましょう。
    肥料を控える 肥料を与えすぎると株が弱って病気にかかりやすくなるので、夏の間は肥料を与えないか少量にします。
    病気・害虫に注意する 高温多湿になると病気や害虫に侵されやすくなります。 特にカイガラムシやアブラムシに注意しましょう3。 発見したら早めに駆除してください。

    アルケミラモリスの冬越しの方法

    アルケミラ・モリスは耐寒性が強く、-20℃程度まで耐えられるのでそれほど難しくありませんが、冬越しする場合は以下のポイントに注意しましょう。

    注意点 ポイント
    水やりを控える 過湿になると根腐れを起こす可能性があるので、雨が降らない場合でも月に1回程度で十分です。
    肥料を与えない  肥料を与えると新芽が出て寒さで傷んでしまうので、冬の間は肥料を与えないようにします。
    枯れた葉や茎を取り除く 冬の期間中は葉や茎が枯れていきます。 枯れた部分は取り除いておきましょう。 病気の予防や春の芽吹きを促進することができます。

    アルケミラモリスを増やす方法

    アルケミラモリスは、種まき以外にも

    • 挿し木
    • 株分け

    この2つの方法で増やすことができます。それぞれの方法については以下のとおりです。

    挿し木で増やす方法

    挿し木の適期は5〜6月頃の開花後か、9〜10月頃の秋です。

    挿し木の手順は以下のとおりです。

    1. 挿し穂を選ぶ
    2. 挿し土を用意する
    3. 挿す
    4. 管理する
    5. 植え替える

    次に、それぞれのポイントを補足していきます。

    挿し穂は、健康な株から新芽が出たばかりの若い枝を選び、長さは10〜15cm程度に切ります。葉は下の方を2〜3枚残して取り除きます。

    挿し土は適度な水分を保つ土が適しているので、赤玉土と腐葉土を半々に混ぜた土を用意し、挿し穂の切り口に発根促進剤をつけて挿し土に3〜5cm程度差し込みます。(1つの鉢に2〜3本程度挿します)

    直射日光を避けて風通しの良い場所に置き土が乾いたら水やりをしますが、湿りすぎないように注意します。

    約1ヶ月程度すると根が出てくるので、根が出たら個々に鉢に植え替えて通常の管理を行います。

    株分けで増やす方法

    アルケミラ・モリスは、株分けで増やすこともできます。 株分けの適期は、4月か10月頃です。 株分けする場合は、以下のポイントに注意しましょう。

    1. 株を掘り上げる
    2. 株を分ける
    3. 植え付ける

    次に、それぞれのポイントを補足していきます。

    株が大きくなったら、根が傷まないように注意しながら鋤やスコップなどで株を掘り上げます。(株を数芽ずつ付けて根を切り分ける際には、清潔な刃物で切るようにします。)

    切り分けた株は、土は腐葉土や堆肥などを混ぜて水はけを良い土壌に植え付けます。その後は水やりや施肥など通常の管理を行います。

    アルケミラモリスが大きくならない時の対処法

    アルケミラモリスは草丈が30~40cmになる植物ですが、場合によっては大きくならないことがあります。その原因と対処法は以下のとおりです。

    原因 対処法
    日当たりが悪い 直射日光は避けて半日蔭にしますが、暗すぎると成長が悪くなるので日当たりの良い場所に移動させてみましょう。
    水やりが不足している 水やりが不足すると根が乾燥して成長が止まってしまいます。土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えますが、水はけが悪くならないように注意します。
    肥料が不足している 大きく成長するためには栄養を必要とするので、肥料は欠かせません。春から秋にかけて液体肥料を月に1~2回与えます。開花期には花色を良くするためにリン酸系の肥料を与えると良いでしょう。
    根詰まりしている 根詰まりすると成長が止まってしまうので植え替えを行います。根詰まりしているかどうかは、鉢から抜き出して根を確認して根が鉢からはみ出しているか鉢底から出ているか、根が白くなっているかなどの状態を見て判断できます。

    アルケミラモリスの育て方に関するQ&A

    アルケミラモリスを育てる際によく聞かれる、

    • アルケミラモリスに毒性はある?
    • アルケミラモリスの寄せ植えのコツは?
    • 注意すべき病気と害虫は?

    上記の質問に対する回答をご紹介します。

    アルケミラモリスに毒性はある?

    アルケミラモリスには、人間に対する毒性は確認されていません。

    西洋では古くからハーブとして利用されており、葉を乾燥させてハーブティーや化粧水などに使われています。

    ただし、園芸用として販売されている品種の中には薬用としての効果が薄いものもあるため、ハーブ苗として販売されているものを選ぶことがおすすめです。

    なお、動物に対しても毒性はないとされていますが、一部の動物にはアレルギー反応を起こす可能性があります。

    特に犬や猫などのペットは、アルケミラモリスを食べたり舐めたりすることで、嘔吐や下痢などの消化器系の不調を引き起こすことがあるほか、葉に付着した水滴や花粉などで皮膚や目などを刺激することもあります。そのため、ペットが近づかないように注意する必要があります。

    アルケミラモリスの寄せ植えのコツは?

    アルケミラモリスは、爽やかな色合いと柔らかな雰囲気で他の花と組み合わせやすい植物でイングリッシュガーデンやナチュラルガーデンにぴったりです。

    アルケミラモリスの寄せ植えのコツは、寄せ植えに向いている花と一緒に植えることです。

    アルケミラモリスとの寄せ植えに向いている花は以下のようなものがあります。

    寄せ植えに向いてる花 補足事項
    バラ バラ科のアルケミラモリスは、バラと相性が良くグランドカバーとしても活躍します。 バラの色や香りを引き立てる効果があります。
    低木類 ライラックやデウィンティアなどの紫色やピンク色の花と合わせると、コントラストが美しいです。 低木類は背丈が高くなるので、アルケミラモリスを前面に植えましょう。
    リーフプランツ アルケミラモリス自体を主役にする場合は、リーフプランツと合わせて緑のグラデーションを楽しむことができます。 フウチソウやカレックスなどの細かい葉や、ティアレラやカンパニュラなどの白やピンクの小花がおすすめです。

    注意すべき病気と害虫は?

    アルケミラモリスは、病害虫の心配はほとんどありませんが、完全に無敵というわけではなく稀にケムシ類に食害されることがあります。

    また、高温多湿や水やりのし過ぎによって根腐れを起こして枯れることもあるので注意が必要です。

    【ケムシ類】
    ケムシ類は、アルケミラモリスの新芽やつぼみを食べてしまう害虫です。

    梅雨時期から発生し始めるので、定期的に観察して見つけたらすぐに駆除しましょう。 割り箸や手でつまんで捕まえるか、殺虫剤を散布するようにします。

    【根腐れ】
    根腐れは、アルケミラモリスの最大の敵です。 高温多湿や水やりのし過ぎによって土が蒸れて根が傷んでしまうと、株全体が元気をなくして枯れてしまいます。

    まとめ:アルケミラモリスの育て方

    アルケミラモリスは、鉢植えや庭植えで楽しめる多年草です。

    育て方は難しくありませんが、根の乾燥や高温多湿に注意する必要があります。

    冬越しは寒さに強いので特に対策は不要ですが、鉢植えの場合は霜よけをすると安心です。大きくならない時は、根詰まりや栄養不足が原因かもしれないので確認してみると良いでしょう。

    また、アルケミラモリスは種まきのほか、挿し木や株分けでも増やすことができます。

    上手に育てて、ドライフラワーや切り花としても楽しんでみてくださいね。

  • 北海道でのにんにくの栽培方法と育て方|冬越し・プランター栽培やおすすめ品種

    北海道でのにんにくの栽培方法と育て方|冬越し・プランター栽培やおすすめ品種

    北海道でにんにく栽培をしてみたけど、すぐに枯れてしまった…という経験をお持ちの方はきっと多いでしょう。

    にんにくを家庭菜園で育てるには無理なのかとかもしれませんが、北海道でのにんにく栽培は注意ポイントさえ押さえればそれほど難しくありません。

    北海道は全国2位を誇るにんにく産地であることからも、にんにく栽培に向かない土地ではないことがわかるでしょう。

    ここでは、北海道の家庭菜園でにんにくを育てる方法について、おすすめの品種のほか冬越しやプランター栽培などを交えてご紹介しています。

    北海道のにんにくの種まき・植え付け時期

    北海道のにんにくの種まき・植え付け時期は、一般的には10月下旬から11月上旬です。

    北海道の気候は寒暖の差が大きく、にんにくの栽培に適していますが、冬越しを誤ると上手に栽培できないのでご注意ください。

    なお、地域や品種によっては種まき・植え付け時期が異なる場合もあるため、栽培するにんにくの特性や環境をよく調べて、最適な時期を見極めることが重要です。

    北海道で栽培する際には寒冷地用の種球を選びますが、にんにくの種球選びの詳細についてはこちらのページをご参照ください。

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    北海道のにんにく栽培の冬越し方法

    北海道でにんにくを栽培する場合、冬越しは重要なポイントです。

    冬越しに必要な作業は次の6つが挙げられます。

    1. 雪が降る前に根を張らせる
    2. 畝間にマルチを敷く
    3. 米ぬかをまいて土寄せをする
    4. (雪が少ない場合など)落ち葉などで保温する
    5. 適度に雪かきをする
    6. 雪解け後はすぐにマルチを取り除く

    以下に、申し少し詳しくお伝えしていきます。

    1. 雪が降る前に根を張らせる

    北海道では雪が多く降るため、にんにくは雪の下で越冬します。そのため、雪が降る前に根を張らせることが大切です。また、根元が霜や雪で傷つかないように保護するため、植え付け後に土を盛り上げて根元を覆います。

    2. 畝間にマルチを敷く

    畝間には藁や落ち葉などのマルチを敷きます。これは、地温を確保し土の温度を安定させて乾燥や凍害を防ぐために必要な作業です。

    3. 米ぬかをまいて土寄せをする

    冬越し前の適正サイズは、葉が5枚から6枚で茎が太くしっかりしているものです。このサイズなら、根が深く張っていて水分をよく集めることができます。

    適正サイズの場合、12月上旬と2月に株の周りに米ぬかをまいて軽く土寄せしましょう。これは、生育を促進するためと病気予防のためです。

    4. (雪が少ない場合など)落ち葉などで保温する

    冬越し中は、水やりや追肥は必要ありません。ただし、雪が少ない場合や気温が低すぎる場合は、藁や落ち葉などで覆って保温することがおすすめです。

    5. 適度に雪かきをする

    また、雪が積もりすぎると根が圧迫されたり、腐ったりする可能性があるので、適度に雪かきも行います。

    6. 雪解け後はすぐにマルチを取り除く

    マルチが湿っていると病気の原因になるため、雪解け後は早めにマルチを取り除くようにします。

    北海道でにんにくをプランター栽培する方法

    北海道でもプランターでにんにくを栽培することは可能です。

    北海道におけるにんにくのプランター栽培の注意点としては、冬越し時の温度管理が挙げられます。

    北海道でプランター栽培での冬越しは畑栽培よりも難しいと言われますが、主な理由としてはプランターは地面から浮いているため地温が低くなりやすいからです。

    対策としては、冬越し前にプランターを雪の下に置いておくこと、黒いビニールマルチや藁などで覆って保温することが効果的です。

    なお、にんにくのプランター栽培に関する一般的なやり方や注意点については、プランターでのにんにくの育て方の項で詳しくご紹介していますのでご参照ください。

    北海道のにんにくの追肥のタイミングと方法

    北海道でにんにくを栽培する場合、追肥は収穫量や品質に大きな影響を与えます。

    追肥のタイミングや与え方については、追肥のタイミングの項で詳しくご紹介しているのでご参照ください。

    寒冷地向けの品種の発芽後・収穫前の追肥のタイミングと、与える肥料についてお伝えしていますので、北海道でのにんにく栽培時の追肥のタイミングと方法について参考にしてみてください。

    北海道でのにんにくの収穫時期と保存方法

    にんにくは北海道では 6月~7月頃 が収穫時期です。

    北海道でも他の寒冷地と収穫時期は同じなので、葉の色や状態で収穫適期を見て収穫します。

    晴天が続いて土が乾いている時に収穫すると良いでしょう

    詳細は、にんにくの収穫時期と保存方法の項をご参照ください。

    北海道(寒冷地・雪国)でのにんにく栽培に適した品種

    北海道は寒冷地となるため、ニンニクも寒冷地に向いた品種を選ぶようにします。有名なものでは、ホワイト六片があります。

    北海道で栽培されている富良野であれば、北海道でも間違いなく育つでしょう。

    また、販売されている種球に品種が明記されていなくても、どこで育てられたものかは記載されていることがほとんどです。九州や中国地方などが産地となっているものは、暖地系であることが多いため避けるようにします。同じ寒冷地である、青森や北海道などの記載があるものを選んで購入します

    北海道でのにんにく栽培に適した品種は、以下のようになります。

    • ホワイト6片
    • ピンクにんにく
    • ジャンボにんにく

    これらの品種は北海道の気候や土壌に適応しており、冬越しすることで大きく育ちます。

    また、それぞれに特徴があるので、料理や保存方法に合わせて選ぶことができます。

    北海道のにんにく農家や産地

    北海道は、2021年度の収穫量は約2,000トンで全国2位(青森県に次ぐ)であり、日本全体の収穫量の約9%を占めているほどのにんにく産地です。

    中でも富良野市や小清水町などが有名なにんにく産地ですが、十勝清水町もにんにくの産地として復活を目指しており、十勝清水にんにくというブランドを確立しようとしています。

    富良野市では「富良野ニンニク」というブランドを作り、全国的にも知名度を高めているほか、小清水町では「小清水ニンニク」というブランドを作り、日本一の生産量を誇っています 。

    これらの産地では寒冷地向きの品種を栽培し、各農家の方々が北海道の厳しい気候条件を乗り越えて美味しいにんにくを作っています。

    他にも美瑛町や江差町などでにんにく栽培が行われており、それぞれ「北海道のダイヤモンドにんにく」や「甚作にんにく」というブランド名で販売されており、ますます北海道でのにんにく生産が盛んになっています。

    北海道のにんにく栽培に関するQ&A

    北海道でのにんにく栽培についてよく聞かれる、

    • 北海道でのにんにく栽培の失敗例は?
    • 北海道での栽培の難しさと対策は?

    上記の質問について、その答えをご紹介します。

    北海道でのニンニク栽培の失敗例は?

    北海道でのニンニク栽培では、特に植え付け時期や地温確保などが重要です。

    基本的には寒冷地向けの種球の植え付け時期どおりに植え付ければ良いですが、北海道の場合だと特に、雪が降るのを見越して早めに植え付けて失敗する例が挙げられます。

    寒さの厳しい北海道だからといった考慮は必要なく、一般的な寒冷地の植え付け時期に行うようにする方が失敗はなくなるはずです。

    詳しくは、にんにくの植え付け時期と発芽適温の項をご参照ください。

    北海道での栽培の難しさと対策は?

    にんにくは耐寒性が強い野菜ですが、北海道で栽培する場合は、気温や日照時間などの気候条件に注意する必要があります。

    北海道では他の地域よりも寒くなり始めるのが早くて暖かくなり始めるのが遅いため、植え付け時期や収穫時期がずれることがあります。また、雪や霜によって株が傷んだり病気や害虫にかかったりするリスクも高まります。

    植え付け時期については、一般的な植え付け時期を参考にしつつ夏の暑さが過ぎて朝晩が涼しくなってきたら植え付けるようにします。

    病害虫については早期発見して病変部を切り取ったり周りの草を整理して風通しをよくするほか、適切な薬剤を散布して対処する方法も有効です。

    また、秋に成長しすぎると雪の重みで茎が折れたり凍害を受けやすくなったりすることもあるため、元肥でしっかりと肥料を入れておき、追肥は雪解け後に行うようにします。

    まとめ:北海道のにんにく栽培方法と失敗を防ぐポイント

    この記事では、北海道でのにんにくの栽培方法と育て方をご紹介しました。

    寒さに強い品種を選定することで、冬越しやプランター栽培も可能になります。冬越しする場合は、10月下旬から11月上旬に植え付けて、マルチングをしておきます。

    プランター栽培する場合は、12月から2月に植え付けて、室内やベランダなどで管理します。

    おすすめ品種は、「北海道産白花」「北海道産紫花」「北海道産大蒜」などです。収穫時期は6月から7月で、乾燥させて保存します。自分で育てたにんにくは、香りも味も格別です。ぜひ挑戦してみてください。

  • にんにく栽培の失敗例と注意点|初心者にもわかりやすい育て方・栽培方法の解説!

    にんにく栽培の失敗例と注意点|初心者にもわかりやすい育て方・栽培方法の解説!

    にんにく栽培をしても上手に育てられなかったという経験をしたことがある人は多いでしょう。

    にんにくは、正しい育て方をすれば家庭菜園でも比較的簡単に栽培できますが、正しい栽培方法を知らずに失敗して枯らしてしまうケースは少なくありません。

    そこでこの記事では、ついやりがちなにんにく栽培の失敗例の紹介と、正しいにんにくの育て方・栽培方法を初心者にもわかりやすく解説します。

    自家栽培のにんにくは、市販のものよりも香りが強く栄養価も高いと言われていますので、ご家庭で美味しいにんにくを育てていただけたらと思います。

    やりがちな「にんにく栽培の失敗例」5選

    ここでは、やりがちな「にんにく栽培の失敗例」として、以下の5つを紹介します。

    1. 食用のにんにくで栽培する
    2. 植え付け時期が早過ぎる・遅すぎる
    3. 植え付けの深さ・角度・間隔などを間違える
    4. 水やりや肥料やりが不適切
    5. 収穫時期が不適切

    以下に、もう少し詳しく失敗例についてお伝えしていきます。

    失敗例1:食用のにんにくで栽培する

    にんにくは家庭菜園で育てることができる野菜ですが、食用のにんにくで栽培すると失敗する可能性があります。

    理由として次の点が挙げられます。

    1. その地域での栽培に適した品種ではない場合が多い
    2. 輸入品が多い
    3. 保存処理されたものが多い

    それぞれの項目について少し補足をしていきます。

    1.その地域での栽培に適した品種ではない場合が多い

    栽培用のにんにくは、地域や気候に合わせて選ばれた品種で、植え付けや収穫の時期も明確に決まっています。食用のにんにくは、そのような条件に合わない場合が多く、発芽しなかったり、病気にかかったり、小さくて不揃いな球になったりすることがあります。

    2.輸入品が多い

    食用のにんにくは輸入品が多いです。輸入されたにんにくは、日本の気候においては栽培に適さない場合が多いため、栽培には適しません。

    3.保存処理されたものが多い

    食用のにんにくは保存処理されたものが多いです。

    保存処理されたにんにくは、発芽を防ぐために低温や乾燥にさらされたり、殺菌剤や防カビ剤などの化学物質が使われたりしています。そのため、栽培に適さない場合があります。

    食用に購入したにんにくの芽が出てきたから畑に植えて栽培しようとしても、失敗してしまうことが多いのはこうした理由によるものです。必ず種用のにんにくを植えて栽培するようにしましょう。

    失敗例2:植え付け時期が早過ぎる・遅すぎる

    にんにくの植え付け時期は、9月下旬から10月上旬が適期です。

    暑い時期に植え付けると病気になりやすく、遅すぎると寒さで根張りが甘くなり、収穫までに実が太りにくくなります。生育適温が15℃~20℃と低めなので、暑さが残っている場合は少し遅らせるようにしますが、植え付けが遅れすぎると春先に生育期間が不足して球が肥大しないことがあるので注意が必要です。

    また、植え付け時期が早過ぎると、土の中の気温が高くなりすぎてにんにくが蒸れてしまい腐ってしまう危険性もあります。反対に植え付け時期が遅すぎると、寒くなると生長が止まってしまい、球が小さくなってしまう可能性があります。

    にんにくの植え付け時期の誤りによる失敗例は多いので、気温を確認しながら植え付け時期を検討してみてくださいね。

    失敗例3:植え付けの深さ・角度・間隔などを間違える

    植え付けの深さや角度や間隔などを間違えると、発芽しなかったり、球が小さくなったり、病気になりやすかったりします。

    にんにくを植え付ける際は、丸い部分を下に向けて植えます。これにより、新しい芽が土から上に成長しやすくなります。角度はおおよそ30度から45度の間が適切です。指先で5cmぐらいの深さに押し込むようにします。

    また、畝の幅は2条植え(2列植え)の場合は50cm、株の間は15cm程度あけるようにしましょう。

    失敗例4:水やりや肥料やりが不適切

    にんにくの水やりは、土が乾いたらたっぷりと与える必要があります。にんにくは比較的乾燥に強い野菜ですが、水不足になると球が小さくなる可能性があります。

    また、水やりの際には株元に水がかからないように気を付けましょう。株元に水がかかると病気の原因になることがあります。

    にんにくの肥料やりに関しては、以下のスケジュールを守ることが重要です。

    • 植え付けの2週間前に、土の酸度調整を行うために苦土石灰を使用する。
    • 植え付けの1週間前に、堆肥と元肥を土に加える。
    • 植え付けから1ヶ月後と2月中旬から3月上旬(地域によって要調整)に追肥を施す。

    これらの適切な水やりと肥料の方法を実践することで、にんにくの生育を促進し、病気のリスクを減らすことができます。

    失敗例5:収穫時期が不適切

    収穫時期が不適切だと、にんにくの品質が悪くなったり、保存性が低くなったりします。

    にんにくの収穫時期は葉の8割くらいが枯れたタイミングに行うのが良いですが、収穫時期が早すぎると、球が小さくて不揃いになります。反対に、収穫時期が遅すぎると、球が割れたり外皮が剥がれたりします。

    こちらの画像が収穫に適した状態のにんにくの葉です。何となく時期が遅く感じられるかもしれませんが、これくらいになってから収穫するのが最適です。

    にんにくの収穫直前の葉

    収穫は、晴れて土が乾燥しているタイミングで行い、収穫した後は、その場で半日くらい天日干しして水分を飛ばしてから乾燥させるようにします。

     

    やりがちな「にんにく栽培の失敗例」のまとめ
    知らないとついやってしまいがちなにんにく栽培の失敗例を5つご紹介しました。こうした失敗例をもとに、正しい方法でにんにく栽培を行って欲しいと思います。

    これ以降は、にんにく栽培の正しい方法について初心者にもわかりやすく解説していくので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

     

     

    種子用にんにくの種類と選び方・使い方

    種用にんにく

    にんにくは、種子用にんにく(にんにく種と呼ばれることもある)と食用にんにくという2種類があります。

    種子用にんにくはその名のとおり、にんにく栽培のための種球(たねぎゅう)として使われるもので、食用にんにくよりも小さくて丈夫な品種が多いです。

    ここでは、種子用にんにくの種類・選び方と使い方として知っておきたい、

    • 種用にんにくの種類
    • 寒地向け・暖地向けの品種の違い
    • 種球の購入方法と水に浸ける理由

    について、詳しくお伝えしていきます。

    家庭菜園で栽培できる主な種用にんにくの種類

    家庭菜園で栽培できる主な種用にんにくの種類は以下のとおりです。

    種用にんにくの種類 主な特徴
    福地ホワイト六片 寒地型の代表格で青森県産が有名。一球に4~6片の鱗片があり、肉質が詰まっていて甘味が強い。
    上海早生 中国が原産の暖地型で、九州や四国で栽培されている。一球に約12片の鱗片がありあっさりした味わいで香りもマイルド。
    壱州早生 朝鮮半島から長崎県壱岐市に伝わった暖地型で、一球に約12片の鱗片がある。香りは穏やかで薬味に向いている。
    島にんにく 沖縄県で栽培されている暖地型で、球はピンクがかっている。一球に約15~20片の鱗片があり辛みと香りが強い。
    ジャンボにんにく 実はネギ科ネギ属リーキ種のネギの仲間で、鹿児島県で栽培されている。一球あたり100~150gにまで育ちます。香りや辛味は控えめ。
    プチにんにく 中国など海外産の一片種で、中には小さな塊だけがあある。外側の皮は赤紫がかっているものが多く、マイルドな味わいがする。
    平戸にんにく 暖地向けの早生大型球種で、福地ホワイト六片に似た見た目をしている。加熱するとねっとりとした食感が楽しめる。
    最上赤にんにく 山形県最上地域の伝統野菜で、外皮が赤みを帯びている。一般的なにんにくよりも一回り大きく、香りと辛味が強い。
    博多八片にんにく 福岡県博多地域を中心に栽培されている暖地系で、一球あたり約8片の鱗片がある。早生品種であるため、5月中旬頃には収穫可能。
    ピンクにんにく 北海道在来の寒地型で、収穫直後の球がピンク色を帯びている。通常のにんにくよりも香りと辛味が強い。
    山東にんにく 中国の山東省を原産とする暖地型で、日本では中国産として流通している。香りや辛味が控えめで主張しすぎない料理への風味づけに最適。

    寒冷地向けと暖地向けの品種の違い

    種子用にんにくは、大きく分けて寒冷地向けと暖地向けの品種があります。

    寒冷地向けの品種は、冬越しして春から夏に収穫するもので、暖地向けの品種は、春から夏に植え付けて秋から冬に収穫するものです。

    寒冷地向けと暖地向けの品種は、植え付け時期や収穫時期だけでなくその形態や性質も異なります。

    寒冷地向けと暖地向けの品種の違いは、主に以下の点にあります。

    主な違い 補足説明
    耐寒性 寒冷地向けの品種は低温でも生育が止まらず、越冬力が高い。暖地向けの品種は低温で生育が停滞しやすく、霜や雪に弱い。
    収穫時期 寒冷地向けの品種は秋植えから春収穫まで約8ヶ月、暖地向けの品種は秋植えから春収穫まで約6ヶ月かかる。
    保存性 寒冷地向けの品種は休眠期間が長くて保存性が高い。暖地向けの品種は休眠期間が短くて保存性が低い。

    寒冷地向けの品種は一般的に「硬頸(こうけい)」と呼ばれるタイプで、茎が硬くて直立し、球根は6~12個程度の大きな片(かた)から構成されます。

    その一方で暖地向けの品種は一般的に「軟頸(なんけい)」と呼ばれるタイプで、茎が柔らかくて曲がりやすく球根は10~20個程度の小さな片から構成されます。

    種球の購入方法と水に浸ける理由

    種子用にんにくの種球は、植え付け時期(9月~11月)になるとホームセンターや園芸店などで販売されます。

    購入する際は、以下の点に注意しましょう。

    • 植え付ける地方に適した品種であるか
    • 大きくて形が整っているものが良い
    • 球根がしっかりしていて傷やカビがないことを確認する
    • 収穫時期や保存方法を確認する

    購入後は、植え付けまで冷暗所で保存します。

    すぐに植え付けるよりも、水分補給や発芽促進のために植え付ける1~2日前から水(水温は15℃~20℃程度)に浸けておくと良いです。

    水を替える必要はありませんが、水位が下がったら足す必要はあります。

    水に浸けずにそのまま種にんにくを植えても問題なく発芽して成長することもありますが、発芽の促進のためにもひと手間かけておきたいところです。

    にんにくの植え付け時期と発芽適温

    寒冷地向けと暖地向けでは、植え付け時期と発芽適温が異なります。

    植え付け時期 発芽適温
    寒冷地向け 10月~12月 15℃~20℃
    暖地向け 4月~6月 10℃~15℃

    寒冷地向けは低温(5℃以下)で休眠し、春先から発芽します。

    一方で暖地向けは、高温(25℃以上)で休眠し秋口から発芽するという違いがあります。

    にんにく栽培に適した環境と土作り

    牛ふんと苦土石灰

    にんにくは冷涼な気候を好み、生育適温は10~22℃です。

    25℃以上では休眠状態になり発芽せず、気温が30℃を超えると萌芽が不揃いになるため、寒冷地では秋植え、暖地では春植えが一般的です。

    にんにくは、日当たりと水はけの良い場所で栽培するのが理想で、日当たりが悪いと球根が小さくなったり病気にかかりやすくなる原因になり、水はけが悪いと、球根が腐ったり根腐れを起こしたりします。

    また、風通しの良い場所で栽培すると湿気を防ぎ、病気や害虫の発生を抑えることができます。

    土作りは、植え付けの2週間前までに苦土石灰、堆肥(牛ふん堆肥など)、ぼかしなどの肥料を入れてよく耕してふかふかの土壌にしておきましょう。

    ふかふかの土にすることでしっかり根を張ることができます。

    にんにくが好む土の酸性度(pH)の6.5~7.0程度にします。酸性度が高すぎると病気や害虫に弱くなってしまうのでご注意ください。

    にんにくの植え方・植え付け方法

    にんにくの植え方・植え付け方法は、以下の手順で行います。

    1. 種子用にんにくを片(かた)に分ける。
    2. 畝(うね)を作る。
    3. 水をたっぷりと与える。
    4. 黒いビニールを畑の表面に張ってマルチングする。
    5. にんにくの球根を植え付ける。
    6. 軽く土を被せて水を与える。

    それぞれの項目についてもう少し詳しくお伝えしていきます。

    1.種子用にんにくを片(かた)に分ける

    にんにくの球根

    にんにくを1片ずつバラバラにして植え付けの準備をします。

    薄皮は剥かずにそのまま植えても問題ありませんが、剝いた方が水分を吸収しやすいという説もあるので、2粒だけ剥いて植えてみることにしました。

    薄皮を剥いたにんにくの球根

     

    2.幅60cm、高さ10~15cmくらいの畝をつくる

    にんにく植え付け用の畝

    にんにくは、水はけのよい肥沃な土が好きな野菜です。水はけの悪い土では、根が腐ったり、球が小さくなったりします。

    そのため、畝づくりをすることで排水を改善し、根の張りやすい柔らかい土を作ることができます。

    幅60cm、高さ10~15cm程度にしておくと良いでしょう。

     

    3.水をたっぷりと与える。

    にんにくの球根の植え付け前に、水をたっぷりと与えておきます。

     

    4.黒いビニールを畑の表面に張ってマルチングする

    にんにく栽培用のマルチング

    春先の地温UPのためにも黒マルチはおすすめです。

    畝の間は15~20cm空ける必要がありますが、一般的なマルチを買えば適した位置に穴が空いているはずです。

    ちなみに、我が家にはマルチキーパーがなかったので、とりあえず石を置いてマルチが飛ばされないようにしてみました。

    雪が降らないうちにマルチキーパーで留めておこうと思います。

     

    5.にんにくの球根を植え付ける

    にんにくの球根の植え付け

    たっぷりと水を与えた後に、にんにくの球根を植えます。穴を掘って、にんにくのとがった方を上にして植えるようにします。(寒冷地向けの品種は5cm程度、暖地向けの品種は2~3cm程度の穴を掘って植えます)

     

    6.軽く土を被せて水を与える

    軽く土を被せて、最後に水を与えて植え付けは完了です。

    晴天が続く時は水やりが必要になりますが、基本的には降雨に任せておいて問題ありません。

    にんにくは「そのまま植える」で良い?

    にんにくは、そのまま植えるだけで良いと思って植えてみたものの、芽が出ずに枯れてしまったという声は多く聞こえます。

    例えば、食用に買っておいたにんにくが芽を出したので植えてみたというようなケースですが、これだとそのまま植えただけではうまく栽培できずに終わってしまうでしょう。

    そのまま植える前にしておきたいことは下記の2点です。

    1. お住まいの地域に適した種類のにんにくであるか確認する
    2. 種球を植え付ける直前に分ける

    地域に合った種類のにんにくであれば、あとはにんにく栽培に適した環境を作ったのちに、種球を分けたうえで、そのまま植えるだけで良いでしょう。

    ただし、植え付けに最適な時期があるので、時期にも注意が必要です。

    肥料と水やりのコツと追肥のタイミング

    にんにくは肥沃な土壌を好むので、肥料と水やりは重要な管理です。

    肥料と水やりのコツと追肥のタイミングは以下の通りです。

    【肥料の与え方のコツ】

    肥料は有機質肥料や化成肥料を適量与えます。有機質肥料は植え付け前に混ぜ込み、化成肥料は発芽後に初めて与えます。

    化成肥料は、窒素(N)・リン酸(P)・カリウム(K)の比率が10:10:10程度のものを選びます。

    【水やりのコツ】

    水やりは土が乾いたら行います。(水はけが良い土壌が望ましいですが、万が一水はけが悪い場合は控えめにします。)

    水やりは、朝か夕方に行い、葉にかからないようにします。葉に水がかかると、病気や害虫の原因になります。

    【追肥のタイミング】

    追肥は、発芽後と収穫前に行います。

    発芽後の追肥は、化成肥料を畝間に散布します。収穫前の追肥は、液体肥料を与えます。液体肥料は、窒素(N)・リン酸(P)・カリウム(K)の比率が5:10:15程度のものを選びます。

    追肥の量や回数は、品種や栽培環境によって異なりますが、一般的には以下の通りです。

    発芽後 収穫前
    寒冷地向け 化成肥料を1㎡あたり100g程度の散布を2~3回に分けて行う。 液体肥料を1㎡あたり500ml程度を、1~2回に分けて与える。
    暖地向け 化成肥料を1㎡あたり50g程度の散布を1~2回に分けて行う。 液体肥料を1㎡あたり300ml程度を1回与える。

    以上が、肥料と水やりのコツと追肥のタイミングです。適切な肥料と水やりで、にんにくを大きく美味しく育てましょう。

    芽かきと摘蕾のタイミングとやり方

    芽かきと摘蕾(てきらい)は、にんにく栽培の重要な作業です。芽かきと摘蕾のタイミングとやり方は以下の通りです。

    【芽かき】

    芽かきとは、球根から出る余分な芽を取り除くことです。芽かきをすることで球根が大きくなりやすくなります。

    タイミングとしては発芽後から収穫までの間です。発芽後すぐに芽かきをすると球根が小さくなる可能性があるので注意が必要です。

    また、収穫直前に芽かきをすると、球根が傷ついて腐る可能性があります。

    芽かきのやり方は、余分な芽を手で折るか切るかします。余分な芽とは、球根から出る芽のうち一番太くて立派なもの以外のものです。余分な芽は早めに取り除くことが望ましいです。

    【摘蕾】

    摘蕾とは、茎から出る花茎(かけい)を取り除くことです。摘蕾をすることで、球根が大きくなりやすくなります。

    摘蕾のタイミングは、茎から出た花茎が10cm程度に伸びた時です。摘蕾を早すぎると、球根が小さくなる可能性がありますし、摘蕾を遅すぎると球根が硬くなる可能性があるので、摘蕾のタイミングは重要です。

    摘蕾のやり方は、花茎を手で折るか切るかします。花茎は根元から切るか折ることが望ましいです。

    以上が、芽かきと摘蕾のタイミングとやり方です。適切な芽かきと摘蕾で、にんにくを大きく美味しく育てましょう。

    にんにくの収穫時期と方法

    にんにくの収穫時期と方法は、以下の通りです。

    【収穫時期】

    収穫時期は、品種や栽培環境によって異なりますが、一般的には以下の通りです。

    • 寒冷地向け:6月~7月
    • 暖地向け:11月~12月

    収穫の目安は葉の色や状態で、葉が黄色くなり半分以上が倒れたら収穫の時期です。試し掘りをしてみて底が平らになっていれば収穫適期だと判断できます。

    葉が完全に枯れると、球根が割れたり腐ったりする可能性があります。

    【収穫方法】

    収穫方法は、以下の手順で行います。

    1. 収穫の前日に水やりをします。
    2. 球根を傷つけないように注意して畝から球根を掘り出す。
    3. 球根を土から払い落とす。(土が付いたままだと乾燥や保存に影響する)
    4. 球根を日陰で乾燥させる。
    5. 球根が乾燥したら、茎や葉を切り落とす。

    収穫の前日に水やりをすることで、球根がふっくらとするので必ず行いましょう。

    掘り起こした球根を乾燥させることで保存しやすくなります。乾燥させるときは、茎や葉を切らずにそのままにします。

    乾燥後は、刃物を消毒してから茎や葉を切りますが、茎や葉は5cm程度残しておくようにします。

    プランターでのにんにくの育て方

    にんにくはプランターでも簡単に栽培できます。

    育て方は畑での栽培とほぼ同じですが、以下の点に注意しましょう。

    • プランター選び
    • プランターの環境づくり
    • プランターの置き場所

    プランターは底に穴が開いているもので、深さが30cm以上、幅が40cm以上のものを選びます。プランターが浅いと、球根が十分に育ちませんし、十分な広さがないと、空気や水分の循環が悪くなってしまいます。

    プランターの底に軽石や鹿沼土などを敷いて水はけを良くします。水はけが悪いと、球根が腐ったり根腐れを起こしたりするのでご注意ください。

    土は市販の野菜用土などがおすすめです。肥料は植え付け時に元肥として化成肥料や鶏糞などを入れておきます。

    プランター栽培では栄養不足による失敗も起こりがちなので忘れずに行っておきましょう。

    プランターの置き場所は日当たりと風通しの良い場所にすると、丈夫なにんにくに育てることができるでしょう。

    ペットボトルを使ったにんにく栽培

    ペットボトルを使ったにんにく栽培は、手軽に楽しめる方法です。

    ペットボトルを使ったにんにく栽培の方法は以下のとおりです。

    1. 2リットル以上のサイズのペットボトルを用意する。
    2. 水はけと通気のため、ペットボトルの底と側面に穴を開ける。
    3. ペットボトルの半分程度、培養土や赤玉土など入れる。
    4. ペットボトルに種子用にんにくを植え付ける。(片同士の間隔は5cm程度空ける)
    5. 種子用にんにくを土で覆う。
    6. 水やりをする。
    7. 日当たりと風通しの良い場所に置く。

    以上が、ペットボトルを使ったにんにく栽培の方法です。基本的には畑への植え付け方法と違いはないので、細かな注意点は植え付けの方法を参照してください。

    にんにくを水耕栽培する方法

    にんにくは水耕栽培でも育てることができます。水耕栽培は土が必要ないので場所を選ばずに栽培できるほか、病気や害虫の心配が少ない点が魅力ですね。

    なお、水耕栽培で育てるにんにくは通常のにんにくとは違って、球根ではなく芽や茎が食用に用いられます。これらは「スプラウトにんにく」と呼ばれ、普通のにんにくよりも鉄分が豊富で独特の臭いが少ないのが特徴で、サラダやスープなど様々な料理に使えます。

    ここでは、にんにくを水耕栽培する方法として、パーライトを使う方法とペットボトルだけで作る方法の2つの方法を紹介します。

    パーライトを使う方法

    パーライトとは、火山岩を高温で焼いた白い粒状のもので、水や空気を保持する性質があります。園芸店や100円ショップなどで簡単に手に入れることができます。

    パーライトを使って水耕栽培する方法は以下のとおりです。

    1. にんにくの皮をむいて1片ずつにばらす。(市販のにんにくを球根にできます)
    2. 水耕栽培キットもしくはペットボトルを用意する。
    3. 尖った部分を上にして置く。(尖った部分から発芽するため)
    4. 根が生える部分(にんにくのお尻)に水が触れるように水を調整する。
    5. パーライト敷いて水分と空気のバランスを保つ。(キッチンペーパーでも代用可)
    6. しばらくすると根が伸びて発芽する。
    7. 発芽後、日当たりと風通しの良い場所へ移動する。
    8. 水を毎日入れ替える。
    9. 芽が10~15cmほど伸びたら収穫する。

    続いて、ペットボトルだけでにんにくを水耕栽培する方法をご紹介します。

    ペットボトルだけで作る方法

    こちらは、スーパーで売っている丸ごとのにんにくを使う方法です。ペットボトルだけで簡単に作れます。

    作り方は次のとおりです。

    1. ペットボトルの上から3分の1程度を切り取る。
    2. 切り取ったものをひっくり返して、残りのペットボトルにセットする。
    3. 丸ごとのにんにくを入れてお尻がひたるくらい水を注ぐ。
    4. 1日~2日もすれば芽と根が出てきます。
    5. 水を毎日入れ替える
    6. そのまま置いておけば茎にんにくができあがります。

    以上が、水耕栽培でにんにくを育てる方法です。土や肥料が必要ないため、手軽かつ安全な野菜作りが楽しめます。

    自家製スプラウトにんにくは香りも味も格別なので、ぜひチャレンジしてみてください。

    水耕栽培の詳しいやり方はこちらのページにまとめました。

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    にんにくを大きく育てるには何が重要か

    にんにくを大きく育てるには、以下のことが重要です。

    大きく育てるのに重要なこと コメント
    品種選び 自分が住む地域や季節と合わない品種を選ぶと、球根が小さくなったり病気や害虫に弱くなったりします。
    土作り にんにくは肥沃な土壌を好むので、堆肥や有機質肥料をたっぷりと混ぜ込みます。また、酸性度(pH)は6.5~7.0程度が適しています。酸性度が高すぎると、病気や害虫に弱くなってしまいます。
    適切な植え付け 植え付けは、品種ごとの特徴や要求条件を考慮して行います。植え付け時期や深さ・角度・間隔などは、品種ごとに異なります。
    管理 管理することで、球根が大きく美味しく育ちます。管理することは、「肥料」と「水やり」、「追肥」と「芽かき」、「摘蕾」と「防除」など

    以上が、にんにくを大きく育てるための重要なことです。

    これらのことに気を付けることで、にんにくを大きく育てることができるようになります。

    にんにく栽培で気をつける病害虫と対策

    にんにく栽培では、病害虫に注意する必要があります。病害虫によって、球根が腐ったり枯れたりすることがあるためです。

    ここでは、にんにく栽培で気をつける病害虫と対策を紹介します。

    • 主な病気(さび病や葉枯病など)
    • 主な害虫(アブラムシやハダニなど)
    • 病害虫の予防と防除の方法

    上記3点について、詳しくお伝えしていきます。

    主な病気(さび病や葉枯病など)

    にんにく栽培で発生しやすい主な病気は以下のとおりです。

    病気 症状 原因と対策
    さび病 葉に赤褐色の斑点や粉が出て、次第に枯れてしまう。 菌類が原因の病気。防除剤を発芽後から収穫前まで定期的に散布することと、日当たりと風通しを良くするのが効果的。感染した部分を切り取ることで、他の部分への感染を防ぐ。
    葉枯病 葉に水滴状の斑点が出て、次第に黒くなって枯れてしまう。 細菌が原因の病気。対策はさび病と同じ。

    いずれの病気に対しても、防除剤と日当たりと風通しの良い環境が有効です。

    感染してしまった場合は、感染した部分を早めに切り取ることで感染の拡大を防ぐことができます。

    主な害虫(アブラムシやハダニなど)

    にんにく栽培で発生しやすい主な害虫は以下の通りです。

    害虫 症状 対策
    アブラムシ 春から夏にかけて発生しやすく、葉がしおれたり変形させてしまう。 防除剤を発芽後から収穫前まで定期的に散布する。水やせっけん水などで洗い流すのも有効。
    ハダニ 葉裏に吸着して植物液を吸い、葉に黄色や白色の斑点が出て枯れてしまう。乾燥した時期に発生しやすい。 同上

     

    病害虫の予防と防除の方法

    予防とは事前に病気や害虫が発生しないようにすることです。予防することで球根が健康に育ちます。

    予防する方法は以下の通りです。

    • 品種選び・土作り・植え付け・管理など基本的な栽培方法を守る
    • 種子用にんにくや道具など消毒する
    • 日当たり・風通し・水はけ・湿度など栽培環境を整える

    次に、切除についてですが、防除とは事後に病気や害虫が拡大しないようにすることです。防除することで、球根が回復します。

    防除する方法は以下の通りです。

    • 防除剤・水・せっけん水など散布する
    • 感染した部分・個体・土壌など処分する
    • 天敵・有用菌・植物抽出物など利用する

    以上が、にんにく栽培で気をつける病害虫と予防と防除方法です。

    病害虫の被害を避けるのは、にんにく栽培を成功させる一つのコツと言えるので、しっかりと行っておきたいですね。

    にんにくの育て方に関するQ&A

    ここでは、にんにくの育て方に関するQ&A(質問&回答)を紹介します。

    • にんにくの育ち方は?
    • 寒冷地(北海道や青森)のにんにく栽培の注意点は?
    • 九州など暖地でのにんにく栽培の注意点は?

    上記の問いについて詳しく回答していますので、参考にしてみてくださいね。

    にんにくの育ち方は?

    にんにくの育ち方は、寒冷地向けと暖地向けの品種で異なります。

    寒冷地向けの品種は寒さに強く、冬越しして花茎を出します。花茎を出すことで、球根が大きくなります。

    寒冷地向けの品種の育ち方は以下の通りです。

    • 秋から冬:植え付ける。発芽すると葉が出てくる
    • 冬:休眠する。葉は枯れてしまうが球根は生きている。
    • 春:再び発芽して葉が出てくる。茎が伸びて花茎が出る。
    • 夏:収穫する。葉が黄色くなり半分以上が倒れたら収穫できる。

    一方で、暖地向けの品種は暖地向けの品種は、寒さに弱く花茎を出しません。花茎を出さないことで、球根が小さくなります。

    暖地向けの品種の育ち方は以下の通りです。

    • 春から夏:植え付ける。発芽すると葉が出てくる。
    • 夏から秋:葉がどんどん伸びて成長する。
    • 秋から冬:収穫する。葉が黄色くなり半分以上が倒れたら収穫できる。

    同じにんにくでも寒冷地と暖地では育ち方が異なるので、家庭菜園で育てる際には種種の選定に注意が必要です。

    寒冷地(北海道や青森)のにんにく栽培の注意点は?

    寒冷地(北海道や青森)では雪が降ることが多く、気温が低いことが特徴です。このような地域でにんにく栽培をする場合、以下の点に注意する必要があります。

    • 寒冷地向きの品種を選ぶ
    • 植え付け時期を守る
    • マルチを利用する
    • 寒さ対策をする

    北海道でのにんにく栽培の方法については、こちらのページで解説しているのでご参照ください。

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    九州など暖地でのにんにく栽培の注意点は?

    九州など暖地では、気温が高く湿度も高いことが特徴です。このような地域でにんにく栽培をする場合、以下の点に注意する必要があります。

    1. 暖地向きの品種を選ぶ
    2. 植え付け時期を守る
    3. マルチを利用する
    4. 水やりや防除をしっかり行う

    各ポイントについて、以下で解説していきます。

    1. 暖地向きの品種を選ぶ

    暖地向きの品種は寒さに弱く、花茎を出しません。花茎を出さないことで、球根が小さくなります。暖地で栽培できる代表的な品種は、「白六片」や「紫六片」などです。

    2. 植え付け時期を守る

    暖地では春から夏にかけて植え付けを行います。植え付け時期は、3月から5月にかけてが目安です。植え付け時期を早めると、夏の暑さで球根が割れたり腐ったりする恐れがあります。

    3. マルチを利用する

    マルチとは、畝やプランターにビニールやワラなどを敷いたりかぶせたりすることです。マルチを利用することで、土温や水分量を調節したり雑草を抑制したりすることができます。

    暖地では、白色や銀色のビニールマルチやワラマルチなどを使うことが一般的で、白色や銀色のビニールマルチやワラマルチは、夏場は土温を下げて水分蒸発を防ぎます。

    4. 水やりや防除をしっかり行う

    暖地では、特に夏場に水分蒸発量が多く乾燥しやすいです。水分不足によって球根が小さくなったり枯れたりすることがあるので、土が乾いたら水やりを行います。

    また、暖地では病気や害虫も発生しやすいです。特に葉枯病やアブラムシなどに注意して防除剤を散布します。

    まとめ:にんにく栽培の失敗例と注意点

    この記事では、にんにく栽培でついやってしまいがちな失敗例のご紹介とともに、にんにくの育て方・栽培方法を初心者にもわかりやすく解説しました。

    にんにく栽培の主な失敗例は次の5つです。

    1. 食用のにんにくで栽培する
    2. 植え付け時期が早過ぎる・遅すぎる
    3. 植え付けの深さ・角度・間隔などを間違える
    4. 水やりや肥料やりが不適切
    5. 収穫時期が不適切

    にんにくは地域に不敵な食用にんにくを植えたり、芽が出たにんにくをそのまま植えるなどなどして失敗した経験がある人が多いですが、適切な時期や方法で植え付ければ、家庭菜園でも簡単に栽培できる野菜です。

    また、自家栽培のにんにくは市販のものよりも香りが強く、栄養価も高いというメリットがあります。ただし、水やりや収穫時期などの管理が重要ですので失敗例や注意点をしっかり把握しておきましょう。

    自分で育てたにんにくで、おいしい料理を作ってみてくださいね。

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