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  • 蓼藍(タデアイ)の育て方|プランター栽培や種まき時期について

    蓼藍(タデアイ)の育て方|プランター栽培や種まき時期について

    蓼藍(タデアイ)は、青色の染料として古くから利用されてきた植物です。

    葉は藍染めの原料となり、乾燥させて漢方薬としても用いられます。蓼藍は日当たりが良く、水はけの良い土で栽培できます。

    地植えだけでなく鉢やプランターで育てることも可能です。

    この記事では、蓼藍の育て方と栽培のコツをご紹介します。種まきの時期や方法、挿し木で増やす方法、水やりや追肥のポイントなどを詳しくお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

    蓼藍(タデアイ)の種まき時期と方法

    蓼藍は発芽適温が18〜25℃、生育適温が5〜30℃という暖かい気候を好む植物です。

    種まきの適期は春の3〜5月ですが、地域や気候によって異なる場合もありますので種袋の指示に従ってください。

    蓼藍の種まき方法は次のとおりです。

    1. 育苗ポットに育苗土を入れて水を含ませる。
    2. ポットの中央に指で1cmほどの穴を開ける。
    3. ひとつの穴につき5〜6粒ほど種をまく。
    4. 種に土をかぶせ、やさしく押さえる。
    5. ポットを育苗箱に入れ、育苗用ビニールで覆う。
    6. 直射日光の当たらない明るい場所に置く。
    7. 毎日水やりをし、土が乾燥しないようにする。
    8. 7〜10日ほどで発芽するので、ビニールを外す。
    9. 発芽後は日当たりのよい場所に移して水やりを続ける。
    10. 葉が触れ合わない程度に間引きする。
    11. 植え付けから30〜40日ほどで定植する。

    以上が、蓼藍の種まき時期と方法です。春先に種まきをして、夏から秋にかけて染料となる葉を収穫できます。

    自分で育てた蓼藍で染め物に挑戦するのも楽しいですよ。

    藍の種の無料配布情報(2023年版)

    藍の種を無料で配布している団体がああります。

    以下の施設や団体では、藍の種を希望者に無償で提供しています。

    【札幌市北区】

    札幌市北区では、明治時代から続く藍染めの伝統を守るために、毎年藍の種を配布しています。

    藍の種は1人1袋で、申し込み不要です。以下の場所で配布されます。

    • 北区役所1階正面玄関前
    • 北区民センター
    • 篠路コミュニティセンター
    • 新琴似・新川地区センター
    • 屯田地区センター
    • 太平百合が原地区センター
    • 拓北・あいの里地区センター

    配布期間は令和5年4月24日(月曜日)から令和5年5月24日(水曜日)までですが、在庫がなくなり次第終了となります。初日は10時から配布されます。

     

    【富士見市】

    埼玉県富士見市では、難波田城資料館で毎年ワタとアイを育てています。その際にとれた種を、育て方の説明とともに3月から5月ごろに希望者に配布しています。

    藍の種は1人1袋で、郵送も可能です。郵送を希望する場合は、以下の手順に従ってください。

    1. 電話で残りの有無を確認する(電話番号:049-253-4664)
    2. 送り先を書いた84円分の切手を貼った定型封筒(長形3号)を封筒に入れる。
    3. 封筒に「難波田城資料館アイの種配布担当」と宛名を書く。
    4. 資料館に送付する。

    配布期間は令和5年3月14日(火曜日)から令和5年4月19日(水曜日)までですが、在庫がなくなり次第終了となります。

     

    【徳島県立城西高等学校】

    徳島県立城西高等学校では、生徒が栽培した藍の種を希望者に無料で発送しています。以下の手順に従って申し込んでください。

    1. 封書に返信用封筒(「送り先」を書いた94円分の切手を貼ったもの)を同封する。
    2. 学校に送付する。

    配布量は94円切手で送れる量になります。お申し込みから到着まで10日ほどかかる場合もあります。詳しくはこちらをご覧ください。

     

    以上が2023年に行われた藍の種の無料配布情報です。

    すでに期間が終了してしまいましたが、2024年以降の参考にしていただけたらと思います。

    蓼藍栽培に適した環境(用土づくり・水やりと肥料の与え方)

    蓼藍は、日本伝統の染め物技術「藍染」の原料として古くから重宝されてきた植物です。藍染の美しい青色は、蓼藍の葉から抽出される染料によって作られます。

    そんな蓼藍を自宅で育てるための、蓼藍栽培に適した環境づくりのポイントをご紹介します。

    用土づくり 蓼藍は水はけのよい、栄養豊富な土を好みます。地植えで蓼藍を栽培する場合は、赤玉土6:腐葉土4の配合土や畑の土に、草木灰や有機肥料を混ぜ込みましょう。プランターで蓼藍を栽培する場合は、草花用の培養土を使用するとよいです。
    水やり 蓼藍は湿り気のある場所も好むそうです。表土が乾いたのを確認したらたっぷり水をあたえます。とくに5月頃の生育期は水切れさせないように注意してください。
    肥料 植え付けの際に、土に有機肥料や緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。さらに、植え付けから2ヶ月たったのを目安に2週間に1回液肥をあたえましょう。こうすることで、より活発な生育につながります。

    蓼藍の地植えの時期と方法

    蓼藍はプランターや鉢で育てることもできますが、地植えにするとより元気に育ちます。

    生育適温5〜30℃なので、春になり暖かさが出てきた5月に苗植えをしましょう。(地域によって調整は必要です)

    地植えの方法は次のとおりです。

    1. 地植えする前に土をよく耕す。
    2. 籾殻燻炭や草木灰、有機肥料を撒いておく。
    3. 水はけが気になる場合は、幅30cm、高さ10cmほどの畝を作る。
    4. 苗の草丈が10cm以上になったら、株の間隔を20〜30cm空けて植え付ける。
    5. 植え付け後はたっぷりと水やりをしてください。

    苗を植え付ける際は、根が傷まないように注意して育苗ポットから苗を取り出すようにしましょう。

    蓼藍を鉢植え・プランターで育てる方法

    蓼藍は、地植えにするとより元気に育ちますが、鉢植えやプランターで育てることも可能です。

    鉢植えやプランターで育てる場合の方法とポイントをまとめました。

    鉢・プランターの選び方 鉢やプランターは深さ30cm以上、幅50cm以上のものを選びましょう。蓼藍は根が深く張るので、根が窮屈にならないようにすることが大切です。また、水はけの良い素焼きの鉢やプランターがおすすめです。
    土づくり 用土は赤玉土6:腐葉土4の配合土や畑の土に、草木灰や有機肥料を混ぜ込んで作るのが良いです。蓼藍はアルカリ性の土を好むので、石灰も加えると良いでしょう。土を入れる前に、底に砂利や軽石などを敷いて水はけを良くしておきます。
    苗植え 鉢植えやプランターで育てる場合も5月頃に苗植えが適期です。苗の草丈が10cm以上になったら、株の間隔を20〜30cm空けて植え付けます。根が傷まないように注意してください。植え付け後はたっぷりと水やりをしてください。

    蓼藍の植え替え時期と方法

    蓼藍の植え替えの時期は花後の4〜6月頃が適しています。2年に1回程度のペースで行いましょう。

    植え替えをすることで、根が鉢にぐるぐる巻きになるのを防ぎ、土の水はけや通気性を改善することができます。

    また、新しい土に栄養分が豊富に含まれているので、生育を促進する効果もあります。

    蓼藍の植え替えの方法は鉢植え・プランターで育てる方法とほとんど変わりませんが、以下の作業を行うと良いでしょう。

    苗取り出し 古い鉢から苗を取り出すときは、根が傷まないように注意してください。鉢底から棒などで押し上げたり、鉢を叩いたりして苗を外します。根が張り付いている場合はナイフなどで切り離します。
    根洗い 苗を取り出したら根に付いた古い土を水道水で優しく洗ってください。根が絡まっている場合は、指でほぐします。根が傷んでいる部分はハサミで切り取るようにします。

    蓼藍の花が咲く時期と香り・花言葉

    蓼藍の花が咲く時期は、8月から10月頃です。特に9月中旬頃が見頃を迎えます。日本では奈良時代から染料として栽培されてきた植物で、丈夫で育てやすいです。

    蓼藍の花の香りはほとんどありません。染料として利用されるのは葉であって、花はあまり重要視されていませんでした。そのため、芳香を持つ必要がなかったのでしょう。

    蓼藍の花言葉は、「美しく装う」「あなた次第」です。染料として利用されてきたことにちなんで、「美しく装う」という花言葉が付けられました。

    また、染め方次第で仕上がりが変化して様々な模様が彩られることから、「あなた次第」という花言葉が付けられたと考えられています。

    室内で蓼藍を水耕栽培する方法

    蓼藍の種まき期は3月~5月です。育苗箱に筋蒔きし、薄く土をかけておき、保温と乾燥防止のためにビニールをかけておきます。

    発芽した後はビニールを外して日なたに置き、毎日水やりをします。

    発芽から2~3週間ほどすると背丈が10cmほどになるので、水耕栽培用の容器に移します。水耕栽培用の液肥を適量入れておきます。

    あとは水位が低くなったら水や液肥を足しながら管理するだけで良いでしょう。

    蓼藍は日なたで育てるとよく生長しますが、暑すぎると枯れることがあるので、夏場は日陰に移動させるか、日よけネットをかけると良いでしょう。

    ハーブの水耕栽培の方法はこちらのページにまとめているので参考にしてみてくださいね。

    ハーブの水耕栽培のやり方!100均グッズでの栽培キット・容器の自作方法も

    蓼藍を剪定・切り戻しする方法と目的・時期

    蓼藍は、適度に剪定・切り戻しをすることで植物の見た目を整えるとともに、新芽や花の生長を促すことができます。

    剪定や切り戻しの時期と目的・方法は主に以下のとおりです。

    収穫の時期 7月と9月の年に2回、染料のもととなる葉を収穫できます。地際から10cmほどのところから切り戻していきましょう。
    花摘みの時期 8月〜10月に藍が花を咲かせてしまうと取れる染料の量も減ってしまうので、早めに摘み取ることが重要です。
    休眠期の時期 冬に休眠期を迎えるので、この時期に枝を短く切って再生を図ることもできます。
    切り戻しや剪定は、清潔なハサミやナイフを使って、晴れた日の午前中に行うのがおすすめです。切り口は癒合剤などを塗っておくと安心です。また、切り戻し後は水やりや肥料を控えめにすることで、植物のストレスを軽減できます。

    蓼藍の夏越しの注意点

    蓼藍は一年草なので、夏に開花して種子をつけます。種子は染料としても使えるほか、来年の栽培にも必要です。種子が熟すまで植物を育てます。

    夏越しの注意点は、次のとおりです。

    水やり 土が乾いたらたっぷりと水やりをします。ただし、水やりは朝か夕方に行い、昼間は避けます。昼間に水やりをすると、水滴がレンズ効果で葉に焼け跡をつけたり、根腐れを起こしたりすることがあります。
    肥料 生育期には液体肥料を週に1回程度与えます。開花期には窒素分が少なくリン酸分やカリ分が多い肥料を与えます。種子が熟すまでは肥料を与えません。
    病害虫の予防 夏はカイガラムシやアブラムシなどの害虫が発生しやすくなります。定期的に植物を観察して、害虫が見つかったら早めに駆除します。また、カビやウイルスなどの病気にも注意します。病気にかかった場合は、病部を切除したり殺菌剤を散布したりします。
    日陰づくり 直射日光が強い場所では日陰づくりをします。日傘やネットなどで半日陰程度にします。ただし、日陰づくりをしすぎると徒長したり開花しなかったりすることがあるので、適度な日光量を確保します。

    以上が、蓼藍の夏越しの注意点でした。夏越しに成功すれば、秋には美しい青色の花が咲きます。また、種子も収穫できるようになります。

    蓼藍は染色だけでなく、食用や薬用としても利用できる万能な植物です。ぜひ夏越しに挑戦してみてくださいね。

    蓼藍の耐寒性と冬越しの方法

    蓼藍は東南アジア原産の植物ですが、日本では全国で栽培されているほど耐寒性は強いと言えます。

    蓼藍は一年草なので、冬には枯れてしまいますが、種子を収穫して来年の栽培に備えることができます。種子は10月頃に熟すので、その時期に収穫しましょう。

    収穫した種子は、乾燥させてから紙袋や布袋などに入れて保管します。保管する場所は、日陰で涼しく乾燥した場所が適しています。湿気や高温に注意が必要です。

    蓼藍を挿し木で増やす方法

    蓼藍は一年草なので種子を収穫して来年の栽培に備えることができますが、他にも挿し木で増やすことができます。

    5月~9月の生育期に茎を挿し木にして増やしますが、蓼藍を挿し木で増やす具体的な方法は次のとおりです。

    1. 茎の頂点を5~8cmほど切り取る。
    2. 下葉を取り除く。
    3. 水に挿して管理する。

    水を取り替えながら管理していると、徐々に根を生やしてきます。

    水に挿した挿し穂には、発根促進剤を塗布すると発根率が上がります。ルートンなどの粉末状の発根促進剤なら土に植える前に。メネデールなどの液体タイプの発根促進剤なら、水に数滴混ぜて吸い込ませます。

    十分に根が生えたら鉢や地面に植え付け、通常と同じように管理してください。2週間に1回、液体肥料を与えると大きな株に育ちます。

    蓼藍の収穫時期と方法

    蓼藍は、染料として利用されるほか薬草としても有用な植物です。蓼藍の収穫は、7月と9月の年に2回行うことができます。

    7月の収穫は、生育が盛んな時期に行うことで、株を強くする効果があります。9月の収穫は、冬に向けて最後の収穫となります。

    収穫する際には、地際から10cmほどのところで茎を切り戻します。切り戻した茎は乾燥させて保存するか、すぐに染料として利用します。

    乾燥させる場合は、日陰で風通しの良い場所に広げておきます。染料として利用する場合は、茎を1.5cmほどに刻んで水に浸けたり、すり潰したりして色素を抽出します。

    なお、蓼藍は8月から10月頃に白やピンク色の小さな花を咲かせますが、花が咲き始めると葉が小さくなり、染料の青色も減ってしまうので注意が必要です。花が咲いたら早めに摘み取るか、花が咲く前に収穫するようにしましょう。

    蓼藍の育て方に関するQ&A

    ここでは、蓼藍の育て方に関するQ&A(質問&回答)を紹介します。

    • 藍が栽培禁止になった理由は?
    • 藍が枯れる理由は?

    上記の問いについて詳しく回答していますので、参考にしてみてくださいね。

    藍が栽培禁止になった理由は?

    藍は、日本の伝統的な染料として江戸時代には全国で栽培されていました。特に徳島県では、阿波藍と呼ばれる高品質の藍が生産され、藩財政の基盤となっていました。

    しかし、明治以降は合成インジゴやインド藍などの外国産の染料に市場を奪われ、藍栽培は衰退していきました。そして、第二次世界大戦中には、藍は栽培禁止の作物になりました。

    【栽培禁止の背景】
    第二次世界大戦中には日本は食糧危機に陥りました。戦争のために海外からの食料輸入が途絶え、国内でも農業人口や農地面積が減少し、米や麦などの主食作物の生産量が不足しました。

    そのため、政府は食料増産を重要な国策として推進しました。その一環として、染料植物や花卉などの非食用作物の栽培を禁止し、米や麦などの食用作物に切り替えるように指示しました。

    【栽培禁止の影響】
    藍は、非食用作物として栽培禁止の対象となりました。これにより、藍栽培を営んでいた農家は藍畑を耕して米や麦を植えることになりました。

    また、藍師と呼ばれる藍染料の製造者も仕事がなくなりました。藍染めを行っていた染色家も合成インジゴやインド藍などの外国産の染料を使うこともできず活動を停止しました。こうして、日本の天然藍文化は一時的に途絶えることになりました。

    【栽培禁止後の復興】
    戦争が終わった後も、日本は食糧難や経済難に苦しみました。そのため、藍栽培や藍染めを再開することは困難でした。

    しかし、一部の藍師や染色家は戦争中も種や技術を守り続けていました。彼らは戦後も副業や趣味として藍作りや藍染めを続けていきました。

    また、人々の生活が豊かになってくると天然染料や手作り品への関心が高まりました。そうした中で、日本の伝統的な天然藍文化が再び見直されるようになりました。

    藍が枯れる理由は?

    藍は、日本の伝統的な染料として古くから栽培されてきた植物です。しかし、藍は栽培中に枯れてしまうことがあります。藍が枯れる理由には、主に以下の3つが考えられます。

    水やりの不足 藍は水やりが大切な植物です。特に5月頃の生育期は水切れさせないように注意しなければなりません。表土が乾いたらたっぷりと水をあげるようにしましょう
    日当たりの不足 藍は日当たりと水はけのよい場所を好みます。日にあまり当たらないと、ヒョロヒョロとした茎が伸びて間延びした草姿になってしまいます。また、染料の青色も減ってしまいます。1日の日照時間が2~3時間あれば十分育ちますが、できるだけ日当たりのよい場所に植え付けましょう。
    根切り虫の被害 藍は根切り虫という害虫の被害を受けやすい植物です。根切り虫は土中で根を食べる虫で、被害を受けると藍の株が倒れたりしおれたりして枯れてしまいます。株もとを少し掘り返して根切り虫を発見したら潰して処分しましょう

    まとめ:蓼藍(タデアイ)の育て方のポイント

    この記事では蓼藍の育て方についてお伝えしました。

    ポイントをまとめると以下のとおりです。

    • 日当たりが良く水はけの良い土が適しており、プランターで育てることもできる。
    • 蓼藍の種まきは3月〜5月に行うのが適期。
    • 蓼藍の挿し木は5月〜9月に行うのが適期。
    • 茎の頂点を切り取って水に挿し発根させられる。
    • 蓼藍の水やりは表土が乾いたらたっぷりと行う。
    • 追肥は2週間に1回液体肥料を与える。

    詳細については本記事の内容をご参照ください。

    なお、タデアイの生葉染めや白髪染めについては、別のページにてお伝えする予定です。

  • ナスタチウムの育て方|地植え方法やひょろひょろを防ぐ対策も

    ナスタチウムの育て方|地植え方法やひょろひょろを防ぐ対策も

    ナスタチウムは色鮮やかな花を楽しむだけでなく、花や葉、種子を食用に使えるハーブです。

    ナスタチウムを自宅で育てるのはそれほど難しくはありませんが、元気よく育てるには地植えする際に適している土壌や、ひょろひょろと徒長してしまう対策など、コツを押さえておく必要があります。

    この記事では、ナスタチウムの育て方について、初心者にもわかりやすいように、種まきから収穫まで詳しくお伝えします。

    ナスタチウムを育ててみたいという方は参考にしてみてくださいね。

    ナスタチウムの種まき時期と方法

    ナスタチウムの種まきの適期は4月~5月と9月頃です。発芽適温は15~20℃なので、地域に合わせて時期は調整します。

    ナスタチウムの種は光があると発芽しないため種の上に1cm程度の土を被せる必要があります。また、種皮が硬いので水に一晩浸けてから蒔くと発芽率が高くなります。

    実際の種まきの手順は次のとおりです。

    1. 育苗ポットに土を入れる。
    2. 1つのポットに1粒ずつ種をまく。
    3. 日陰で管理し、土が乾かないよう水やりをする。
    4. 約1週間ほどで発芽する。

    本葉が2~3枚になったら土や地面に植え替えます。

    ナスタチウム栽培に適した環境(用土づくり・水やりと肥料の与え方)

    ナスタチウムは、日当たりと風通しのよい場所を好みますが、高温と真夏の直射日光が苦手なので、夏場は明るい日陰に移動させるか遮光ネットで日差しを弱めてあげます。

    環境づくりのポイントは次のとおりです。

    用土づくり ナスタチウムは水はけと通気性のよい土を好むので、市販の草花用培養土やハンギングバスケット用の土を使うか、赤玉土5:ピートモス3:パーライト2の割合で配合したものを用いると良いでしょう。植え付け時には元肥として緩効性肥料を土に混ぜ込みます。
    水やり ナスタチウムは乾燥に強い植物なので、水を少なめに管理するのがポイントです。鉢植えの場合は、土が完全に乾いてからたっぷり水をあげるようにしましょう。地植えの場合は、根付いたらほとんど水やりの必要はありません。水やりをしすぎると根腐れや茎が間延びする原因になるので注意しましょう。
    肥料 夏を除く生育・開花中に液体肥料を定期的に与えます。追肥は10日~2週間に一度与えてください。窒素分が多い肥料を与えると葉ばかりが増え花が咲かない原因になるので、肥料選びは慎重に行いましょう。

    ナスタチウムを畑へ地植えする時期と方法

    ナスタチウムを畑へ地植えする時期は、3月下旬~5月中旬が適しています。

    この時期は発芽適温である15~20度になりやすく、また遅霜の心配もなくなります。ただし、地域や気候によってはもう少し遅くなる場合もありますので注意してください。

    ナスタチウムを畑へ地植えする方法は、以下のとおりです。

    1. 畑を耕して土をほぐす。
    2. 赤玉土や腐葉土などを混ぜて有機質に富んだ土にする。
    3. 畑に穴を掘り、緩効性肥料を土に混ぜ込む。
    4. 苗より大きな穴を掘る。
    5. 鉢植えの苗を鉢から抜き取り、根鉢を崩さないように穴に入れる。
    6. 土で苗を覆いしっかりと固める。
    7. 水やりをたっぷりと行って根付きを促す。

    ナスタチウムは草丈が伸びる種類もあるので、複数の苗を植える場合は20~30cmの間隔をあけて植えましょう。

    また、日当たりと風通しの良い場所に植えることが大切です。

    ナスタチウムを鉢植え・プランターで育てる方法

    ナスタチウムを鉢植え・プランターで育てる場合は、水はけと通気性のよい土を用意します。市販の草花用培養土やハンギングバスケット用の土を利用するか、赤玉土とピートモスと軽石(パーライト)を混ぜたものを使います。

    ナスタチウムの苗の植え付け時期は、地植えの時期と同様に3月下旬~5月下旬が適しています。

    鉢底にネットを張り、鉢底石を敷いた鉢に肥料を混ぜた土を入れますが、苗が入っていたものよりも一回りほど大きなサイズの鉢に1株ずつ植えるようにします。

    土で苗を覆ってしっかりと固め、たっぷりと水やりをして植え付け作業は完了です。

    ナスタチウムは日当たりの良い場所を好みますが、暑さに弱いので真夏は明るい半日陰に移動させます。水やりは土が乾いたら行い、過湿にしないように注意します。

    肥料は元肥として緩効性化成肥料を土に混ぜておき、夏以外の生育・開花期に液体肥料を定期的に施しましょう。肥料をあげすぎると葉ばかりが茂って、花つきが悪くなるのでご注意ください。

    ナスタチウムをハンギングで育てる方法

    ナスタチウムはハンギングバスケットに植えると見栄えがします。

    ハンギングバスケットで育てる際は、草丈が3m近くになるものや1m程度のものなどがあるつる性の品種が適しています。

    ハンギングバスケットの場合でも鉢植えと同様の方法で育てられるので、詳しくは鉢植え・プランターの項をご参照ください。

    ナスタチウムを寄せ植えするコツ

    ナスタチウムを寄せ植えする場合はつる性の品種を選ぶと映えます。ナスタチウムは横に広がるように生長するので、隣の植物とは間隔をあけることが大切です。

    ナスタチウムと相性の良い植物としては、以下のようなものがあります。

    花と寄せ植え バーベナ、ロベリア、ペチュニア、インパチェンスなどとの相性が良いです。とくに花姿が似ていてカラフルなペチュニアとの寄せ植えはおすすめです。ハンギングバスケットにしてもよく映えます。
    野菜と寄せ植え ナスタチウムはコンパニオンプランツとして使われている方も多いです。アブラムシの被害を予防する効果や益虫を呼ぶ性質があります。とくにきゅうりやピーマンとの相性が良いとされています。
    ハーブと寄せ植え 他のハーブと組み合わせてハーブの寄せ植えを作ることもできます。コモンセージチャイブと一緒に育てることによって華やかな寄せ植えを収穫しつつ楽しめます。

    ナスタチウムの植え替え時期と方法

    ナスタチウムは一年草のため、植え替えの必要はありませんし、ナスタチウムは移植を嫌うため一度植え付けたあとは植え替えたりしない方が望ましいです。

    ただ、ポットに種まきをした際や苗を購入した際には庭や鉢などに植え替える必要があるので、その際は根がついている土をできるだけ残して植え替えるようにします。

    根を傷付けないように優しく行いましょう。

    ナスタチウムの花が咲く時期と香り・花言葉

    ナスタチウムは南アメリカ原産の一年草で、色鮮やかな花や蓮のような葉を持ちます。

    ナスタチウムは花や葉が食用になるハーブとしても知られており、クレソンに似た辛みがあります。

    ナスタチウムの花が咲く時期は、4月下旬~7月、9月~11月上旬頃と開花期間が長い植物の一つです。

    ただし熱帯地方が原産地なのですが、高山地帯に自生するので夏の暑さにやや弱い傾向にあり、真夏は開花が止みがちとなります。花色は黄色、赤、オレンジ、ピンク、白など多彩で、花径は5〜7cmほどです。

    ナスタチウムの花言葉は、「愛国心」「勝利」「困難に打ち克つ」などです。これは草姿に由来し、丸い葉が盾を、赤い花が血に染まった鎧をイメージさせ、戦いに赴く戦士を想起させることからきています。

    ナスタチウムの花が咲かない理由と対処法

    ナスタチウムは、色鮮やかな花を咲かせる一年草ですが、時には花が咲かないというトラブルに遭うことがあります。

    ナスタチウムの花が咲かない主な原因は以下の3つです。

    肥料の与えすぎ ナスタチウムは肥料をあまり必要としません。与え過ぎてしまった場合は水やりで肥料分を流してあげましょう。
    暑さ ナスタチウムは暑さに弱く、真夏は開花が止まることがあります。特に直射日光を避けて風通しの良い場所で育てる必要があります。
    種子の形成 ナスタチウムは種子を作ると開花が減少します。しぼんだ花や種子はこまめに摘み取ることで開花を促すことができます。

    ナスタチウムの室内での育て方

    ナスタチウムの室内で育てる場合も、鉢やプランターで育てる方法変わりはありません。

    室内での置き場所は、日当たりと風通しの良い場所にして、夏場は直射日光を避けて涼しく明るい場所に移動させます。

    なお、ナスタチウムは春まきと秋まきがありますが、室内で育てる場合は秋まきがおすすめです。

    剪定・切り戻し・摘心・花がら摘みをする目的と時期

    ナスタチウムは、色鮮やかな花を咲かせる一年草ですが、剪定・切り戻し・摘心・花がら摘みを行うことで、より美しく健康的に育てることができます。

    それぞれの目的・時期と時期について以下にまとめました。

    剪定 枯れた葉や茂りすぎて蒸れそうな個所の剪定を行います。剪定は必要に応じて行い、植物の成長に合わせて支柱を立てると茎が折れることを防ぎます。
    切り戻し 茎や葉を適度に切り戻すことで、植物の形を整え風通しを良くすることができます。暑さに弱く夏場は元気がなくなるため、夏前に全体的に(草丈の3分の1ぐらいまで)切り戻します。
    摘心 ナスタチウムは、最初の摘心を苗が根付いてから2週間ほど経った時期に行います。茎の先端の新芽のうち、2枚目から3枚目の葉が展開した時点で手で軽くつまんで摘みます。一度に多くの茎を摘む場合は数日おきに少しずつ摘むようにしましょう
    花がら摘み ナスタチウムは、花がらや種をつけると花つきが悪くなります。花がらや種を摘み取ることで花芽の形成を促進し、多くの花を咲かせることができます。

    ナスタチウムの夏越しの注意点

    ナスタチウムは高温多湿に弱く、夏場は元気がなくなりやすい植物です。夏越しを成功させるためには、以下のような注意点があります。

    切り戻し 梅雨が明ける7月中旬~下旬に、草丈の3分の1ぐらいまで切り戻します。これによって植物の負担を減らし、秋に再び開花することができます。
    日陰への移動 ナスタチウムは25度以上の暑さでは株が弱ります。直射日光の当たらない半日陰に移動させるか、遮光ネットやカーテンで日差しを調節してください。
    水やりと肥料の調節 ナスタチウムは乾燥に強く多湿に弱いので、水やりは土の表面が乾いてから行います。肥料も与えすぎると花つきが悪くなるので夏場は控えめにします。
    病害虫の予防 高温乾燥時にハダニに侵されやすくなります。葉裏に水を吹きかけたり、霧吹きで水をまいたりして湿度を上げると予防できます。

    ナスタチウムの耐寒性と冬越しの方法

    ナスタチウムは耐寒性が弱い植物で、冬に霜や寒風に当たると枯れてしまう可能性があります。冬越しを成功させるためには、以下のような方法があります。

    室内への取り込み ナスタチウムは気温が5度以下になると弱ってしまうため、冬になる前に鉢植えのナスタチウムを室内へ取り込むことがおすすめです。日当たりの良い窓際に置いて水やりは土が乾いたら行います。
    防寒対策 ナスタチウムを庭植えにした場合や、室内へ取り込むことができない場合は、防寒対策を行います。鉢底や鉢周りに藁や落ち葉などを敷いて保温します。また、夜間や霜が降りそうな日はビニールや不織布などで覆って保護します。

    ナスタチウムがひょろひょろと徒長・倒れる原因と対処法

    ナスタチウムは、水やりや肥料のやりすぎがひょろひょろと徒長の原因となります。場合によっては栽培中に倒れてしまうこともあります。

    ナスタチウムは乾燥を好む植物で、過湿状態にすると茎だけが伸びて花付きが悪くなるほか、窒素が多い肥料を与えすぎると葉が増えて花付きが悪くなってしまいます。

    徒長したナスタチウムの対処法は、以下のようになります。

    水やりの調整 土の表面が乾いたら水やりを行い、やりすぎないようにします。庭植えの場合は根付いたら水やりは不要です。
    肥料の調整 植え付け時に緩効性肥料を土に混ぜておき、鉢植えの場合は6月~7月と9月~10月に液体肥料を追肥します。地植えの場合は肥料をやらなくても育ちます。
    剪定・切り戻し 徒長した茎を思い切って切り戻します。7月中旬~下旬に切り戻すと秋に再び花が咲きます。

    ナスタチウムを挿し芽(挿し木)で増やす方法

    ナスタチウムを挿し芽で増やすのは6月頃が適期です。

    挿し芽で増やす方法は次のとおりです。

    1. 茎の部分を5~10cm切り取る。
    2. 上の部分の葉を数枚以外は取り除く
    3. 切り口を鋭利な刃物で斜めにカットする
    4. 切り口を1~2時間ほど水に浸す
    5. 挿し穂の切り口に発根促進剤を塗布する
    6. 土に割りばしなどで穴を空ける
    7. 空けた穴に挿し穂を挿す

    根が付くまでは、明るい日陰に置いて乾燥させないようにして、発根が確認できたら鉢上げ(植え替え)しましょう。

    乾燥が気になる場合は、ふんわりとビニールをかけておくのもおすすめです。

    こぼれ種でも増える

    ナスタチウムは、こぼれ種でもよく発芽します。

    ベランダでの栽培でも、こぼれ種が発芽して新しい株が育つことがあります。

    種を集めて一晩水に浸けてから蒔くようにするとさらに発芽率がアップするので、種でたくさん増やしたい方は種を収穫することをおすすめします。

    ナスタチウムの収穫時期と方法

    ナスタチウムは花や葉、種子は食用になりサラダや酢漬けなどに利用できます。

    ナスタチウムの収穫については、以下のポイントを押さえておきましょう。

    花が咲いたらすぐに摘み取ります。摘み取った花は水にさらして洗い、水気を切ってから冷蔵庫で保存します。
    葉は随時収穫できますが、若い葉の方が柔らかくて美味しいです。葉を摘むときは株の外側から取り、株元から5cm以上残して切り取ります。
    種子 種子は花が終わってから最初は小さい直径5mm弱の大きさが、直径1cm程になるほど膨らみます。その黄緑色の粒が熟して黄土色に変わり、完全に熟すとポトリと種が地面に落ちて水分を含み、また発芽します。種子を収穫するときは黄緑色の粒を株から摘み取ります。

    ナスタチウムの育て方に関するQ&A

    ここでは、ナスタチウムの育て方に関するQ&A(質問&回答)を紹介します。

    • ナスタチウムに毒性はある?
    • ナスタチウムの立ち枯れ病とは?
    • ナスタチウムの芽が出ない理由と対処法は?
    • 混植に適したコンパニオンプランツは?

    上記の問いについて詳しく回答していますので、参考にしてみてくださいね。

    ナスタチウムに毒性はある?

    結論から書くと、ナスタチウム自体には毒性はありません。

    ただし、観賞用に栽培されたナスタチウムは食べられないので注意してください。観賞用のナスタチウムは害虫駆除のために農薬を散布している場合があり、使用されている農薬にもよりますが、物によっては手に届くまで農薬が残っている場合があります。そのため、観賞用として販売されているものはあくまで観賞用として楽しむようにしましょう。

    食用として育てる場合は、必ず野菜専用の土を使い種から育てます。理由は、園芸用のナスタチウムの苗は人体に使用できない量の農薬を使って栽培しているからです。苗から育てたい人はエディブルフラワーとしてナスタチウムを販売しているお店から購入してください。

    ナスタチウムの立ち枯れ病とは?

    立ち枯れ病とは、高温多湿の環境で株が蒸れてしまい茎や葉が枯れてしまう病気です。

    立ち枯れ病にかかると、ナスタチウムは元気な花を咲かせることができません。また、立ち枯れ病は他の植物にも感染する可能性があります。

    立ち枯れ病を防ぐためには、以下のような対策を行いましょう。

    • 水やりは土の表面が乾いてから行う。
    • 風通しの良い場所に植える。
    • 日当たりの良い場所に植える。
    • 予防的に殺菌剤を散布する。

    ナスタチウムは立ち枯れ病に弱い植物ですが、適切な管理を行えば美しい花を咲かせることができます。水やりや日当たり、風通しに注意して、ナスタチウムを元気に育てたいですね。

    ナスタチウムの芽が出ない理由と対処法は?

    ナスタチウムは種から育てることができる植物ですが、種まきをしても芽が出ないことがあります。その理由としては、以下のようなものが考えられます。

    芽が出ない原因 補足 対処法
    種子の品質が悪い スタチウムの種子は古くなると発芽率が低くなります。また、自分で収穫した種子は薄皮がついている場合があり、そのまままくと発芽しにくくなります。 新しい種を使うこと、自分で収穫した種子は薄皮を剥いてから蒔くようにします。
    水やりが不適切 ナスタチウムの種子は水分を必要としますが、水やりをしすぎると根腐れや茎腐れの原因になります。逆に水やりをしすぎないと乾燥して発芽しません。 土の表面が乾いてから水やりを行うようにします。
    温度が低すぎる ナスタチウムの種子は20度前後の温度で発芽しやすいです。温度が低すぎると発芽に時間がかかったり、発芽しなかったりします。 温度を保つために、日当たりの良い場所に置いたり、発芽箱やビニール袋を使ったりしましょう。

    混植に適したコンパニオンプランツは?

    ナスタチウムは花の鑑賞やハーブとしての活用だけでなく、他の野菜と一緒に植えることでさまざまな効果を発揮する「コンパニオンプランツ」としても優れています。

    コンパニオンプランツとは、作物の近くに植えるだけで害虫を遠ざけたり、生育を促進したりする植物のことです。ナスタチウムは、その香りや成分で多くの害虫を忌避し、また葉が茂って土を覆うことで保湿や保温の効果もあります。

    ナスタチウムと混植に適した野菜は、以下のようなものがあります。

    アブラナ科の野菜 白菜やキャベツ、ブロッコリーなどのアブラナ科の野菜はナスタチウムと相性が良いです。ナスタチウムはアブラナ科の野菜につきやすいアブラムシやヨトウムシなどの害虫を寄せ付けません。また、アブラナ科の野菜は根が深く伸びるため、ナスタチウムと根が競合しないで済みます。
    ナス科の野菜 ナスやトマト、ピーマンなどのナス科の野菜もナスタチウムと混植することでメリットがあります。ナスタチウムはナス科の野菜につきやすいコナジラミやカイガラムシなどの害虫を遠ざけます。また、夏場にはナスタチウムの葉がナス科の野菜の根元を覆って土温を上げたり乾燥を防いだりします。
    その他の野菜 上記以外にも、ニンジンやレタス、オクラなどの野菜とも混植することができます。ただし、根が浅く伸びる野菜と混植する場合は、根が絡まらないように注意しましょう。

    以上が、ナスタチウムと混植に適したコンパニオンプランツについてです。ナスタチウムは花壇だけでなく畑でも活躍する万能な植物です。ぜひ試してみてください。

    まとめ:ナスタチウムの育て方のポイント

    この記事ではナスタチウムの育て方のポイントをご紹介しました。

    ナスタチウムはそれほど栽培が難しいハーブではありませんが、耐暑性も耐寒性もそれほど高くないので、夏越しと冬越しには注意が必要です。

    また、水やりや肥料の与え方によっては、花が咲かなかったりひょひょろと徒長したり倒れたりすることもあるので、ポイントを押さえて栽培するようにしましょう。

    ナスタチウムは花や葉、種子は食用になりますので、上手に栽培して新鮮な状態で収穫して活用したいですね。

    ナスタチウムの食べ方については、別の記事でご紹介予定です。(ただいま作成中ですのでしばらくお待ちください。)

  • キンセンカ(カレンデュラ)の育て方|種取り時期や耐寒性について

    キンセンカ(カレンデュラ)の育て方|種取り時期や耐寒性について

    キンセンカ(金盞花)はキク科キンセンカ属の一年草または多年草で、地中海沿岸が原産地です。

    「カレンデュラ」「ポットマリーゴールド」とも呼ばれることがあり、黄金色の盞のような花を長い花期に咲かせ、太陽に反応し、朝になると開き夕方に閉じる性質があります。

    栽培方法は難しいこともなく、食用や薬用などハーブとしての側面もあることで、自宅で育ててみたいという方もきっと多いでしょう。

    この記事では、キンセンカ栽培について種まきから収穫までをまとめていますが、中でも尋ねられることが多い種の取り方や耐寒性についても詳しくお伝えしているので、参考にしてみてくださいね。

    キンセンカの種まき時期と方法

    キンセンカの種まきの時期は地域や品種によって異なりますが、一般的には9月~11月の間が適しています。発芽適温は15~20℃です。

    ただし、北海道などの寒冷地では冬の寒さに耐えられないため、春に種まきをする方が良いでしょう。

    種まきの方法は、以下のとおりです。

    1. トレーなどに草花用の培養土を入れて表面を平らにする。
    2. 種をまんべんなく蒔く。
    3. 種は軽く土で覆う程度で深く埋めないようにする。
    4. 水やりをして土を湿らせる。
    5. 水はけの良い場所に置き乾燥しないように管理する。
    6. 約2週間ほどすると発芽する。
    7. 発芽したら日当たりの良い場所に移す。
    8. 本葉が3枚ほどになったらポットに移植する。(株間は10cmほど空ける)

    その後は苗と同じように育てます。

    キンセンカ栽培に適した環境(用土づくり・水やりと肥料の与え方)

    種まきを行ったらキンセンカ栽培に適した環境づくりをしていきましょう。

    キンセンカは、日当たりと風通しのよい場所で育てることが大切です。

    環境づくりのポイントを以下にまとめました。

    用土づくり 有機質に富む弱アルカリ性のものが適しており、酸性土壌を嫌います。鉢植えの場合は一般の草花用培養土を使うか、赤玉土と腐葉土を混ぜたものを用います。植えつける前に、苦土石灰や堆肥や緩効性肥料などを元肥として施しておきます。
    水やり 土が乾いたらたっぷりと行います。乾燥には比較的強いですが、過湿には弱く根腐れしやすくなります。花壇では、根が張ったら水やりはほとんど必要ありません。
    肥料 鉢植えでは月に1回ぐらい液体肥料を与えます。花壇では、植えつけ時に施した元肥で十分ですが、花が咲き始めたら追肥をするとよいでしょう。

    キンセンカを鉢植え・プランターで育てる方法

    キンセンカは、地植えだけでなく鉢植えやプランターでも楽しむことができます。鉢植えやプランターで育てる場合は、以下の点に注意しましょう。

    用土 水はけと水持ちのバランスがよく、弱アルカリ性のものを選びます。市販の草花用培養土を使うと便利です。苦土石灰を混ぜると酸性を中和することができます
    鉢・プランター選び 65cm程度のものに4~6株の苗を植えるのが良いでしょう。(株間は20cmほど空けます)
    植え付け時期 秋頃(9月~11月)が適しています。寒地では春に植え付けます。
    水やり 土の表面が乾いたらたっぷりと行います。夏は1日に1回、冬は2~3日に1回程度が目安です。手で土を触ってみて判断しましょう
    肥料 植え付け前に緩効性肥料を混ぜ込んでおきます。窒素分の多い肥料は避けましょう。植え付け後は、生育期(10月~4月)に液肥を10日に1回与えます。
    病害虫 ヨトウムシやアブラムシなどがつくことがあるので、早めに駆除しましょう。ウドンコ病や炭そ病も発生する可能性があるのでご注意ください。

    キンセンカの植え替え時期と方法

    鉢植えやプランターで育てる場合、数年に一度は植え替えを行うとより元気に咲きます。

    植え替えを行う時期は、秋頃(9月~11月)が適していますが、寒地では春に植え替えます。

    なお、植え替える前に、キンセンカの根元を少し乾かしておくこと、根が張りすぎている場合は根切りバサミで切り詰めるのがポイントです。

    植え替えの方法は、以下のとおりです。

    1. 元のものより一回り大きい鉢やプランターを用意する。
    2. 鉢底に鉢底網を敷き、その上に軽石や鹿沼土などの排水材を敷く。
    3. 新しい用土を用意する。
    4. 苦土石灰を混ぜて酸性を中和させる。
    5. 鉢やプランターに用土を入れる。
    6. キンセンカを植え付けて、根元から1cmほど高くなるように土を盛る。
    7. たっぷりと水やりをする。

    その後は、土の表面が乾いたら水やりを行って管理していきます。

    キンセンカの花が咲く時期と香り・花言葉

    キンセンカは黄色やオレンジなどの鮮やかな花を咲かせる一年草です。開花期は12月~6月と長く、冬から春にかけて楽しむことができます。

    花は日の光を浴びて開き、夜になると閉じる性質があります。香りはほとんどありませんが、花びらは食用にもなります。

    キンセンカの花言葉は、「別れの悲しみ」「悲嘆」「寂しさ」「失望」です。これは、ギリシャ神話のアポロンとレウトコエ王女の悲恋に由来しています。

    また、キリスト教では黄色い花は迫害者の象徴とされることから、否定的な意味合いが強くなっています。明るい色合いの花ですが、裏腹に悲しい感情を表現する花となっています。

    花が終わったら行う花がら摘みのやり方

    花がら摘みとは、咲き終わった花を取り除く作業のことです。花がら摘みを行う理由は、次のようなものがあります。

    • 新しい花の発育を促す
    • 病気やカビの予防をする
    • 見た目を美しくする

    花がら摘みのやり方は、基本的にはハサミで切り取る方法と手で抜き取る方法があります。

    ハサミで切り取る場合は花茎の根元から切ります。手で抜き取る場合は、茎がやわらかい植物に限ります。

    どちらの場合も、種や実ができる部分から取り除くことが大切です。

    花がら摘みのタイミングは、咲いた花が色あせたり、花びらが丸まったりしたときです。水やり後や気温が適度なときに行うと、植物に負担をかけずに済みます。

    花がら摘みを定期的に行うことで、植物の生育を促し美しい花を長く楽しむことができます。

    キンセンカの切り花の育て方

    キンセンカは春に黄色やオレンジのキラキラとした花を咲かせる一年草です。切り花としても人気があり、花瓶に活けると部屋を明るく彩ります。

    切り花にするときは、花が完全に開いた状態で切り取ります。花が閉じているときや、花びらが縮れているときは避けます。

    キンセンカの切り花の育て方は、以下のポイントに注意して行います。

    すぐに水に浸ける 切り取ったらすぐに水に浸けます。水切れを防ぐために、茎の先端を斜めに切り落とし葉やつぼみを取り除きます。
    水の量 水の量は茎の半分くらいまで入れます。水は常温で、水道水でも問題ありません。
    水の取り換え 水は毎日取り替えます。その際に茎の先端も少し切り落として新鮮な状態を保ちます。
    花がら摘み 花がらはこまめに摘み取ります。花びらが散ってしまったらガクごと切り取ります。

    キンセンカの切り花は、上記の方法で管理すれば約1週間くらい持ちます。色鮮やかな花を長く楽しみましょう。

    キンセンカの室内での育て方

    キンセンカを室内で育てる場合は、以下のポイントに注意して行います。

    置き場所 日当たりと風通しの良い場所に置きます。レースカーテン越しの窓際が適しています。直射日光や暖房器具の近くは避けましょう。
    水やり 土が乾いたらたっぷりと水やりをします。夏場であれば1日1回が目安です。
    肥料 鉢植えは10日に1度、液体肥料を与えます。家庭菜園用や野菜用の肥料を使うと安心です。
    花がら摘み 花がらはこまめに摘み取ります。花びらが散ってしまったらガクごと切り取ります。
    切り戻し 花が終わったら、全体の三分の一から半分程度に切り戻しをします。脇枝が生長して花芽がたくさんある株になります。

    キンセンカは上記の方法で管理すれば冬から春まで長く楽しめます。色鮮やかな花を室内で咲かせましょう。

    キンセンカを剪定・切り戻し・摘心する方法と目的・時期

    キンセンカは、基本的には剪定を必要としない植物です。

    ただ、茎葉が混み合うようになった場合は、うどんこ病にかかりやすくなってしまうので間引き剪定を行いましょう。

    切り戻しは、植物の成長を促してより多くの花を咲かせることを目的に行いますが、カレンデュラは、春になってから草丈を3分の1から半分ほど切り戻すと花芽が多く付きます。

    また、摘心しておくと脇芽がでて花数が増えます。摘心で花数を増やしたい場合は、花が咲く前(蕾がつかない段階)に茎の先端を切っておきましょう。

    キンセンカの夏越し方法はある?

    キンセンカは、冬から春にかけて咲く一年草です。

    夏になると暑さや日差しに弱くなり、花付きも悪くなるため、夏越しはできません。

    花が終わったら株を抜いて処分しましょう。

    キンセンカの耐寒性と冬越しの方法

    キンセンカは寒さに強い一年草です。最低温度は-15℃まで耐えられると言われており、地植えであっても特別な冬越しの必要はありません 。

    ただし、雪が降る地域では雪が重くなって株が倒れたり折れたりすることがあるので注意が必要です。雪が降る前に、株を軽く切り戻しておくと良いでしょう。

    鉢植えの場合は、日当たりと風通しの良い場所に置きましょう。鉢土が凍らないように、鉢底に砂利や発泡スチロールなどを敷いておくと良いです。

    また、鉢を複数並べて密集させると、互いに保温効果があります。水やりは、土が乾いたら少量ずつ与える程度で十分です。肥料は与えないでください。

    キンセンカは、冬から春にかけて咲く花です 。12月ごろから開花し始め、3月~5月が最盛期です。花が終わったら、花がらを摘み取って種をつけないようにしましょう。これで長くきれいに咲かせることができます。

    キンセンカの増やし方

    キンセンカの増やし方は種まきが一般的です。種は大きめで扱いやすく発芽率も高いので比較的増やしやすい植物です。

    種まきの方法については、種まき時期と方法の項をご参照ください。

    こぼれ種でも増える

    キンセンカはこぼれ種でも増えていきます。

    花が終わった後に種ができるので、それらが地面に落ちて、次の年に発芽することがあります。

    ただし、こぼれ種で増やす場合は発芽率が低いこともありますので、確実に増やしたい場合は種を採取して蒔くことをお勧めします

    キンセンカは挿し木や挿し芽では増やせない?

    キンセンカは挿し木や挿し芽で増やすことはできません。

    キンセンカを増やすには、上に記載したとおり種で増やすしかありません。

    ヤフー知恵袋でもキンセンカを挿し木で増やす方法に関汁質問が挙げられていて、挿し木の方法が掲載されているというサイトのURLが掲載されていますが、現在のところリンクページは削除されています。

    キンセンカの収穫時期と方法

    キンセンカは観賞用として植えられるほか、花は薬用や染料としても利用されています。また、ヨーロッパではハーブやエディブルフラワーとして用いられます。

    キンセンカの花にはサポニン(calendulaglycoside A-C)が含まれており、利尿、発汗、瀉下、止血、胆汁分泌促進、通経、芳香性健胃作用があります。また、結膜炎に目薬として用いられることもあります。

    キンセンカの花は開花したらすぐに切り取っても良いです。収穫時期は品種や栽培環境によって異なりますが、一般的には3月から5月頃です。

    収穫方法は簡単で、花が開き始めたら茎の下部からハサミで切り取るだけで完了です。

    キンセンカの育て方に関するQ&A

    ここでは、キンセンカの育て方に関するQ&A(質問&回答)を紹介します。

    • キンセンカの種はどれ?
    • 種の取り方と種取り時期は?
    • キンセンカは多年草ですか?
    • カレンデュラのパワーデイジーや冬知らずの育て方も同じで良い?
    • キンセンカのスノープリンセスの育て方も同じ?
    • アフリカキンセンカの育て方も同じ?
    • キンセンカの花はいつまで咲く?

    上記の問いについて詳しく回答していますので、参考にしてみてくださいね。

    キンセンカの種はどれ?

    キンセンカは花がしぼんで茶色くなった後に種をつけます。

    花の中心部分にある黒くてひょろっとした形をしているのが種です。

    種の取り方と種取り時期は?

    キンセンカの種は、花の中心部分にあるのでピンセットなどを使うと取りやすいです。

    種を摘み取るタイミングは、花がしぼんで茶色くなってからゆすって落ちるまでの間です。ゆすって落ちるときに茶色くなっていない種もあるかもしれませんが、それらは発芽率が低いので破棄します。また、緑色の種も同様に発芽率は低いです。

    摘み取った種は、新聞紙などに包んで乾燥させた後、空き瓶などに入れて冷蔵庫で保存します。保存するときには乾燥剤を一緒に入れておくと湿気を防げます。保存期間は2~3年ですが、5年以上保存しても発芽することがあります。

    キンセンカは多年草ですか?

    キンセンカはキク科キンセンカ属 (カレンデュラ属)の植物で、一年草もしくは短命多年草です。一年草とは、種から発芽して花を咲かせ、種を残して枯れるまでのサイクルが一年以内で終わる植物のことです。多年草とは、一度根付いたら何年も生き続ける植物のことです。

    キンセンカの中でも、主に栽培されるのはトウキンセンカとも呼ばれるカレンデュラ・オフィシナリス種 (Calendula officinalis)です。この種は一年草で、秋に種をまくと冬から春にかけて花を咲かせますが、夏には枯れてしまいます。しかし、こぼれ種で増えることがあり翌年も花を咲かせることがあります。

    また、「冬知らず」という品種はホンキンセンカの和名を持つカレンデュラ・アルベンシス種 (C. arvensis)の一品種で、寒さに強く冬中花を咲かせ続けることから、冬花壇の定番植物として古くから栽培されています。この品種は短命多年草で、数年間生き続けることがあります。

    つまり、キンセンカは一年草もしくは短命多年草であり、品種によって耐寒性や寿命が異なります。購入する際には品種名や特徴を確認しておくと良いでしょう。

    カレンデュラのパワーデイジーや冬知らずの特徴は?

    カレンデュラの「パワーデイジー」は、春夏秋冬途切れることなく花が咲き続ける品種です。

    耐寒性と耐暑性ともに優れているほか、うどんこ病に強く改良されています。

    花付きもよく、1株に100輪以上の花を同時に咲かせます。

    一方の「冬知らず」は、開花期は11月~6月と(積雪地域でなければ)名前の通り冬の寒い中でも濃い黄色の花を咲かせ続ける特徴があります。

    冬期は草丈が低めですが2月末くらいから成長速度が高まり50㎝あたりの草丈まで育ちます。陽当たりと風通りよく排水の良い環境で育てると良く育ちます。

    キンセンカのスノープリンセス特徴は?

    「スノープリンセス」は、キンセンカでは初めてのホワイトカラーの品種です。草丈は30~50cmで切り花にも向きます。

    耐寒性があり、春先から秋までと長期間に渡り花が咲き続けます。

    アフリカキンセンカの特徴は?

    アフリカキンセンカは、草丈が20cm〜50cm程になるキク科の一年草で日本では3月〜5月頃に開花します。

    アフリカキンセンカの花は、品種により異なりますが茎先に径3cm〜6cm程の頭状花序を出します。

    花色は黄色〜オレンジ色で花弁基部は紫色を帯びます。また、白やピンク色の花色品種もあります。

    キンセンカの花はいつまで咲く?

    キンセンカは地中海沿岸原産のキク科の一年草で、黄色やオレンジなどの鮮やかな花を咲かせます。切り花にも適しており、ハーブや食用花としても利用されます。

    キンセンカの花期は、秋に種まきをすると12月ごろから開花し、花の最盛期は3月~5月の春です。

    花は日が当たると開き、夜間や天気の悪い日には閉じる性質があります。

    キンセンカは耐寒性が高く、関東以南では冬越しできますが、夏になると暑さに弱くなり枯れてしまうことが多いため、夏まで咲かせることは難しいです。

    つまり、キンセンカの花はいつまで咲くかというと、品種や気候にもよりますが一般的には5月頃までが目安です。6月以降は新しい苗を植え替えるか、秋まで待って種まきをする必要があります。

    まとめ:キンセンカ(カレンデュラ)の育て方のポイント

    キンセンカ(カレンデュラ)の育て方についてまとめました。

    キンセンカは発芽率も高く育てやすい植物ですが、夏越しができないので種まきの時期には注意が必要です。

    それ以外はそれほど難しいこともありませんし、管理もしやすいので初心者の方でも気軽に挑戦できる植物と言えます。

    ハーブとしての側面もあるので、ハーブティーなどに活用するのも楽しいですよ。

     

    【追記】

    キンセンカの効能についてはこちらのページで詳しくご紹介しています。

    [surfing_other_article id=”1953″]

    カレンデュラオイルの作り方などについて、別記事でご紹介します。(ただいま作成中)

  • レッドクローバー(アカツメクサ)の育て方|苗植えや種まき時期について

    レッドクローバー(アカツメクサ)の育て方|苗植えや種まき時期について

    レッドクローバー(別名:アカツメクサ)の和名はムラサキツメクサで、マメ科シャジクソウ属に分類される多年草です。

    自生していることが多く雑草だと認識している人は多いかもしれませんが、緑肥やグランドカバーに使われたり、ハーブティーに用いることができる植物です。

    この記事では、こうしたレッドクローバーの有益な面を使うために育てる際の育て方について、詳しくご紹介しています。

    レッドクローバーの種まき時期と方法

    レッドクローバーの種まき時期は、春(3月~6月)と秋(9月~11月)の2回です。

    種まきは、直まきか苗作りのどちらでもできますが、直まきのほうが発芽率が高いといわれています。

    直まきの場合は、土を耕してふかふかにし種をまんべんなく撒きます。種が重ならないように注意しましょう。種を軽く土で覆い、水をたっぷりと与えます。

    発芽するまでは日陰で管理し、土が乾かないように水やりを続けます。

    苗作りの場合は、育苗箱やポットに種をまき5mm程度覆土をします。

    本葉が2~3枚になったらポットに移植し間引きします。

    いずれの方法でもレッドクローバーの種は小さくて軽いので、風や鳥に飛ばされないようにネットなどで覆っておくとよいでしょう。

    レッドクローバー栽培に適した環境(用土づくり・水やりと肥料の与え方)

    レッドクローバー栽培に適した環境は、日当たりのよい場所で、水はけがよく有機質に富んだ栄養豊富な土です。栽培適温は15~30℃です。

    以下にポイントをまとめます。

    用土づくり 赤玉土小粒と腐葉土を6:4の割合で混ぜ合わせたものや、市販の草花用培養土を使います。鉢植えの場合は、底に軽石や粗めの砂を敷いて水はけを良くします。
    水やり 土が乾いたらたっぷりと与えます。夏場は乾燥しやすいので、毎日チェックして必要に応じて水やりをします。冬場は少し乾燥気味に管理し、水の与え過ぎに注意します。
    肥料 肥料はほとんど必要ありませんが、鉢植えの場合は生育期に液体肥料を2週間に1回程度与えます。化成肥料を使う場合は、月に1回与える程度で十分です。

    レッドクローバーの地植えの時期と方法

    レッドクローバーの地植えの適期は、3月~6月もしくは9月~11月頃です。霜が少なくなる3月頃がおすすめです。

    地植えする場所は日当たりのよい場所で、水はけがよく有機質に富んだ栄養豊富な土です。事前に土を耕して柔らかくしておきます。

    苗を植えるときは株間を20~25cm程度あけて植えます。根が切れないように注意してください。

    植え付け後は、土が乾いたらたっぷりと水やりをし生育期に液体肥料を2週間に1回程度与えます。冬場は水やりと肥料を控えてください。

    レッドクローバーを鉢植え・プランターで育てる方法

    レッドクローバーを鉢植え・プランターで育てる方法は以下のとおりです。

    1. 鉢・プランターの底にネットや鉢底石を敷く
    2. 土を鉢・プランターの縁から1~2cm下くらいまで入れる。
    3. 苗よりも1回り大きな植え穴をシャベルなどで掘る。
    4. 苗を植える
    5. たっぷりと水を与える
    6. 日当たりの良い場所に置く

    土は水はけがよく有機質に富んだ栄養豊富な土(市販の草花用培養土など)が適しています。

    植え付け後は、土が乾いたらたっぷりと水やりをする程度で、特に肥料は必要としません。

    鉢植え・プランターの場合は、日照時間を調整するために季節ごとに移動させるとよいでしょう。夏は強すぎる日差しを避け、半日陰の場所に置きます。

    レッドクローバーの開花時期と香り・花言葉

    レッドクローバーの開花時期は4月~6月頃で、深紅色の球状の花を咲かせます。

    香りは、甘くてフルーティーな香りがします。花は食用にもなり、サラダやジャムにしたり、葉は乾燥させてハーブティーにしたりできます。

    花言葉は、「豊かな人生」「繁栄」「幸福」「美しさ」などがあります 。赤い花の色から、情熱や愛情を表すこともあります。

    レッドクローバーを切り戻し剪定・花がら摘みをする方法と目的

    レッドクローバーのは、茎が伸びすぎている部分や葉が込み入っている部分を切り戻し剪定していきます。

    これをすると、株がふさふさになります。また、病気や害虫にかかりにくくなります。

    また、花がら摘みをすると花をたくさん咲かせることができます。摘んだ花はドライフラワーやハーブとして楽しむことができます。

    レッドクローバーの耐寒性と冬越しの方法

    アカツメクサは耐寒性があり、冬越しには特に対策が必要ありません。

    ただし、雪が積もる場所では雪の重みで植物が折れてしまうことがあるため、雪かきをするなどの対策が必要です。

    レッドクローバーを株分けで増やす方法

    レッドクローバーは種まき以外にも株分けで増やすことができます。

    株分けの場合は、根元に土をつけたまま切り離して別の場所に植えるだけで大丈夫です。

    (株分けをしてみた画像を編集中です)

    レッドクローバーの収穫時期と方法

    レッドクローバーは花が咲き始める4月頃から収穫できます。

    収穫するときは、花茎を根元から切り取ります。

    収穫した花茎は、日陰で風通しのよい場所に干して乾燥させて、ハーブティーやジャムなどに利用できます。

    レッドクローバーの効能や効果については、こちらのページで詳しくご紹介しています。

    [surfing_other_article id=”1950″]

    レッドクローバーを緑肥として用いる方法

    レッドクローバーを緑肥として利用する場合、茎と葉を刈り取り10cmぐらいに裁断し、天日で1日ぐらい干して水分を減らした後に、土と混ぜ合わせます。

    なお、農研機構による緑肥作物の種類やすき込み時期に応じた土づくり効果などを示した緑肥利用マニュアルが参考になるので、参考にしてみてください。

    参考:農研機構の研究成果報告ページ

    まとめ:レッドクローバーの育て方のポイント

    レッドクローバーは赤い花を咲かせる魅力的な多年草です。

    日当たりと水はけの良い場所であれば育てやすい植物なので、初心者でも気軽に育てることができます。

    耐暑性も耐寒性も高いので、管理自体も簡単なので、気になる方はぜひ挑戦してみてくださいね。

    緑肥やハーブティーとしても用いることができますよ。

  • 西洋ニンジンボク(チェストツリー)の育て方|小さく育てる剪定方法も

    西洋ニンジンボク(チェストツリー)の育て方|小さく育てる剪定方法も

    西洋ニンジンボクは、春に白い花を咲かせる落葉高木です。日本ではチェストツリーとも呼ばれ、英国では街路樹としても親しまれています。

    西洋ニンジンボクは、日当たりと水はけの良い場所を好み寒さにも強い植物である一方で、成長が早くて大きくなりすぎることがあります。

    そこで、この記事では、西洋ニンジンボクの育て方について、特に小さく育てるための剪定方法について紹介します。

    剪定は、西洋ニンジンボクの形を整えるだけでなく、花付きや病害虫の予防にも効果的です。剪定の時期や方法、注意点などを詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

    西洋ニンジンボクの種まき時期と方法

    西洋ニンジンボク(チェストツリー)は、花が終わった後にできる実を収穫して種まきすることができます。

    西洋ニンジンボクの実は9月~10月にかけて黒く熟しますが、鳥に食べられやすいので早めに収穫しましょう。収穫した実は、乾燥させてから種を取り出します。

    種は小さくて黒いもので、実の中に4個ほど入っています。

    種まきの時期は、春(3月~4月)がおすすめです。種まき用の土は水はけがよく、保水性の高いものを選びます。

    種まきの手順は次のとおりです。

    1. 鉢やプラスチックトレイなどに土を入れて平らにする。
    2. 種をまいてから軽く土で覆う。
    3. 土が乾かないように適度に水やりを行う。
    4. 日当たりのよい場所に置く。
    5. 約1か月ほどすると発芽する。
    6. 発芽したら間引きをする。
    7. 本葉が2~3枚になったら鉢上げする。

    鉢上げした苗は、日陰で様子を見ながら徐々に日光に慣らしていき、霜がおさまった5月以降に植え付けを行います。

    西洋ニンジンボク栽培に適した環境(用土づくり・水やりと肥料の与え方)

    西洋ニンジンボク(チェストツリー)は、日当たり・水はけ・風通しの良い肥えた土を好みます。

    西洋ニンジンボクは耐陰性が弱いため、霜が降りる地域では冬の寒さで傷むことがあるため、霜よけをするか南向きの軒下に入れることがおすすめです。

    幹が伸びるため、周りの植物との距離を1m~2m程度空けると良いでしょう。

    用土づくりや水・肥料の与え方のポイントをまとめました。

    用土づくり 基本的にどのような用土に植えても問題なく育ちますが、乾燥しすぎている場所を嫌うので、水分が少ない砂地は避け、保水性の高い用土に植えると良いです。

    砂地しかない場合は堆肥や腐葉土をたくさん混ぜて用土を作り、鉢植えで育てる場合は、一般的な培養土を使用するのがおすすめです。

    水やり 水やりについては特に必要ありませんが、極端に乾燥する夏の高温期には朝か夕方に水やりします。
    肥料 2月から3月に寒肥として油かすや緩効性の化成肥料を施します。

    西洋ニンジンボクの地植えの時期と方法

    西洋ニンジンボク(チェストツリー)の地植えの時期は真夏と真冬を避け、3月~4月または9月下旬~11月に行うのが最適です。

    この時期なら根がしっかりと張って冬を越せるか、または春に芽吹く準備ができるからです。

    西洋ニンジンボクの地植えの方法は、以下の手順で行います。

    植え付ける場所を選ぶ 日当たり・水はけ・風通しのよい場所を好みます623。また、生育旺盛で大きくなるので、周りの植物との距離を1m~2m程度開けておきます
    植え穴を掘る 土はふかふかにほぐしておき、根鉢の大きさの2~3倍の深さと直径になるように穴を掘ります。
    元肥を入れる 腐葉土や堆肥などを植え戻す土量の1/3程度と混ぜて、油かすや緩効性の化成肥料などを加えます。
    植え付ける ポット苗やプラ鉢で購入した場合は、できるだけ土を崩さないように植え付けますが、根詰まりしている場合は、根の先端から3分の1程度ならほぐしても問題ありません。根鉢が植え穴より高くならないように注意します。
    土寄せと水やり 根鉢が隠れるくらいまで土を寄せて、しっかりと押さえます。その後、たっぷりと水を与えます。

    西洋ニンジンボクは根が粗いので移植が難しい植物です。植え場所はよく吟味して選びましょう。

    西洋ニンジンボクは根張りが強いので植えてはいけない?

    西洋ニンジンボクは根張りが強いので「庭に植えてはいけない」と言われることがありますが、想定外に増えたりして後悔するようなことはほとんどないでしょう。

    庭に植える前にどのように育つかを知っておくことで大きな問題になることはありません。

    まず知っておきたい点としては、西洋ニンジンボクは生育旺盛で大きくなると3mほどの高さと幅になります。そのため、周りの植物との距離を1m~2m程度空けておく必要があります。

    こうした大きさを想定していれば、数が増えていくこともありませんし、大きくなり続けることもないので、植えてはいけないというほど手に負えなくなる植物ではありません。

    庭に植えたい方は安心して検討してみてくださいね。

    西洋ニンジンボクを鉢植え・プランターで育てる方法

    生育旺盛な花木なので基本的には地植えが望ましいですが、鉢植えやプランターでも育てることができます。

    鉢植えやプランターで育てる場合は、以下の点に注意しましょう。

    鉢やプランターの選び方 背丈が大きくなる植物なので、安定感のある鉢やプランターを選びましょう。また、乾燥しすぎるのを防ぐためにも深さのある大きめの鉢やプランターを利用するのがおすすめです。鉢底には水はけのよい素材(鉢底石や砂利など)を敷きましょう。
    用土の選び方 どんな土壌でもよく育つと言われていますが、鉢植えやプランターで育てる場合は水はけと保水性のバランスのよい用土を使いましょう。市販の培養土や赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜた用土が適しています。
    植え付けの方法 地植えと同様の手順で植え付けを行います。
    水やりの方法 西洋ニンジンボクは乾燥を嫌いますが、水はけが悪いと根腐れする可能性があります。そのため、水やりは土の表面が乾いたらたっぷりと与えるようにしましょう。特に夏場は毎日の水やりが必要になることもあります。水やりの際は葉や花にかからないように注意しましょう。
    追肥の方法 鉢植えやプランターで育てる場合は追肥が必要です。追肥は4月から9月ごろまで、月に1~2回程度行います。液体肥料や緩効性の化成肥料などを用土に与えるとよいでしょう。ただし、花が咲いている時期は肥料を控えるか少量にしてください。

    西洋ニンジンボクの植え替え時期と方法

    西洋ニンジンボクは移植を好まない植物のため、植え替えが不要な場所に最初から植え付けるのが望ましいです。

    どうしても植え替えが必要になってしまった場合、次の点に気を付けて行うようにします。

    1. 大きい鉢を用意する
    2. 植え戻す土量の1/3程度の腐葉土と、油かすや緩効性の化成肥料などの元肥を混合する
    3. 根鉢の大きさの2~3倍の深さ、直径の植え穴を掘る
    4. 植え付ける
    5. たっぷりと水やりをする

    以上が、西洋ニンジンボクの植え替え時期と方法です。

    西洋ニンジンボクは移植を好まない植物なので、植え替えは必要最低限に留めてあげましょう。

    西洋ニンジンボクの花が咲く時期と匂い・花言葉

    西洋ニンジンボクはシソ科の落葉低木で、夏から秋にかけて紫色の穂状の花を咲かせます。

    花は小さくて可憐で、涼しげな印象を与えます。花や葉には芳香があり、株元に近づくとほんのりとハーブや胡椒に似ている独特の香りが漂います。

    西洋ニンジンボクの花言葉は、「才能」「純愛」「思慕」です。才能は、古くから薬草として利用されてきたことから、純愛は、学名に含まれるラテン語のcastus(貞潔な)に由来しています。思慕は、小さな花がたくさん咲く姿から、恋する人の気持ちを表しています。

    西洋ニンジンボクは、7月22日の誕生花でもあります。この日に生まれた人は、才能や純愛や思慕を持っていると言われています。

    西洋ニンジンボクの花を贈るときは、恋人や友人に対する愛情や尊敬を伝えることができます。

    花が終わったらすべきこと

    西洋ニンジンボクの花が終わったらすべきことを以下にまとめました。

    実・種の収穫 花が終わると実がなります。この実から種を採取して種まきで増やすことができます。種は乾燥させて保存しておき春になったら蒔きます。
    挿し木 西洋ニンジンボクは挿し木でも増やすことができます。挿し木は、花が咲き終えた9月頃に行います。
    剪定 小さく育てたい場合や見栄えをよくしたい場合は剪定を行います。剪定は、花が咲き終わった10月~11月頃に行います。枝は切りすぎても新芽が出て花を咲かせるので心配ありません。
    冬の管理 西洋ニンジンボクは耐寒性がありますが、鉢植えの場合は冬の寒さに注意が必要です。鉢植えの場合は、霜や雪が降る前に屋内や温室に移動させるか、鉢底や鉢周りに保温材を巻いてあげましょう。

    西洋ニンジンボクの花が咲かない原因と対策

    西洋ニンジンボクの花が咲かないというケースがたまにありますが、西洋ニンジンボクの花が咲かない原因と対策としては以下のようなものが考えられます。

    日当たりが悪い 日当たりの良い場所で育てるとよく花を咲かせます。逆に、日陰や半日陰では花芽が形成されにくくなります。特に午前中から日が当たる場所がおすすめです。
    水やりが不適切 西洋ニンジンボクは乾燥を嫌います。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水やりをしてください。特に夏場は水分の蒸発が早くなるので注意してください。一方で、水やりをしすぎると根腐れの原因になるため注意が必要です。
    追肥が不足している 西洋ニンジンボクは生育旺盛な植物であるため、追肥をしっかりと行うことで花付きや花色を良くすることができます。追肥は春から秋にかけて月に1回程度、液体肥料や緩効性肥料を与えましょう。特に開花期前は追肥を忘れないようにしてください。
    剪定のタイミングが間違っている 西洋ニンジンボクは翌年の春以降に伸びた枝に花をつけます。そのため、剪定するタイミングを間違えると花芽を切り落としてしまうことになります。剪定は花後に行うのが基本です。

    西洋ニンジンボクを剪定・切り戻しする方法と目的・時期

    西洋ニンジンボクは成長が旺盛で、樹高は2~3mにもなります。そのため、剪定や切り戻しを行って樹形を整える必要があります。

    ここでは、西洋ニンジンボクの剪定や切り戻しの方法と目的・時期についてご紹介します。

    目的 方法
    剪定 枯れた枝や長く伸びた枝を切り落として樹形を整えることを目的に行います。剪定によって株への負担を軽減し、栄養を効率よく分配できます。また、剪定で切った枝は挿し木で増やすこともできます。 剪定は花が終わった10月~11月頃に行います。夏場に伸びた枝葉を切り落とす程度に抑えておくのがポイントです。枝は切りすぎても新芽が出て花を咲かせるので心配ありませんが、室内で育てる場合は鉢の大きさに合わせて適度に切り戻しましょう。
    切り戻し 大きくなりすぎた場合に樹高や樹幅を小さくすることを目的に行います。切り戻しによって樹形をコンパクトにし、管理しやすくできます。また、切り戻しで切った枝先から新しく元気な枝を出すことができます。 切り戻しは冬の寒肥として2月~3月頃に行います。切り戻しは自分で行うこともできますが、高い木の剪定には危険も伴うため、プロに依頼するのもおすすめです。

    西洋ニンジンボクを小さく育てる方法

    西洋ニンジンボクは、樹高が1~3mと大きく成長します。

    鉢植の場合だと小さく育てたいと考える方は多いと思いますが、好みの高さに剪定すれば小さく育てることは可能です。

    樹形は自然に整うタイプの植物ですが、小さく育てる場合にはこまめに剪定が必要です。枝は切りすぎても次々と新芽が出て花を咲かせるので、切りすぎを心配する必要はありません。

    好みの高さに剪定して、コンパクトにまとめて鉢植え栽培を愉しむのもおすすめです。

    西洋ニンジンボクを植えたら後悔すると言われる理由

    たまに、西洋ニンジンボクを植えたら後悔するよと言われることがありますが、主な理由としては次のようなことが挙げられます。

    • 生育が旺盛で枝が広く張るため、広い場所が必要
    • 樹高が3mほどになるものもあり、剪定が大変になる

    中には想像以上に根が張ってきて家の土台に影響を及ぼすのでは?と心配する人の質問が寄せられているウェブサイトもありました。

    ただ、こうした後悔のポイントは西洋ニンジンボクの特性を知っていれば避けられた後悔と言えるでしょう。予め広い場所に植えておけば問題になることはありませんし、小さく育てる方法もあるので、後悔する可能性は減らせるはずです。

    苗木のうちは小さいのでここまで大きくなるとは予想外だったというのが後悔する人の特徴だと思いますが、予め植える植物の特性は知っておいた方が良いという事例の一つですね。

    西洋ニンジンボクの耐寒性と冬越しの方法

    西洋ニンジンボクは耐寒性はそれほどなく、-5℃を下回るような寒さには耐えられません。そのため、冬場に-5℃を下回る地域では外での冬越しは難しいです。

    関東南部以南の日向なら屋外で冬越し可能ですが、それ以外の地域では鉢植えで育てたほうがよいでしょう。

    冬越しのポイントを以下にまとめました。

    鉢植えの場合 冬場は室内に取り込んであげましょう。ただし、暖房が効きすぎたり直射日光が当たったりすると枯れてしまうことがあるため、明るくて涼しい場所に置くことが大切です。水やりは土が乾いたら少量ずつ行いましょう。
    地植えの場合 根元を保温して凍害を防ぐため、根元を厚めに覆土してあげましょう。また、枝先が凍って枯れることもあるので、霜よけネットやビニールなどで覆ってあげるとよいでしょう。

    西洋ニンジンボクを挿し木で増やす方法

    西洋ニンジンボクは挿し木で簡単に増やすことができますが、9月か3月頃が適期です。

    挿し木の手順は次のとおりです。

    1. 枝を切る:その年に伸びた枝(9月の場合)か、前年に伸びた枝(3月の場合)を選びます。枝は2節~3節のところで切ります。
    2. 枝を整える:切った枝のうち節から1センチメートル下の部分をカッターナイフで斜めに切ります。水分や栄養素の吸収を促すのが目的です。
    3. 葉を半分程度に切り落とす:水分の蒸発を防ぎます。
    4. 水揚げ(水に挿す):整えた枝を1時間程度、水に挿しておきます。切り口から水分を吸わせるのが目的です。
    5. 土に挿す:水にさした枝を、節が埋まるくらいまで深く挿します。
    6. 管理する:日陰に置き、水やりは土が乾いたら行います。

    約2ヶ月ほどすると根が張ってきます。根が張ったのが確認出来たら日当たりのよい場所に移動しましょう。

    なお、土は保水力が強い土を用意します。赤玉土と腐葉土を半々に混ぜたものがおすすめです。

    西洋ニンジンボクの収穫時期と方法

    西洋ニンジンボクは、花だけでなく実も魅力的な植物です。実はハーブとしても利用でき、女性の不調を改善する効能があります。そこで、西洋ニンジンボクの実を収穫する時期と方法についてご紹介します。

    収穫時期 西洋ニンジンボクの実は、9月から10月にかけて熟します。熟した実は茶色くなり、軽く触ると落ちやすくなります。この時期になったら、実が落ちないように鳥網などで覆っておきましょう。
    収穫方法 西洋ニンジンボクの実は、枝ごと切り取るか手でひとつずつ摘み取るかのどちらかで収穫できます。枝ごと切り取る場合は、剪定ばさみを使って切ります。手で摘み取る場合は手袋をしてやさしくつまんで外します。
    保存方法 収穫した実は日陰でよく乾燥させます。乾燥が十分にできたら密閉容器に入れて冷暗所に保存します。保存期間は約1年です。

    以上が、西洋ニンジンボクの収穫時期と方法です。

    西洋ニンジンボクの実は、ハーブティーとして飲んだり香り袋として使ったりすることができます。

    西洋ニンジンボクの育て方に関するQ&A

    ここでは、西洋ニンジンボクの育て方に関するQ&A(質問&回答)を紹介します。

    • 西洋ニンジンボクの高さと成長速度は?
    • 西洋ニンジンボクの寿命は?
    • 西洋ニンジンボクの葉が黒くなる・落葉は問題ない?

    上記の問いについて詳しく回答していますので、参考にしてみてくださいね。

    西洋ニンジンボクの高さと成長速度は?

    西洋ニンジンボクの成長速度はとても早いことで知られています。

    植え付け後、1年目には1メートル以上、2年目には2メートル以上になり、3メートルを超えるくらいまでになることもあるので、庭のシンボルツリーとしても適しています。

    西洋ニンジンボクの寿命は?

    西洋ニンジンボクの寿命については、一般的には10年から20年程度と言われていますが、適切な剪定や土壌改良を行えば、もっと長く育てることも可能でしょう。

    西洋ニンジンボクの葉が黒くなる・落葉は問題ない?

    西洋ニンジンボクの葉が黒くなったり、落葉したりする理由としては、以下のようなものが考えられます。

    秋から冬にかけて自然に落葉する 西洋ニンジンボクは落葉樹なので、秋から冬にかけて自然に落葉するのは当たり前のことなんです。ただし、西洋ニンジンボクはやや寒さに弱く、枝が枯れ込んでいる可能性もあるので春の芽吹きを待ちましょう。芽吹きは他の植物より遅いので心配するかもしれませんが、気長に待ちましょう。
    水切れや水やり過ぎでストレスを受ける 西洋ニンジンボクは乾燥を嫌います。特に夏場は水分の蒸発が早くなるので注意してください。一方で、水やりをしすぎると根腐れの原因になります。水やりの回数や量は、季節や気温や土の状態などによって調整しましょう。
    日焼けや寒さで葉が黒くなる 西洋ニンジンボクは日当たりの良い場所で育てるとよく花を咲かせます。しかし、強い日差しに当たると日焼けして葉が黒くなってしまうことがあります。特に新芽や若葉は日焼けしやすいです。日差しが強い時期は日陰に移動させるか日よけをしてあげましょう。また、冬場は寒さで葉が黒くなることもあるので、霜や雪が降る地域では鉢植えの場合は室内に入れるか、麻袋などで覆って保温しましょう。
    病気や害虫によって葉が傷つく 西洋ニンジンボクは目立った病気や害虫の被害はありませんが、稀にアブラムシやアオムシなどの害虫にやられることがあります。害虫によって葉が食べられたり吸汁されたりすると、葉が黄色くなったり落ちたりすることがあります。害虫を見つけたら、手で取り除いたり殺虫剤を散布したりしましょう。

    まとめ:西洋ニンジンボクの育て方のポイント

    西洋ニンジンボク(チェストツリー)は、栽培がしやすく日向や日陰のどちらでもよく育つ植物です。

    地植え、鉢植えどちらでも育てることができますが、樹高が1~3mと大きく成長しますので、鉢植の場合は好みの高さに切ってあげましょう。

    セイヨウニンジンボクを小さく育てる場合には小まめな剪定が必要ですが、枝は切りすぎても次々と新芽が出て花を咲かせるので、切りすぎを心配する必要はありません。

     

    【追記】

    西洋ニンジンボクの実「チェストベリー」の効能についてはこちらのページをご参照ください。更年期障害への効果や副作用についてもまとめています。

    [surfing_other_article id=”1826″]
  • サントリナの育て方|地植え・剪定の方法や木質化の対処法

    サントリナの育て方|地植え・剪定の方法や木質化の対処法

    サントリナ(和名:綿杉菊(ワタスギギク))は、銀白色の葉と黄色い花が美しいハーブです。

    地中海沿岸原産で、乾燥した気候を好みます。葉には防虫効果があり、コンパニオンプランツやドライフラワーとしても人気があります。

    また、ローズマリーやラベンダーなどと同じように、良い香りがある(コットンラベンダーやラベンダーコットンという別名があるほど)ので、リラックス効果も期待できます。

    この記事では、サントリナの育て方について、地植え・剪定の方法や木質化の対処法などを詳しく解説します。 サントリナを上手に育てて、庭やベランダを彩りましょう。

    サントリナ栽培に適した環境(用土づくり・水やりと肥料の与え方)

    サントリナは、日当たりと風通しが良く乾燥気味の土地を好む植物です。

    栽培に適した環境づくりのポイントをまとめました。

    用土づくり 水はけの良い土が好み多湿を嫌うので水はけの良い用土を用意します。地植えと鉢植えに適した用土については、それぞれの育て方の項をご参照ください。
    水やり 地植えの場合は水やりをする必要はありません。鉢植えの場合は乾燥気味に管理し、土が乾いてから水やりをしましょう。多湿が嫌いなので、受け皿に水が溜まっている場合にはすぐに捨てます。
    肥料 地植えの場合は、ほとんど肥料をあげる必要はありません。鉢植えの場合は、春と秋に緩効性の化成肥料か堆肥などの有機質肥料を施します。液体肥料なら年4回くらいで十分です。高温多湿の夏場は株が弱りやすいので、肥料を与えてはいけません。

    サントリナの地植えの時期と方法

    サントリナの地植えは、真夏と真冬以外ならいつでもできますが、適期は4~5月、9月下旬~10月です。

    用土は水はけが良ければそれほど選びませんが、好ましい状況を作るのであれば赤玉土4:鹿沼土3:腐葉土3の配合土を使うと良いでしょう。

    地植えの方法は次のとおりです。

    1. 植え穴は鉢よりも一回り大きく掘る。
    2. 根鉢を崩さないように優しく抜き取る。
    3. 深植えしないように注意し、周りに土を足して苗を安定させる。
    4. (複数植える場合)風通しをよくするために株同士の間隔を30~50cm空ける。
    5. たっぷりと水やりをします。

    サントリナな地植えのほか、鉢植えやプランターで育てることも可能です。

    鉢植えやプランターでの育て方については次の項でご紹介します。

    サントリナを鉢植え・プランターで育てる方法

    サントリナは地植えだけでなく、鉢植えやプランターでも栽培は可能です。

    鉢植えやプランターで育てる場合のポイントは、以下のとおりです。

    用土 サントリナは水はけの良い用土を好みます。市販の草花用やハーブ用の培養土か、赤玉土4:腐葉土3:川砂3の割合で配合した土を使用します。
    サントリナは根が張りやすいので、根詰まりしないように苗よりも一回り大きな鉢を選びます。鉢底に穴があることを確認し、鉢底石を敷いて水はけを良くします。
    植え付け 真夏と真冬を避けて植え付けます。4~5月か9月下旬~10月が適期です。鉢の縁から下2~3cmのところまで土を入れたら、苗を植えて周りに土を足して苗を安定させます。深植えしないように注意し、植え付け後はたっぷりと水やりをします。
    置き場所 日当たりと風通しの良い場所で育てます。耐寒性は強いですが高温多湿は苦手なので、夏場は直射日光が当たらない半日陰の場所に移動させます。
    管理 水やりは用土が乾いたら行いますが、多湿にならないように注意します。肥料は春と秋にそれぞれ1回ずつ置き肥をするか、2週間に1回くらいのペースで液体肥料を施します。
    剪定 サントリナは枯れた花や葉っぱをこまめに摘み取ります。また、5~7月に枝葉の混み合ったところを大胆に刈り込んで風通しをよくします。

    サントリナは根詰まりや用土の劣化で生育が悪くなるので、春か秋に一回り大きな鉢に植え替えると良いでしょう。

    植え替えについては次の項をご参照ください。

    サントリナの植え替え時期と方法

    サントリナは鉢植えやプランターで育てる場合、根詰まりや用土の劣化で生育が悪くなることがあります。

    そのため、定期的に植え替えを行って根や土の状態を整えることが大切です。

    植え替えの時期は植え付けと同様に、真夏と真冬を避ければ問題ありませんが、3~5月か9月下旬~10月が適期です。

    植え替えの方法は、以下のとおりです。

    1. 水やりをしてから鉢から苗を取り出す。
    2. 根が張り付いている場合は、鉢を叩いてほぐす。
    3. 根鉢の周囲を軽くほぐして古い土や枯れた根を取り除く。
    4. 根全体の1/3くらいをハサミで短く切る。
    5. 根が短くなると吸い上げる水の量が減るので、枝や葉も1/3ほど切り落とす。
    6. 新しい鉢に鉢底石を敷き、鉢の縁から下2~3cmのところまで用土を入れる。
    7. 苗を植えて周りに土を足して苗を安定させる。(深植えしないように注意する)
    8. 植え付け後はたっぷりと水やりをする。

    サントリナの花が咲く時期と香り・花言葉

    サントリナは、初夏から秋にかけて枝先に黄色い小さな花を咲かせます。花の直径は約2cmで花弁はありません。

    花の形は頭状花と呼ばれるもので、キク科の特徴的な花です。

    サントリナの花には香りはありませんが、葉にはラベンダーとヨモギを合わせたようなさわやかな香りがあります。この香りは虫よけにもなると言われており、乾燥させてリースやポプリにしたり、枕や衣類の中に入れたりすると良いでしょう。

    サントリナの花言葉は「悪を遠ざける」「移り気な人」「さりげない魅力」です。「悪を遠ざける」は虫よけ効果に由来すると考えられますが、「移り気な人」や「さりげない魅力」の由来は不明です。サントリナは8月3日の誕生花でもあります。

    サントリナの花が咲かない時の対処法

    サントリナの花が咲かない時は、以下のような原因が考えられます。

    対処法と併せてまとめました。

    考えられる原因 対処法
    日当たりが悪い より明るい場所に移動させましょう。サントリナは直射日光を好みますが真夏の暑さには弱いので、半日陰にするか遮光板を使って日光を遮ると良いでしょう。
    水やりが多すぎる 土の表面が乾いてから水やりをするようにしましょう。サントリナは乾燥に強く、水はけの良い用土を好みます。多湿になると根腐れや病気の原因になります。
    肥料が足りない 肥料が足りない場合は開花期前の4~5月と10~11月に液体肥料を与えましょう。サントリナは肥料切れになると花芽をつけにくくなります。鉢植えの場合は置き肥をすると便利です。
    剪定が不十分 枝葉の混み合ったところを大胆に刈り込んで風通しを良くしましょう。適期は5~7月頃です。サントリナは生育が旺盛で、枝葉が密集すると花芽が出にくくなってしまいます。

    サントリナの室内での育て方

    サントリナを室内で育てる場合は、以下のようなポイントに注意してください。

    日当たりが十分にある場所に置く サントリナは地中海沿岸に自生する植物で、直射日光を好みます。室内で育てる場合は、南向きの窓辺など日当たりの良い場所に置くようにします。真夏の暑さには弱いので、午後から日陰になるか遮光板を使って日光を遮ると良いでしょう。
    水やりは土が乾いたらする サントリナは乾燥に強く、水はけの良い用土を好みます。室内で育てる場合は水やりのしすぎは根腐れや病気の原因になるので、土の表面が乾いてから水やりをするようにしましょう。
    肥料は春と秋に与える 室内で育てる場合も同様に、4~5月と10~11月に液体肥料を与えましょう。夏場は肥料を与えないでください。
    剪定は5~7月頃にする 室内で育てる場合も同様に、5~7月に枝葉の混み合ったところを大胆に刈り込んで風通しを良くします。

    サントリナを剪定・切り戻しする方法と目的・時期

    サントリナは、枝葉が密集すると花芽が出にくくなるだけでなく、蒸れに弱い性質のため風通しの悪い状態が続くと病気にかかりやすくなります。

    そのため、サントリナを美しく健康に育てるためには剪定や切り戻しを行うことが大切です。

    剪定や切り戻しの目的は、以下のようなものがあります。

    • 花芽の形成を促す
    • 樹形を整える
    • 風通しを良くする
    • 病気や害虫の予防をする
    • 花後の枯れ枝を取り除く

    剪定や切り戻しの方法は、以下のように行います。

    • 切る道具は消毒しておく
    • 切る部分は斜めに切る
    • 切り口は清潔に保つ
    • 切った後は水やりや肥料を控える

    なお、時期別の剪定・切り戻しの目的と方法は次のとおりです。

    初夏(5~7月) 花後の枯れ枝を取り除き株全体を半分程度に刈り込む。花芽の形成を促すとともに、風通しを良くする。
    秋(9~11月) 伸びすぎた枝や混み合った枝を選んで切る。樹形を整えるとともに、冬越しの準備をする。

    サントリナが木質化した時の対処法

    サントリナは常緑性の低木で、葉や茎が銀白色に輝く美しい植物です。

    しかし、長く育てると株の下の方が木質化してスカスカになってしまうことがあります。

    木質化したサントリナは見た目が悪くなるだけでなく生育も悪くなるため、次のような対処が必要です。

    剪定 サントリナは、花後や秋に刈り込んで枝葉を更新することが大切です。木質化した部分は根元から切り落としてください。
    挿し木 剪定した枝は、挿し木で増やすことができます。真冬と真夏を除いてほぼ周年できますが、元気のよい若い芽の方が発根が早いです。
    植え替え 鉢植えの場合は根詰まりや用土の劣化で木質化しやすくなります。春か秋に新しい用土で植え替えると良いです。

    以上のように、サントリナが木質化した時は、剪定や挿し木、植え替えなどで対処することができます。

    サントリナの夏越しは多湿に注意する

    サントリナは耐暑性が高く日差しや乾燥に強い植物ですが、高温多湿には弱い性質があります。

    夏場は蒸れに注意して風通し良く管理することがポイントになります。

    サントリナの夏越しの注意点は、以下のようなものがあります。

    多湿を避ける 水やりは土が乾いたらたっぷりと行う。多湿を嫌うので、土が湿っているときは水やりを控える
    蒸れを防ぐ 初夏に花後の枯れ枝を取り除き、株全体を半分程度に刈り込む。蒸れを防ぐとともに、花芽の形成を促す。
    肥料を与えない 多肥は根腐れの原因となるため、肥料は与えずに育てる。
    直射日光を避ける 直射日光が苦手なので、プランターならば半日陰の場所に移動させる。花壇ならば遮光板を施してきつい日光を遮る。
    病害虫対策 アブラムシがつくことがあるので、見つけたらすぐに防除する。

    サントリナの耐寒性と冬越しの方法

    サントリナは寒さに強い植物で、-15℃までの気温に耐えることができるので、積雪下でも冬越しできます。

    サントリナの冬越しの方法は、以下のようなものがあります。

    • (鉢植えの場合) 鉢底から水が抜けるようにして、凍結した水が根を傷めることを防ぐ。
    • (庭植えの場合) 特に対策は必要ないが、雪が多い地域では雪かきをして株を守る。
    • 冬場は水やりや肥料は控え、乾燥気味に管理する。

    春になったら、枯れ枝や枯れ葉を取り除き株全体を半分程度に刈り込みます。そうすることで、花芽の形成を促すとともに蒸れを防ぐことができます。

    サントリナを挿し木で増やす方法

    サントリナの挿し木は、4月~5月か9月~10月が適期です。

    挿し木の手順は次のとおりです。

    1. 元気のよい若い枝の先端を10cmくらい切り取る。
    2. 下の方の葉を取り除く。
    3. 水揚げ(挿し穂を1~2時間ほど水に浸ける)する。
    4. 水はけの良い清潔な土に穴を空ける。
    5. 空けた穴に挿し穂を挿す。
    6. 根付くまで明るい日陰で水を切らさないように管理する。

    根が充分に出たら切り離して鉢植えや地植えにします。

    サントリナの収穫時期と方法

    サントリナは葉や花にさわやかな香りがあり、乾燥させると香りが増す性質があるため、ドライフラワーやポプリとして使わるほか、防虫剤などにも利用されます。

    収穫は通年可能ですが、開花時期に特に香りが強くなるため6月~7月に収穫するのがおすすめです。

    収穫方法は次のとおりです。

    葉の収穫 必要に応じて適宜枝先を切り取ります。
    花の収穫 花が咲いたら刈り込みも兼ねて株元からばっさりと切り取ります。花は風通しの良い日陰で逆さに吊してよく乾かしてから利用します。

    サントリナの育て方に関するQ&A

    ここでは、サントリナの育て方に関するQ&A(質問&回答)を紹介します。

    • サントリナが枯れる原因は?
    • サントリナに毒性はある?

    上記の問いについて詳しく回答していますので、参考にしてみてくださいね。

    サントリナが枯れる原因と対策は?

    サントリナは高温多湿に弱く、株が蒸れると枯れてしまうことがあるため、次のような対策を行う必要があります。

    • 風通しの良い場所で栽培する。
    • 水やりは控えめにする。
    • 枯れた花や葉っぱはこまめに摘み取る。
    • 開花時期の6月~7月に大胆に刈り込む。
    • 霜や寒風に当たらないように冬越しする。

    サントリナに毒性はある?

    サントリナは、軽い毒性を持つといわれているハーブです。そのため、次のような注意点があります。

    アロマテラピーには使わない 皮膚刺激やアレルギー反応を起こす可能性があると言われています。
    食用には用いない サントリナの葉や茎に含まれる成分は胃腸障害や嘔吐などを引き起こすことがあります。
    ペットが食べないようにする サントリナを食べたペットは、下痢や嘔吐などの症状を示すことがあります。

    サントリナの品種は何がある?

    サントリナは、キク科ワタスギギク属(サントリナ属)に属する常緑性低木です。サントリナ属には約20種があるといわれますが、一般的に栽培されるのはサントリナ・カマエキパリッスス種(Santolina chamaecyparissus)です。

    サントリナ・カマエキパリッスス種には、以下のような品種があります。

    ローズマリー・サントリナ グレーがかった細長い葉と甘い香りが特徴です。黄色い花を咲かせます。
    グリーン・サントリナ 鮮やかなグリーン色の葉を持つ品種です。寒さに強く、花壇や寄せ植えの前面に向いています。
    サントリナ・レモンライム レモンライム色の葉が美しい品種です。鉢植えや室内栽培におすすめです。

    まとめ:サントリナの育て方のポイント

    サントリナは、日当たりと水はけのよい場所で育てることがポイントです。

    水やりは土が乾いたら行い、肥料は春と秋に少量与えます。剪定は開花後に花がらを刈り込み、枝葉が混み合わないようにします。

    木質化した部分は切り落とし、挿し木で苗を更新します。

    サントリナは、銀白色の葉と黄色い花が美しいハーブで、防虫効果やリラックス効果もあります。 ぜひ、サントリナを育ててみてください。

     

    【追記】

    サントリナのハーブティーや効能について、別記事でご紹介する予定です。(ただいま作成中)

  • フレンチタラゴン(エストラゴン)の育て方|苗植えや挿し木の方法も

    フレンチタラゴン(エストラゴン)の育て方|苗植えや挿し木の方法も

    フレンチタラゴン(エストラゴン)は、アニスのような甘い香りが特徴のハーブです。

    フランス料理に欠かせないハーブとして知られており、鶏肉や魚料理、スープなどによく合います。また、消化促進や食欲増進の効能もあります。

    フレンチタラゴンは種ができない不稔性の植物なので、挿し木や株分けで増やす必要があります。

    この記事では、フレンチタラゴンの育て方について苗植えの方法や挿し木の方法を詳しく解説します。フレンチタラゴンを自宅で栽培して、美味しい料理に活用する際の参考にしてみてくださいね。

    ハーブとしてのタラゴンはフレンチタラゴンを指す

    タラゴン(エストラゴン)はフランス料理に欠かせない香り高いハーブです。しかし、タラゴンには フレンチタラゴン と ロシアンタラゴン の2種類があり、その特徴や風味は大きく異なります。

    フレンチタラゴンは、細長い光沢のある葉に甘く爽やかな香りがあり、料理の臭み消しや風味付けに使われます。ロシア原産で、種ができないため挿し木や株分けで増やします。

    一方のロシアンタラゴンは、葉が広くてざらついた感じで、香りや風味が弱くほとんどありません。ロシアや西アジア原産で、種ができるため種まきで増やします。

    このように、タラゴンという名前でも全く違う植物で、ハーブとしてのタラゴンはフレンチタラゴンを指すことがほとんどです。ちなみに、タラゴンはエストラゴンとも呼ばれることがありますが、この場合はフレンチタラゴンのことを指します。

    フレンチタラゴンの種まき時期と方法

    前述したとおり、フレンチタラゴン(エストラゴン)は種まきで増やすことができません。フレンチタラゴンは不稔性で、花が咲いても種ができない からです。そのため、フレンチタラゴンの種まき時期と方法は存在しません。

    フレンチタラゴンを増やすには、挿し木や株分けという方法を使います。挿し木は、芽が出ている時期に茎を切り取って土に挿すことで新しい株を作ります。株分けは、根ごと掘り起こして小さく分けて植えることで複数の株に増やします。どちらの方法も春か秋に行うのがおすすめです。(具体的な方法は後述します)

    フレンチタラゴン栽培に適した環境(用土づくり・水やりと肥料の与え方)

    フレンチタラゴン栽培に適した環境を以下にまとめました。

    日当たり 日当たりの良い場所を好みますが、夏の蒸れに弱いので半日陰に移すことも必要です。冬は寒さに強く丈夫なので、明るい日陰でもよく育ちます。
    用土づくり 根腐れを起こしやすいため、水はけには要注意です。天然鉱物のゼオライトがオススメです。赤玉は崩れた後に保水力が増すため避けるようにしましょう。鉢植えならばハーブ用の土で植えると良いです。また、パーライトやゼオライトなどを混ぜて透水性を高めると根腐れを防ぐことができます。
    水やり 土の表面が乾いたらしっかりと行います。保水力のある土に植えていないのであれば、水やりの回数は多くても構いません。
    肥料 春から梅雨前 にかけての生育期間に液肥を与えます。真夏は弱るので肥料をやらないようにしましょう。液肥は ハイポネックスなどがおすすめです。

    フレンチタラゴンの地植えの時期と方法

    フレンチタラゴンは地植えでも育てることができますが、 日当たりと水はけの良い場所を選ぶ必要があります。

    また、 冬に地上部が枯れる ので、株の位置を忘れないように目印をつけておくと良いでしょう。

    地植えの時期は、春から初夏にかけてが適しています。株分けや挿し木で増やした苗を、 根がしっかり張っている のを確認してから植えます。

    根は長くてクルクルと巻いているので、丸めながら穴に入れる ようにします。植え付け後はしっかりと水やりを行い、定着するまで乾燥に注意します。

    フレンチタラゴンを鉢植え・プランターで育てる方法

    フレンチタラゴンは地植えだけでなく、鉢植えやプランターでも育てることができます。

    用土はハーブ用の土や、パーライトやゼオライトなどを混ぜて透水性を高めると根腐れを防ぐことができます。また、 根が長くてクルクルと巻いている ので、植え付けの際には 根を丸めながら穴に入れる ようにします。

    鉢植えやプランターの場合、日当たりの良い場所に置きますが、真夏は弱るので半日陰に移すか、日よけをしてあげましょう。水やりは 表土が乾いたら 行いますが、水切れや湿度の高さに注意してください。

    冬は寒さに強いので、特に保護する必要はありません。

    フレンチタラゴンの植え替え時期と方法

    フレンチタラゴンは 2年に1回 、春か秋 に植え替えを行います。

    植え替えの際には、株分けをして株を更新することが大切です。株をそのまま育てていると香りが鈍くなるため、株分けで若返らせることで香りを良くします。

    植え替えの方法は以下のとおりです。

    1. スコップで株を根ごと掘り起こす。
    2. はさみや手で株を適当な大きさに切り分ける。
    3. 根が長くてクルクルと巻いている ので、切り口から少し離れた部分を切る。
    4. 土に穴を開けて切り分けた株を植える。
    5. 長い根は丸めながら穴に入れる。
    6. やさしく土をかけて、しっかりと水やりを行う。

    植え替え後は日当たりの良い場所 に置きますが、 真夏は弱るので、半日陰に移すか、日よけをしてあげましょう。

    水やりは表土が乾いたら 行いますが、 水切れや湿度の高さ に注意してください。また、土は水はけの良い土を使うことが大切です。

    フレンチタラゴンの花が咲く時期と香り・花言葉

    フレンチタラゴンは基本的に花が咲かないハーブです。まれに黄色のつぼみができることがありますが開花することはほとんどなく、 結実することもない ため種ができません。

    フレンチタラゴンの花が咲かない理由は、 雌しべが退化している ためだと言われています。また、フレンチタラゴンはロシアや中央アジアが原産で寒さに強い ので、日本の気候では 開花に必要な温度差が得られない という説もあります。

    フレンチタラゴンの花言葉は、「魔法の竜」や「食通のハーブ」です 。これは、フレンチタラゴンの別名が 「エストラゴン」で、これはフランス語で「小さな竜」を意味することに由来します。

    フレンチタラゴンの室内での育て方

    フレンチタラゴンは日当たりのよい場所 と、水はけがよく肥沃な土を好みます。室内で育てる場合は、南向きの窓辺に置くと良いでしょう。

    ただし、真夏は直射日光が強すぎる のでカーテンやブラインドで日よけ をしてあげましょう。

    水やりは表土が乾いたら行いますが、水切れや湿度の高さに注意してください。室内は乾燥しやすいので、霧吹きで葉に水を与えることもおすすめです。

    また、フレンチタラゴンを室内で育てる場合は、 定期的に風通しを良くすることも忘れずに行いましょう。また、冬場は暖房器具から離して置く ことも大切です。

    フレンチタラゴンを剪定・切り戻しする方法と目的・時期

    フレンチタラゴンは切り戻し剪定という方法で、枝先を切って形を整えることが必要です。

    切り戻し剪定の目的としては、

    • 植物の見た目を整える。
    • 新芽や花の生長を促す。
    • 日当たりや風通しをよくして病害虫の発生を予防する。

    こうしたことが挙げられます。

    フレンチタラゴンの切り戻し剪定の時期は、開花が終わった直後です。多くの場合、 5月中旬から6月にかけて行いますが、この時期に切り戻すことで秋に再び花を咲かせる ことができます。

    フレンチタラゴンの切り戻し剪定の手順は以下のとおりです。

    切り戻しの手順 目的・ポイント
    剪定ばさみを消毒液に浸して消毒する 病原菌や害虫の感染を防ぐ ために行います。
    枝先から全体の3分の1くらいの長さを切り取る 枝が上に伸びすぎている場合はもう少し深く切っても構いません。切る位置は、枝の外側に付いている 外芽のすぐ上で切る のがポイントです。
    切り口に癒合剤を塗って保護する 乾燥や病原菌の侵入を防ぐ役割を果たします。

    フレンチタラゴンの夏越しは根腐れに注意する

    フレンチタラゴンは耐暑性が強いですが多湿が苦手なハーブなので、水のやりすぎや多雨で根腐れを起こしやすいので注意が必要です。

    根腐れを防ぐためには、以下の点に気をつけましょう。

    水やりは乾燥気味に行う 水のやりすぎや多雨は根腐れの原因になります。
    土は水はけの良いものを使う 天然鉱物のゼオライトがおすすめです。赤玉土は崩れて保水力が上がるので避けましょう。

    フレンチタラゴンの耐寒性と冬越しの方法

    フレンチタラゴンは耐寒性が強いハーブで、-28℃前後から-35℃まで耐えられると言われています。

    冬の間は地上部が完全に枯れてしまうため、一見すると枯れたように感じられますが心配は不要です。春になると新芽が芽吹いてきます。

    雪の下で冬を越す雪国の冬でも、春になれば新芽が出てくるでしょう。

    フレンチタラゴンの増やし方

    フレンチタラゴンは種ができにくいハーブなので、種まきで増やすことはほとんどできません。

    そのため、フレンチタラゴンを増やす方法としては、

    • 挿し木(挿し芽)で増やす方法
    • 株分けで増やす方法

    この2つの方法で増やすのが一般的です。

    挿し木(挿し芽)で増やす方法と時期

    フレンチタラゴンを挿し木(挿し芽)で増やすのは真夏を避けた冬以外であればいつでもできます。

    適しているのは初夏あたりに挿し木をして、しっかりと根が張った状態で冬を迎えるのが望ましいでしょう。

    挿し木の方法は以下のとおりです。

    1. 春か秋 に、10cm程度の芽をカットする。
    2. 下葉を取る
    3. 水揚げする。(切り取った穂先を水に1~2時間ほどつける)
    4. 棒で土に穴を空け、挿し穂を入れる
    5. 軽く土を固める

    およそ2~3週間で発根しますので、植え替えをして増やしていけます。

    株分けで増やす方法と時期

    フレンチタラゴンを株分けで増やすのに適した時期は春か秋です。

    手順は以下のとおりです。

    1. フレンチタラゴンの根ごと掘り起こす。
    2. はさみや手で適当な大きさに切り分ける。
    3. 日当たりと風通しの良い場所 に植える。
    4. たっぷりと水を与える。

    株は古くなると香りが薄れてくるので、株分けで株の更新をして香りを持続させると良いでしょう。

    頻度としては1~2年おきくらいに行うのが望ましいです。

    フレンチタラゴンの収穫時期と方法

    フレンチタラゴンは葉が茂り出す5月から7月、9月~10月が収穫の適した季節です。花が咲く直前が最も香りが高いと言われますが、日本の気候では咲かないことがほとんどなので、7月から8月に収穫するのが目安です。

    朝早くに収穫すると香りが強いので、可能な限り早い時間帯に収穫すると良いでしょう。

    収穫の方法は簡単で、根本から5cm程度のところで下葉を残して葉のついた茎ごと切り取るだけです。

    摘心も兼ねることで脇芽が発生して枝葉が増えるので、収穫量を増やすこともできます。

    ハイブリッド・フレンチタラゴンとの違い

    ハイブリッド・フレンチタラゴンとは、フレンチタラゴンとロシアンタラゴンの交配種です。

    ハイブリッド・フレンチタラゴンは、フレンチタラゴンに似た香りと風味を持ちますが、ロシアンタラゴンよりも強い生育力を持ちます。

    また、 耐寒性も高く日本の気候にも適応しやすいです特徴があります。

    しかし、フレンチタラゴンほどの香りや風味はなく 、品質が安定しない という欠点もあります。

    フレンチタラゴンの育て方に関するQ&A

    ここでは、フレンチタラゴンの育て方に関するQ&A(質問&回答)を紹介します。

    • フレンチタラゴンが枯れる原因と対策は?
    • フランチタラゴンとロシアンタラゴンの違いは?

    上記の問いについて詳しく回答していますので、参考にしてみてくださいね。

    フレンチタラゴンが枯れる原因と対策は?

    フレンチタラゴンが枯れる原因としては、水やりのしすぎや土の保水力が高すぎることが挙げられます。また、日当たりが悪い場所や乾燥しすぎる場所も避ける必要があります。

    フレンチタラゴンの生命力は強く育てやすい植物なので、栽培に適した基本的な条件を満たせばそれほど難しいことはなく栽培できるでしょう。

    フランチタラゴンとロシアンタラゴンの違いは?

    フランチタラゴンとロシアンタラゴンは、同じキク科ヨモギ属の多年草ですが、原産地や香り、形態などに違いがあります。

    フレンチタラゴン ロシアンタラゴン
    原産 中央アジアからシベリア、ヨーロッパ東部 北アメリカやヨーロッパ北部、シベリア
    草丈 30cm~80cmほど 120~150cmほど
    主な特徴 葉は細長く花はほとんど咲かず、種はできない 葉は広く黄色い花を咲かせて種をつける。繁殖力が旺盛で栽培も容易
    主な用途 アニスに似た甘い香りで、料理によく使われる 葉には芳香があり鶏肉や豚肉、卵料理などに使われるほか、酢やドレッシングにも用いられる

    まとめ:フレンチタラゴンの育て方のポイント

    フレンチタラゴンは、香り高く美味しいハーブですが、種ができないので苗植えや挿し木で増やす必要があります。

    苗植えの場合は、排水が良く透水性の高い土に植えて、日当たりの良い場所に置きます。水やりは表土が乾いたら行い、冬は土を覆って保護します。

    挿し木の場合は、初夏に新芽が出た枝を切って水に挿し、根が出たら鉢に植え替えます。日当たりと水やりは苗植えと同じです。

    フレンチタラゴンを育てることで、自分で収穫した新鮮なハーブを料理に使うことができます。ぜひ挑戦してみてください。

     

     

    【追記】

    フレンチタラゴンの香りや効能、レシピについては別記事でお伝えする予定です(ただいま作成中)

  • 虫除けハーブ・タンジーの育て方|剪定方法や増えすぎを防ぐ対策も

    虫除けハーブ・タンジーの育て方|剪定方法や増えすぎを防ぐ対策も

    虫除けハーブとして人気のタンジー(和名・日本名:えぞよもぎぎく(蝦夷蓬菊))は、花壇やプランターで簡単に育てることができます。

    しかし、タンジーは成長が早く放っておくと他の植物に影響を与えたり、種子が飛んで庭中に広がったりすることがあります。

    そこでこの記事では、虫除けハーブとして人気のタンジーの育て方の基本や、剪定方法や増えすぎを防ぐ対策についてご紹介します。

    タンジーを上手に管理して、虫除け効果や鮮やかな花色を楽しみましょう。

    タンジーの種まき時期と方法

    タンジーの種まきに適した時期は、春(3~5月)もしくは秋(9~10月)の気候の良い頃です。

    繁殖力が旺盛で丈夫なハーブなので、種まきをするだけで簡単に育てることができます。

    タンジーの種まき方法は以下のとおりです。

    1. 育苗ポットに種まき用培養土を入れる。
    2. 指で土に3つくらい浅いくぼみをつける。
    3. 種を1粒ずつくぼみに蒔く。
    4. 薄く土を被せ、たっぷりと水やりをする。
    5. 土が乾かないよう水やりをして管理する。
    6. 本葉が2~3枚になったら生育のよい株を1つ残して間引く。
    7. 本葉が4~5枚になったら鉢や地面に植え替える。

    次に、タンジー栽培の環境づくりについてお伝えしてきます。

    タンジー栽培に適した環境(用土づくり・水やりと肥料の与え方)

    種まきを行ったらタンジー栽培に適した環境づくりを行います。

    タンジーは、日当たりと風通しのよい場所で育てることがポイントです。寒さにも暑さにも強い植物ですが、日陰や湿気の多い場所では生育が悪くなります。

    また、生育旺盛で地下茎で広がるので、庭植えの場合は他の植物との間隔を十分に空けましょう。

    タンジーは、水はけがよい適度に湿り気がある土でよく育ちます。あまり土質は選びませんが、市販の草花用培養土や赤玉土小粒と腐葉土を1:1の割合でブレンドしたものがおすすめです。鉢植えの場合は、深さがある大きめの鉢に植えましょう。

    タンジーは、元肥として緩効性肥料を施します。開花・収穫が終わる9月下旬から10月上旬ごろに、お礼肥として緩効性肥料を施します。

    チッ素肥料が多すぎると、葉だけが茂って花が咲きにくくなるので注意します。

    タンジーは乾燥に強い植物ですが、水切れすると生育が悪くなります。庭植えでは、植えつけ時や真夏に晴天が続くとき以外は水やりの必要はありません。鉢植えは、草丈が急に伸びる時期に乾きすぎないように注意します。

    タンジーの地植えの時期と方法

    タンジーは寒さにも暑さにも強い植物ですが、日当たりと風通しのよい場所を選んで地植えするのがポイントです。

    生育旺盛で地下茎で広がるので、庭植えの場合は他の植物との間隔を十分に空けましょう。

    タンジーの地植えに適した時期は、5~6月か10~11月です。株同士の間隔は、50~60cmと十分空けて蒸れを防ぎます。

    スコップで苗よりも1回り大きな植え穴を掘り、根に付いた土は崩さず植え穴に苗を置きます。掘り起こした土を埋め戻し、水やりをして完成です。

    タンジーは、水はけがよい適度に湿り気がある土でよく育ちます。あまり土質は選びませんが、市販の草花用培養土や、赤玉土小粒と腐葉土を1:1の割合でブレンドしたものがおすすめです。元肥として緩効性肥料を施しましょう。

    タンジーを鉢植え・プランターで育てる方法

    タンジーは地植えで育てるとよりワイルドに育ちますが、鉢植えやプランターでも育てることができます。

    鉢植えやプランターで育てる場合は、以下の点に注意しましょう。

    1. 鉢やプランターは大きめのものを選ぶ。
    2. 用土は、水はけと保水性の良いものを選ぶ。
    3. 土の表面が乾いたらたっぷり水やりを行う。
    4. 植え付け時に元肥として緩効性肥料を施す。
    5. 支柱を立てて倒れないようにする。

    タンジーは草丈が高くなるので、10号鉢に1株、60cmプランターに1~2株が目安です。用土は市販のハーブ用培養土や、赤玉土小粒と腐葉土を1:1の割合でブレンドしたものがおすすめです。

    元肥を与えた後は、花が終わる頃にお礼肥として緩効性肥料を与えるようにします。

    タンジーの植え替え時期と方法

    タンジーは地下茎で広がっていくので、鉢植えやプランターでは株が大きくなりすぎることがあるので、新しい鉢に移したり植え替えを行って株を小さくしたりする必要があります。

    植え替えは、芽が伸び始めた3~4月か、落葉期の10~1月初旬に行うのが適期です。

    植え替えは次の手順で行います。

    1. 1回り大きなものを鉢やプランターを用意する。
    2. 新しい用土を用意する。
    3. 根に付いた土を崩さずに丁寧に鉢から取り出す。
    4. 根が密集している場合は根を均等に(2~4個程度)ハサミやナイフで切り分ける。
    5. 新しい鉢やプランターに用土を入れて苗を置く。
    6. 根元から苗までの高さが同じになるように調整する。
    7. 用土を足して苗を固定する。
    8. 空気穴ができないように軽く押さえる。
    9. たっぷりと水やりを行う。

    株の切り分けについては、株分けの項で詳しくお伝えしています。

    タンジーの花が咲く時期と香り・花言葉

    タンジーは夏から秋にかけて、直径1cmほどの丸い黄色い花を咲かせます。花はボタンのような形をしており、舌状花がありません。

    花期は8月から9月で、北海道では10月頃まで楽しむことができます。

    タンジーの葉は深緑色で切れ込みがあり、シダに似た形をしています。葉には樟脳に甘さと苦さを加えたような独特な強い芳香があります。この香りは虫を寄せ付けない効果があるとされ、古くから虫除けや駆虫剤として利用されてきました。

    タンジーの花言葉は、「あなたとの戦いを宣言する」「抵抗」「婦人の美徳」です。英語の花言葉は、「I declare war against you(あなたとの戦いを宣言する)」「resistance(抵抗)」です。

    これらの花言葉は、虫を忌避するタンジーの性質にちなんでつけられたといわれます。タンジーは8月12日と11月7日の誕生花でもあります。

    タンジーの室内での育て方

    タンジーは日当たりから半日陰の場所で育てます。寒さにも暑さにも強く生育旺盛で地下茎で広がるので、庭植えのほうが無難です。

    開花期には草丈がかなり高くなるので、鉢植えは大きめの鉢で育てましょう。

    タンジーはそれほど土質は選びませんが、排水性と保水性の良い土を好みます。市販の草花用の培養土やハーブの土で問題なく育ちます。植え付ける際に元肥として緩効性肥料を施し、その後は花が終わる頃にお礼肥として緩効性肥料を与えましょう。

    タンジーは、株元の土が乾いたらたっぷり水やりします。水切れすると生育が悪くなるのでご注意ください。乾燥気味に育てるより、乾いたらたっぷり水を与えて育てた方が香りが良いとも言われます。

    タンジーは、病害虫の心配はほとんどありません。香りが強いため、虫を寄せ付けない効果があります。ただし、キク科植物にアレルギーがある場合は、接触性皮膚炎の報告があるので注意が必要です。

    タンジーを剪定する方法と目的・時期

    タンジーは基本的には剪定の必要はありませんが地下茎で広がって大きく育つ丈夫な多年草なので、はびこり防止や株の整理のために、余分な株を地下茎ごと抜き取るようにすると良いです。

    時期としては、梅雨前ごろに行うのが適期です。

    夏越しの対処としても株の整理は有効なので、地下茎が広がってきたら行うようにしましょう。

    タンジーの夏越しは株の密集に注意する

    タンジーは暑さに強い植物なので、水やりや肥料などの基本的な管理以外には特別な夏越し対策は必要ありません。

    ただし、タンジーは地下茎で広がって大きく育つので、株が密集しないように間引きや株分けを行うこともおすすめです。

    これらの管理を行うことで、タンジーは夏を乗り越えて秋にも再び花を咲かせてくれます。

    タンジーの耐寒性と冬越しの方法

    タンジーは寒さに強い植物なので、特別な冬越し対策は必要ありません。

    暖地では冬も葉が残りますが、暖地以外で冬も葉を多く残したい場合は、寒風や霜に当たらないように対策をして冬越しさせましょう。

    例えば、鉢植えの場合は鉢底から給水するようにして水切れを防ぎ、鉢を新聞紙やビニールなどで包んで保温します。

    地植えの場合は、株元に落ち葉や枯草などを敷き詰めて保温します。

    これらの方法で、タンジーは冬を乗り越えて春にも元気に芽吹いてくれます。

    タンジーの増やし方

    タンジーは種まき以外にも、

    • 株分けで増やす方法
    • 挿し木(挿し芽)で増やす方法

    2つの方法があります。それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。

    株分けで増やす方法と時期

    株分けは、春または秋に行います。

    タンジーは地下茎で広がって大きく育つので、株が密集してきたら株分けをしてあげましょう。株分けをすると、タンジーの生育が良くなりますし、鉢植えの場合は鉢を増やして植え替えることもできます。

    株分けをする際は、株を掘り起こして地下茎ごと2~4個に分けます。分けた株は、元の場所や新しい場所に植え付けます。植え付ける際は、土をふかふかにしてから植えるようにします。

    挿し木(挿し芽)で増やす方法と時期

    挿し木(挿し芽)は、春~初夏または秋に行います。

    タンジーの新芽が伸びてきたら、10~15cm程度の長さに切り取りますが、切り口から数枚の葉を残して他の葉は取り除きます。

    挿し木用の土は、赤玉土と腐葉土を半々に混ぜたものがおすすめです。土を湿らせてから挿し木を挿します。

    挿した後は、乾燥しないように水やりをして、芽が出る1ヶ月間ほど管理します。

    「タンジーは増えすぎ!」を防ぐ対策

    タンジーは、地下茎でもこぼれ種でも増えるので短期間でほかの植物を圧倒してしまうほど増えすぎてしまうことがあります。

    そのため、タンジーを育てる場合は、はびこり防止の対策をしておく必要があります。

    ここでは、タンジーが増えすぎるのを防ぐ方法として、

    • 鉢植えにする
    • バケツな大鉢で囲む
    • 定期的に株の整理をする

    この3つの方法についてご紹介します。

    鉢植えにする

    タンジーを庭に直接植えると、地下茎でどんどん広がってしまう可能性が高いため、鉢植えにしておくと、はびこりを抑えることができます。

    植え替えの際は、株分けも一緒に行って、株の若返りを図ると良いでしょう。

    ただし、こぼれ種で増える可能性は残されているのでご注意ください。

    バケツや大鉢で囲む

    鉢植えではなく庭に直接植えたい場合は、底を抜いたバケツや大鉢などにタンジーを植えて、鉢ごと庭に埋め込むという方法があります。

    これにより、地下茎が広がり増えすぎるのを防ぐことができます。

    ただし、この方法も鉢植えと同様に、種から増えるのを完全に防ぐことはできませんので、注意が必要です。

    定期的に株の整理をする

    タンジーは、種子が風で飛ばされても増えることがあるため、庭に不要な株が生えてきたら早めに抜き取って処分することが大切です。

    また、開花期が終わったら花茎を切り取って種子散布を防ぐことも効果的です。

    タンジーの収穫時期と方法

    タンジーの収穫時期は開花期です。 タンジーは夏から秋にかけて黄色い花を咲かせますが、その花が咲き始めたら収穫できる状態になります。

    収穫時期は品種や気候によって異なりますが、おおよそ7~9月が目安です。 花がしおれて種子が飛ばされる前に収穫することがポイントです。

    タンジーの収穫方法は、茎ごと切り取るようにします。

    花だけではなく、葉も香りがありますので、茎ごと切り取って利用しましょう。 切り取る際は、根元からそのまま引き抜いたりしないように注意してください。 根元から10~15cmほど上の部分をハサミやナイフで切り取ればOKです。

    収穫したタンジーは、ドライフラワーやポプリにすることができます。

    ドライフラワーにする場合は、切り取った茎を束ねて逆さまに吊るし、風通しの良い場所で乾燥させます。 ポプリにする場合は、切り取った葉を細かくちぎって乾燥させます。 乾燥させた花や葉は、袋や容器に入れて保存しておきましょう。

    タンジーの育て方に関するQ&A

    ここでは、タンジーの育て方に関するQ&A(質問&回答)を紹介します。

    • タンジー・ゴールデンフリースの育て方で注意点はある?
    • タンジーの匂いは?
    • タンジーは蟻除けに効果はある?
    • タンジーのコンパニオンプランツは?

    上記の問いについて詳しく回答していますので、参考にしてみてくださいね。

    タンジー・ゴールデンフリースの育て方で注意点はある?

    タンジー・ゴールデンフリースは、ハーブとして知られるタンジーの黄金葉品種です。 明るい黄色の葉は細かく切れ込みが入っており、シダのような姿で観賞価値が高いです。

    夏から秋にかけて黄色い小さな花を咲かせますが、葉が主役の植物です。その香りは虫除け効果もあります。

    タンジー・ゴールデンフリースの育て方で注意する点は、以下のとおりです。

    日当たり タンジー・ゴールデンフリースは、日向から半日陰で育てます。 日当たりが悪すぎると葉色が悪くなりますし、強すぎると葉焼けすることがあります。
    水やり タンジー・ゴールデンフリースの水やりは乾燥気味にします。 過湿になると根腐れや病気の原因になります。 鉢植えの場合は土の表面が乾いたら水やりをします。 庭植えの場合は植え付け時や真夏の乾燥時以外は水やりの必要はありません。
    肥料 タンジー・ゴールデンフリースは肥料をあまり必要としません。 元肥として緩効性肥料を施しておけば十分です。過剰な窒素肥料を与えると、葉だけが茂って花が咲きにくくなったり、病害虫に弱くなったりします。
    剪定 タンジー・ゴールデンフリースの剪定は花後に行います。花が終わったら枯れた花茎や茶色くなった葉を切り取ってください。これにより株の健康を保ち、次年度の花付きを良くします。

    以上がタンジー・ゴールデンフリースの育て方で注意する点です。明るい葉色で寄せ植えや鉢植えにも向いていますので、ぜひ挑戦してみてください。

    タンジーの匂いは?

    タンジーはキク科の多年草で、夏から秋にかけて黄色い小さな花を咲かせます。

    その花や葉には独特の香りがあり、蟻やノミ、ダニなどの虫除け効果があるとして古くから利用されてきました。タンジーの香りは少し強めで、樟脳(しょうのう)のようなさわやかな香りです。甘さも感じられますが、人によっては好き嫌いが分かれるかもしれません。

    タンジーの香りには、防虫効果だけでなく、健胃・食欲増進・頭痛緩和などの効果もあると言われています。しかし、タンジーには弱い毒性があるため、食用やハーブティーとしては使わないでください。特に妊娠中の方は危険です。

    タンジーの香りを楽しむ方法としては、ドライフラワーやポプリがおすすめです。

    詳しくはタンジーの使い方のページをご参照ください(作成中)

    タンジーのコンパニオンプランツは?

    コンパニオンプランツとは、一緒に植えることで相互に効果をもたらす植物のことです。

    タンジーは、その強い香りで害虫を遠ざける効果があるため、コンパニオンプランツとして多くの植物と相性が良いと言われています。

    特にコナガムシ、ハエ、蛾、蟻などはタンジーの香り嫌います。 これらの害虫が好む植物と一緒に植えると、害虫の被害を減らすことができます。

    例えば、ローズやキャベツなどはコナガムシの被害にあいやすいですが、タンジーと一緒に植えるとコナガムシを寄せ付けません。また、トマトやナスなどはハエや蛾の被害にあいやすいですが、タンジーと一緒に植えるとハエや蛾を避けます。

    タンジーは、その黄色い花で花壇を華やかにするだけでなく、他の植物の成長を助けるコンパニオンプランツとしても活躍します。

    ただし、タンジーは地下茎で広がって大きく育つため、他の植物の根を圧迫しないように注意が必要です。また、タンジーには毒性があるため、食用やハーブティーとしては使わないでください。特に妊娠中の方やペットには危険です。 タンジーはコンパニオンプランツとして有用ですが、毒性があることを忘れずに注意してください。

    まとめ:タンジーの育て方のポイント

  • サポナリア・オキモイデス(ソープワート)の育て方|増えすぎを防ぐ栽培方法も

    サポナリア・オキモイデス(ソープワート)の育て方|増えすぎを防ぐ栽培方法も

    サポナリア・オキモイデスは、春から初夏にかけてピンクや白の小さな花を株一面に咲かせるナデシコ科の多年草です。

    ロックソープワートやツルコザクラとも呼ばれ、丈夫で乾燥に強くグランドカバーやロックガーデンに適しています。

    しかし、この植物は地下茎を伸ばして広がる性質があるため、増えすぎてしまうのが難点で栽培をためらう人もいるでしょう。

    そこでこの記事では、サポナリア・オキモイデスの育て方と、増えすぎを防ぐ栽培方法、ハーブとしての魅力についてご紹介します。

    植え付けや水やり、剪定などの手入れ方法などを詳しく解説します。増えすぎるのを防ぐ栽培方法もお伝えしているので、是非参考にしてみてくださいね。

    サポナリア・オキモイデス(ソープワート)の種まき時期と方法

    サポナリア・オキモイデス(ソープワート)の種まき時期は秋が最適です。

    発芽温度は15~20℃なので春に蒔いても発芽しますが、春に種まきをする場合は発芽までに時間がかかる(40日間くらい)ことがあるので、秋に種まきをして冬を越して春から花が咲かせる方が良いでしょう。直まきでもポットまきでも可能です。

    発芽率は高いので、数粒ずつまいて間引くか、良い芽を残して育苗するとよいでしょう。

    サポナリア・オキモイデスの種まき方法は以下のとおりです。

    • ポットに水はけの良い用土を入れる。
    • 種をまいて軽く土で覆う。(種は小さいので、均等にまくことが大切です)
    • 水やりをして、日当たりの良い場所に置く。
    • 発芽したら良い芽を残して間引きする。
    • 土が乾いたら水やりをして管理する。

    なお、用土は赤玉土、鹿沼土、バーク堆肥(腐葉土)を4:3:3程度の割合にし、苦土石灰を少し混ぜたものがおすすめです。

    サポナリア栽培に適した環境(用土づくり・水やりと肥料の与え方)

    サポナリアは、日照が多く乾燥した気候を好む植物なので、日陰や湿気の多い場所では上手く育ちません。

    サポナリア栽培に適した環境(用土づくり・水やりと肥料の与え方)についてご紹介します。

    用土づくり サポナリアは土質をあまり選ばない植物ですが、水はけの良い用土を使うことがポイントです。一般の草花用培養土を使う場合は、鹿沼土や軽石などを2割くらい混ぜておきます。また、石灰分を好むので苦土石灰などを混ぜておくとよいでしょう。
    水やり サポナリアは乾燥に強い植物ですが、完全に乾かすと枯れる恐れがあります。庭植えではほとんど水やりは不要ですが、鉢植えでは用土が乾いたらたっぷりと水を与えます。特に発蕾期から開花までは乾かさないように注意しましょう。高温期には水やりを多めにして、蒸れを防ぎます。
    肥料 サポナリアはやせ地でもよく育つ植物なので、肥料はあまり必要ありません。庭植えでは数年間は施さなくても大丈夫ですが、鉢植えでは早春と秋に緩効性化成肥料を施しておくと花つきがよくなります。高温期には肥料を施さないほうが安全です。

    サポナリアの地植えの時期と方法

    サポナリアは、日当たりがよく水はけの良い場所で地植えすると丈夫に育ちます。

    地植えの時期は、3月や10~11月が適しています。ただし、鉢植えから地植えに移す場合は、根鉢が崩れないように注意しましょう。

    地植えの方法は次のとおりです。

    1. 苗を植え付ける2週間ほど前に、1㎡あたり100~150g程度の苦土石灰をまいてすき込む。
    2. 堆肥や腐葉土、緩効性化成肥料を混ぜて土壌を改良する。
    3. 植え穴をあけて苗を入れる。(深植えしないように注意する)
    4. 根元を軽く押さえて固定する。
    5. 複数株植える場合は株間は30~40cmくらい空ける。
    6. 水をたっぷりと与える。
    7. 乾燥しない程度に水やりを続けて管理する。

    以上がサポナリアの地植えの方法です。

    サポナリアは地下茎で広がっていくので、あまり密集させないほうがよいでしょう。

    サポナリアを鉢植え・プランターで育てる方法

    サポナリアは地植えだけでなく、鉢植えやプランターでも育てることができます。

    地植えと同様に3月や10~11月が植え付けの適期です。

    鉢植え・プランターで育てる方法は次のとおりです。

    1. 適した鉢やプランターを選ぶ。
    2. 適した用土を用意する。
    3. 根を傷つけないように注意しながら植え付ける。
    4. 日当たりがよく風通しの良い場所に置く。
    5. 適切に水やりと肥料を与える。

    なお、注意点としては次のとおりです。

    鉢選び サポナリアは根が深く伸びるので、深さのあるものを選ぶようにします。
    用土 一般的な草花用培養土に鹿沼土や軽石などを2割くらい混ぜたものや、赤玉土6:腐葉土4の配合土などがおすすめです。
    日光 直射日光が当たる場所が理想的ですが、半日陰でも育ちます。
    水やり サポナリアは乾燥に強いですが、鉢植えでは水分が失われやすいので、定期的に水やりを行います。用土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。
    肥料 やりすぎると草丈が高くなって倒れやすくなるので、控えめにします。3月と9月に緩効性化成肥料を施してもよいでしょう。

    サポナリアは生命力が強く、鉢植えでも自然な感じで広がってくれます。ベランダや玄関先などにおすすめです。

    サポナリアの植え替え時期と方法

    サポナリアはを鉢植えやプランターで育てる場合は、根が混み合って生育が悪くなりやすいので、混み合う前に植え替えを行う必要があります。

    植え替えは、春(3月~4月中旬)か秋(10月~11月)が適しています。

    なお、庭植えの場合は株が広がりすぎているようなら不要な部分を取り除くようにします。

    植え替えの方法は次のとおりです。

    1. 植え替える前に水やりをしておきおく。
    2. 植え替える鉢やプランターを用意する。
    3. 鉢底石を敷いて水はけを良くしておく。
    4. 新しい用土を入れる。
    5. 根鉢が崩れないように注意しながら、鉢から株を取り出す。
    6. 株分けを行う場合は、根鉢を包丁やハサミで切り離す。
    7. 新しい鉢に植え付ける。
    8. 株の周囲に用土を入れて固める(根元が埋まらないように注意)
    9. たっぷりと水やりをする。

    以上が植え替えの方法です。鉢から苗を取り出す際は、根鉢が乾いていると崩れやすくなるので水分を含ませておくのがポイントです。

    新しい鉢植えを一回り大きなものにする必要がありますが、株分けを行って複数のものに分けても構いません。

    サポナリアの花が咲く時期と香り・花言葉

    サポナリアは、6月から9月にかけて、かすかに甘い香りがする淡いピンクや白の小さな花を茎の先にまとめて咲かせます。

    花は直径2~3cm程度で、5枚の花弁と副花冠と呼ばれる弁状の付属物があります。園芸品種では、八重咲きのものもあります。

    サポナリアの花言葉は、「友の思い出」「清らかな二人」「賢明な行動」「清廉」「清い心」などがあります。これらの花言葉は、サポナリアに含まれるサポニンという成分が石鹸のように泡立ち、洗浄効果があることに由来しています。

    サポニンは魚毒作用もあり、昔は漁などにも使われていましたが、現在では禁止されています。

    以上がサポナリアの花が咲く時期と香り・花言葉です。サポナリアは丈夫で育てやすい植物ですが、水に浸ると魚などに有害な成分が溶け出すことがあるので、注意してください。

    サポナリアの室内での育て方

    サポナリアは、日当たりが良く、水はけの良い場所を好む植物です。

    室内で育てる場合は、以下の点に注意してください。

    日照 サポナリアは日照が多くないと花付きが悪くなります。できるだけ窓際やベランダなど明るい場所に置いてください。夏場は直射日光が強すぎると葉焼けすることがあるので、午前中や午後の日陰に移動させると良いでしょう。
    水やり サポナリアは乾燥に強い植物ですが、室内では乾きやすいので定期的に水やりをしてください。用土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えますが、水はけが悪いと根腐れすることがあるので、鉢底から水が出たら余分な水は捨ててください。冬場は水やりを控えめにします。
    肥料 サポナリアはやせ地でも育つ植物ですが、室内では栄養不足になりやすいので花期に向けて肥料を施してください。春と秋に緩効性化成肥料を鉢土に混ぜ込むか、液体肥料を月に1~2回与えます。高温期や冬場は肥料を控えます。
    植え替え サポナリアは根詰まりしやすいので、2~3年に一度は植え替えを行ってください。適期は春か秋です。一回り大きな鉢に植え替えるか、株分けして複数の鉢に分けます。用土は草花用培養土に赤玉土や軽石などを混ぜたものが適しています。

    サポナリアを剪定・切り戻しする方法と目的・時期

    サポナリアは、伸びすぎた枝や茎を切り取って、株を短くし、植物の姿(樹形)を整える切り戻し剪定を行うことで、生長を促し、花付きを良くすることができます。

    切り戻し剪定の目的は3つです。

    • 株の大きさ・樹形を整える。
    • 不要な枝を減らした分、新芽・実・花へ養分をまわして生長を促す。
    • 風通しをよくして病害虫を予防する。

    切り戻し剪定のタイミングは主に3つあり、それぞれの時期にすべきことは次のとおりです。

    花が咲き終わった後 花が終わった後、すぐに花のすぐ下(花首)で切り落とすか、枝元から花を切り落とします。咲き終わった後の花も養分を使うため、残しておくと新芽や新しい花の邪魔になります。できるだけ早く切り落とすことで、脇芽が出てボリューム感も増えます。
    休眠期から目覚める前 一度、バッサリ短く切って、再生を図る場合に行います。植物によって休眠期は夏だったり冬だったりしますが、多くは冬に休眠期を迎えます。花が咲きにくい古い枝や弱った枝を一掃できるうえ、休眠期が終わると徐々に植物が生長を始めるので、新たに枝を伸ばし花を咲かせてくれます。
    不要な枝が育ってきたら 風通しを悪くしたり他の枝や茎の生長の邪魔になったり、樹形を乱す枝を「不要枝」と呼ぶことがあります。休眠期以外の期間であれば、不要枝が伸びてきたら切り取ることで樹形を保ちます。

    切り戻し剪定の方法は以下のとおりです。

    • 清潔なハサミやナイフを用意する。
    • 切り口が乾燥しやすい時間帯(晴れた日の午前中など)に作業する。
    • 新芽のすぐ上で切り取る。(新芽とは、枝の途中で少し膨らんでる次の枝が伸びてくる場所です)

    なお、不要枝には以下のようなものがあります。

    徒長枝 他の枝よりも生長が早く、勢いよく出た枝のことです。枝元から切ってもいいですが、全体の枝数が少ないときは1/3ほどの長さに切ります。
    ひこばえ:株元から出てくる、細い枝をひこばえといいます。見つけ次第、株元から切り取ります。
    ひこばえ 株元から出てくる、細い枝をひこばえといいます。見つけ次第、株元から切り取ります。
    内向枝 幹(主茎)の方へ向かって伸びる内向きの枝を、内向、逆さ枝といいます。美観を損ね、葉っぱをもっていると他の枝の邪魔になるので、枝元から切り取ります。
    車枝 同じ位置から、複数の枝が車輪のように伸びている枝を車枝と呼びます。日当たりや通風に影響しますから、1~2本を残して切り取ります。
    立ち枝、下がり枝 真上、真下に向かって生えている枝のことです。樹形を乱し、景観を損なうため枝元から切り取ります。
    胴吹き枝 一番太い幹から生えてくる細い枝です。突然生えてくる枝で、「幹吹き」とも呼ばれます。胴吹き枝よりも上部分が弱っているときに発生することもあるので、警告だと思って弱っていないか観察しましょう。枝は、枝元から切り取ります。
    絡み枝 交差している枝のことです。どちらかを残して、もう一方を枝元から切り取ります。
    平行枝 平行に伸びる枝のことです。生長の妨げになるので、一本だけ残して枝元から切り取ります。
    ふところ枝 いずれは枯れる、枝の内部から出てくる小枝です。全体的に枝数が少ない場合は、切り取らなくても問題ありませんが、茂っているようであれば枝元から切り取ります。

    サポナリアの夏越しは根腐れや白絹病に注意する

    サポナリアは耐暑性が強い植物ですが、高温多湿の環境には弱く、根腐れや白絹病などの病気にかかりやすくなります。

    夏越しをする際には、以下の点に注意してください。

    水やりは控えめに サポナリアは乾燥に強く、水やりはほとんど必要ありません。庭植えの場合は、降雨だけで十分です。鉢植えの場合は、用土が乾いたらたっぷりと水を与えますが、水切れを起こさない程度にします。水やり過ぎると根腐れの原因になります。
    日陰に移動させる サポナリアは日当たりが良い場所を好みますが、真夏の直射日光は避けるようにします。日中は日陰に移動させたり、日よけをしたりして暑さを和らげます。特に鉢植えの場合は、鉢が熱くなって根が傷むことがあります。
    風通しを良くする サポナリアは湿気に弱く、白絹病などの病気にかかりやすくなります。風通しを良くすることで葉や茎の乾燥を促し、病気の予防になります。他の植物との間隔をあけたり枝葉を間引いたりして、空気の流れを確保します。
    肥料は施さない サポナリアはやせ地でも育つ植物で、肥料を必要としません。夏場に肥料を施すと生育が旺盛になりすぎて倒れやすくなったり、病気や害虫に弱くなったりします。肥料は春と秋に施すだけで十分です。

    サポナリアの耐寒性と冬越しの方法

    サポナリアは耐寒性が強い植物で、日本のほとんどの地域では冬越しできます。

    多くの種類は半常緑性で、冬の間は葉を地面に密着させてロゼット状になります。一部の葉が枯れることもありますが、春になると新芽を出して成長します。

    冬越しをする際には、以下の点に注意してください。

    水やりは控えめに サポナリアは乾燥に強く、水やりはほとんど必要ありません。庭植えの場合は、降雨だけで十分です。鉢植えの場合は用土が乾いたらたっぷりと水を与えますが、水切れを起こさない程度にします。水やり過ぎると根腐れの原因になります。
    霜や雪から守る サポナリアは寒さに強いですが、霜や雪に当たると葉が傷んだり枯れたりすることがあります。霜や雪が降る前に、枯れた茎や花を切り落としたり藁や落ち葉などで覆ったりして保護します。鉢植えの場合は、鉢底から凍結しないように鉢を持ち上げたり、屋内や温室などに移動させたりします。
    肥料は施さない サポナリアはやせ地でも育つ植物で、肥料を必要としません。冬場に肥料を施すと生育が旺盛になりすぎて倒れやすくなったり、病気や害虫に弱くなったりします。肥料は春と秋に施すだけで十分です。

    サポナリアの増やし方

    サポナリアは種まき以外にも、

    • 挿し木で増やす方法
    • 株分けで増やす方法

    この2通りの増やし方があります。

    いずれも種まきほど簡単ではありませんが、具体的な方法と適期についてお伝えしていきます。

    挿し木で増やす方法と時期

    サポナリアを挿し木で増やすのは、春から夏にかけてが適しています。

    実際の手順は以下のとおりです。

    1. 挿し穂として新芽が出たばかりの若枝を選ぶ
    2. 枝を10~15㎝程度に切り、葉を半分ほど取り除く。
    3. 切り口を斜めにカットして吸水しやすくする。
    4. 挿し穂を水に浸して(水揚げ)水分を吸収させる。(1~2時間程度)
    5. 用土は水はけの良いものを用意する。
    6. 挿し穂の切り口に発根促進剤をつける。
    7. 挿し穂の下部を用土に挿す。
    8. 水やりは乾燥しない程度に行い日陰で管理する。
    9. 根が出てきたら鉢に植え替える。(1ヶ月程度で発根します)

    株分けで増やす方法と時期

    サポナリアを株分けで増やすのは、春から夏にかけてが適しています。

    サポナリアは、地下茎を伸ばして広がる性質があるので、株分けで簡単に増やすことができます。

    実際の手順は以下のとおりです。

    1. 株分けする前に枯れた茎や葉を切り取っておく。
    2. 根を傷めないように株を掘り上げて、傷んだ根を取り除く。
    3. ナイフや鋏などを使って、地下茎の節の部分を数株に切り分ける。
    4. 切り分けた株を深植えしないように注意して植え付ける。
    5. 植え付け後にたっぷりと水を与える。

    なお、切り分ける際は、株を小さく分けると育ちが悪くなりますのでご注意ください。

    サポナリアは地下茎が長く伸びて周囲に広がるので、不要な部分は抜き取って管理しましょう。

    こぼれ種でも増える

    サポナリアはこぼれ種でも増えます。

    サポナリアの種の発芽率は高いので、予想以上に増えることがあるので種ができる頃に採取しておくと良いでしょう。

    「サポナリアが増えすぎ!」を防ぐ方法

    サポナリアはこぼれ種以外にも増えていく手段があるため、放っておくと増えすぎて庭を占領してしまうこともあります。

    サポナリアが増えすぎる原因は主に以下の3つです。

    種子の飛散 サポナリアは4~8月に花を咲かせますが、その後に種子ができます。種子は風や鳥などによって飛散し、庭のあちこちに落ちて発芽します
    地下茎の伸長 サポナリアは地下茎を伸ばして広がっていきます。地下茎は根元から切り離されても生き残り新しい株を作ります
    株分けや植え替え サポナリアは株分けや植え替えをすることで増やすことができます。しかし、その際に根や茎の一部が残ってしまうと、そこから新たな株が発生します。

    これを踏まえて、サポナリアが増えすぎる対策は以下のようなものがあります。

    花がら摘み 花がらを摘むことで種子の飛散を防ぐことができます。花が終わったら早めに花茎ごと切り取りましょう
    根際の掘り返し サポナリアの地下茎は浅い場所にあります。根際を掘り返して地下茎を切り取ることで、広がりを抑えることができます
    鉢植えやコンテナ植え サポナリアを鉢植えやコンテナ植えにすることで、地下茎の伸長を制限することができます。鉢やコンテナは底穴を開けて水はけを良くしましょう。

    サポナリアの収穫時期と方法

    サポナリアは、葉や根に含まれるサポニンを利用して石鹸の代わりにすることができるハーブです。

    サポナリアの収穫時期は、花が終わった後の秋から冬にかけてです。収穫方法は以下のとおりです。

    根の収穫 根は地上部が枯れた後に掘り起こします。根は太くて長く、地下茎として広がっています。根を掘り起こしたら泥を洗い流して切り分けます。切り分けた根は日陰で乾燥させます。
    葉の収穫 葉は地上部が枯れる前に摘み取ります。葉は新芽から成長したものがよく、古くなったものは避けます。葉を摘み取ったら、水洗いして水気を切ります。葉は日陰で乾燥させるか生のまま冷凍保存します。

    まとめ:サポナリア・オキモイデス(ソープワート)の育て方のポイント

    サポナリア・オキモイデス(ソープワート)は、春から初夏にかけてピンクや白の小さな花を株一面に咲かせるナデシコ科の多年草です。

    ロックソープワートやツルコザクラとも呼ばれ、丈夫で乾燥に強く、グランドカバーやロックガーデンに適しているハーブです。

    夏越しも冬越しもそれほど手間はかからず育てやすい植物ですが、剪定はしっかりと行っておく必要があります。

    また、地下茎を伸ばして広がる性質があるため、増えすぎてしまうこともある点に注意が必要です。

    収穫した葉や根を利用して石鹸の代わりにもできるので、ご自宅でも育ててみたいという方は挑戦してみてくださいね。

     

    【追記】

    他のページで、ソープワートの効能についてまとめます。作成中ですのでしばらくお待ちください。

  • スイートマジョラムの育て方|種まき・冬越しや鉢植えでの栽培方法

    スイートマジョラムの育て方|種まき・冬越しや鉢植えでの栽培方法

    スイートマジョラムはオレガノの仲間で、甘くスパイシーな香りがするハーブです。

    料理の風味付けやハーブティーに利用できるだけでなく、花言葉は「常に幸福」という素敵な植物なので、自宅で育ててみたいという方も多いと思います。

    スイートマジョラムは丈夫で育てやすいハーブなので初心者にも育てやすい性質がありますが、高温多湿に弱いことと冬越し時に注意が必要です。

    また、種まきのほか挿し木や株分けで増やすことができるので、徐々に数を増やしながら楽しむことができるハーブです。

    この記事では、スイートマジョラムの育て方や栽培方法について詳しく解説します。種まきや冬越し、鉢植えでの栽培方法などについて、参考にしてみてくださいね。

    スイートマジョラムの種まき時期と方法

    春に種まきをする場合は、春(3月~4月)か秋(9月頃)に行います。秋植えの場合は直まきか鉢まきが適しています。

    霜が降りる可能性がある場合は、育苗箱や平鉢などを使って室内で発芽させるとよいでしょう。

    種まきの手順は以下のとおりです。

    1. 育苗箱や平鉢に水はけのよい土(赤玉土(小粒)や市販の草花用やハーブ用培養土など)を入れる。
    2. 土を平らにして重ならないように種をまく。(1cm程度の間隔を空けると良いです)
    3. 種の上に薄く(1cm以下)土をかぶせる。
    4. 霧吹きなどで優しく水を与えて土を湿らせる。
    5. 育苗箱や平鉢にビニールなどをかぶせて保温する。
    6. 日当たりのよい場所に置く。
    7. 土が乾いたら水やりをし、ビニールが曇ったら空気穴を開けて換気する。
    8. 1週間~2週間ほどで発芽するので、発芽したらビニールを外して日光に当てる。
    9. 本葉が6枚から8枚になったら植え替える。

    以上がスイートマジョラムの種まき時期と方法です。

    それほど難しいこともなく発芽させることができるので是非挑戦してみてくださいね。

    スイートマジョラム栽培に適した環境(用土づくり・水やりと肥料の与え方)

    スイートマジョラムは地中海沿岸・北アフリカが原産地で、日当たりがよく水はけのよいアルカリ性の土壌を好みます。

    高温多湿や寒さに弱いので、風通しをよくして蒸れや霜を避けることが大切です。

    スイートマジョラム栽培に適した環境づくりのポイントを以下にまとめました。

    ポイント 補足
    用土づくり 庭植えの場合は土壌が酸性の場合は苦土石灰をまいて中和しておきます。鉢植えの場合は、市販の草花用培養土やハーブ用培養土を使うか、赤玉土と腐葉土を6:4でブレンドして苦土石灰を少量加えた土を作ります。
    水やり 乾燥気味に管理する必要があるので、庭植えの場合は根付けばほとんど降雨だけで十分です。鉢植えの場合は土の表面が乾いてから2~3日後にたっぷりと水やりをします。鉢皿に水が溜まったままにしないように注意しましょう。
    肥料 あまり多くの肥料は必要ありません。植え付け時に元肥として緩効性化成肥料を施します。切り戻しや収穫の後には、液体肥料か緩効性化成肥料を追肥します。

    以上が、スイートマジョラム栽培に適した環境づくりのポイントです。

    スイートマジョラムは、気温や湿度に敏感なのでご注意ください。

    スイートマジョラムの地植えの時期と方法

    スイートマジョラムは、春(3月~4月)か秋(9月~10月)に地植えすると良いです。ただし、高温多湿や寒さに弱いので気温や湿度にご注意ください。

    地植えの方法は次のとおりです。

    日当たりと風通しの良い場所を選ぶ。
    植え付け時に元肥として緩効性化成肥料を施す。
    穴を掘り、苗を植える。
    複数の株を植える場合は株間を30cmほど空けて植える。
    手で軽く土を押さえて固める。
    たっぷりと水やりをする。

    以上がスイートマジョラムの地植えの方法です。乾燥気味に管理すると良いので、根付けばほとんど降雨だけで十分です。

    乾燥した晴天が続く場合に限り、水やりを行う程度が適しています。

    スイートマジョラムを鉢植え・プランターで育てる方法

    スイートマジョラムは、地植えだけでなく鉢植えやプランターでも育てることができます。

    ただし、高温多湿や寒さに弱いので、気温や湿度に注意してください。

    植え付け時期は地植えと同じく、春(3月~4月)か秋(9月~10月)に行うのが適期です。

    鉢植えやプランターで育てる際のポイントをまとめると、次のとおりになります。

    ポイント 補足
    鉢植え・プランター選び 水はけのよい素材を選びます。サイズは6~7号鉢に1株が目安です。
    用土 水はけのよいややアルカリ性の土を好むため、市販の草花用やハーブ用培養土を使うほか、赤玉土(小粒)と腐葉土を6:4でブレンドして、苦土石灰を少量加えた土を作ると良いでしょう。
    植え付け 鉢底に鉢底石を約2cm並べ、培養土を鉢の深さの8分目まで入れて平らにならします。苗の根元から上部の葉を残して、茎を水平に伸ばして植え付け、最後にたっぷり水を与えます。
    管理 乾燥気味に管理するのが良いので、土の表面が乾いてから2~3日後に水やりをします。

    スイートマジョラムの植え替え時期と方法

    スイートマジョラムの植え替え時期は、

    • 鉢植えの場合:鉢が根でいっぱいになったら
    • 地植えの場合:周りの植物が賑わい出して日当たりや風通しが悪くなったら

    様子を見ながら、植え替え時期を判断しましょう。

    適期としては、5月か9~10月で、冬越しに備えて10月までに済ませるようにしたいところです。

    基本的には地植えや鉢・プランターへの植え付け時と同じ方法で構いませんが、鉢やプランターのサイズは1回り大きなものにすることと、新しい用土を使う点にご留意ください。

    スイートマジョラムの花が咲く時期と香り・花言葉

    スイートマジョラムは、6月~7月に白い小さな花を咲かせます。花序は苞が連なった球状で、コブのような形をしています。

    この花序の形から、英名は「結び目のあるマジョラム」という意味のknotted marjoramとも呼ばれます。

    スイートマジョラムの花には、「常に幸福」「恥じらい」「赤面」という花言葉があります。これらの花言葉は、古代ギリシャ・ローマ時代に、新婚の二人の幸福を願ってスイートマジョラムの花冠を作ったという風習に由来します。花冠を付けた花嫁の姿が恥じらいや赤面を表していると考えられています。

    また、スイートマジョラムの花だけでなく、葉にも甘くスパイシーな香りがあります。この香りは、乾燥させても落ちず料理や香水などに利用されます。特に料理では、肉や野菜など様々な食材と相性がよく風味を引き立ててくれます。

    以上がスイートマジョラムの花が咲く時期と香り・花言葉です。

    スイートマジョラムは日当たりと水はけがよく、風通しの良い場所で育てることが大切です。収穫を兼ねて茂った葉や枝を刈りこむとよいですよ。

    スイートマジョラムの室内での育て方

    スイートマジョラムは、半耐寒性で寒さにやや弱いハーブです。霜が降りるような冬は、鉢植えにして室内の窓辺で育てるとよいでしょう。

    基本的な育て方は鉢・プランターでの育て方と一緒で構いませんが、室内では日照不足になりやすいので、日当たりのよい窓辺に置きます。

    冬でも新鮮な葉を収穫できますが、暖かい窓辺では徒長して倒伏しがちになるので、こまめに収穫すると良いです。

    害虫ではハダニがつくことがあります。鉢植えでは乾燥期に発生しやすいので、定期的に葉裏をチェックして、発見したら殺虫剤を散布するなど対処しましょう。

    スイートマジョラムを剪定(摘心・切り戻し)する方法と目的・時期

    スイートマジョラムは、枝葉の過密による蒸れや風通しの悪さを防ぐために、ほぼ年中収穫を兼ねた剪定が必要です。

    よく生長した株の大きさに合わせて半分から3分の1程切り戻すことで、開花や結実による栄養の消耗を防ぐ効果も得られます。

    摘心・切り戻しのポイントは次のとおりです。

    ポイント
    摘心 草丈が15cmほどに生長したら枝先を摘みとっていきます。これによって左右にわき芽が伸びてくるので、株張りがよくなります。
    切り戻し 梅雨入り前、収穫を兼ねて枝を切り戻して風通しをよくします。混み合っている部分を中心に、枝数を半分ほどに減らしていきます。これにより高温多湿によって枯れてしまうことを防ぐ効果があります。

    摘心や切り戻しは、スイートマジョラムの健康的な生長と香り高い収穫のために重要な作業です。適切なタイミングと方法で行ってください。

    スイートマジョラムの収穫時期と方法

    スイートマジョラムは、葉や茎、開花前の蕾を収穫して料理やアロマに利用できるハーブです。

    収穫時期と方法は次のとおりです。

    説明
    収穫時期 主に葉や茎を使う場合には年中収穫が可能ですが、開花直前の5月初旬が最も香りがよくなる時期です。
    収穫方法 茎の長さ半分程の位置で切って収穫します。大株になれば、株元5cm程残して収穫できます。まだ子株の場合には、茎を残して葉や開花前の蕾だけを優しくしごき取るように収穫することをおすすめします。

    以上がスイートマジョラムの収穫時期と方法です。収穫したスイートマジョラムは、そのまま使うか、乾燥させて保存することができます。

    スイートマジョラムの夏越しの方法と注意点

    スイートマジョラムは、高温多湿の環境が苦手なハーブです。夏越しには、以下のような注意点があります。

    やること ポイント
    切り戻し 梅雨入り前に収穫を兼ねて枝を切り戻して風通しをよくします。これを行わないと、高温多湿によって枯れてしまう可能性があります。
    鉢移動 鉢植えの場合は雨の当たらない軒下などに移動します。直射日光が当たらないように日陰に置くと、水分の蒸発が抑えられます。
    水やり 乾燥気味に育てることが基本ですが、夏場は気温が高く水分の蒸発も早いので用土の表面が乾いたら水やりをします。ただし、鉢皿に水が溜まったまま放置しないように注意します。

    スイートマジョラムの耐寒性と冬越しの方法

    スイートマジョラムは、半耐寒性で寒さにやや弱いハーブです。暖地では戸外での冬越しが可能ですが、その他の地域では室内に取り込むか一年草として扱います。

    冬越しには、以下のような方法があります。

    植え付け場所 ポイント
    鉢植えの場合 10月中に鉢上げして、日当たりのよい窓辺に置きます。水やりは乾かし気味にして根腐れに注意します。暖かい窓辺では徒長して倒伏しがちになるので、こまめに収穫します。
    庭植えの場合 霜が降りる程度の気温には耐えられるため、関東地方以西ではマルチング(株元をわらなどで保護する)すれば、タネをまいて2回目の冬からは庭で冬越しさせることもできます。ただし、厳しい寒さには弱いので寒冷地では一年草として扱います。

    スイートマジョラムの増やし方

    スイートマジョラムは、種まき以外にも

    • 挿し木で増やす方法
    • 株分けで増やす方法

    この2通りの方法で増やすことができます。

    それぞれの方法による増やし方と適した時期についてご紹介します。

    挿し木で増やす方法と時期

    スイートマジョラムを挿し木で増やすのは5月頃が適期です。

    挿し木の手順は次のとおりです。

    1. 枝を5~10cmほどの長さに切る。
    2. 赤玉土(小粒)など挿し木用の土に挿す。
    3. 半日蔭に置く
    4. 根が出るまで土が乾かないように水やりをする。

    株が十分に生長したら、鉢や地面に植え替えます。

    株分けで増やす方法と時期

    株分けで増やす場合でも5月頃が適期です。

    株分けの手順は次のとおりです。

    1. 株にナイフなどで切り込みを入れて分ける。
    2. 切り分けた株をそれぞれ鉢や地面に植え付けます。
    3. 水をたっぷり与えて根付かせる。
    4. 通常通り管理する。

    スイートマジョラムは丈夫なハーブなので、多少根が傷んでも簡単に根付くので、株分けはそれほど難しいことはありません。

    まとめ:スイートマジョラムの育て方のポイント

    スイートマジョラムは、日当たりと水はけのよい場所で育てることがポイントです。種まきは春か秋に行い、挿し木や株分けは5月頃に行います。

    水やりは乾燥気味にし、肥料は控えめに与えます。梅雨時期には風通しをよくして蒸れを防ぎ、冬は霜よけをしてください。

    スイートマジョラムは、香りや風味が豊かなハーブです。自宅で育てれば、料理やハーブティーに使ったり、ポプリや花冠にしたりと楽しみ方がたくさんあります。

    是非、スイートマジョラムの栽培に挑戦してみてくださいね。

     

    【追記】

    収穫した葉や茎、蕾はハーブティーや精油に利用することができます。

    スイートマジョラム使い方や効能についてはこちらのページでご紹介しています。

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