カテゴリー: ハーブの育て方

  • ムスクマロウ ‘アップルブロッサム’(ジャコウアオイ)の育て方

    ムスクマロウ ‘アップルブロッサム’(ジャコウアオイ)の育て方

    ムスクマロウ ‘アップルブロッサム’は、淡いピンク色の花を咲かせるムスクマロウの品種でとても可憐で清楚な雰囲気があります。

    葉からは、ほのかに麝香(じゃこう)の香りがするので爽やかな香りを楽しむのにも魅力的なハーブです。

    あまり育て方に関する情報も多くないので、自宅でも育てられるかと心配される方も多いかもしれませんが、ムスクマロウの育て方はそれほど難しいことはありません。

    栽培に適した環境づくりと夏越しなど、ムスクマロウを育てる際に知っておきたい点をまとめましたので、参考にしてみてください。

    ムスクマロウの種まき時期と方法

    ムスクマロウ ‘アップルブロッサム’(ジャコウアオイ)は直根性で移植を嫌うので、種まきから始める場合は直まきかポットまきがおすすめです。

    種まきの適期は、春(3月上旬~5月下旬)か秋(9月から10月です。種は小さくて軽いので、風に飛ばされないように注意しましょう。

    直まきする場合は、日当たりと水はけの良い場所に種を蒔いて土をかぶせます。土の厚さは5mm程度が目安です。

    水やりは乾燥しないように適度に行います。発芽すると、間引きをして株間を40cmから50cmくらいにします。

    ポットまきする場合は、育苗ポットに用土を入れて、3~4箇所の浅いくぼみをつけます。それぞれに1粒ずつ種をまいて、土で覆います。

    水やりは乾燥しないように適度に行います。発芽したら、元気なもの1本に間引きします。本葉が3~4枚になったら、根を傷つけないように土を崩さないで庭植えか鉢植えにします。

    ムスクマロウ栽培に適した環境(用土づくり・水やりと肥料の与え方)

    種まきを終えたらムスクマロウ栽培に適した環境づくりを始めましょう。

    【用土づくり】

    ムスクマロウは日当たりと風通が良く水はけのよい場所であれば特に土壌の質は選びません。

    ただし酸性土壌を嫌うので、植え付け前の1週間~10日前くらいに苦土石灰を1㎡あたり50~100gほど撒いてよく耕して中和しておきます。

    植え付け時には、バーク堆肥や腐葉土などの有機物を1㎡あたり10Lほど入れて庭土とよく混ぜ、
    化成肥料も少量入れてよく混ぜます。

    【水やり】

    水やりは乾燥しないように適度に行います。鉢植えの場合は、鉢土の表面がよく乾いたらたっぷり水やりします。

    庭植えの場合は、根が張ったあとはほとんど必要ありません。ただし、真夏の乾燥が続く日に限り、様子をみて水やりしてください。

    【肥料の与え方】

    肥料は元肥として緩効性化成肥料を施します。多肥にすると倒れやすくなるので注意しましょう。

    成長の始まる春と秋に、追肥として緩効性肥料を置き肥するか、液体肥料を施します。

    ムスクマロウの地植えの時期と方法

    ムスクマロウは夏の暑さに弱い宿根草なので、寒冷地では秋か春に苗を植えるとよいでしょう。中間地や暖地では、秋に苗を植えて春に開花させると割り切った方が無難です。

    地植えの方法は簡単で、掘った穴の半分ほどの土を戻して苗を入れて、隙間に土を入れて最後に水をやって完成です。

    苗の土は崩さず、根を触らずに植え付けます。複数株を植える場合は株同士は40cm〜50cm空けて植えましょう。

    ムスクマロウを鉢植え・プランターで育てる方法

    ムスクマロウは、庭植えだけでなく鉢植えやプランターでも育てることができます。

    鉢植えやプランターで育てる場合は、以下の点に注意しましょう。

    • 9号〜10号程度の鉢植え・プランターを用意する。
    • 用土を入れる。(市販の草花用培養土がおすすめ)
    • 日当たりと風通しの良い場所に置く。
    • 真夏は直射日光を避けて半日陰に置く。
    • 冬は霜よけをして室内に取り込む。
    • 水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりと行う。
    • 春と秋に緩効性化成肥料を置き肥するか、液体肥料を月に2回程度与える。

    なお、草花用培養土を使わない場合は、赤玉土小粒5:腐葉土3:軽石2などの割合で配合して作ることもできます。

    ムスクマロウの植え替え時期と方法

    ムスクマロウは直根性で植え替えが苦手な植物です。鉢植えの場合は、株が鉢いっぱいになったときだけ、株分けを兼ねて植え替えを行います。

    庭植えの場合は、植えっぱなしにするのがよいでしょう。

    それでも、鉢が小さくなった時など植え替えが必要となった場合は、春(3月上旬から5月上旬)か秋(9月下旬から11月上旬ごろ)に行います。

    鉢底網と鉢底石を敷いた一回り大きな鉢に、市販の草花用培養土を入れます。株を鉢から抜き出し、土を落とさないように注意して新しい鉢に移します。

    隙間に土を入れて、最後にたっぷり水やりをします。

    庭植えの植え替えは、株分けと同じ要領で行います。地上部が枯れる10月~11月頃に、株を掘り上げて上からナイフやハサミなどで途中まで切り込みを入れたあとで、手で裂くように2~3分割します。

    分割した株は日当たりと風通しの良い場所に50~100cmくらいの間隔をあけて植え付けます。用土は市販の草花用培養土か、赤玉土小粒5:腐葉土3:軽石2などの割合で配合したものがよいでしょう。

    ムスクマロウの花が咲く時期と香り・花言葉

    ムスクマロウは5~9月にかけて直径5cmほどの白色や淡いピンク色の花を咲かせます。花はフヨウやタチアオイに似ており、清楚で優しい風情があります。

    ムスクマロウの名前の由来は、葉にほのかに麝香(じゃこう)の香りがすることからです。この香りは、花や茎にも感じられます。

    ムスクマロウはハーブとしても利用されており、花や若葉をハーブティーやサラダなどに使うことができます。また、のどの痛みなどに効果があると言われています。

    ムスクマロウの花言葉は「柔和な心」です。この花言葉は、ムスクマロウの優しい色合いや香りから連想されたものと思われます。ムスクマロウは、穏やかで温かい気持ちを表現する花として贈ることができるでしょう。

    ムスクマロウの室内での育て方

    ムスクマロウは、日当たりと水はけのよい場所で育てることが大切です。室内で育てる場合は、南向きや東向きの窓辺に置き、直射日光が当たらないようにカーテンなどで調節しましょう。夏は暑さに弱いので、涼しい場所に移動させるか、エアコンなどで室温を下げることが必要です。

    鉢植えの場合は、水はけと通気性に富み適度な保水性のある土が適しています。赤玉土小粒5:腐葉土3:軽石2などの割合で配合したものがよいでしょう。

    ムスクマロウは直根性で移植を嫌うので直まきかポットまきとし、本葉が3~4枚になったら定植します。こぼれダネでもよくふえるので、周囲に発芽した苗を鉢上げしてもよいでしょう。

    水やりは、鉢土の表面がよく乾いたらたっぷりと行うようにし、乾燥や過湿に注意しましょう。肥料は、春と秋に緩効性化成肥料を置き肥するか、液体肥料を施します。多肥にすると倒れやすくなるので注意しましょう。

    害虫では、ハマキムシやアブラムシなどが発生することがあります。見つけたら早めに駆除しておいた方が良いでしょう。ハマキムシは葉を巻いたりつづり合わせたりして中にいます。巻いた葉の上から押しつぶすか、葉を開いて幼虫を捕殺します。アブラムシは数が少ないうちならつぶして退治します。

    ムスクマロウ剪定・切り戻しする方法と目的・時期

    ムスクマロウは、花がら摘みをしながら咲かせることができます。

    咲き終わった花は随時摘み取り、花茎の花全体がほぼ咲き終わったら、花茎の根元で切り戻します。これにより、株の見栄えをよくし、風通しを良くして病気や害虫の発生を防ぎます。また、種子散布を防いで株の活力を保ちます。

    ムスクマロウは、春から秋にかけて何度も花を咲かせることがあります。その場合は、花後に切り戻すことで再開花を促すことができます。

    切り戻しの時期は、春(3月下旬~4月上旬)、初夏(5月中旬~6月)、秋(9月中旬~10月中旬)などが適しています。切り戻しの方法は、株全体を半分から三分の一程度に切り詰めるか、枝先から10~15cmほど残して切り落とします。

    ムスクマロウの夏越しの方法

    ムスクマロウは、夏の暑さに弱く、関東以西の温暖地では夏に枯れてしまうことが多いため、夏越しはポイントになります。

    夏越しの方法は、以下のとおりです。

    • 鉢植えの場合は、涼しい半日陰に移動する。(真夏は明るい日陰に置く)
    • 庭植えの場合は、午後日陰になるような場所に植えるか、日除けをする。
    • 水切れに注意しながら水やりをして管理する。
    • 肥料は控えめにする。
    • 風通しをよくするため、花後に切り戻しをする。
    • ハマキムシなどの害虫が発生したら、早めに駆除する。

    次に、ムスクマロウの冬越しの方法についてお伝えします。

    ムスクマロウの冬越しの方法

    ムスクマロウは冬に地上部が枯れる多年草です。

    冬越しの方法は、以下のとおりです。

    • 冬になる前に、地上部を根元から切り取る。
    • 鉢植えの場合は、霜が降りるときは鉢を室内や温室に移動する。
    • 庭植えの場合は、根元に腐葉土や落ち葉などで覆って保温する。

    冬越しで特に注意すべき点はありませんが、関東以西の温暖地では宿根できないことも多いのでその点は留意しておくと良いと思います。

    ムスクマロウを株分けで増やす方法

    ムスクマロウは、株分けで増やすことができます。

    株分けを行うのは地上部が枯れた10月から11月が適しています。実際のやり方については次にとおりです。

    1. 地上部が枯れたムスクマロウの株を掘り上げる。
    2. 根が太いので、鍬やスコップなどを使って丁寧に掘る。
    3. 株を2~3個に分割する。
    4. 1個の株には3~5個の芽がついていることを確認する。
    5. 分割した株を植え直す。
    6. 水やりと肥料を適宜行う。

    株分けの際には、ナイフやハサミなどで途中まで切り込みを入れたあと、手で裂くようにします。その後の植え付けについては前述の手順を参考にしてみてください。

    ムスクマロウの収穫時期と方法

    ムスクマロウは、花と葉を収穫できます。それぞれの時期と方法は、以下のとおりです。

    収穫物 収穫時期と方法
    5月中旬~8月下旬に花を咲かせるので、開花したその日に摘み取る。花はサラダやハーブティーに利用できます。
    7月上旬から9月下旬頃が適期。若い葉を摘み取り、ゆでて野菜として食べたり、化粧品や咳止めシロップなどに加工できます。

    まとめ:ムスクマロウ ‘アップルブロッサム’(ジャコウアオイ)の育て方

    ムスクマロウ ‘アップルブロッサム’(ジャコウアオイ)は、淡いピンク色の花を咲かせるムスクマロウの品種です。

    ムスクマロウはヨーロッパ南部などが原産の宿根草で、日本では本州以北の冷涼な地域に生えています。耐寒性は強いですが耐暑性は弱いので、夏の暑さに注意する必要があります。

    酸性土壌を避け。有機物と化成肥料を混ぜた用土を使って、日当たりと水はけの良い場所に植えます。

    水やりは鉢植えの場合は鉢土が乾いたらたっぷりと行い、庭植えの場合は根が張ったあとはほとんど必要ありません。

    肥料は春と秋に緩効性化成肥料や液体肥料を施しますが、多肥にすると倒れやすくなるので注意します。

    風通しをよくするため、花後に切り戻します。タネから育てる場合は春播きがおすすめです。

    これらのポイントを押さえれば、ムスクマロウ ‘アップルブロッサム’を美しく咲かせることができるでしょう。

     

    【補足】

    ムスクマロウが好きな方にはコモンマロウもおすすめ!

    コモンマロウの育て方についてこちらのページでご紹介しています。

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  • ヘンルーダ(ルー)の育て方|挿し木での増やし方や剪定の方法も

    ヘンルーダ(ルー)の育て方|挿し木での増やし方や剪定の方法も

    ヘンルーダは、「ルー(rue)」あるいは「コモンルー(common rue)」とも呼ばれる南ヨーロッパ原産の常緑性多年草です。(学名はRuta graveolens)

    虫よけやネコよけの効果が期待できることから気になる人は多いですが、一般的に知られていないので育て方を知りたいという方はきっと多いでしょう。

    ヘンルーダの育て方はポイントさえ押さえれば簡単に育てられますし、挿し木でも増やすことができるので初心者にも問題なく栽培できます。

    この記事では、ヘンルーダの育て方や挿し木での増やし方、剪定の方法などについて詳しくお伝えします。

    ヘンルーダを育ててみたい方はぜひ参考にしてみてくださいね。

    ヘンルーダの種まき時期と方法

    ヘンルーダ(ルー/ ガーデンルー)の発芽温度は20度前後なので、春から初夏にかけてが種まきの適期です。

    種をポットに蒔いて、薄く土をかぶせて水やりをすれば完了ですが、種は小さくて軽いので風で飛ばされないように注意が必要です。

    なお、直接庭や鉢に種をまいても構いません。

    種まき後は、その後は土が乾いたら水やりを行うようにします。

    種まき後、発芽までに約2週間ほどかかります。発芽したら間引きをして、丈夫なものだけを残します。

    本葉が2〜3枚になったら、鉢や庭に定植します。定植する際は、株間を50cmほどあけておきましょう。

    ヘンルーダは酸性の土を嫌いますので、苦土石灰などで土の酸度を中和しておくと良いです。また、肥料は多肥を嫌いますので、元肥として緩効性肥料を混ぜておく程度で十分です。

    ヘンルーダの種まきは簡単ですが、種が飛ばされないように注意することと、水やりや土の管理に気をつけることがポイントです。ヘンルーダは虫除けや殺菌効果があるハーブなので、庭やベランダで育てると役立ちますよ。

    ヘンルーダ栽培に適した環境(用土づくり・水やりと肥料の与え方)

    種まきを終えたらヘンルーダ栽培に適した環境を作りましょう。

    ヘンルーダ栽培に適した環境は、日当たりと水はけの良い場所で、アルカリ性の土壌です。

    なお、温度は15~30℃、湿度は60~70%程度が生育環境としては理想です。

    乾燥に強いハーブですが、水やりや肥料も適切に行って健康な株に育てるための用土づくりと水・肥料の与え方について具体的にお伝えします。

     

    【用土づくり】

    地植えの場合は、植え付ける2週間前に苦土石灰をまいて土の酸度を中和します。

    数日寝かせてなじませたら、腐葉土を混ぜて通気性をよくしてください。

    鉢植えの場合は、赤玉土7:腐葉土3の基本的な配合の培養土を作りましょう。用土に肥料分が入っていない場合は、少量の緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。

     

    【水やりと肥料の与え方】

    ヘンルーダは乾燥気味に管理します。地植えの場合は水やりの必要はありませんが、鉢植えの場合は土の表面が乾いているのを確認してからたっぷり水やりをしてください。

    水はけの悪い場所では根腐れを起こす可能性がありますので、注意してください。

    肥料は多肥を嫌いますので、春と秋に緩効性化成肥料を施す程度で十分です。

     

    ヘンルーダの地植えの時期と方法

    ヘンルーダは、地植えにするとより丈夫に育ちます。地植えにする場合は真夏や真冬は避け、春(4月中旬~5月)か秋の暖かい日(9月~10月頃)に行うのがおすすめです。

    ヘンルーダの地植えにする場合は、以下の手順で行います。

    1. 日当たりと水はけの良い場所を選ぶ。
    2. 酸性の土を嫌うため、予め苦土石灰をまいて土の酸度を中和しておく。
    3. 植え付ける2週間前に、株元の2~3倍の大きさの植穴を掘る。
    4. 腐葉土や緩効性化成肥料を混ぜて、肥沃で水はけの良い土を作る。
    5. 苗を鉢から取り出し、根をほぐす。
    6. 根が回っている場合は切って整理する。
    7. 植穴に苗を入れて、根元と土面が同じ高さになるように調整する。
    8. 土をかぶせて固め、たっぷりと水やりをする。
    9. 複数植える場合は株間は50cm程度空けて植える。

    ヘンルーダの地植えは簡単ですが、時期と場所と用土に注意することがポイントです。地植えにすると、より丈夫で芳香豊かなハーブに育ちますよ。

    ヘンルーダを鉢植え・プランターで育てる方法

    ヘンルーダは、鉢植えやプランターでも育てることができます。

    鉢植えやプランターにする場合は、水はけの良い用土を用意し、日当たりと風通しの良い場所に置くことがポイントです。

    ヘンルーダの鉢植えやプランターで育てる方法は、以下の手順で行います。

    1. 適した鉢やプランターを選ぶ。(深さが20cm以上で底に穴が開いているもの)
    2. 鉢底網を敷き、砂利(または鉢底石)を2~3cm程度入れる。
    3. 用土を入れる。(鉢やプランターの上から3cm程度余裕を持たせる)
    4. 苗を鉢から取り出し、根をほぐす。
    5. 根が回っている場合は、切って整理する。
    6. 鉢やプランターに苗を入れて、根元と土面が同じ高さになるように調整する。
    7. 土をかぶせて固め、たっぷりと水やりをする。

    ヘンルーダの耐寒性は弱いので、温暖地でない場合は鉢植えやプランターで栽培する方が良いでしょう。

    上記を参考にしてやってみてくださいね。

    ヘンルーダの植え替え時期と方法

    ヘンルーダの植え替え時期は、真夏と真冬を避けた春か秋の暖かい日に行います。

    真夏は高温多湿で蒸れやすく、真冬は寒さで根が傷みやすいため、適期ではありません。

    また、春に植え替える場合は、新芽が出てから固まるまでの4〜5月中旬は避けましょう。この時期は株が弱っているため、移植ストレスに耐えられない可能性があります。

    植え替えの方法は、上記「ヘンルーダを鉢植え・プランターで育てる方法」と同じ方法で構いません。

    ヘンルーダを剪定・切り戻しする方法と目的・時期

    ヘンルーダは、剪定・切り戻しをすることで、株の形を整えたり、風通しを良くしたり、新芽の発生を促したりすることができます。

    剪定・切り戻しの方法と目的と時期について説明します。

     

    【剪定・切り戻しの目的】

    ヘンルーダの剪定・切り戻しの目的は、以下のようなものがあります。

    • 株の形を整える
    • 風通しを良くする
    • 新芽の発生を促す
    • 病気や害虫の予防をする
    • 花付きや香りを良くする

    【剪定・切り戻しの時期】

    ヘンルーダの剪定・切り戻しの時期は、以下のようになります。

    • 枯れ枝や病気枝などの除去:いつでも
    • 内側の枝や葉の間引き:梅雨入り前
    • 全体的な枝の切り戻し:早春から春

     

    【剪定・切り戻しの方法】

    ヘンルーダの剪定・切り戻しの方法は、以下の手順で行います。

    • 鋭利で清潔な剪定ばさみなどの道具を用意する。
    • 枯れた枝や病気にかかった枝、弱った枝などは根元から切り取る。
    • (株が密集している場合)内側の枝や葉を間引きして、風通しを良くする。
    • (株が大きくなりすぎている場合)全体的に枝を短く切り戻す。

    ヘンルーダの花の特徴と開花時期

    ヘンルーダは、青味がかった緑色の葉が美しい常緑性多年草ですが、花も魅力的なので観賞用としても優れています。

    ヘンルーダの花は、小さな黄色い花が集まった散房花序を咲かせます。個々の小花は、4~5枚の花弁と8本の雄しべ、中央に雌しべと膨らんだ子房があります。花は菜の花を小さくしたような形をしています。

    ヘンルーダの花には、香りや色彩だけでなく、薬用や虫除けなどの効果もあります。古くからハーブとして利用されてきましたが、現在では毒性や刺激性があることが知られており、食用や肌に触れることは避けるべきです。

    ヘンルーダの開花時期は、6月から7月にかけてです。日当たりと風通しの良い場所で育てると、より多くの花を楽しむことができます。開花後は、枯れた花を摘み取っておくと、株の見栄えや健康に良いでしょう。

    ヘンルーダの夏越し・冬越しの方法

    ヘンルーダは、南ヨーロッパ原産の常緑性多年草で耐寒性は弱いですが、耐暑性や乾燥耐性は高いです。

    そのため、日本の環境においては夏越しや冬越しには注意が必要です。ヘンルーダの夏越し・冬越しの方法についてお伝えします。

     

    【ヘンルーダの夏越しの方法】

    ヘンルーダは、夏の暑さには耐えますが、ジメジメとした過湿を苦手とします。過湿を防ぐために、以下の点に気をつけましょう。

    • 土の排水性を高めるために、赤玉土や軽石などを混ぜておく。
    • 水やりは土の表面が乾いてから行い、根元に直接水を与えないようにする。
    • 梅雨入り前に、株が密集しないように剪定しておく。
    • 鉢植えの場合は、長雨の当たらない場所に移動させる。

     

    【ヘンルーダの冬越しの方法】

    ヘンルーダは、耐寒温度が約12℃と低く、霜や雪に当たると枯れてしまう可能性があります。冬越しをするためには、以下の点に気をつけましょう。

    • 地植えの場合は、根元にマルチや落ち葉などを敷いて保温する。
    • 枝先が霜に当たらないように不織布などで覆う。
    • 鉢植えの場合は、日当たりの良い軒下や室内に移動させる。
    • 室内で管理する場合は、暖房器具から離して乾燥しないように注意する。
    • 冬場は水やりを控えめにし、土が乾きすぎない程度に与える。

    ヘンルーダの増やし方

    ヘンルーダは、種まきをして増やす以外にも、

    • 挿し木
    • 株分け

    この2つの方法で増やすことができます。それぞれの具体的な方法についてお伝えします。

    挿し木で増やす方法と時期

    ヘンルーダの挿し木は、4月から6月頃に行います。

    挿し木の方法は以下のとおりです。

    1. 元気そうな枝を10cmほど切り取る。
    2. 切り口を斜めにカットする。
    3. 挿す部分の葉を取り除く。
    4. 挿し穂を水につけて30分ほど吸水させる。
    5. 挿す位置につまようじなどで穴を開ける。
    6. 水につけた後の挿し穂を土に挿す。

    1ヶ月ほどで根が出るので、根が出たら小さめの鉢に植え替えて育てます。

    株分けで増やす方法と時期

    ヘンルーダの株分けは、4月頃に行います。

    株分けの方法は簡単で、大きくなった株を掘り上げて、2~3つに分けます。

    分けた株をそれぞれ新しい場所や鉢に植え付けます。植え付け後は水やりをして、根付くまで管理します。

    以上で株分けは完了です。

    ヘンルーダの収穫時期と方法

    ヘンルーダは、葉や花を収穫してドライフラワーやポプリに利用することができます。

    ヘンルーダの花は、初夏に黄色い小花が咲きますが、花は咲き始めから咲き終わりまで収穫できます。(咲き始めの方が香りが強いです)

    葉は、春から秋にかけて新しい葉が出るたびに収穫できます。葉も花も、日中の水分が飛んだ午後に収穫すると良いでしょう。

    収穫方法は以下のとおりです。

    収穫物 収穫方法
    花茎の長さは10cmほどを目安として切り取る。花茎の下の方にある葉は取り除きます。
    枝の長さは10cmほどを目安にして切り取る。枝の下の方にある葉は取り除きます。

     

    ヘンルーダの育て方に関するQ&A

    ここでは、ヘンルーダの育て方に関するQ&A(質問&回答)を紹介します。

    • ヘンルーダが枯れた原因として考えられるのは?
    • ガーデンルーは猫が避けるって本当?
    • アゲハの幼虫はヘンルーダを食べない?
    • ヘンルーダの苗はホームセンターに売ってる?
    • ヘンルーダの花が咲いたらの意味は?
    • ヘンルーダに毒性はある?

    上記の問いについて詳しく回答していますので、参考にしてみてくださいね。

    ヘンルーダが枯れた原因として考えられるのは?

    ヘンルーダが枯れた原因として考えられるのは、以下のようなものがあります。

    • 水やりのしすぎ
    • 高温多湿
    • 土壌が酸性

    上記の中でも特に起こりがちなのが、水やりのしすぎです。

    ヘンルーダは乾燥気味に管理するのが適しているハーブなので、水はけの悪い土や鉢に植えている場合は、表土が乾いてからたっぷり水やりをするのがコツです。

    水やりのしすぎによって根腐れを引き起こし枯れる原因になってしまいます。

    ヘンルーダ(ガーデンルー)は猫が避けるって本当?

    ヘンルーダはガーデンルーとも呼ばれるハーブで、独特の甘い香りしますが、この香りは人間にとっては不快ではないものの猫にとっては嫌な匂いなので、猫よけとして利用されることがあります。

    「猫寄らず」と呼ばれることもあるくらいなので、庭に猫がやってくるのを防止したいという方は試してみても良いかもしれませんね。

    アゲハの幼虫はヘンルーダを食べない?

    ヘンルーダはアゲハチョウの幼虫が好んで食べる植物として有名ですが、稀に葉を食べないアゲハの幼虫がいるようです。

    ちなみに、アゲハチョウの幼虫は主にミカン科の植物を食草としています。ヘンルーダもミカン科に属する植物なので、アゲハチョウはヘンルーダに卵を産み付けます。

    孵化した幼虫は親が産んだ場所からあまり離れずに、近くの葉を食べて成長します。

    セリ科やキク科などの植物も同様なので、こうした植物が近くにある場合はヘンルーダに卵がなく食べられない可能性はあるでしょう。

    なお、葉が食べられると光合成能力が低下し、枯れやすくなるので、葉が食べられている場合は手で取り除いて他の植物へ移動させてあげましょう。

    ヘンルーダの苗はホームセンターに売ってる?

    ヘンルーダの苗は、春先から夏にかけてホームセンターで売っている場合もありますが、店舗によって取り扱いが異なります。

    ヘンルーダは食用には向かないとされているので、食用ハーブとは別の場所に陳列されていることがあります。

    また、「ルー」「ガーデンルー」という名前で販売されていることもあるのでご注意ください。

    ヘンルーダの花が咲いたらの意味は?

    「ヘンルーダの花が咲いたら」というのは、ハンガリーの作曲家バールドシュ・ラヨシュが作曲した合唱曲のタイトルです。

    この合唱曲は、ヘンルーダの花が咲いたら恋人と結ばれるという伝説に基づいています。歌詞は以下のようになっています。

    「ヘンルーダの花が咲いたら あなたと私は結ばれる あなたは私を愛してくれる 私はあなたを愛している」

    「ヘンルーダの花が咲いたら あなたと私は幸せになる あなたは私を抱きしめてくれる 私はあなたにキスをする」

    ヘンルーダに毒性はある?

    ヘンルーダには毒性があり、葉や茎の汁に触れるとかぶれることがあります。

    また、乾燥させた葉を煎じたものを飲むと、女性ホルモンの働きを促進し、妊娠中の場合は流産する可能性があります。

    ヘンルーダから抽出したエッセンシャルオイルであるルーオイルも、アロマセラピーには使用できません

    まとめ:ヘンルーダ(ルー)の育て方のポイント

    ヘンルーダは南ヨーロッパ原産の常緑性多年草で、黄色の花を咲かせる魅力的な植物です。

    日当たりと水はけの良い場所を選び、冬は室内で管理することがポイントです。挿し木で簡単に増やすことができるので、自分だけでなく友人や家族にもプレゼントすることができます。

    剪定も適宜行うことで、ヘンルーダの美しさを長く楽しむことができます。

    また、香りがあることから虫よけやネコよけになりますし、アゲハチョウもやってきます。ヘンルーダは初心者でも育てやすい植物なので、ぜひ挑戦してみてください。

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    シトロネラの育て方|種まきや苗を植える時期・方法などをご紹介

    シトロネラは、レモングラスに似た爽やかな香りのするハーブです。

    虫除けや芳香剤として人気があるので、自宅で栽培してみたいという方は少なくないでしょう。

    それほど栽培している人は多くありませんが、シトロネラは冬越しなどに気を付ければ地植えでも室内でも元気に育ちます。

    また、収穫した茎や葉は、乾燥させて保存することができます。

    この記事では、シトロネラの育て方について、種まきから収穫までの具体的な方法や注意点をご紹介します。

    シトロネラを育てる際の参考にしてみてくださいね。

    シトロネラの種まき時期と方法

    シトロネラの発芽に適した温度は20~25℃なので、種まき時期は春(4月下旬)から夏(6月中旬)が適期です。

    シトロネラは寒さに弱いので、霜が降りる可能性のある地域では室内で発芽させるか、霜よけをする必要があります。

    シトロネラの種まき方法は以下のとおりです。

    1. 赤玉土などの種まき用の土を用意する。
    2. 育苗ポットやプラスチック容器に土を入れて湿らせる。
    3. 深さ1cmほどの穴を掘り、種を2~3粒まく。
    4. 軽く土をかぶせ、水を霧吹きで噴きかける。
    5. ビニール袋や透明なフタで覆って保温・保湿する。
    6. 日当たりの良い場所に置き、毎日水分や発芽状況をチェックする。
    7. 種から10日~14日で発芽する。
    8. 発芽したらビニール袋やフタを外す。
    9. 直射日光を避けて風通しの良い場所に移す。
    10. 本葉が2~3枚になったら間引きし、株間を5~10cmにする。

    以上がシトロネラの種まき時期と方法です。

    6月頃から徐々に日光に慣らし、7月頃から鉢植えや地植えに移植するくらいが良い時期です。

    シトロネラ栽培に適した環境(用土づくり・水やりと肥料の与え方)

    種まきを終えたら、シトロネラ栽培に適した環境づくりを始めましょう。

    シトロネラは、日当たりの良い場所で育てることが大切です。直射日光が6時間以上当たる日向が最適で、夏の暑さにも耐えることができます。

    ただし、暑さが厳しい地域では午後の強い日差しを避ける半日陰に移すか日よけをすると良いです。

    次に、シトロネラ栽培に適した用土づくり、みずやり、肥料の与え方についてお伝えします。

     

    【用土づくり】

    シトロネラは水はけの良い土を好みます。

    水はけが悪いと根腐れや茎葉の腐敗を起こしやすくなるので、花壇に植える場合は赤玉土などを混ぜて排水性を高めるようにします。

    鉢植えにする場合は、赤玉土やパーライトなどを混ぜた用土を使うと良いでしょう。

     

    【水やり】

    シトロネラは乾燥に強い一方で、過湿を嫌うため、水やりは土の表面が乾いたらたっぷりと与えるようにします。特に鉢植えの場合は、乾燥が早くなるので注意が必要です。

    ただ、長雨や湿気が多い時期は水分が過剰になりやすいため、水やりを控えめにしたり雨よけをしたりする必要があります。

     

    【肥料の与え方】

    シトロネラ栽培は肥料は少なめにすることがおすすめです。肥料が多すぎると葉の香りが弱まったり、茎が伸びすぎたりするためです。

    春から秋にかけては、液体肥料を月に1~2回与える程度で十分で、冬は休眠期に入るため肥料は与えなくても大丈夫です。

     

    以上が、シトロネラ栽培に適した環境の作り方です。

    シトロネラは基本的に丈夫で手間のかからないハーブですが、日当たりや水やりなどの管理に気を付けることでより健康的で香り高い植物に育てることができます。

    シトロネラの地植えの時期と方法

    シトロネラは鉢植えで育てることもできますが、地植えにするとより元気に育ちます。

    ただし、シトロネラは寒さに弱いので冬に霜が降りるような地域では地植えには向かないため、東北から南の暖かい地域以外では鉢植えでの栽培が望ましいです。

    シトロネラの地植えの時期は、春(4月下旬)から夏(8月上旬)にかけてが最適です。この時期は気温が高く土が温まっているので、根付きやすくなります。

    また、秋から冬にかけては休眠期に入るので、成長が止まってしまいます。

    シトロネラの地植えの方法は以下のとおりです。

    1. 日当たりの良い場所を選ぶ。(直射日光が6時間以上当たる日向が最適)
    2. 土を掘り起こしてほぐし、赤玉土などを混ぜて排水性を高める
    3. 植え穴を掘る。(鉢と同じくらいの深さと幅にする)
    4. 鉢から苗を取り出し、根をほぐす。
    5. 根が絡まっている場合は、やさしく引っ張ってほどく。
    6. 植え穴に苗を入れて土をかぶせる。(根元が少し高くなる程度に)
    7. 土を軽く押さえて固める。
    8. 根元から水があふれるくらいたっぷりと水やりをする。

    以上がシトロネラの地植えの時期と方法です。

    シトロネラは地植えにするとより香り高くなるので、地植えが可能な場合は地植えで育てるのがおすすめです。

    シトロネラを鉢植え・プランターで育てる方法

    シトロネラは寒さに弱いので冬に霜が降りるような地域では鉢植えやプランターに植えて、冬期間は室内に移動するようにします。

    シトロネラを鉢植え・プランターで育てる方法は以下のとおりです。

    1. 水はけの良い鉢・プランターを選ぶ。
    2. 鉢底石と鉢底ネットを敷く。
    3. 赤玉土や腐葉土などの有機質の多い土を入れる。
    4. 根がしっかり埋まるようにシトロネラの苗を植える。
    5. (複数植える場合は)苗の高さの半分くらいの間隔をあけて植える。
    6. 水やりは、土が乾いたらたっぷりと行う。
    7. 日当たりの良い場所に置く。(ただし、真夏の直射日光は避ける)
    8. 茎が伸びすぎたら適宜刈り込む。

    なお、水やりの際には葉にも水をかけてあげると、香りが強くなります。

    刈り込んだ茎は、乾燥させて虫除けや芳香剤として使うことができるので、上手に活用してくださいね。

    シトロネラの植え替え時期と方法

    シトロネラはを鉢植えやプランターで育てる場合、根が鉢いっぱいになると成長が悪くなります。

    そのため、定期的に植え替えを行うことが必要ですが、植え替えは根の活動が活発になる春か秋に行います。

    シトロネラの植え替え方法は以下のとおりです。

    1. 古い鉢よりも一回り大きい鉢・プランターを用意する。
    2. 新しい土を入れる。
    3. 古い鉢からシトロネラを取り出す。
    4. 根が張り付いている場合は、根を傷つけないようにやさしく叩いてほぐす。
    5. シトロネラの根が傷んだり枯れたりしていれば切り取りる。
    6. 根が長く伸びすぎている場合は、適度に切り詰める。
    7. 以降は、鉢植え・プランターでの育て方と同様

    以上がシトロネラの植え替え時期と方法です。

    植え替え後は、日陰でしばらく様子を見ましょう。根が新しい土に馴染むまでに時間がかかる場合があります。

    シトロネラの室内での育て方

    シトロネラは、蚊や虫を寄せ付けない香りがするハーブなので室内で育てたいハーブの一つですね。

    室内で育てる場合は、以下の点に注意しましょう。

    注意点
    日光 日当たりの良い窓辺に置きます。直射日光が6時間以上当たる場所が理想ですが、暑さの厳しい夏は半日陰に移動させるとよいでしょう。
    水やり シトロネラは乾燥を好む植物なので、水やりは土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。
    温度 霜に当たると枯れてしまうので、温度は10℃以上を保つようにします。
    肥料 肥料は控えめにし、春と秋に緩効性の肥料を与える程度にします。
    剪定 茎が伸びすぎると倒れやすくなるので、剪定は花がら摘みと形を整える目的で行います。早春に枯れた茎葉を切り戻し、開花期間中は萎れた花や枯れた花を切り取りましょう。

    シトロネラを剪定・切り戻しする方法と目的・時期

    シトロネラの剪定・切り戻しは、花がら摘みと形を整える目的で行います。

    目的 補足
    花がら摘み シトロネラは春から夏にかけて桃色の花を咲かせます。花がら摘みは、萎れた花や枯れた花を切り取ることで、次の花に栄養が回り持続的な開花を促します。また、枯れた花を残さないことで灰色カビ病などの病気を防ぎます。花がら摘みは開花期間中に随時行いましょう。
    形を整える切り戻し シトロネラは成長が早く、茎が伸びすぎると倒れやすくなります。形を整える切り戻しは、植物のバランスや風通しを良くするために、伸びた枝を途中で切って形を整えます。切った枝から新しい枝が出て、茎数が増えてふさふさとした草姿になります。形を整える切り戻しは早春と初夏に行いましょう。

     

    次に、シトロネラの剪定・切り戻しの方法とポイントを見ていきましょう。

    ポイント 補足
    剪定する道具 剪定ばさみや園芸用ばさみなどの刃物を用意します。刃物は必ず消毒しておきましょう。消毒しないと病気の原因になることがあります。
    剪定する位置 枝を切るときは、伸ばす芽を選んでから切ります。枝を切ると、切り口のすぐ下の芽が勢いよく成長し、芽が出ている向きに枝が伸びていきます。そのため、普通は外芽の上で切り、枝を木の外側に伸ばします
    剪定する角度 枝を切る角度は、斜めに切るか水平に切ります。斜めに切る場合は、斜度は約45度くらいにします。水平に切る場合は、水平面から少し上向きにします。どちらも雨水が溜まらないようにするのがポイントです。
    剪定する長さ 枝を切る長さは、残す部分の長さが10cm~15cmくらいになるようにします。残す部分が短すぎると栄養不足になったり、長すぎると倒れやすくなったりします。

    シトロネラの花の特徴・開花時期

    シトロネラの花は、夏から秋にかけて咲きます。

    花色は桃色で、水辺に生えるヨシの花に似ています。花序は茎頂に小花が数個集まって散形花序をつくります。個々の花は、花弁が5枚の5数花です。

    シトロネラの花は葉と同様に香りがありますが、葉ほど強くはありません。

    花を鑑賞するだけでなく、摘んでドライフラワーにしたり、ポプリやアロマテラピーに利用したりすることもできます。

    シトロネラの花は、葉と同じく蚊を寄せ付けない効果があると言われていますが、実際には効果は限定的です。蚊を忌避するには、葉を摘んで揉んだり、エッセンシャルオイルを使ったりする必要があります。

    シトロネラの夏越し・冬越しの方法

    シトロネラは、暖地では一年中屋外で育てることができますが、寒冷地では冬に霜に当たると枯れてしまう可能性があります。

    また、夏は長雨や高温多湿に弱く、根腐れや病気にかかりやすくなるため、適切に夏越し・冬越しするための対策が必要です。

     

    【夏越しする方法】

    シトロネラは、直射日光が好きな植物ですが、暑さの厳しい夏は午後の強い日差しから遮光してあげるようにします。

    長雨が続く場合は、雨の当たらない場所に移動させたり鉢の下に砂利や軽石を敷いて通気性を高めたりしましょう。

     

    【冬越しする方法】

    シトロネラは、耐寒性が低く霜に当たると枯れてしまうため、寒冷地では室内に取り込んで冬越しさせる必要があります。

    室内に移動させる前には、枯れた茎葉や花を切り戻して草姿を整えましょう。室内では、明るく温かい場所に置き、乾燥しないように適度に水やりをします。

    また、室内では虫が発生する可能性もあるので、定期的に葉の裏などをチェックしておきましょう。

    シトロネラの増やし方

    シトロネラはの増やし方として、

    1. 挿し木で増やす方法
    2. 株分けで増やす方法

    上記2つの方法があります。

    ここでは、それぞれの方法についてお伝えしていきます。

    挿し木で増やす方法と時期

    シトロネラは挿し木で簡単に増やすことができます。挿し木の方法は以下のとおりです。

    1. シトロネラの茎の先端から4~5節分を切り取る。
    2. 上部の3~4枚だけ葉を残して、残りの葉はすべて取り除く。
    3. 切り口を半日から一日ほど日陰で乾燥させる。
    4. 水はけの良い土に挿す。(土は、赤玉土と腐葉土を半々に混ぜたものがおすすめ)
    5. 日陰で保湿しながら根が出るまで待つ。
    6. 発根したら植え替える。

    手順3で乾燥させるとありますが、乾燥させることで切り口が傷んだりカビたりするのを防ぐことができるので、省略せずに行うようにしましょう。

    なお、根が出るまでには、約2~3週間かかりますが、それまでの間は土が乾いたら水やりをして管理します。

    株分けで増やす方法と時期

    シトロネラは、挿し木だけでなく株分けでも増やすことができますが、春か秋に行うようにします。

    株分けの方法は以下のとおりです。

    1. シトロネラの株を鉢から抜き取る。
    2. 根が絡まっている場合は水に浸してほぐす。
    3. 根と茎がつながっている部分を切り離す。
    4. 切り口を半日から一日ほど日陰で乾燥させる。
    5. 水はけの良い土に植る。
    6. 日陰で保湿しながら根付くまで待つ。

    手順3で切り離すときは、茎に2~3枚の葉と、根に2~3本の根が残るようのがポイントです。

    なお、株分けも挿し木と同様に、根付くまでには約2~3週間かかるので、その間は土が乾いたら水やりをして管理します。

    シトロネラの収穫時期と方法

    シトロネラは、レモングラスに似た香りのするハーブです。

    シトロネラの収穫時期は、植え付けから約6か月後、茎が太くなって葉が茂ったときです。

    収穫方法は、茎の根元から切り取るか抜き取るかのどちらでも構いません。切り取った場合は、根元から新しい芽が出て再び成長します。

    抜き取った場合は、根を残して水に浸けておくと、根が伸びて挿し木にすることができます。

    収穫したシトロネラは、虫除けや芳香剤として利用できます。

    シトロネラの効能と虫除け効果についてはこちらのページで詳しくご紹介しています。

    [surfing_other_article id=”1812″]

    シトロネラの育て方に関するQ&A

    ここでは、シトロネラの育て方に関するQ&A(質問&回答)を紹介します。

    シトロネラとレモングラスの違いは何?
    シトロネラとセンテッドゼラニウムを配合したハーブは何?

    上記の問いについて詳しく回答していますので、参考にしてみてくださいね。

    シトロネラとレモングラスの違いは何?

    シトロネラとレモングラスは、どちらもイネ科オガルカヤ属の植物でレモンのような香りに共通点があります が、見た目や用途には違いがあります。

    シトロネラとレモングラスの違いを以下にまとめます。

    見た目 用途
    シトロネラ 幅広い葉で深い緑色で、根元の仮根が赤っぽい色をしている 主に精油として利用される。
    レモングラス 細長くて色は薄緑色で、根元が緑色をしている 主に食用として利用される。

     

    シトロネラとセンテッドゼラニウムを交配したハーブは何?

    シトロネラとセンテッドゼラニウムを交配したハーブは、蚊連草(カレンソウ)と呼ばれる植物です。

    蚊連草は、葉を触るとさわやかな柑橘レモン系の香りを放ちます。この香りには、蚊が嫌うとされるシトロネラールという成分が含まれています。

    そのため、蚊連草は蚊除け効果があるとして人気のあるハーブです。

    蚊よけハーブ「蚊連草(カレンソウ)」の育て方|冬越しや増えすぎを防ぐ方法も

     

    まとめ:シトロネラの育て方のポイント

    シトロネラは、虫除けや芳香剤として使えるハーブです。自宅で育てることも可能で、冬越しなどに注意すれば、鉢植えやプランターでも育ちます。

    育て方のポイントとしては、水はけの良い土に植え、日当たりの良い場所に置きましょう。水やりは土が乾いたらたっぷりと行い、茎が伸びすぎたら刈り込みます。

    寒さに弱い植物なので温暖地以外は屋内に取り込んで冬越しするようにしましょう。

    収穫した茎や葉は、乾燥させて保存することができます。シトロネラの爽やかな香りを楽しみながら、虫除け効果も得られるので、一石二鳥です。

    この記事がシトロネラ栽培の参考になれば嬉しいです。

  • ホワイトセージの育て方が難しい4つの理由と庭に植えてはいけない説

    ホワイトセージの育て方が難しい4つの理由と庭に植えてはいけない説

    ホワイトセージはカリフォルニアホワイトセージとも呼ばれ、アメリカ南部やメキシコを原産とする常緑低木です。

    日本ではあまり馴染みのない植物ということもあって、ホワイトセージを育てるのは難しいのかなと不安に感じる方も多いかもしれませんが、ホワイトセージは基本的な栽培方法を行えば難しいことはないのでぜひ挑戦して欲しいと思います。

    また、「ホワイトセージを庭に植えてはいけない」と言われることがありますが、庭に植えるとどういった問題があるのかと気になる方も多いでしょう。

    この記事では、ホワイトセージの特徴や育て方のコツ、庭に植える際の注意点などを詳しく解説します。ホワイトセージを自宅で楽しみたい方はぜひ参考にしてください。

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    ホワイトセージの育て方は難しいと言われる4つの理由

    鉢植えで育てているホワイトセージ

    ホワイトセージの育て方は難しいと言われることがありますが、その理由以下の4つです。

    1. 発芽率が低いため
    2. 湿度の高い環境に弱いため
    3. 冬の寒さにも弱いため
    4. 病気にかかりやすいため

    これらの理由を詳しくお伝えしてします。

    発芽率が低いため

    ホワイトセージの種は花が咲いた後に採取できますが、芽率が非常に低く、発芽するまでに時間がかかります。

    そのため、種から育てる場合は種をまく前に冷温処理を施したり、水に浸けたりする必要があります。 また、発芽後も成長が遅く、本葉が出るまでに数ヶ月かかることもあります。

    種からホワイトセージを育てる場合は、難易度は高めになることを知っておくと良いでしょう。

    湿度の高い環境に弱いため

    ホワイトセージは乾燥した土地で育つ植物なので、湿度の高い環境は苦手です。 梅雨や夏場は特に注意が必要で、水やりは土が完全に乾いてから行うようにしましょう。

    また、株が茂った時は剪定をして風通しをよくすることも大切です。 湿気が多いと、ネグサレセンチュウやアカダニなどの害虫や病気に侵されやすくなります。

    夏越しに失敗することもあることから、ホワイトセージを育てるのは難しいと感じる人は多いです。

    冬の寒さにも弱いため

    ホワイトセージの耐寒性は5℃までと言われているので、それほど弱くはなさそうに感じますが、幼い株は寒さで枯れてしまうことが多いです。

    育てる地域によっても対応が変わりますが、秋になったら室内に取り込んで管理したり、霜よけをしてあげましょう。

    病気にかかりやすいため

    ホワイトセージはうどんこ病にかかりやすいです。

    これに感染すると葉に白い粉状のカビが生じ、植物の成長に影響を及ぼします。

    また、新芽はアブラムシがつきやすいので、注意が必要です。

     

    以上が、ホワイトセージの育て方が難しいと言われる理由です。

    しかし、細心の注意が必要と言うほどではないので、栽培を諦めるほど難しいハーブとは言えません。ポイントを押さえて育てることで栽培は可能なので、挑戦してみていただきたいと思います。

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    ホワイトセージは庭に植えてはいけないのか

    ホワイトセージが庭に植えてはいけないと言われることがありますが、主な理由は、以下のようなものが考えられます。

    1. 根腐れや病気になりやすく育ちにくい
    2. 繁殖力が強い
    3. 香りが強すぎる

    以下に、各項目の詳細を記載します。

    1.根腐れや病気になりやすく育ちにくい

    日本の庭の土壌は酸性が強く、過湿になりやすい場合が多いので、ホワイトセージを庭に植えると、根腐れや病気になりやすく、育ちにくい可能性があります。

    2.繁殖力が強い

    ホワイトセージは繁殖力が強く、種子や根茎で広がります。そのため、庭に植えると他の植物の生育を妨げたり、隣の庭にも侵入したりする恐れがあります。

    3.香りが強すぎる

    ホワイトセージは香りが強く、虫除けや浄化に使われることがあります。しかし、香りが強すぎると、人間やペットにも刺激を与えたりアレルギーを引き起こしたりする可能性があります。

    以上の理由から、ホワイトセージは庭に植えるのではなく、鉢植えで管理する方が良いと言われています。

    ただし、土壌をホワイトセージの栽培に適した状態に換えることで、育てやすい環境にすることはできます。

    繁殖力や香りが心配な方は、まずは鉢植えやプランターで育ててみるのも良いでしょう。

    ホワイトセージの種まき時期と方法

    栽培カレンダー(ホワイトセージ)

    ホワイトセージの種まきは、3〜4月か、9〜10月が適期です。

    前述したとおりホワイトセージの発芽率は低いので、種まきの前に以下に挙げるような工夫をして発芽率を上げるようにすると良いです。

    1. 冷温処理
    2. 種を水に浸す

    冷温処理とは、種を低温で一定期間保管することで発芽を促す方法で、種をまく1ヶ月ほど前にビニール袋や密閉容器に入れて冷蔵庫で保管します。

    その後、種をまく24時間前に種を水に浸けておき、種の表面を柔らかくして発芽しやすくします。

    この2つの処理をしておくと発芽率を上げられるので、ぜひ試してみていただけたらと思います。

    それでは、次に種まきの方法をお伝えします。

    1. 育苗ポットにバーミキュライトや赤玉土(小粒)を入れる。
    2. 種が重ならないようにばらまく。
    3. 上から薄く土を被せる。
    4. 土が乾燥しないよう霧吹きで水を与えながら管理する。
    5. 1~2週間で芽が出る。
    6. 適度に間引きながら育てる。
    7. 本葉が3~6枚になったら鉢か地面に植え替える。

    以上が、ホワイトセージの種まき時期と方法です。

    種から育てる場合は、発芽までに時間がかかることや成長が遅いことを認識しておくと良いと思います。

    ホワイトセージ栽培に適した環境づくり

    種まきを終えたら栽培に適した環境づくりを始めましょう。

    ホワイトセージは、乾燥に強く水はけの良い場所を好むハーブなので、栽培するときには用土や水やり、肥料などに注意が必要です。

    以下に、ホワイトセージの栽培に適した環境をまとめます。

    用土づくり

    水はけの良い用土を作ります。赤玉土バーミキュライトなどの粒の大きい土を配合した用土がおすすめです。

    また、ハーブ栽培用の土でも十分に育てることができます。用土には、根の生育を良くする海藻成分や植物をしっかり育てるカルシウムを配合しておくと良いでしょう。

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    水やり

    ホワイトセージは乾燥に強いので、水のやり過ぎには要注意です。 鉢土が乾いてから2~3日経ってから水やりをしましょう。

    葉がしおれない程度に乾燥気味に管理する方が良く育ちます。

    反対に夏は水不足にならないように、水切れに注意が必要です。

    肥料

    ホワイトセージはやせ地でも栽培できるので追肥は不要です。生育期間中に規定倍率よりもさらに薄めた液肥を数回施す程度でかまいません。

    肥料は香りを豊かにする効果がありますが、与えすぎると葉が大きくなりすぎて香りが弱くなる原因になります。

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    ホワイトセージの地植えの時期と方法

    ホワイトセージは寒さや多湿に弱いため、日本では地植えより鉢植えで育てるほうが管理しやすい品種とされていますが、地植えで育てることは可能です。

    ホワイトセージの地植えの適期は、春(3月~5月)か、秋(10月~11月)で、春に植える場合は霜が降りなくなってから行います。 秋に植える場合は、冬に備えて根がしっかり張るように早めに行いましょう。

    地植えの具体的な方法は以下のとおりです。

    1. 日当たりと風通しのよい場所を選ぶ。
    2. 植え付ける2週間前に土を耕して苦土石灰を混ぜる。
    3. 植え付ける1週間前に堆肥を混ぜて寝かせておく。
    4. 鉢から苗を取り出し、根をほぐす。
    5. 株同士の間隔を20~30cmと十分空けて穴を掘る。
    6. 苗を穴に入れて土で固め、水やりをする。
    7. 水切れや乾燥に注意して管理する。

    以上が、ホワイトセージの地植えの時期と方法です。

    寒冷地では冬の寒さに耐えられない可能性があるので、霜よけやマルチングなどの対策は必須です。

    ホワイトセージを鉢植え・プランターで育てる方法

    ホワイトセージの栽培は、日本の環境では地植えより鉢植えやプランターで育てた方が管理しやすいですが、鉢植え等では根が狭くなり生育が悪くなることもあるので注意が必要です。

    鉢植えやプランターで育てる場合は、以下の点に注意してください。

    鉢やプランターの選び方

    ホワイトセージは根が深く伸びるため深さのある鉢やプランターを選びましょう。

    また、水はけのよい素材のものが望ましいです。一株あたりの鉢の大きさは、直径15~20cm程度が目安で、株同士の間隔は20~30cmと十分空けられるサイズが望ましいです。

    用土の選び方

    ホワイトセージは水はけと通気性のよい土を好みます 。市販のハーブ用培養土を使うか、自分で赤玉土と腐葉土、パーライトを6:3:1の割合で混ぜて作ると良いでしょう。

    また、酸性が強い土や過湿を嫌うので、苦土石灰や籾殻くん炭などを混ぜて中性~弱アルカリ性に調整が必要です。

    植え付けの方法

    • 鉢底に鉢底石や鉢底ネットなどを敷く。
    • 用土を半分ほど入れる。
    • 鉢から苗を取り出して根をほぐす。
    • 鉢の中央に苗を置き、周囲に用土を入れて固める。
    • 水やりをする。

    管理のポイント

    • 日当たりと風通しのよい場所に置く。
    • 水やりは土が乾いたら行う。(夏場は毎日、冬場は2~3日に一回程度が目安)
    • 肥料は生育期間中に月に一回程度、緩効性化成肥料や液体肥料(規定よりも倍以上薄めたもの)を与える 。
    • 冬場は霜よけやマルチングなどの対策を行う。
    • 花が終わった後か春先に剪定する。

    鉢植え・プランターで育てることのメリットは、移動や管理がしやすい点が挙げられます。

    寒さに弱いので、寒冷地では特に室内に取り込みやすい鉢植えやプランターでの栽培が便利です。

    ホワイトセージの植え替え時期と方法

    鉢植えやプランターで育てる場合は、定期的に植え替えをすることが必要です。植え替えをすることで、根詰まりや栄養不足を防ぎ健康な生育を促進します。

    また、植え替えの際には土の改良や剪定なども行うとより効果的です。

    ここでは、ホワイトセージの植え替え時期と方法について詳しくお伝えします。

    【植え替えの時期】

    ホワイトセージの植え替えの適期は4月~5月頃です。この時期は気温が高すぎず低すぎず新芽が出始める前であるため、株への負担が少なくなります。

    植え替えをすることで、新芽が出やすくなり夏に向けて元気に育ちます。

    【植え替えの方法】

    1. 植え替える前日に水やりをする。
    2. 鉢から苗を取り出し、古い土や枯れた根を取り除く。
    3. 新しい鉢に鉢底石や鉢底ネットなどを敷く。
    4. 水はけと通気性の良い用土を入れる。
    5. 鉢の中央に苗を置き、周囲に用土を入れて固める。
    6. 水やりをする。

    植え替え後は苗がダメージを受けているので、3日間ほど日陰で管理しましょう。その後は、上記の「鉢植え・プランターで育てる方法」で記載したのと同様の管理を行うようにします。

    ホワイトセージの室内での育て方

    ホワイトセージを室内で育てる場合は、以下の点に注意しましょう。

    ポイント 補足事項
    日光 ホワイトセージは日光を好む植物なので、日当たりのよい窓辺に置きます。ただし、直射日光が強すぎると葉が焼けてしまうことがあるので、カーテンなどで調節します。冬場は暖房器具の近くに置かないようにしましょう。
    水やり ホワイトセージは乾燥に強い植物ですが、室内では乾きやすいので土が乾いたらたっぷりと水やりをします。ただし、水やりの回数や量は季節や気温によって変わるので土の状態を見て判断します。過湿にならないように注意しましょう。
    肥料 ホワイトセージは肥料をあまり必要としない植物ですが、室内では栄養不足になりやすいので生育期間中に月に一回程度、液体肥料(規定よりも倍以上薄めたもの)を与えます。肥料は水やりの際に与えると効果的です。

    ホワイトセージを剪定(切り戻し・摘心)する方法と目的・時期

    剪定に適した時期

    剪定を行うのに良い月は、5月や9月です。

    5月は、春の開花が終わった後に、花がら摘みとともに切り戻しを行い、9月は、夏の暑さが和らいだ頃に、枝数を増やすために摘心を行うとよいでしょう。

    これらの剪定を行うことで、ホワイトセージは翌年も美しく咲いてくれます。

    剪定の目的と方法

    切り戻しと摘心の目的と方法は次のとおりです。

    剪定の種類 目的・方法
    切り戻し 伸びすぎた茎を短く切り詰めることで、姿形を整えたり風通しをよくしたりします。切り戻しの適期は梅雨や夏前で、枝を1/2ほどの長さに切ります。また、花がら摘みも兼ねて、花穂ごと茎を切ります。
    摘心 茎の先端の芽を摘むことで、脇芽を出させたり、開花を促したりします。摘心の適期は春か秋で、定植後にしっかり根づいたら行います。

    切り戻しの際は、切り口は斜めにして水分が溜まらないようにします。また、切り口から病気が入らないように消毒液で消毒してから行うのが望ましいです。

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    ホワイトセージの夏越しの方法

    ホワイトセージは日当たりと風通しの良い場所が好きで、乾燥には強いですが、湿気や寒さには弱いです。そのため、日本の気候に合わせて夏越しと冬越しの方法を工夫する必要があります。

    日本の夏は高温多湿でホワイトセージにとっては厳しい季節です。梅雨時期や真夏には以下のような対策をしましょう。

    注意点 補足事項
    水やりは控えめに 土の表面が乾いたら水やりをしますが、水切れにならない程度に控えめにします。(過湿になると根腐れや病気の原因になります)
    水やりは朝か夕方に行い、葉っぱや茎に水がかからないように注意します。
    風通しを良くする 湿気がこもらないように風通しの良い場所に置きます。屋外で育てる場合は、直射日光が当たりすぎない半日陰の場所に移動しましょう。屋内で育てる場合は、窓を開けて換気をします。
    消毒をする カイガラムシやアブラムシなどの害虫が発生する可能性がありますが、発生した場合は、薄めた酢やアルコールで拭いたり、ニームオイルや石鹸水で散布したりして消毒します。

    ホワイトセージの冬越しの方法

    冬は低温でホワイトセージにとっては厳しい季節です。成木でもマイナス5℃以下になると枯れてしまいますが、幼木はもっと弱くてマイナス3℃以下では耐えられません。

    そのため、寒さが厳しくなる前に以下のような対策をしましょう。

    注意点 補足事項
    鉢植えにする 地植えにしている場合は、鉢植えにして屋内や温室に移動します。鉢植えの場合は、鉢底から冷えるのを防ぐために鉢カバーをかけたり、ダンボールなどで底面を覆ったりします。
    暖かく明るい場所に置く 屋内で育てる場合は暖かく明るい場所に置きます。(南向きや西向きの窓際がおすすめです)
    ただし直射日光が当たりすぎると葉焼けすることがあるので注意しましょう。
    水やりは少なめに 土が乾燥したら水やりをしますが、水切れにならない程度に少なめにします。過湿になると根腐れや病気の原因になります。水やりは朝か昼間に行い、葉っぱや茎に水がかからないように注意します。

    以上が、ホワイトセージの夏越し・冬越しの方法です。

    ホワイトセージは夏越しと冬越しがうまくできれば、長いあいだ楽しめる植物です。鉢植えにしてなるべく過ごしやすい場所に移動させながら管理するのがおすすめです。

    ホワイトセージの増やし方

    ホワイトセージの増やし方として

    • 挿し木で増やす方法
    • 株分けで増やす方法

    上記2点について、実施に適した時期とあわせてお伝えしていきます。

    挿し木で増やす方法と時期

    挿し木の適期は、3月~5月の梅雨前か、9月~10月です。

    挿し木で増やす方法は以下のとおりです。

    1. 茎の先端を、10~15cmの長さに切り取る。
    2. 先端の葉っぱを2~3枚残し、他を切り落とす。
    3. 切り口を斜めにカットし、1~2時間水に浸ける。
    4. 湿らせたバーミキュライトか赤玉土(小粒)に挿す。
    5. 日陰で、土が乾かないよう水やりをする。
    6. 2~3週間で発根する。
    7. 十分に根が育ったら鉢や地面に植え替える。

    上記の手順で、ホワイトセージを挿し木で増やすことができます。

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    株分けで増やす方法と時期

    株分けの適期は、春の3月~5月か、10月~11月です。

    株分けで増やす方法は以下のとおりです。

    1. 大きく育った株を選ぶ。
    2. 根を傷つけないように丁寧に土から掘り起こす。
    3. 根を優しくほぐして手で簡単に分かれる部分で株分けする。
    4. 新しい用土に植え付けたら根付くまで水切れを起こさないように管理する。

    上記の手順で、ホワイトセージを挿し木で増やすことができます。

    ホワイトセージの収穫時期と方法

    ホワイトセージの収穫は4月~10月に行うことができますが、夏至の頃が一番いいとされています。この時期は、葉に有用成分がたっぷり含まれているため、薬の原料や生薬として利用する場合は昔からその時期に収穫していたそうです。

    また、開花前の葉は香りが強くなるので、お香や精油にする場合もこの時期がおすすめです。

    ただし、夏至の頃に収穫できなかった場合や葉の量が少なかった場合は、秋口にも収穫することができます。秋口に収穫した葉は、夏至の頃に比べて香りや成分が弱くなる可能性がありますが、それでも十分に空間を浄化する効果があります。

    ホワイトセージの収穫方法は以下のとおりです。

    No. 手順 補足
    枝を切り取る 枝の先端を10cmから15cmほど切り取る。切り口は斜めにカットすると水分吸収が良くなります。
    葉を落とす 切り取った枝の上から2枚から3枚の葉を残して、他の葉は全て切り落とす。(残った葉が大きければ半分にカットする)
    葉が多すぎると水分が蒸発して乾燥しやすくなります。
    乾燥させる 切り取った枝を新聞紙やキッチンペーパーなどに敷いて日陰で乾燥させる。(1週間から2週間程度でパリパリになって使えるようになります)
    乾燥中はカビや虫食いに注意が必要なので、乾燥させる場所は風通しの良い場所がおすすめです。

    以上が、ホワイトセージの収穫時期と方法です。

    自分で育てたホワイトセージを収穫して乾燥させれば、いつでも空間を浄化するお香や精油を作ることができます。

    ホワイトセージの花が咲く時期と花言葉

    ホワイトセージは6月~8月頃に開花時期を迎えます。

    ホワイトセージの花は白から淡いラベンダー色をしており、オシベが上に飛び出し、めしべはなぜか右下あるいは左下に出ているというユニークな形をしています。

    花は長さ3~4cm程度、シソ科特有のリップ状の特徴的な形状をしていて、すっと伸びた茎に縦に連なるように10輪前後の花を咲かせます。

    ホワイトセージの花言葉は、「清浄」「神聖」「健康」などです。 ホワイトセージは古くから宗教儀式や民間療法に用いられてきた植物であり、その香りやパワーによって空間や心身を浄化すると信じられてきました。

    そのため、花言葉も清浄や神聖といった意味が込められています。 健康という花言葉は、ホワイトセージが免疫力を高める効果があるとされていることから来ています。

    ホワイトセージの花が咲かない原因と対処法

    まず前提として、ホワイトセージは1年目は花が咲かないので、1年目の株については翌年に花を咲かせるのを楽しみ育てていきましょう。

    2年目以降の株で花が咲かない原因としては、一言で表現すればホワイトセージに適した環境で育てていないということになります。

    多くは、日光の量と水やり、肥料が適切でないことが挙げられます。

    まずはこの3点について確認してみると、株が元気になって花を咲かせるようになる可能性は高まります。

    ホワイトセージを復活させる方法

    庭に植えてはいけないと言われるほど繁殖力が強いホワイトセージですが、根腐れや病気になりやすい特徴があります。

    株が弱ってくると葉に赤みが帯びてくるので、早めの対処が必要です。

    また、枯れてしまったホワイトセージも復活させられる可能性もあるので、ここでは弱ったり枯れてしまった時にやっておきたい復活のための対処法についてお伝えします。

    葉が赤くなって弱ったホワイトセージを復活させる方法

    葉が赤くなったホワイトセージ
    弱って赤くなったホワイトセージ

    ホワイトセージが赤くなる原因は様々ですが、日光の量と水やり、肥料が適切でないことのほかに、用土の酸度が適切でない可能性もあります。

    ホワイトセージを植え替えた後に葉が赤くなった場合は、まずは用土の酸度や水はけ具合を確認すると良いでしょう。

    植え替えをしていないのに赤くなってしまった場合は、基本的な栽培条件(日光の量と水やり、肥料)を改めて確認して最適化することで正常化して赤みもなくなっていくはずです。

    枯れたホワイトセージを復活させる方法

    枯れたホワイトセージを復活させるために必要なことは、まずは株全体の観察です。

    一見すると枯れているように見える状態でも、生きている部分が見つかる可能性はあります。

    生きている部分が見つかったらすべきことは、たっぷり水をあげて日当たりと風通しの良い暖かい場所に置いて様子を見ます。(暑い夏の時期であれば半日蔭に置きます)

    なお、水やりのしすぎで枯れてしまったことが疑われる場合は、当然ながら水やりは行いません。

    1ヶ月弱ほどで生きている部分が成長してくるので、成長していない枯れてしまった部分を取り除きます。(先端の葉っぱだけが枯れている場合は枯れている部分だけをカット、枝の全ての葉が枯れている場合は枝ごとカットするようにします)

    見える部分が全て枯れている場合は、根を確認してみましょう。水を与え過ぎて枯れてしまった場合など、根腐れしている可能性があるので、根っこを流水で洗い流すようにします。

    根腐れの原因は大量の雑菌なので、根っこをしっかりと洗った後は新しい鉢と用土に植え替えます。(鉢は良く洗った後に2~3日天日干しをしたり、しっかりと消毒することで同じものを使えます)

    植え替え後は日陰に置いて元気が戻るか様子を見るようにします。

    ホワイトセージの育て方に関するQ&A

    ここでは、ホワイトセージの育て方に関するQ&A(質問&回答)を紹介します。

    • ホワイトセージの苗はホームセンターに売っているのか?
    • ホワイトセージがしおれる・枯れる原因は?
    • ホワイトセージが木質化してきたらどうするべき?

    上記の問いについて詳しく回答していますので、参考にしてみてくださいね。

    ホワイトセージの苗はホームセンターに売っているのか?

    ホームセンターでは様々な種類のハーブ苗が取り扱われており、中にはホワイトセージの苗も売っていることがあります。

    例えば、カインズやコメリなどの大型のホームセンターでは、ホワイトセージの苗を見つけたという人もいます。

    [surfing_other_article id=”1081″]

    しかし、ホームセンターによっては取り扱っていない場合もありますし、店舗によっても在庫状況が異なるため、事前に電話やインターネットで確認することをおすすめします。

    ホームセンターでの購入時には以下の点に注意して苗を選ぶと良いでしょう。

    注意点 補足事項
    茎を見る ホワイトセージは白味がかった茎が特徴ですが、茎が細くて弱々しいものや黒ずんでいるものは避けましょう。茎が太くてしっかりしているものや白くて健康そうなものを選ぶと良いです。
    葉を見る ホワイトセージは葉が白っぽくて毛深いですが、葉が黄色くなっていたり枯れていたりするものは避けましょう。葉が緑色でふっくらしているものや白くてふわふわしているものを選ぶと良いです。
    根を見る ホワイトセージは根張りが良くて乾燥に強いですが、根が腐っていたり詰まっていたりするものは避けましょう。根が白くて健康そうなものや鉢からあふれ出していないものを選ぶと良いです。

    また、ホワイトセージの苗はホームセンターよりも通販で購入する方が確実なので、こちらをチェックしてみても良いでしょう。

    ホワイトセージがしおれる・枯れる原因は?

    ホワイトセージがしおれたり枯れる原因はさまざまですが、多くの原因は寒さや水管理(水不足・水過多)がほとんどです。

    しおれてきたら、まずはこの2つの原因について対処するようにします。

    なお、根腐れや土の固まりなどでしおれて枯れそうになっている場合は、植え替えをすることで改善する可能性があります。

    植え替える際には、根を洗ってから植え替えをします。植え替えの手順については、「ホワイトセージの植え替えの時期と方法」をご参照ください。

    ホワイトセージが木質化してきたらどうするべき?

    ホワイトセージが木質化する原因は主に剪定不足と老化にあります。その剪定不足も、摘心不足 と切り戻し不足の両方があります。

    ホワイトセージは多年草ですが、成長すると株元から木質化していくので定期的に剪定して枝の更新をすると良いです。

    木質化した枝を根元から切り落とすようにします。

    ホワイトセージが大きくならない理由は?

    ホワイトセージが大きくならない理由は、栽培条件が適切ではないことが挙げられます。

    具体的には、日当たり、水やり、肥料やり、土壌の環境ですが、どれかが適していないか複数の条件が適していない可能性があるので全てを確認してみる必要があります。

    注意点としては、大きくならないからと水や肥料を与え過ぎないようにしましょう。与え過ぎが大きくならない原因にもなりますし、枯れてしまう可能性もあるのでご注意ください。

    まとめ:ホワイトセージを育てる難しさと栽培のポイント

    ホワイトセージはアメリカ原産のハーブで、芳香があり浄化や癒しの効果があると言われています。

    日本では気候や土壌が異なるため育て方には注意が必要で、ホワイトセージの育て方は難しいという声もありますが、注意点を抑えればそれほど心配するほどではありません。

    ホワイトセージは乾燥を好むこと、冬は霜や雪に弱いので鉢植えにして室内に取り込むなど、保温対策をすることが必要です。

    庭に植える場合は、根詰まりや根腐れを防ぐために、排水性の良い土や砂利を混ぜて土壌を改良することがおすすめです。また、近隣の人やペットに迷惑をかけないように、花粉や香りに注意することも大切です。

    ホワイトセージは育て方さえ押さえれば、美しい花や香りを楽しむことができます。ぜひ挑戦してみていただけたらと思います。

    なお、ホワイトセージの使い方についてはこちらをご覧ください。

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  • ハーブの水耕栽培のやり方!100均グッズでの栽培キット・容器の自作方法も

    ハーブの水耕栽培のやり方!100均グッズでの栽培キット・容器の自作方法も

    水耕栽培とは、土を使わずに水や栄養液だけで植物を育てる方法です。

    ハーブは水耕栽培に適しており、摘みたてで香りの高い状態でハーブを楽しむことができる水耕栽培は、ハーブの魅力をさらに得られる栽培方法と言えます。

    水耕栽培は市販のキットを使う方法もありますが、100均グッズを使って自作することも可能です。

    この記事では、お好みの容器でオシャレにハーブを楽しむためにも、ハーブの水耕栽培の基本的な手順と、100均グッズでの栽培キットの自作方法を紹介しています。

    ハーブを室内で水耕栽培する方法

    ハーブは、料理やお茶に使えるだけでなく香りや見た目も楽しめる植物なので、室内にあると重宝する植物です。

    室内で栽培する場合は水耕栽培が便利ですが、主に以下のようなメリットがあります。

    • 病気や害虫の心配が少ない
    • 水やりや手入れが簡単
    • 室内でもスペースを取らずに育てられる
    • 水の中で根が発達し、生育が早い

    こうしたメリットはありますが、一番嬉しいのは「簡単に栽培できること」が挙げられます。

    ここからは、ハーブを室内で水耕栽培する方法についてご紹介していきますが、まずはハーブの水耕栽培を始めるにあたって以下の道具を揃えることから始めましょう。

    • 種まき用の容器(イチゴパックやかご付きタッパーなど)
    • スポンジ(種まき用の培地として)
    • 苗用の容器(ペットボトルやガラス瓶でも代用可能)
    • ハイドロボールやフェルト(苗用の培地)
    • 液体肥料(市販のものか家庭にあるもので代用可能)
    • アルミホイル(容器を光から遮るため)
    • LEDライト(日当りが悪い場所に置く場合)

    それでは次に、種まきと苗から育てる方法をご紹介します。

    水耕栽培には、種まきと苗から育てるのが一般的です。 育生時期は種類によって異なりますが、5~6月ごろがおすすめの時期といえます。

    大まかな水耕栽培の手順は以下のとおりです。

    1. スポンジに小さな穴をあけてタネや苗を入れる
    2. 容器の中にスポンジを入れる
    3. 容器に水と肥料を入れる
    4. LEDライトで照らす

    次からは、もう少し詳しく手順についてご紹介していきます。

    水耕栽培はスポンジに種まきするのが便利

    水耕栽培で種から育てる場合、種まき用の土にまいても良いですが、水をしみこませたスポンジに種をまくのが便利です。

    植物は「 水・温度・空気 」の 3つの条件 がそろうことで発芽しますが、水を含んだスポンジには培地としてこの3つの発芽条件を満たすことができます。

    実際に、水耕栽培用として販売されているスポンジもあり、切り込みやくぼみなど使いやすいように加工されています。ですが、食器洗い用のスポンジでも切り込みなどの簡単な加工で種まき用に使えるので、安く済ませることもできます。

    なお、小さな四角い形状に切られているメラミンスポンジは水耕栽培に向いていそうですが、メラミンスポンジは高密度であり空気を通しにくいため種まき用としては不適なので、ウレタン製のキッチンスポンジでハサミやカッターで切り込みが入れやすいものを選びましょう。

    種まき用のスポンジを用意したら、以下の手順で種まきをしましょう。

    1. スポンジを2.5~3cm程度の大きさで立体になるように切る
    2. スポンジの表面に十字の切れ込みを入れる
    3. 適度な深さのあるトレーにスポンジを入れる
    4. トレーの中に水道水を入れる
    5. スポンジを軽く押さえつけて吸水させる
    6. 種をピンセットなどでつまみ、スポンジの切れ込みの中心に置く
    7. 湿らせたトイレットペーパーを種の上に被せて保湿する
    8. 発芽するまで冷暗所に置く
    9. 発芽したら日当たりの良い場所に移動する

    注意点としては、部屋の温度や湿度が高過ぎるとカビが発生しやすくなるので、適度な換気 をして、温度や湿度が上がり過ぎないように気をつけましょう。

    ハーブの水耕栽培での水換えタイミングと方法

    ハーブを水耕栽培するとき、水の管理が重要です。

    水は植物の生命線ですが、汚れたり腐ったりすると植物の成長を妨げたり病気を引き起こしたりします。

    水耕栽培での水換えの頻度は、植物の種類や育て方、気温や湿度などによって異なりますが、一般的には以下のような目安があります。

    • 水耕栽培用の液体肥料を使っている場合:1週間に1回
    • 水だけで育てている場合:2~3日に1回
    • 水量が少ない場合:毎日

    ただし、これらはあくまで目安なので、水が濁ったりぬめったりしている場合は、すぐに取り替えましょう。

    また、夏場は水温が上がりやすく雑菌や藻類が繁殖しやすくなるので、こまめに取り替える必要があります。

    なお、水耕栽培での水換えの方法は、以下のように行います。

    1. 古い水を捨てる
    2. 容器を洗って汚れを落とす
    3. 新しい水を入れる(液体肥料を使っている場合は、指示通りに混ぜる)
    4. 植物を元に戻す(根を傷つけないように注意する)

    水換えはそれほど難しいことはありませんが、以下の点に留意しましょう。

    水換えの留意点 理由
    水は常温かぬるま湯にする 冷たい水や熱い水は植物にストレスを与える
    水は軟水か中硬水にする 硬水はカルシウムやマグネシウムが多く含まれており、植物に必要な鉄分や亜鉛などの吸収を妨げる
    水は市販の浄水器やミネラルウォーターを使う 塩素や重金属などが含まれていると植物に影響する
    水位は根が少し出るくらいにする 根が全部水に浸かってしまうと呼吸困難になる
    水換え後は植物の状態を観察する 葉や茎がしおれたり黄色くなっていたら早めに対処する

    ハーブの水耕栽培で肥料はいつから与えるべきか

    ハーブの水耕栽培で肥料を与えるタイミングは、植物の種類や状態によって異なりますが、一般的には以下のような目安があります。

    • 種から育てる場合:発芽後2週間程度から
    • 苗から育てる場合:植え付け後1週間程度から
    • 水挿し栽培の場合:根が出てきたら

    種から育てる場合は、発芽後2週間程度までは種子に含まれる栄養分で成長しますが、その後は外部から栄養分を与える必要があります。

    苗から育てる場合は、植え付け後1週間程度は植物が新しい環境に慣れるまで待ちます。 水挿し栽培の場合は、根が出てきたら植物が水分と栄養分を吸収できるようになります。

    ハーブの水耕栽培でおすすめの肥料

    ハーブの水耕栽培でおすすめの肥料は、液体肥料です。 液体肥料は、水に溶けやすく、植物がすぐに吸収できます。

    また、水耕栽培用に開発された液体肥料は、植物に必要な成分がバランスよく配合されており、水耕栽培に適しています。

    液体肥料には、「化成肥料」と「有機肥料」の2つタイプがありますが、水耕栽培では「化成肥料」を使います。

    「化成肥料」は人工的に作られた肥料で、「有機肥料」よりも腐りにくく、雑菌や藻類の繁殖を防ぎやすいです。

    また、「化成肥料」はカリウム成分が多く含まれており、植物の根を丈夫にする効果があります。

    液体肥料の中でも、特におすすめなのは以下の3つです。

    液体肥料の種類 特徴
    ハイポニカ 水耕栽培用に開発された2液式の液体肥料。A液とB液を混ぜて使う。長期間安定して必要な成分を与えられる。
    微粉ハイポネックス 速効性が高く、カリウムとカルシウムが豊富な粉末状の液体肥料。植物を丈夫にし、病気や乾燥に強くする。
    ベジタブルライフA 1本で野菜や草花に必要な成分を十分に与えられる液体肥料。混ぜあわせる手間がない。水耕栽培だけでなく土耕栽培でも使える。

    ハーブの水耕栽培で肥料を与える方法

    ハーブの水耕栽培で肥料を与える方法は、以下のように行います。

    1. 水と液体肥料を規定量混ぜる(製品ごとに異なるため注意)
    2. 水と液体肥料を入れた容器に植物を入れる
    3. 定期的に水と液体肥料を入れ替える(10日~14日ごと)

    ただし、これらはあくまで目安です。 水や液体肥料の量や頻度は、植物の種類や状態、気温や湿度などによって調整する必要があります。

    水が汚れたり減ったりした場合は、早めに取り替えましょう。

    また、夏場は水温が上がりやすく、雑菌や藻類が繁殖しやすくなるので、こまめに取り替える必要があります。

    肥料なしで水耕栽培できるハーブについて

    肥料なしで水耕栽培できるハーブは、以下のようなものがあります。

    ハーブの種類 特徴
    ミント 爽やかな香りと味が特徴のハーブです。お茶やデザートに使えます。消化促進やリラックス効果などの効能もあります。水挿しで簡単に増やせます。
    レモンバーム レモンのような香りがするハーブです。ティーやジャムに使えます。リラックス効果や抗菌・抗ウイルス効果などの効能もあります。水挿しで簡単に増やせます。
    クレソン 辛味と苦みが特徴のハーブです。サラダやスープに使えます。むくみ解消や整腸作用などの効能もあります。種から水耕栽培できます。
    チャービル 甘く爽やかな香りと味が特徴のハーブです。オムレツやケーキに使えます。解毒作用や消化促進などの効能もあります。種から水耕栽培できます。
    サラダバーネット キュウリのような香りと味が特徴のハーブです。ティーやサラダに使えます。炎症抑制作用や感染症予防などの効能もあります。種から水耕栽培できます。

    以上のハーブは、水だけでも十分に育ちますが液体肥料を与えるとより早く成長します。

    水耕栽培の肥料は家にあるものでも代用可能

    水耕栽培用の液体肥料は水耕栽培用に適した状態になっているので便利ですが、液体肥料は高価だったり、手に入りにくかったりすることもあります。

    ここでは、家にあるもので水耕栽培用の肥料として代用できるものをご紹介します。

    1. 米ぬか
    2. コーヒーかす
    3. 魚の内臓

    これらを用いた肥料の作り方は以下のとおりです。

    1.米ぬか

    米を洗った後の水に含まれる米ぬかは、窒素やカリウムなどの栄養が豊富です。 米ぬかを水に浸して発酵させた液体を肥料として使います。

    作り方は、米ぬか1kgに水10Lを加えて混ぜ、ビニール袋やペットボトルなどに入れて暗所で保管します。 週に1回程度混ぜて空気を入れておきます。

    約1ヶ月後から発酵が始まり、酸っぱい匂いがするようになります。 発酵が完了したら、濾して液体部分を取り出し、冷暗所で保存します。

    使用時は、この液体を100倍~200倍に薄めて与えます。

    2.コーヒーかす

    コーヒーを淹れた後のかすには、窒素やリン酸などの栄養が含まれています。 コーヒーかすを水に浸して発酵させた液体を肥料として使います。

    作り方は、コーヒーかす1kgに水10Lを加えて混ぜ、ビニール袋やペットボトルなどに入れて暗所で保管します。

    週に1回程度混ぜて空気を入れておくと、約1ヶ月後から発酵が始まり、コーヒーの匂いがするようになります。

    発酵が完了したら、濾して液体部分を取り出し、冷暗所で保存します。 使用時は、この液体を100倍~200倍に薄めて与えます。

    3.魚の内臓

    魚を捌いた後の内臓や頭などには、窒素やカリウムなどの栄養が豊富です。 魚の内臓を砂糖と混ぜて発酵させた液体を肥料として使います。

    作り方は、魚の内臓や頭などを細かく刻み、砂糖と同量混ぜます。 ガラス瓶や陶器などの容器に入れて蓋をします。

    暗所で保管しながら週に1回程度混ぜて空気を入れていくと、 約2ヶ月後から発酵が始まり、甘酸っぱい匂いがするようになります。

    発酵が完了したら、濾して液体部分を取り出し、冷暗所で保存します。 使用時は、この液体を1000倍~2000倍に薄めて与えます。

    以上が、家にあるもので水耕栽培用の肥料として代用する方法ですが、正直なところデメリットの方が気になる人は多いでしょう。

    それでも代用してみたい!という方は以下の点にご注意のうえ、試してみてくださいね。

    【水耕栽培で代用肥料を使う際の注意点】

    代用肥料は有機物から作られるため、水が濁ったり腐ったりしやすくなります。 そのため、水や肥料の交換頻度を高める必要があります。

    代用肥料は栄養分のバランスが不安定であり、過剰や不足が起こりやすくなります。 そのため、植物の状態をよく観察し、必要に応じて調整する必要があります。

    代用肥料は雑菌や害虫の発生源となる可能性があります。 そのため、衛生的な管理と防除対策を行う必要があります。

    おすすめのハーブ水耕栽培キット3選

    水耕栽培は、水耕栽培キットを使うと簡単に育てられるだけでなく、お部屋のインテリアになるほどオシャレに栽培できます。

    様々な水耕栽培キットが販売されていますが、おすすめのキットを3つご紹介したいと思います。

    メーカー 機種名 主な特徴
    iDOO ID-IG301 LEDライト,ポンプ、オート運転機能の全てが揃っているのがこの機種。

    • 本体には、7つのポットがあり、ハーブやサラダなどの葉物野菜を栽培できます。
    • LEDライトは、植物の成長に合わせて3段階の高さ調節が可能
    • タイマー機能は、ライトの点灯と消灯を自動制御
    JustSmart GS1 Lite
    • スマートフォンアプリと連動して管理が簡単
    • LEDライトで一年中安定した環境を保てる
    • コンパクトでおしゃれなデザイン
    ZIRAIFEN 水耕栽培キット
    • スマートフォンアプリと連動して管理が簡単
    • LEDライトで一年中安定した環境を保てる
    • ランプシェードの高さが12から27cmまで調節できる
    • 4Lの大容量水槽で2~3週間の植物の成長をサポートできる

    ハーブの水耕栽培キットは自作も可能

    ハーブの水耕栽培キットは自作もできます。

    先ほどご紹介したようなオシャレなキットにするのは大変ですが、水耕栽培でハーブが育つ環境をつくることは可能です。

    栽培キットを自作する手順は以下のとおりです。

    1. ペットボトルの中央部分をカッターで切り取る。
    2. 飲み口の部分に水で湿らせた布を通す。
    3. 飲み口の部分にエアーキャップをつめて固定する。
    4. 布の下部を手で持ちながらスコップでハイドロボールを入れる。
    5. 表面から3cmほど布が出るように調節する。
    6. 種から育てる場合は種をまきます。
    7. 苗から育てる場合は苗の土を洗い落としてから植え付ける。
    8. 手順1で切り取ったペットボトルの下部に液体肥料を混ぜた水を入れる。(液体肥料は1,000倍に薄めます)
    9. ペットボトルの下部に苗が入っている方のペットボトルを乗せる。

    最後に水がきちんと布に届いているか確認しましょう。水は1週間に1度換えてください。

    キッチンハーブは水耕栽培が便利!

    キッチンハーブとは、料理に使えるハーブのことです。 バジルやパセリ、ミントなどが代表的ですが、他にもたくさんの種類があります。

    キッチンハーブを自宅で育てると、新鮮な葉をいつでも使えるだけでなく、香りや色も楽しめるのでキッチン周りもオシャレになりますね。

    植物を土で育てると害虫や汚れが気になることもありますが、水耕栽培害虫や病気が発生しにくいので、キッチン周りに置くことに抵抗感も感じません。

    使いたい時にサッと新鮮なハーブを収穫して使えると、料理のレベルも上がりますし作る楽しさも増えるのではないでしょうか。

    ハーブを水耕栽培する際の注意点

    土で育てるよりも手間が少なく、害虫や病気にも強いというメリットがある水耕栽培ですが、いくつか注意すべき点があります。

    ここでは、ハーブを水耕栽培する際の注意点について、

    1. 水やりの頻度と量
    2. 液体肥料の種類と量
    3. 光と温度
    4. 害虫や病気

    この4点についてお伝えします。

    水やりの頻度と量

    水耕栽培では、水やりの頻度と量が重要です。 水が少なすぎると根が乾燥して枯れてしまいますし、水が多すぎると根が腐ってしまいます。

    一般的には、水位が容器の2/3~3/4程度になるように水を入れると良いでしょう。

    水やりのタイミングは季節や気温によって異なりますが、夏場は毎日、冬場は2~3日に1回程度が目安です。

    水を入れるときは古い水を捨てて新しい水に入れ替えることが大切です。古い水は酸化して植物に悪影響を与える可能性があります。

    液体肥料の種類と量

    水耕栽培では、液体肥料を使って植物に必要な栄養素を与えます。 液体肥料は必ず「水耕栽培用」と書かれたものを使ってください。

    一般的な肥料では植物に必要な成分が不足したり過剰になったりする可能性があります。液体肥料の量は、製品によって異なりますので、必ず説明書を読んで正しく使ってください。

    多くの場合は、水1リットルあたり5~10ml程度の液体肥料を混ぜると良いでしょう。

    液体肥料は毎回新しい水に混ぜて与えるか、古い水を捨てて新しい液体肥料入りの水に入れ替えることが大切です。

    光と温度

    ハーブは光合成を行う植物ですので、光と温度は成長に大きく影響します。

    光は直射日光ではなく、明るい日陰や窓際などで管理すると良いでしょう。

    温度は15~25℃程度が適しています。 夏場は冷房や扇風機で涼しく保ち、冬場は暖房やヒーターで暖かく保つことが大切です。

    病害虫

    水耕栽培では土を使わないため害虫や病気にかかりにくいというメリットがありますが、完全に防ぐことはできませんので、定期的に葉や茎の状態をチェックしてください。

    もし害虫や病気の症状が見られたら、早めに対処することが大切です。

    主な病害虫の対処法は以下のとおりです。

    病害虫 症状と対処法
    アブラムシ 葉裏や茎に小さな虫が付いている場合はアブラムシの可能性が高いです。 アブラムシは殺虫剤やアルコールスプレーで駆除するか、手で取り除くことができます。
    カイガラムシ 茎や葉に茶色や黒色のカサついた塊が付いている場合はカイガラムシの可能性が高いです。 カイガラムシは殺虫剤やアルコールスプレーで駆除するか、爪楊枝や歯ブラシなどでこすり落とすことができます。
    ハダニ 葉裏や茎に白っぽい粉状のものや細かい網目状のものが付いている場合はハダニの可能性が高いです。 ハダニは殺虫剤やアルコールスプレーで駆除するか、水洗いして取り除くことができます。
    黒星病 葉に黒色や茶色の斑点が出現する場合は黒星病の可能性が高いです。 黒星病は殺菌剤やアルコールスプレーで予防・治療するか、病気にかかった部分を切り取って処分することができます。
    炭素病 葉や茎に黒色や灰色の粉状のものが付着する場合は炭素病の可能性が高いです。 炭素病は殺菌剤やアルコールスプレーで予防・治療するか、病気にかかった部分を切り取って処分することができます。

    ハーブをおしゃれに水耕栽培するコツ

    ハーブを水耕栽培する目的は、使いたい時にすぐに収穫できる利便性や、病害虫の被害が少ない点がありますが、インテリアとしても使える側面があります。

    ここでは、ハーブをおしゃれに水耕栽培するコツをご紹介します。 以下の3つのポイントに気を付けるとハーブの水耕栽培をオシャレに楽しめるようになりますよ。

    【容器の選び方】

    ハーブの水耕栽培に使う容器は、市販のキットやペットボトルなどでも構いませんが、もっとおしゃれにしたいなら、ガラスや陶器などの素材感のあるものを選ぶと良いでしょう 。

    また、容器の形や色も工夫してみましょう。 例えば、丸い容器や透明な容器は、水中の根が見えて涼しげな印象になります 。

    逆に、四角い容器や色付きの容器は、水中の根が隠れてシンプルでスタイリッシュな印象になります 。

    さらに、容器に模様や文字を書いたり、シールやリボンを貼ったりして、オリジナリティを出すこともできます 。

    【水の色や香り】

    ハーブの水耕栽培に使う水は、無色透明で無臭ですが、それだと少し物足りないという場合は、水に色や香りを付けるという方法があります 。

    水に色を付けるには、食用色素やインクなどを少量加えるだけで簡単です 。水に香りを付けるには、エッセンシャルオイルやアロマオイルなどを数滴加えるだけで簡単です 。

    ただし、色や香りを付ける場合は、植物に影響がないか確認してください 。 もし植物の成長が悪くなったり、葉が黄色くなったりしたら、すぐに元の水に戻すようにします。

    【飾り方や組み合わせ】

    ハーブの水耕栽培は、一つ一つの容器で育てることもできますが、複数の容器を組み合わせて飾ることもできます。

    例えば、同じ種類のハーブを色違いの容器に入れて並べたり、違う種類のハーブを同じ色の容器に入れて並べたりすると、統一感が出ておしゃれです。

    また、木製や金属製のトレイやバスケットなどに入れて飾ったり、壁掛けや吊るし下げ式の容器を使って飾ったりすると、空間を有効活用できます。

    さらに、ハーブ以外の植物や小物と一緒に飾ることで、雰囲気を変えることもできます。

    ハーブの水耕栽培に便利な容器・植木鉢

    ハーブの水耕栽培には様々な種類の容器・植木鉢が使えます。 しかし、ハーブの種類や育て方によって、適した植木鉢も異なります。

    水耕栽培用として販売されている植木鉢は、水やりや肥料の管理が簡単で便利です。

    水耕栽培用の植木鉢には、水位を示す目盛りや水を入れる口が付いているものが多く、水やりのタイミングがわかりやすくなっています。

    また、液体肥料を混ぜた水を入れるだけで栄養分が均一に供給されるため、肥料の調整も楽です。 水耕栽培用の植木鉢は、ホームセンターやネットショップなどで購入が可能です。

    専用の植木鉢を使わずに他の容器で代用する際には以下の条件を満たす容器を使うようにしましょう。

    条件 主な理由
    水位が調整しやすい 水耕栽培では、植物の成長に合わせて水位を上げたり下げたりする必要があります。 水位が高すぎると根腐れしやすく、低すぎると乾燥しやすいです。 そのため、水位が調整しやすい容器が望ましいです。
    透明度が低い 水耕栽培では、水中に溶けた液体肥料を植物が吸収します。 しかし、透明度が高い容器では、光が当たると藻類が発生しやすくなります。 藻類は液体肥料を消費し、植物の成長を妨げます。 そのため、透明度が低い容器が望ましいです。
    洗いやすい 水耕栽培では、水や液体肥料を定期的に取り替える必要があります。 その際に、容器を洗うことも重要です。 容器が汚れていると、雑菌やカビなどが発生しやすくなります。 そのため、洗いやすい容器が望ましいです。

    ペットボトルで手作りするのもおすすめ

    水耕栽培用の鉢は、ペットボトルを使って手作りすることもできます。 ペットボトルは安価で手に入りやすく、サイズや形も自由に選べるメリットがあります。

    ペットボトルで水耕栽培する方法は以下の通りです。

    1. ペットボトルの上から1/3ほどのところをカッターで切り取る
    2. 飲み口を逆さにして底側に被せる
    3. ペットボトルの周りにアルミホイルを巻く
    4. 液体肥料を混ぜた水を底側に2/3~3/4ほど注ぐ
    5. フェルトや紐などを飲み口からペットボトルの底に付くくらいまで垂らす
    6. 飲み口に栓をするように、スポンジやハイドロボールなどの培地と苗を植え付ける

    ペットボトルだとわざわざ購入しなくても家にあるという人は多いですし、簡単に代用できるのでオススメです。

    花瓶や水差しでも代用可能

    水耕栽培用の鉢は、花瓶や水差しでも代用することができます。

    ただし、透明な容器は光が当たると藻が発生しやすくなるため、容器の外側にアルミホイルなどを巻いて暗くする必要があります。

    花瓶や水差しで水耕栽培する方法は以下のとおりです。

    液体肥料を混ぜた水を花瓶や水差しに入れる
    根元から土を洗い落とした苗を入れる
    容器の外側にアルミホイルなどを巻く

    水耕栽培用の植木鉢の注意点

    水耕栽培用の植木鉢は便利ですが、注意点もあります。 まず、容器内部が暗く湿った環境になるため、カビや腐敗菌が発生しやすくなります。

    定期的に水を取り替えたり、消毒液などで清掃したりする必要があります。

    また、容器内部では空気が循環しないため、根が呼吸困難に陥る可能性もあるため、根が完全に水に浸かってしまわないように注意しましょう。

    さらに、容器内部では温度変化が大きくなりやすいため、夏場は高温障害、冬場は低温障害に注意しなければなりません。

    ハーブはハイドロボールでも水耕栽培できる

    ハーブは、土を使わずにハイドロボール(ハイドロカルチャー)と水と液体肥料だけでハーブを育てることができます。

    ハイドロボールとは、人工的に作られた粘土の球で、水や空気を保持する性質があります。

    ハイドロボールにハーブの苗や種を植えて、水耕栽培用の容器に入れて管理することで、屋内で簡単にハーブを栽培することができます。

    ハイドロボールは土よりも清潔で虫が寄りにくく、水やりも簡単です。また、色や形を選べるのでインテリアとしても楽しるメリットがあります。

    園芸店やホームセンターには様々なハイドロボールが販売されていますが、100均でもダイソーで購入できます。

    ダイソーのハイドロボールは発泡煉石という素材でできており、多孔質で通気性に優れているほか、高温で処理されているため雑菌や悪臭がありません。

    ハーブの水耕栽培を100円グッズで始めてみました

    ハーブの水耕栽培は100円ショップで揃えることができます。

    今回は、私が実際に100円グッズでハーブの水耕栽培を始めたときの様子をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

    (ただいま写真を用意しています)

    100円均一グッズだけで、種まきから栽培キット・容器作りまでできちゃいますので、参考にしてみてくださいね。

    水耕栽培向けの種まきを100均グッズだけでする方法

    まずは、水耕栽培向けの種まきを100均グッズだけでする方法をお伝えします。

    以下の4つのステップに沿って進めていきましょう。

    水耕栽培向けの種まきに必要なものは以下の通りです。

    • 水耕栽培用の種(ダイソー)
    • イチゴパック(自宅)
    • スポンジ(ダイソー)
    • 水(自宅)
    • ハサミ(自宅)

    以上で合計200円です。 安いですよね。

    それでは早速、種まきの準備を始めましょう。

    【種まきの準備】

    1. イチゴパックの底に穴を空ける
    2. スポンジをカットしてイチゴパックにぴったり入るようにする
    3. スポンジに水を含ませてしっとりさせる
    4. スポンジに切れ込みを入れて種が入るくらいの隙間を作る

    以上で準備完了です。 簡単ですよね。

    準備が整ったら、種まきをしていきます。種まきの方法は以下のとおりです。

    1. スポンジに切れ込みを入れた部分に種を1粒ずつ入れる
    2. 種が重ならないように注意する
    3. 受け皿に水を溜めておく
    4. 水が入った受け皿の上にイチゴパックを置く
    5. 明るく風通しの良い場所に置く
    6. 毎日水を取り替える
    7. 直射日光は避ける
    8. 発芽したら日光が当たるようにする
    9. 本葉が2~3枚になったら、水耕栽培用の容器に移植する。

    以上が水耕栽培向けの種まきを100均アイテムだけでする方法です。 水耕栽培向けの種まきは、100均アイテムでも十分可能です。 ぜひ挑戦してみてくださいね。

    ダイソー・セリア・キャンドゥーで買えるハーブの種

    主な100均では、ダイソーとセリアでハーブの種が2袋で100円で販売されています。(キャンドゥーは野菜や花の種のみの販売)

    取り扱いがあるハーブの種の種類は以下のようなものがあります。

    【ダイソー】

    • バジル
    • パセリ
    • ローズマリー
    • タイム
    • ミント
    • パクチー
    • レモンバーム

    【セリア】

    • バジルとルッコラのセット
    • レモンバームとタイムのセット

    【キャンドゥー】

    取り扱いなし

    100均のバーミキュライトを使った種まきの方法

    100均のバーミキュライトを使って種まきをする際には、タッパー、バーミキュライト、種、水が必要です。

    種まきの方法は以下のとおりです。

    1. タッパーにバーミキュライトを入れる。
    2. バーミキュライトが湿るように水で濡らす。
    3. 種をまく。
    4. タッパーのふたを閉めて、日当たりの良い場所に置く。

    注意点は、発芽するまで乾燥させないことです。

    種は水に触れると発芽のスイッチが入りますが、水が無くなって乾燥してしまうと途中で枯れてしまいます。室内でも乾燥しやすいので要チェックです。

    根が出てきたら、水耕栽培のキットに植え付けるだけで育てることができます。

    ハーブ水耕栽培の土の代用におすすめの100均スポンジ

    ハーブを水耕栽培する際は、スポンジと使うのが便利です。

    100均のスポンジだと安価に用意できるのでおすすめです。

    水耕栽培用として販売されているスポンジは、切り込みやくぼみなどが入っているため使いやすくて便利です。

    また、抗菌作用があるものもあります。水耕栽培用のスポンジは、ホームセンターやネットショップなどで購入できますが、100均でも見つけることができます。

    そのほか、キッチンスポンジでも水耕栽培ができますが以下の点にご注意ください。

    • 厚さが5cm以上あるものを選ぶ
    • ネット付きのものは避ける
    • メラミンスポンジは使わない

    薄いスポンジだと水分が足りなくなりやすいです。ネット付きだとネットの部分が発芽を妨げたり、カビの原因になったりします。(ネットを外して中のウレタンスポンジだけを使うなら問題ありません)

    メラミンスポンジは空気を通しにくいので発芽しづらいので、種まき用としては適しません。

    100均グッズで作る!水耕栽培の自作おしゃれ容器

    100均のグッズの中で、水耕栽培にも代用できるおしゃれな容器をいくつかご紹介したいと思います。

     

    【ガラス製の保存容器】

    ガラス製の保存容器は、水位が調整しやすく洗いやすい容器です。

    100均でも多種多様な形やサイズのものが販売されているので、好みのデザインを選ぶ楽しさもありますね。

    ガラス製の保存容器は透明度が高いので、藻類の発生を防ぐためにアルミホイルや布などで覆っておくと良いです。

     

    【ホーロー風フタ付き容器】

    ホーロー風フタ付き容器は、セリアで販売されている人気の商品です。

    ホーロー風フタ付き容器は、水位が調整しやすく、洗いやすく、透明度も低い容器です。蓋に穴を開けて植物を固定することもできます。

    持ち手付きなので移動も楽という利点も大きいですね。

    ハーブの水耕栽培のやり方に関するQ&A

    ここでは、ハーブの水耕栽培のやり方に関するQ&A(質問&回答)を紹介します。

    • ハーブは水耕栽培だと室内で土なしで育てられるの?
    • 水耕栽培はなぜ根腐れしない?
    • 水耕栽培の深さはどれくらい必要?
    • 水耕栽培できるハーブの種類は?
    • ハーブの水耕栽培は挿し木でも育つ?
    • 100均グッズだけで水耕栽培で野菜や観葉植物も育てられる?

    上記の問いについて詳しく回答していますので、参考にしてみてくださいね。

    ハーブは水耕栽培だと室内で土なしで育てられるの?

    ハーブは水耕栽培すれば土なしで育てられます。

    室内の水耕栽培は土の汚れや虫の心配がないこと、外気温に左右されずに一年中ハーブを収穫できる点が大きなメリットです。

    摘みたてのハーブは香りや味が強いので、水耕栽培で使う直前に摘める状態にしておくとハーブの魅力を最大限に発揮させられます。

    水耕栽培はなぜ根腐れしない?

    水耕栽培では根が常に水に浸かっているので、根腐れしないのかと疑問に思うかもしれませんが、水耕栽培でも根腐れは起こり得ます。

    根腐れの大きな原因は、根の酸素不足です。

    植物は、葉から二酸化炭素を吸って光合成を行いますが、根からは酸素を吸って呼吸をしています。

    水耕栽培で根腐れを防ぐには、以下の点に注意する必要があります。

    根腐れの原因 根腐れの防止策
    水の量 根全体が水に浸かっていると酸素が不足するので、根の先端から半分くらいまでの量の水に浸けるように調整する。
    水の清潔さ 水が汚れると細菌やアオコ(藻)が繁殖し酸素を奪うため、水は毎日取り替えるかエアーポンプで酸素を送り込む。
    植物の大きさ 植物が大きくなると根から酸素や肥料を必要とするので、植物が育ち過ぎないように葉や茎をこまめに剪定して地上部を小さく保つ。

    水耕栽培の深さはどれくらい必要?

    水耕栽培の深さは植物の種類や栽培方法によって異なりますが、一般的には根の先端から半分くらいまでの量の水に浸けるのが適切です。

    水耕栽培では、根が酸素を吸って呼吸する必要があるので、水の量が多すぎると根が酸素不足になり、根腐れや植物の成長不良を引き起こす可能性があります。

    逆に水の量が少なすぎると根が乾燥してしまい、水分や養分の吸収が悪くなります。

    水量を確認しやすいように透明な容器を選びたくなりますが、透明な容器だと光が当たって藻類が発生しやすくなり、酸素や養分を奪ったり水質を悪化させる原因になるので注意が必要です。

    水耕栽培できるハーブの種類は?

    水耕栽培に適したハーブは、以下の16種類があります。

    1. バジル
    2. ミント
    3. ベルガモット
    4. ディル
    5. タイム
    6. ホワイトセージ
    7. ローズゼラニウム
    8. レモンバーム
    9. クレソン
    10. チャービル
    11. サラダバーネット
    12. センテッドゼラニウム
    13. ルッコラ(ロケット)
    14. イタリアンパセリ
    15. ローズマリー
    16. ラベンダー

    ハーブの水耕栽培は挿し木でも育つ?

    ハーブの水耕栽培は、挿し木でも育ちます。挿し木に適したハーブは、以下のような種類があります。

    • ローズマリー:木質化した茎を斜めに切り取って土や水に挿すだけで発根します。
    • ゼラニウム:柔らかい茎を切り取って土や水に挿すだけで発根します。
    • タイム:茎の先端を切り取って土や水に挿すだけで発根します。
    • ミント:茎の節から根が出やすいので水に挿すと発根します。
    • バジル:茎の節から根が出やすいので水に挿すと発根します。

    なお、挿し木で育てる場合は、以下の点に注意しましょう。

    • 挿し穂は、病気や害虫のついていない健康な茎を選ぶ。
    • 葉が水に浸かると腐るので、挿し穂の下方にある葉は取り除く。
    • 毎日水を取り替えて清潔に保つ。

    まとめ:ハーブの水耕栽培のやり方と100均グッズ活用法

    ハーブのいくつかの品種は水耕栽培に向いており、キッチンや窓辺などで簡単に楽しむことができます。

    市販のキットを使えばすぐに始められますが、自分の好みの容器を用いて栽培する楽しみもあります。

    全て100均グッズを使って自作することもできるので、気軽に作ってみることもできるでしょう。

    この記事では、ハーブの水耕栽培の基本的な手順と、100均グッズを使って栽培キットを自作する方法を紹介しました。

    ハーブの水耕栽培をして新鮮なハーブを楽しむための参考にしてもらえたら嬉しいです。

  • ヒソップ(ヤナギハッカ)の育て方|種まきや収穫方法・増やし方も

    ヒソップ(ヤナギハッカ)の育て方|種まきや収穫方法・増やし方も

    ヒソップ(学名:Hyssopus officinalis)は、別名・和名としてヤナギハッカとも呼ばれ、シソ科の多年草です。

    ヒソップは花が美しく、紫や青、白などの色の花を楽しめるほか、香りが良く虫除けや消臭にも効果があります。

    ハーブティーとしても栄養価が高く、風邪や咳などにも効くと言われているほど有用なハーブなので、自宅でも育ててみたいという方はきっと多いでしょう。

    この記事では、ヒソップの育て方の基本から収穫方法・増やし方など、活用するための方法をご紹介しています。

    参考にして、ヒソップ栽培を楽しんでみてくださいね。

    ヒソップの種まき時期と方法

    ヒソップは、春から夏にかけて種まきするのが一般的です。

    種は小さくて発芽率が低いので、多めにまくことがポイントです。ビート板や深さの浅い鉢に土を入れて蒔き、土はかぶせずに霧吹きや底面給水で水やりをしながら明るい場所で管理します。

    種まき用の土は、水はけが良くて肥沃なものを選びます。土に種をまいたら、軽く土で覆って水を与えます。

    2週間ほどすると発芽するので、本葉が2~3枚になったら間引きします。

    間引いた苗は、別の鉢に植え替えることもできます。

    ヒソップ栽培に適した環境(用土づくり・水やりと肥料の与え方)

    ヒソップは、日当たりがよく風通しのよい場所を好みます。

    水はけのよい土を好みますが、あまり土質には神経質にならなくても大丈夫です。ただし、酸性の土を嫌うので、苦土石灰を混ぜて土のpHを中和するとよいでしょう。

    ヒソップは丈夫なハーブですが、過湿や蒸れに弱いので、水やりは控えめにしましょう。

    肥料も控えめにすると香りがよくなります。植え付け時に元肥として堆肥を混ぜておき、生育期間中は液肥を週に一回程度与える程度で十分です。

    ヒソップの地植えの時期と方法

    ヒソップが発芽して本葉が6枚から7枚になった頃、庭に定植する適期です。

    定植する場所は日当たりがよく、風通しのよい場所を選びます。

    ヒソップは水はけがよいアルカリ土壌を好むので、植え付ける前に苦土石灰を土に混ぜ込んでおきます。(堆肥も混ぜ込んでおくと元肥として効果的です)

    ヒソップは株が大きくなるので、他の植物との間隔は30cmほどあけて植えつけますが、その際、少し盛り土をして植え付けると、水はけがよくなります。

    ヒソップを鉢植え・プランターで育てる方法

    ヒソップは鉢植えやプランターでも育てることができますが、日当たりがよく、水はけのよい場所に置くことが大切です。

    ヒソップは湿気に弱いので、鉢の底には鉢底石を敷いておきましょう。用土は市販のハーブ用や草花用の土を使うか、赤玉土6:腐葉土3:バーミキュライト1の割合で自分で作るとよいでしょう。

    鉢植えやプランターでヒソップを育てる場合、植え付け時期は4月から6月が適期です。苗を購入する場合は、花が咲いていなくて、葉が生き生きとしているものを選びましょう。

    根を傷めないように丁寧に植え付けて、株元をしっかりと押さえます。最初はたっぷりと水を与えてください。

    鉢植えやプランターでヒソップを育てる場合、水やりは土が乾いたらたっぷりと行います。

    肥料は5月から6月の間に液体肥料を1週間に1回程度与えるようにします。

    ヒソップの植え替え時期と方法

    ヒソップは鉢植えやプランターで育てる場合には、根が回ったら一回り大きな鉢に植え替えする必要があります。(地植えの場合は植え替えは必要ありません。)

    植え替えの時期は春先が適しており、植え替えをするときは以下の手順で行います。

    1. 植え替える前に、ヒソップにたっぷりと水を与えておく。
    2. 新しい鉢に鉢底石を敷き、用土(赤玉土6:腐葉土3:バーミキュライト1の割合で混ぜる)を入れる。
    3. 古い鉢からヒソップを抜き取る。
    4. 根の回りについている古い土を手で優しく払い落す。
    5. 新しい鉢にヒソップを入れる。
    6. 株元が鉢の縁から2cmほど下になるよう用土を詰める。
    7. 植え付けた後に、再びたっぷりと水を与える。
    8. 日当たりのよく、風通しの良い場所に置く。

    根を傷つけないように優しく行うよう注意しましょう。

    古い鉢から苗を取り出す際に根が鉢に張り付いていることがありますが、鉢を軽く叩いてから抜き取るようにするととれやすいです。

    根が絡まっている場合は、指で優しくほぐしてから植えつけるようにしましょう。

    ヒソップの花が咲く時期と香り・花言葉

    花 学名 英語

    ヒソップは夏(6月から9月)に、ピンク、青、紫、白など美しい花を咲かせます。

    花は穂状に咲きミントのような清涼感のある香りがします。香りは花が咲いている時期が一番強いと言われています。

    ヒソップの花言葉は「清潔」と「浄化」です。これは、ヒソップが古くから神聖な場所を清めるのに用いられていたことに由来します。また、ミントのような香りが気分をすっきりさせることも関係しているでしょう。ヒソップの英語の花言葉は「cleanliness(清潔)」と「sacrifice(犠牲)」です。

    なお、ヒソップは5月25日と9月10日の誕生花です。清潔感や浄化力を持つヒソップの花は、自分や周りをきれいにしたい人や、何かに打ち克つ人に贈ると良いでしょう。

    ヒソップの室内での育て方

    ヒソップは日当たりと風通しの良い場所を好みますが、室内でも育てることができます。

    室内でヒソップを育てる場合のポイントは以下のとおりです。

    ポイント 補足
    日当たりの良い窓辺に置く ヒソップは日光が不足すると、茎が伸びて弱くなります。室内で育てる場合は、南向きや西向きの窓辺に置き、1日6時間以上の直射日光を当てましょう。
    土が乾いたら水やりをする ヒソップは過湿に弱く、根腐れや病気の原因になります。水やりは土が乾いたらたっぷりと与えるようにします。夏は毎日、冬は2~3日に1回程度が目安です。
    肥料は控えめに与える ヒソップは肥料が多すぎると香りが弱くなります。肥料は液体肥料を薄めて月に1回程度与えるか、緩効性の化成肥料を春と秋に少量施す程度にしましょう。
    剪定や切り戻し ヒソップは放っておくと茎が伸びすぎて枝垂れたり、花付きが悪くなったりしますので、剪定や切り戻しをして株をコンパクトに保ちましょう。

     

    ヒソップを剪定・切り戻しする方法と目的・時期

    ヒソップを剪定・切り戻しする目的は、以下のとおりです。

    目的
    株の形を整える ヒソップは放っておくと茎が伸びて枝垂れたり、株が乱れたりします 。剪定で株の形を整えると、見た目が美しくなります。
    株の生長を抑える ヒソップは放っておくと茎が伸びすぎて弱くなります 。切り戻しで株の生長を抑えると株が丈夫になります。また、香りも強くなります。
    株の形を整える ヒソップは放っておくと茎が伸びて枝垂れたり、株が乱れたりします 。剪定で株の形を整えると、見た目が美しくなります。
    香りを強くする ヒソップは肥料が多すぎると香りが弱くなります 。剪定で株の生長を抑えると、香りが強くなります。

    ヒソップを剪定・切り戻しする方法は、以下のとおりです。

    時期・方法
    花が終わったら切り戻す ヒソップは初夏から夏にかけて花を咲かせます 。花が終わったら、株の半分~三分の一程度切り戻します 。切り戻す位置は、茎に葉がついている部分にしましょう。切り戻した後は水やりや肥料を控えめにしてください。
    秋に整形する ヒソップは秋にもう一度花を咲かせることがあります 。秋の花が終わったら、株の形を整えるために剪定しましょう。剪定する量は、株の大きさや形に応じて調整してください。剪定した後は水やりや肥料を控えめにしてください。
    冬に枯れ枝を取る ヒソップは常緑多年草ですが、寒さで枝や葉が枯れることがあります 。冬になったら、枯れた枝や葉を取り除きましょう 。これは病気や虫の予防にもなります。

     

    ヒソップの夏越し・冬越しの方法

    ヒソップは暑さにも寒さにも強く丈夫なハーブですが、過湿や蒸れには弱いです。夏越しと冬越しの方法は以下のとおりです。

    補足
    夏越し ヒソップは真夏の日照りにも耐えられますが、完全に水切れにすると枯れてしまうので、水やりは土が乾いたらたっぷりと与えるようにしましょう。
    冬越し ヒソップは耐寒性がありますが、寒冷地では地上部が枯れて休眠します。地植えの場合は、株元にマルチングをして防寒をすると安全です。鉢植えの場合は日当たりのよい軒下に置き、鉢を新聞紙やシートで覆うと良いでしょう。冬でも気温が暖かめの日にはたまに水やりをしておきます。

     

    ヒソップの増やし方

    ヒソップを増やす方法として、

    1. 挿し木で増やす方法
    2. 株分けで増やす方法

    上記2つの方法についてご紹介します。

    挿し木で増やす方法と時期

    ヒソップは挿し木で簡単に増やすことができます。初夏のまだ気温が高くない時期に行うと良いでしょう。

    挿し木の具体的な方法は以下のとおりです。

    1. 切った枝は1時間ほど水に入れて水揚げをする。
    2. 赤玉土や鹿沼土など清潔な土に挿す。
    3. 土を乾燥させないように水やりをし、半日陰で管理する。
    4. 2~3週間で発根します。
    5. 根がしっかり出たら取り出して、新しい鉢や庭に植え替える。

    株分けで増やす方法と時期

    ヒソップは株分けで増やすこともできます。春の4~5月頃か、秋の9~10月頃に行うのが適しています。

    株分けの具体的な方法は以下のとおりです。

    1. 株分けするヒソップを掘り上げて根を洗う。
    2. 根が絡まっている場合は、ナイフやハサミで切り離す。
    3. 分けた株を新しい鉢や庭に植え付る。
    4. 植え付け後はたっぷりと水やりをし、日陰で管理する。

    ヒソップの収穫時期と方法

    ヒソップの収穫時期は、初夏から秋のよく育つ時期に行います。花が咲く前の時が一番香りもよいので収穫におすすめです。

    収穫の方法は以下のとおりです。

    収穫方法と補足
    葉や茎の収穫 摘心を兼ねて柔らかい葉や茎を切り取ります。摘心は10cm以上育ってきたら行います。摘心のし過ぎは花つきが悪くなるので注意が必要です。
    花穂の収穫 開花直前のものを茎ごとカットします。開花後は早めに花穂をカットすると長期間楽しめます。
    ドライハーブにする場合 刈り取った茎は葉も花もついたまま束ねておきます。1週間ほど軒下などにつるして陰干しにします。

    ヒソップの育て方に関するQ&A

    ここでは、ヒソップの育て方に関するQ&A(質問&回答)を紹介します。

    • ヒソップは日陰でも育つ?
    • ヒソップ栽培で気を付けるべき病害虫
    • アニスヒソップはヒソップの別名?違いはあるか
    • ハーブとしてのヒソップの魅力は?

    上記の問いについて詳しく回答していますので、参考にしてみてくださいね。

    ヒソップは日陰でも育つ?

    ヒソップは基本的に日当たりの良い場所で育てるのが望ましいですが、半日陰でも育つ可能性があります。

    ただし、半日陰で育てる場合は、風通しや水はけに注意する必要があります。ヒソップは高温多湿に弱く、病害虫の発生や根腐れの原因になりやすいからです。

    また、半日陰で育てると葉や茎が柔らかくなり、香りや味が弱くなる可能性もあるため、半日陰で育てる場合は、定期的に剪定して葉の密度を減らしたり、乾燥させたりして利用すると良いでしょう。

    ヒソップはピンク色の花を咲かせる美しい植物ですが、日陰で育てると花付きが悪くなることもあるので、その点もご了承ください。

    ヒソップ栽培で気を付けるべき病害虫

    ヒソップは丈夫なハーブで、基本的には目立った病害虫の害はありません。ただし、高温多湿や過湿には弱いので、水やりや剪定を適切に行って風通しを良くすることが大切です。

    病害虫については以下の点に注意しましょう。

    病害虫 補足
    葉が黄色くなる 株元の葉が黄色くなったり葉を落とす場合は、水やりが多すぎるか葉が蒸れている可能性があります。水やりを控えめにして、枯れた葉や咲き終わった花を取り除きましょう。
    害虫が付く ヒソップにはあまり害虫が付きませんが、アブラムシやカイガラムシなどが付くことがあります。害虫を発見したときは、早めに手で取り除いたり水洗いしたり、殺虫剤を散布しましょう。

    なお、苗から育てる場合は、購入する苗が無農薬かどうか、苗に虫が付いていないかという点はチェックしておきましょう。

    アニスヒソップはヒソップの別名?違いはあるか

    アニスヒソップは、ヒソップと名前が似ていますが、実は別の植物です。

    科名・原産
    アニスヒソップ シソ科 の多年草で、カナダやアメリカが原産 藤紫色や青紫色、白色などの穂状の花 卵形で先がとがった形状。アニスのような甘い香り があり、ハーブティーや料理に使われる。
    ヒソップ シソ科の半樹木で、ヨーロッパ南部から西アジアが原産 アニスヒソップと花の色や形がよく似ている 細い長方形。ゴマとミントを合わせたような苦みのある香りがあり、スープやピクルスなどに使われる。

    また、アニスヒソップは比較的丈夫で育てやすいですが、ヒソップは寒さに弱く育てにくいという違いがあるので、育てる際は注意が必要です。

    ハーブとしてのヒソップの魅力は?

    ヒソップはハッカのような清涼感のある香りが特徴で、ハーブティーやスパイスとしても利用されています。

    ヒソップはハーブティーとして飲んだり、精油としてアロマテラピーに使ったりできる点が魅力です。

    まとめ:ヒソップの育て方のポイント

    ヒソップはシソ科の多年草で、花や香りが魅力的な植物です。

    ヒソップは日当たりと排水に気を付ければ、鉢植えや花壇で育てることができます。また、ヒソップは挿し木や分株で増やすことも可能です。

    この記事では、ヒソップの育て方について、選び方や植え方、管理方法などを紹介しました。ヒソップの香りは癒し効果もあるので、自宅で育ててゆっくり楽しんでみてくださいね。

  • カレーリーフ(カレーの木・オオバゲッキツ)の育て方|挿し木や剪定方法も

    カレーリーフ(カレーの木・オオバゲッキツ)の育て方|挿し木や剪定方法も

    カレーリーフ(カレーの木・オオバゲッキツ)は、インド料理やタイ料理などのエスニック料理に欠かせないハーブです。

    日本ではあまり馴染みのない植物なので、栽培は難しそうに感じるかもしれませんが、いくつかの注意点に気を付けるだけで自宅で簡単に栽培できます。

    この記事では、カレーリーフの育て方について、種まき時期や方法、栽培に適した環境や水やりとなど、カレーリーフ栽培のコツを紹介します。

    カレーリーフの新鮮な葉をいつでも収穫できるようになるだけでなく、観葉植物としても魅力的なので、是非カレーリーフ栽培に挑戦してみてくださいね。

    [surfing_other_article id=”2279″]

    カレーリーフとは

    カレーリーフとは、インドやスリランカが原産のスパイスです。

    カレーノキというミカン科の植物の葉で、別名でオオバゲッキツやナンヨウザンショウとも呼ばれます。その名前の通りカレーによく使われるスパイスですが、特にインド料理には欠かせないものとされています。

    カレーリーフは、柑橘系の香りとスパイシーな香りを持ち、料理の風味づけに利用されます。生の状態で使用するのが最も良いといわれていますが、日本では乾燥されたものが多く市販されています。乾燥させると香りが弱まるため、油で炒めたり、他のスパイスとブレンドしたりすることで香りを引き出します。

    カレーリーフには、滋養強壮や食欲増進、消化促進などの効能があるといわれています。また、殺菌作用や解毒作用、解熱作用などもあるとされています。さらに、白髪予防にも効果があると伝えられており、ココナッツオイルと一緒に頭皮に塗ると良いといわれています。

    カレーリーフは、カレー以外にも豆の炒め物やラッサム、チャツネ、サンバルなどのスープやソースにも使えます。また、ピラフやお粥などに入れて風味付けに使うこともできます。ハーブティーにすると香りも味もまろやかになります。

    カレーリーフの種まき時期と方法

    カレーリーフ(カレーの木・オオバゲッキツ)は種から育てることができます。

    種まきに適した時期は春(5月)から夏(8月)です。乾燥した種は発芽率が低くなるので、新鮮なものを選びましょう。

    種まきの方法は以下の通りです。

    • 種まき用のポット(直径10cm程度のもの)に土を入れる。
    • 土を湿らせる。
    • 種をポットに1粒ずつ植える。(深さは1cm程度で十分です)
    • 種を覆うように土をかぶせる。
    • ポットを直射日光が当たらない明るく暖かい場所に置く。
    • 土が乾かないように水やりをする。
    • 種から発芽する約2週間から1ヶ月間、管理する。
    • 発芽したら日光に当てるようにする。(最初は半日陰から始めて徐々に日光量を増やすと良い)

    以上でカレーリーフの種まきは完了です。

    [surfing_other_article id=”1783″]

    カレーリーフ栽培に適した環境(用土づくり・水やりと肥料の与え方)

    種まきを終えた後は、カレーリーフ栽培に適した環境づくりを始めましょう。

    カレーリーフは暖かく乾燥した気候に適しています。日本では夏場は屋外で栽培できますが、冬場は室内で管理する必要があります。

    カレーリーフ栽培に適した環境と用土づくり・水やりと肥料の与え方は以下のとおりです。

    要素 ポイント
    日光 カレーリーフは日光が大好きです。直射日光が当たる場所に置きましょう。ただし、真夏の強い日差しは葉焼けの原因になることがあるので、その場合は午前中だけ日光に当てたり、半日陰に移動させたりして調節しましょう。
    気温 カレーリーフは高温多湿を嫌います。気温が25℃以上になると生育が停滞することがあるので、その場合は風通しの良い場所に移動させたり、水分量を減らしたりして調節しましょう。逆に低温も苦手です。気温が10℃以下になると葉が落ちたり枯れたりすることがあります。その場合は室内に取り込んだり、保温対策をしたりして調節しましょう。
    用土 カレーリーフは水はけの良い用土を好みます。市販の培養土や赤玉土などがおすすめです。また、排水性を高めるためにパーライトやバーミキュライトなどを混ぜることでも対応可能です。
    水やり カレーリーフは乾燥耐性が高いですが、完全に乾かすと枯れることがあります。水やりは土の表面が乾いたら行います。一度にたっぷりと与えるよりも、少しずつ頻繁に与える方が良いです。水はけが良いように注意しましょう。
    肥料 カレーリーフは肥料切れすると葉色が悪くなったり枯れたりすることがあります。肥料は春から秋まで月1回程度与えます。液体肥料や有機肥料などがおすすめです。

    カレーリーフの苗はダイソーで100円で買えるのか

    ダイソーではカレーリーフの苗を買えることがあります。しかし、在庫や店舗によって異なるため、必ずあるという保証はありません。

    ちなみに100円商品ではなく300円商品として販売されているのが確認されています。

    ダイソーでカレーリーフの苗を買う場合は以下の点に注意しましょう。

    注意点
    品質 ダイソーで買える苗は品質が低い可能性もあります。葉色が悪かったり枯れかかっていたりする場合は購入しない方が無難です。
    大きさ ダイソーで買える苗は小さくて成長が遅いことが多いです。大きく育てたい場合は、他の販売店で大きめの苗を買う方が良いかもしれません。
    種類 ダイソーで買える苗はカレーリーフの種類が分からないことが多いです。カレーリーフには様々な品種があり、葉の形や香りや味に違いがあります。特定の品種を求めている場合は、他の販売店で確認して買う方が良いかもしれません。

    ダイソーでカレーリーフの苗を買うメリットは、安くて手軽に入手できることです。しかし、デメリットがある可能性についても考慮に入れて購入を検討してみてくださいね。

    カレーリーフの苗はホームセンター(カインズ・コーナン)に売ってるのか

    ホームセンターではカレーリーフの苗を売っていることがあります。しかし、在庫や店舗によって異なるため、必ずあるという保証はありません。

    ホームセンターでカレーリーフの苗を買う場合は以下の点に注意しましょう。

    注意点
    品質 ホームセンターで買える苗は、比較的品質が高いことが多いです。葉色が良くて元気なものが多く見られます。しかし、時々枯れかかっていたり虫食いされていたりするものもあるので、その際は購入しない方が無難です。
    大きさ ホームセンターで買える苗は大きさが様々です。小さくて安いものから大きくて高いものまであります。予算や目的に合わせて選びましょう。
    種類 ホームセンターで買える苗はカレーリーフの種類が分かることが多いです。ラベルに品種名や特徴などが書かれています。特定の品種を求めている場合は、確認して買う方が良いでしょう。

    ホームセンターでカレーリーフの苗を買うメリットは、品質や大きさや種類が選べることです。しかし、デメリットは、値段が高めであることや在庫が不安定であることが挙げられます。

    [surfing_other_article id=”1081″]

    カレーリーフを鉢植えで育てる方法

    カレーリーフは鉢植えで育てることができます。鉢植えで育てる場合で特に注意が必要な点は、鉢の大きさが挙げられます。

    カレーリーフは根が深く伸びる傾向があるので、深めの鉢を選びましょう。鉢の素材は陶器やプラスチックなど何でも構いませんが、水はけの良さや重さなどを考慮して選びましょう。

    鉢の置き場所は、カレーリーフ栽培の環境の項でもお伝えしたとおり、直射日光が当たる場所に置きましょう。ただし、真夏の強い日差しや冬場の低温に注意しましょう。

    次に、カレーリーフの苗の植え替え時期と方法と注意点についてお伝えします。

    カレーリーフの苗の植え替え時期と方法

    カレーリーフは鉢の大きさに合わせて大きくなるので、生育に合わせて植え替えが必要です。植え替えをすることで、根が健康になり、葉の成長や香りも良くなります。

    カレーリーフの苗の植え替えは春か秋の気温が20℃以上、30℃以下の時期が適しています。夏は暑すぎて根が傷みやすいですし、冬は寒すぎて根が伸びにくいので避けるようにします。

    です。植え替えの方法は以下のとおりです。

    1. 鉢の底に網と鉢底石を敷き水はけを良くする。
    2. 新しい鉢に用土を入れる。
    3. 古い鉢からカレーリーフの苗を抜き取る。
    4. 新しい鉢にカレーリーフの苗を植え付けて軽く押し固める
    5. 水抜き穴から水が出るまでたっぷりと水やりをする。
    6. 日光に当てます。最初は半日陰から始めて徐々に日光量を増やす。

    上記の方法で、1~2年に1回程度の頻度で植え替えを行うようにしましょう。

    カレーリーフの花が咲く時期

    カレーリーフの花

    カレーリーフの花は白色で小さくて目立ちませんが、甘い香りがします。

    花が咲く時期は春から夏ですが、すぐに咲くことは無く、3年目から4年目くらいに花が咲き始めます。

    カレーリーフの花は、そのまま楽しんだり、収穫して料理に使ったりできます。花は生葉と同じようにカレーなどの料理に風味を加えることができます。

    カレーリーフの室内での育て方

    カレーリーフは、冬場や寒冷地では室内で育てる必要があります。室内で育てる場合は以下の点に注意しましょう。

    要素 注意点
    日光 カレーリーフは日光が大好きなので、窓際など明るい場所に置きましょう。ただし、直射日光が当たると葉焼けすることがあるため、その場合はカーテンなどで調節しましょう。
    気温・室温 カレーリーフは低温を嫌います。気温が10℃以下になると葉が落ちたり枯れたりすることがあるので、暖房器具などで調節が必要です。
    湿度 カレーリーフは乾燥を好みます。室内では湿度が高くなることがあるので、除湿器や換気扇などで調節が必要です。
    水やり カレーリーフは乾燥耐性が高いですが、完全に乾かすと枯れることがあります。水やりは土の表面が乾いたら行います。一度にたっぷりと与えるよりも、少しずつ頻繁に与える方が良いです。
    肥料 カレーリーフは肥料切れすると葉色が悪くなったり枯れたりすることがあるので、肥料は春から秋まで月1回程度与えます。液体肥料や有機肥料などがおすすめです。

    カレーリーフの剪定・摘心方法と目的・時期

    カレーリーフは、剪定や摘心をすることで、葉の成長や香りを良くし、樹形も整えることができます。

    剪定はカレーリーフの生育にとって大切な作業ですが、摘心も同様に重要です。摘心は成長している先端を摘み取ることで、脇芽の発芽成長を促し、枝の数や葉の収穫量を増やすことができます。

    カレーリーフは先端優勢(頂芽優勢)という性質を持っており、幹の先端にある芽が優先的に成長するため、枝が伸びすぎて葉が少なくなったり、樹形が乱れたりします。

    また、冬に葉や枝が傷むと幹から落ちてしまい、新芽が幹の先端にしか出なくなることもあります。

    剪定・摘心をすることで、以下のような効果が期待できます。

    • 葉の数や香りを増やす
    • 樹形を整える
    • 根の健康を保つ
    • 花や種子を付ける
    • 剪定・摘心の時期

    剪定・摘心の具体的な方法は次のとおりです。

    1. 鋭利なハサミを用意して消毒する。
    2. 剪定は幹や枝の分岐点(節)より下に葉がついていない部分を切り落とす。
    3. 剪定は幹や枝が密集している部分を間引きする。
    4. 剪定は幹や枝の先端にある芽(頂芽)も摘み取る。
    5. 摘心は成長している先端だけを摘み取る。
    6. 剪定・摘心した部分から新芽が出るまで水やりを控えめにする。

    以上がカレーリーフの剪定・摘心方法と目的・時期です。剪定・摘心後は新芽が次々と出てきて葉が茂ります。

    なお、カレーリーフの剪定・摘心の時期は、春か秋の気温が20度以上、30度以下の時期が適しています。夏は暑すぎて根が傷みやすく、冬は寒すぎて根が伸びにくいため避けるようにします。

    目安としては、剪定は1~2年に一回、摘心は暑いうちであればいつでもできますが、特に新芽が出始めた頃がおすすめです。

    [surfing_other_article id=”1456″]

    カレーリーフの冬越しの方法

    カレーリーフは熱帯地方原産の植物で、寒さに弱く最低気温が5℃以下になると枯れる恐れがあるので冬越しはとても重要になります。

    室内で管理する場合は、前述の「カレーリーフの室内での育て方」を参考にしてください。

    作業 冬越しの方法
    葉の収穫 冬になると葉の色や香りが落ちるので、収穫できるだけ葉を収穫しておきましょう。葉柄を付け根から折り取るかハサミで切り取ります。
    剪定 翌年の新芽を早く芽吹かせるためにも、剪定を早めにしておきましょう。剪定は幹や枝の分岐点より下に葉がついていない部分を切り落とします。
    鉢の置き場所 土が凍らないように、室内や温室などに移動させましょう。最低気温が10℃付近になる場合は、室内で管理したほうが安全です

    冬越し中は、土が過乾燥しないように水やりをしますが、葉が少ない状態では水分の消費量が少ないので控えめにしましょう。土が乾いていなければ水やりは不要です。

    気温が低くなると葉が黄色くなって落ちることがありますが、これはカレーリーフの自衛反応で、落葉後も根は生きているので心配はいりません。

    カレーリーフを挿し木で増やす方法と時期

    カレーリーフは、挿し木で増やすことができます。挿し木で増やすことで、親株と同じ品種のカレーリーフを手軽に増やせます。

    挿し木に適した時期は春から夏です。成長期に挿し木することで、根付きやすくなります。

    挿し木で増やす方法は以下のとおりです。

    1. 挿し木用のポットに土を入れる。(ポットは直径10cm程度のものが適しています)
    2. 土を湿らせる。
    3. 親株から枝を切り取る。(切る枝は太さが1cm程度で長さが10cm程度のものが適しています)
    4. 切った枝の下部から葉を取り除く。(残す葉は上部の2~3枚だけ)
    5. 切った枝の下部に発根促進剤を塗る。
    6. 切った枝をポットに挿す。(深さは3~4cm程度で十分です)
    7. ポットを直射日光は避け、明るく暖かい場所に置く。
    8. 土が乾かないように水やりをする。
    9. 約1ヶ月から2ヶ月すると枝から根が出る。
    10. 根が出たら日光に当てるようにする。
    11. 最初は半日陰から始めて徐々に日光量を増やす。

    以上の手順でカレーリーフを挿し木で増やすことができます。

    [surfing_other_article id=”1593″]

    カレーリーフの実の収穫時期と方法

    カレーリーフは、花が咲いた後に実がなります。実は緑色から黒色に変わると収穫できます。

    カレーリーフの実の収穫時期と方法は以下の通りです。

    • 時期:秋から冬にかけて、実が黒く熟したら収穫します。
    • 方法:枝先をハサミなどで切り取ります。切った実は乾燥させて保存します。

    カレーリーフの実はそのまま食べることもできますが、苦みが強いので料理に使う場合は種を取り除いて使います。種は乾燥させて保存することもできます。

    カレーリーフが枯れた時の復活方法

    カレーリーフが枯れてしまった場合、以下の方法で復活させることができる可能性があります。

    補足
    剪定 カレーリーフが枯れた部分は剪定して取り除きましょう。剪定することで新芽や新葉の発生を促進できます。
    根洗い カレーリーフが根腐れしている場合は根洗いを行います。

    根洗いの方法は以下のとおりです。

    1. 根を傷つけないように鉢からカレーリーフを抜き取る
    2. 水道水かぬるま湯で根から土を洗い流す
    3. 根腐れした部分や傷んだ部分を切り落とす
    4. 新しい鉢と用土を用意して植え付ける
    5. 水やりをする

    なお、カレーリーフが枯れた原因については、水やり不足や水やり過多、低温や高温、病気や虫害など様々です。

    上記、「カレーリーフに適した環境」の項を参考に環境を整えましょう。

    カレーリーフの育て方に関するQ&A

    ここでは、カレーリーフの育て方に関するQ&A(質問&回答)を紹介します。

    • カレーリーフの種や苗木の販売店は?どこで買えるのか
    • カレーリーフがひょろひょろしている時の対策は?
    • カレーリーフ栽培で気を付けるべき病害虫は?

    上記の問いについて詳しく回答していますので、参考にしてみてくださいね。

    カレーリーフの種や苗木の販売店は?どこで買えるのか

    カレーリーフの種や苗木は、先述したとおりダイソーやホームセンターで販売されていることがあります。

    そのほか、ガーデニングショップやインターネット通販で購入することができます。

    ただし、お住まいの地域によっては販売されていなかったり、ネット通販の配送先地域外になってしまうことがあります。

    カレーリーフがひょろひょろしている時の対策は?

    カレーリーフがひょろひょろしている時の原因と対策は以下のとおりです。

    原因 対策
    日光不足 直射日光が当たる場所に移動させましょう。
    水やり不足 土が乾いたらたっぷりと与えるようにします。
    根詰まり 深めの鉢に用土を入れて植え替えをします。
    根腐れ 根から土を洗い流して傷んだ部分を切り落とします。
    病害虫 市販の殺菌剤や殺虫剤などを使って対処します。

    カレーリーフ栽培で気を付けるべき病害虫は?

    カレーリーフ栽培で気を付けるべき病害虫は以下のとおりです。

    病害虫 防除 防止
    アブラムシ 手で取ったり水で洗い流すほか、ニンニクやタバコなどの水に浸した液体を散布することも効果的です。 アブラムシは弱った植物に付きやすいため、日光・水やり・肥料などを適切どを適切に管理することで防止できます。
    カビ 湿気が多いと発生しやすいです。カビが発生すると、葉や茎に白いふわふわしたものが見られます。 水やり・換気・日光などを適切に管理することで防止できます。

    まとめ:カレーリーフの育て方のポイント

    インド料理に欠かせないスパイスであるカレーリーフの育て方についてお伝えしました。

    カレーリーフは日当たりと水やりに気を付ければ、室内でも鉢植えで育てられますし、挿し木や種まきで増やすことも可能です。

    この記事では、カレーリーフの苗の選び方や植え方、管理方法などを紹介しました。

    カレーリーフを自宅で育てて新鮮なカレーリーフの香りと味を楽しんでみてくださいね。収穫したては格別ですよ。

     

    【補足】

    カレーリーフ好きの方にはカレープラントもおすすめ!

    カレープラントの育て方についてはこちらのページでご紹介しています。

    [surfing_other_article id=”240″]
  • 蚊よらず(サザンウッド・アルテミシア)の育て方|挿し木の増やし方についても

    蚊よらず(サザンウッド・アルテミシア)の育て方|挿し木の増やし方についても

    蚊よらず(サザンウッド・アルテミシア)は、ゼラニウムとシトロネラ草を交配して作られたハーブで、蚊が嫌うシトロネラールという香り成分を持っているのが大きな特徴です。

    蚊よけに効果がある植物はいくつかありますが、その中でも蚊よらずの効果は最強と言われる効果があるので、蚊の対策に家庭菜園や室内に置いておきたいという方はきっと多いと思います。

    この記事では、そんな蚊よらずの育て方について、初心者にもわかりやすく種まきから剪定まで詳しくご紹介しますので、蚊よらず栽培の参考にしてみてくださいね。

    ※なお、「カヨラズ」「サザンウッド」「アルテミシア」といった別名で呼ばれることもありますが、いずれも蚊よらずと同じなのでここでは「蚊よらず」として表記することにします。

    蚊よらずの種まき時期と方法

    栽培カレンダー(蚊よらず・サザンウッド)

    蚊よらず(サザンウッド・アルテミシア)の種まき時期は、春(3月)から夏(5月頃)にかけてです。

    3月から5月にかけては室内でポットに種まきし、発芽後に日当たりの良い場所に移動します。6月から8月にかけては、直接屋外でポットやプランターに種まきすることができます。

    蚊よらずの種まき方法は、以下のとおりです。

    1. 種まき用の土を用意する。
    2. 種を土の上にまんべんなく撒く(種は小さいので深く埋めないようにする)
    3. 種の上に薄く土をかけて軽く抑える。
    4. 土が乾かないように霧吹きなどで水やりします。
    5. ポリ袋やラップなどで覆って保温(気温が15度以上になるように)する。
    6. 発芽するまで毎日水やりをする。(カビが生えないように注意する)
    7. 発芽したらポリ袋やラップを外し、日当たりの良い場所に移動する。
    8. 本葉が4枚以上になったら間引きする。

    間引いた苗は別のポットに植え替えることができます。

    蚊よらず栽培に適した環境(用土づくり・水やりと肥料の与え方)

    種まきが終わったら蚊よらず栽培に適した環境を整えましょう。

    蚊よらずは、日当たりの良い場所と乾燥を好む植物です。夏の暑さにも強いですが、高温多湿には弱いので風通しの良い場所がおすすめです。

    冬は凍らせないように、寒冷地では霜が降りる前に室内に取り込んだり、ビニールなどで覆って保温したりしましょう。

    用土づくりや水・肥料の与え方のポイントを以下にお伝えします。

     

    【用土づくり】

    蚊よらずは、水はけの良い土を好むので、市販の培養土を使う場合は、赤玉土やパーライトなどを多めに混ぜて排水性を向上させましょう。

    自分で用土を作る場合は、赤玉土と腐葉土と砂を3:2:1の割合で混ぜると良いです。

     

    【水やり】

    水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりと行います。水やりの回数は季節や気温によって変わり、夏の暑い時期は朝と夕方に1回ずつ、冬の寒い時期は、土が乾いてから数日後に水やりをするくらいが目安です。

    水やりの際は根元から水を与えるようにし、水やり過ぎや過湿に注意しましょう。

     

    【肥料の与え方】

    肥料は、3要素(窒素・リン・カリウム)がバランス良く配合された一般的なもので構いません。

    肥料の時期は3月中旬~7月下旬と9月中旬~10月下旬です。液体肥料なら月に一回程度、粒状肥料なら2~3ヶ月に一回程度与えるくらいが良いでしょう。

    肥料を与えすぎると、花付きが悪くなるので注意が必要です。

    蚊よらずの地植えの時期と方法

    蚊よらずは、鉢植えでも育てることができますが、地植えにするとより元気に育ちます。蚊よらずの地植えの時期と方法をご紹介します。

    蚊よらずは、春と秋に植え付けるのがおすすめです。

    春に植え付ける場合は、3月~5月、秋に植え付ける場合は10月頃が適期です。夏は暑さに強いですが、高温多湿には弱いので、植え付けには向きません。

    蚊よらずの地植えの方法は以下のとおりです。

    1. ポット苗の2~3倍の大きさ程度の植え穴を掘る。
    2. ポットから苗を取り出して根をほぐす
    3. 苗を植え穴に入れて土をかぶせる
    4. 根元から水をたっぷりと与える

    以上が、蚊よらずの地植えの時期と方法です。蚊よらずは地植えにすると根が広がって香りが強くなります。

    蚊よらずを地植えして、自然な蚊よけ効果と爽やかな香りを楽しみたいですね。

    蚊よらずを鉢植え・プランターで育てる方法

    蚊よらずは、地植えにすると根が広がって香りが強くなりますが、鉢植えやプランターでも十分に育てることができます。

    蚊よらずの鉢植えやプランターの選び方は以下のとおりです。

    1. ポット苗の2~3倍の鉢・プランターを用意する。
    2. 水はけの良い土を入れる。
    3. 苗を鉢・プランターに植え付ける。
    4. 水をたっぷり与える。
    5. 日当たりと風通しの良い場所に置く。

    なお、鉢やプランターの素材は、陶器やテラコッタなどの通気性の良いものを選びましょう。プラスチックなどの素材は、水分が蒸発しにくく、過湿になりやすいので陶器やテラコッタに比べると育てにくくなります。

    また、根が詰まって水はけが悪くなると根腐れの原因になるので、鉢やプランターには必ず穴を開けて、排水性を良くしておきましょう。

    蚊よらずの植え替え時期と方法

    蚊よらずを鉢植えやプランターで育てていると、いくら排水性を良くしていても段々と根が詰まって水はけが悪くなってしまいます。

    そのため、1~2年に1回程度のタイミングで根鉢の底と肩を軽くほぐして一回り大きな鉢やプランターに植え替えることが必要です。

    植え替え時期は、蚊よらずの生育が活発で新しい土にもすぐに馴染みやすい5月中旬~9月中旬頃が適しています。気温が15度以上ある頃から始めるようにすれば問題ありません。

    なお、蚊よらずは冬場は寒さに弱いので、植え替えは避けましょう。

    蚊よらずの植え替え方法は以下のとおりです。

    1. 古いものの2~3倍の大きさの鉢・プランターを用意する。
    2. 古い鉢やプランターから蚊よらずを抜き取る。
    3. 根鉢の底と肩を軽くほぐして、古い土を落とす。
    4. 新しい鉢やプランターに市販の培養土を入れる。
    5. 新しい鉢やプランターの中央に蚊よらずを置く。
    6. 根元から少し上がるくらいに土を盛る。
    7. 土が崩れない程度に固める。
    8. 水が流れ出るまでたっぷりと与える。
    9. 日当たりの良い場所に置く。

    以上が、蚊よらずの植え替え時期と方法です。

    蚊よらずは植え替えで根が伸びて香りが強くなるので、虫除け効果をアップさせられます。

    蚊よらずの花が咲く時期

    蚊よらずは、蚊を寄せつけないだけでなく、かわいらしいピンク色の花も咲かせます。

    蚊よらずの花は5月頃から咲き始め、夏にかけて次々と花が開きます。花は小さくて目立ちませんが、淡いピンク色で可憐な印象です。花は8月頃まで楽しむことができます。

    なお、花が咲く前と咲いた後に切り戻しをすると、蚊よらずの効果を最大限に得られるので、面倒でも行うようにしたいですね。

    具体的な方法や効果については切り戻しの項をご参照ください。

    蚊よらずの室内での育て方

    蚊よらずは、室内で育てることもできます。

    室内で蚊よらずを育てる方法は以下のとおりです。

    • 蚊よらずは日光を好むので、日が当たる窓辺に置く。
    • 寒さに弱いので、冬場は暖房器具の近くに移動する。
    • 蚊よらずは乾燥を好むので、水やりは控えめにする。
    • 土が乾いたらたっぷりと水やりをする。
    • 水やりの回数は夏は2~3日に1回、冬は1週間に1回程度にする。
    • 蚊よらずは風通しを好むので、定期的に換気をする。

    注意点としては、蚊よらずを他の植物と一緒に置かない点が挙げられます。蚊よらずの強すぎる香りが他の植物に影響を与える可能性があるためです。

    あとは花の時期の前後に切り戻しを行うことで、蚊よけ効果が得られつつ元気に育てることができるでしょう。

    蚊よらずを水耕栽培で育てる方法

    蚊よらずは、水耕栽培で育てることもできます。

    水耕栽培で蚊よらずを育てる手順は以下のとおりです。

    1. 蚊よらずの茎を5~10cm程度に切り取る。
    2. 葉を半分程度落とす。
    3. 切り口を乾かした後、発根剤をつけてガラス瓶などに挿す。
    4. ガラス瓶に入れた挿し木は日当たりの良い場所に置く
    5. ガラス瓶の水位が下がったら水を補充する。
    6. 約2~3週間で発根する。
    7. 発根した挿し木を水耕栽培用の容器に移植する。

    上記の手順で蚊よらずの水耕栽培ができます。

    蚊よらずは、水耕栽培の方が必要な栄養素を効率的に吸収できるため、香り成分のシトロネラールが増えて香りが強くなるという報告があります。

    屋内の蚊対策としては、水耕栽培を行って香りを強くした方が効果は得やすいので、水耕栽培も検討してみてくださいね。

    水耕栽培のやり方はこちらをご参照ください。

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    蚊よらずを剪定・切り戻しする方法と目的・時期

    まず、蚊よらずを剪定・切り戻しする目的ですが、主に以下の3つがあります。

    No. 目的 補足
    1 香りを強くする 蚊よらずの香りは、新しい芽から出るので、古い茎や葉を切って新しい芽を出させることで香りが強くなります。香りが強くなれば、虫除け効果も高まります。
    2 見た目をきれいにする 放っておくと茎が伸びすぎてボサボサになってしまいます。茎が長くなると花も咲きにくくなります。
    3 健康に育てる 枯れた葉や茎を切って風通しを良くすることで根の健康を保ちます。

    剪定・切り戻しする手順は以下の通りです。

    1. 枯れた茎や葉を切り落とす。
    2. 伸びすぎた茎や枝分かれした茎を適度な長さに切り詰める。
    3. 切った部分から新しい芽が出るので、その芽の数や向きに合わせて形を整える。
    4. 切った茎や葉は土から取り除く

    切り詰める際は、茎の先端から3~4節目(節とは茎から葉や芽が出る部分のことです)の間で切るようにします。

    ハサミは刃が鋭利で錆びていないものを使います。刃が鋭利であれば、植物の茎や葉をキレイに切ることができます。錆びていなければ、植物に病気を移す心配がありません。

    なお、剪定・切り戻しは春と夏に行うようにします。時期ごとの留意点も併せてお伝えします。

    時期 留意点

    (3月~4月)
    冬の間に伸びすぎた茎や枝分かれした茎を整えます。春先から新芽が出始めるので、その前に剪定しておきます。春の剪定は大胆に行っても大丈夫です。

    (7月~8月)
    花後や新芽が出た後に行います。夏は虫除け効果が必要な時期なので、香りを強くするために新芽から出るシトロネラール成分を増やすことが目的です。夏の剪定は控えめに行いましょう。

     

    蚊よらずの夏越しの方法

    蚊よらずは、夏は暑さに強く夏越しはそれほど難しくありませんが、以下の点に注意して育てると良いでしょう。

    必要なもの やり方
    日光 日当たりの良い場所で育てましょう。直射日光でも大丈夫ですが、真夏の強烈な暑さに関しては半日陰に移動した方が良い場合もあります。
    風通し 高温多湿には弱いので風通しの良いところに置きます。長雨に当たると草姿が乱れたり腐る可能性があるので、屋根の下や室内に移動すると良いでしょう。
    水やり 乾燥を好むので、水やりは土が乾いたらたっぷりと行います。2日~3日は水をやらなくても大丈夫です
    肥料 3要素(リン、カリウム、窒素)がバランス良く配合された一般的な肥料を使います。肥料の時期は3月中旬~7月下旬、9月中旬~10月下旬に与えますが、液体肥料なら月に1回程度、粒状肥料なら2~3ヶ月に1回程度与えるくらいが適しています。

    蚊よらずの耐寒性と冬越しの方法

    蚊よらずの耐寒性は低く、気温が5℃以下になると枯れてしまう可能性があるので、冬越し対策は欠かせません。

    冬越しのポイントを以下にまとめました。

    必要なもの やり方
    温度 冬は0℃以下にならないように注意しましょう。霜や凍結に弱いので、室内で管理するのがおすすめです。室内の日が当たる場所に移動するようにします。
    水やり 室内で管理する場合は水やりは控えめにします。土が乾いてから少量ずつ与えます。
    剪定 冬は休眠期なので剪定は必要ありません。春になって新芽が出始めたら切り戻しを行います。

    温暖地であれば、屋外でもビニールや不織布などでマルチングしても問題ありませんが、それ以外の地域であれば室内へ取り込むようにします。

    また、冬期間は肥料は与えないようにしましょう。

    蚊よらずの増やし方

    蚊よらずの増やし方は以下の方法があります。

    • 挿し木・挿し芽で増やす方法
    • 株分けで増やす方法

    それぞれの増やし方についてお伝えします。

    挿し木・挿し芽で増やす方法と時期

    挿し木・挿し芽で増やす方法と時期は以下のとおりです。

    増やし方 やり方 時期
    挿し木 新芽で伸びた茎を約5cmにカットして、切り口近くの葉を落とします。水に浸した後、発根促進剤を塗って土に挿します。 4月~7月が適期
    生育期の前のため、切り取った挿し穂の切り口から根が出やすい。
    挿し芽 草花などの茎を約7cmにカットして、切り口近くの葉を落とします。水に浸した後、発根促進剤を塗って土に挿します。 花が終わった頃が適期
    生育期の前のため、切り取った挿し穂の切り口から根が出やすい。

    株分けで増やす方法と時期

    蚊よらずは、株分けで増やすこともできます。株分けの方法は以下のとおりです。

    1. 鉢から植物を抜き出して、根をほぐします
    2. 根が絡まっている場合はナイフやハサミで切り離す。
    3. 根が2~3本以上あるように分ける
    4. 分けた株を別の鉢に植え付けて水やりをする。

    株分けで増やす時期は、春か秋が適期です。この時期は気温が適度で、植物のストレスが少ないためです。

    以上が、蚊よらずを挿し木・挿し芽・株分けで増やす方法と時期です。上手に行ってどんどん蚊よらずを増やしてみてくださいね。

    蚊よらずの使い方

    蚊よらずの使い方としては香りを楽しむことができますが、やはり一番は蚊除け効果を得ることでしょう。

    蚊よらずの地植えにすると根が広がって香りが強くなるのでできれば地植えが望ましいですが、蚊よけ効果を得たい場所に移動できる鉢植えにしておくと使いやすいメリットはありますね。

    蚊よらずの香りは、葉をこすると増すので蚊除け効果は高くなりますし、葉を水にさして室内に置くと、香り成分のおかげで虫よけになるので、使い方の幅が広がります。

    また、蚊よらずの葉を摘んで乾燥させると虫除けのポプリを作ることも可能です。

    蚊よらずの育て方に関するQ&A

    ここでは、蚊よらず(サザンウッド・アルテミシア)の育て方に関するQ&A(質問&回答)を紹介します。

    • 蚊よらずが枯れる主な原因は?
    • 蚊よらずの寄せ植えのコツやポイントは?
    • 家庭菜園で栽培したら蚊が来ない庭になる?
    • 蚊よけ植物で最強は蚊よらず?
    • 蚊よらずに猫や犬が寄ってくることはある?
    • 蚊よらずは常緑の植物なの?

    上記の問いについて詳しく回答していますので、参考にしてみてくださいね。

    蚊よらずが枯れる主な原因は?

    蚊よらずが枯れる主な原因は、以下のようなものが考えられます。

    枯れる原因 対策
    水やりのしすぎ 蚊よらずは乾燥を好み過湿を嫌います。水やりのしすぎは根腐れの原因になります。
    水やりは土が乾いたらたっぷりと行い、鉢底から水が出たら余分な水は捨てましょう
    直射日光の当たりすぎ 蚊よらずは日光を好みますが、真夏の直射日光は葉焼けや枯れの原因になります。
    夏場は半日陰に移動したり、日よけをしたりしましょう。
    寒さの影響 蚊よらずは冬の寒さに弱く、霜や凍結にあたると枯れてしまいます。
    冬場は室内に取り込んだり、防寒対策をしたりしましょう。

     

    蚊よらずの寄せ植えのコツやポイントは?

    蚊よらずの寄せ植えのコツやポイントは、以下のようなものが考えられます。

    ポイント 補足
    蚊よらずと相性の良い植物を選ぶ 蚊よらずはゼラニウムやシトロネラと交配して作られたハーブなので、同じく蚊を寄せ付けない香りを持つハーブと相性が良いです。
    例えば、レモンバーム、レモングラス、ローズマリー、タイム、ペパーミント、ラベンダーなどがおすすめです。
    鉢やプランターのサイズや配置に注意する 蚊よらずは根が詰まると弱る性質があるので、大きめの鉢やプランターで寄せ植えるのが望ましいです。
    また、根の発達が早いので端の方に植えた方が良いでしょう。
    蚊よらずの香りを強くする 蚊よらずは葉をこすると香りが増すので、水やりや手入れの際に葉に触れると蚊よけ効果が高まります。
    蚊よらずは新芽からより強い香りが出るので、花がらや枯れた葉は摘み取って新芽を出させましょう。摘み取った部分から新芽が出て、大きく育ちます。

     

    家庭菜園で栽培したら蚊が来ない庭になる?

    家庭菜園で蚊よらずを栽培したら蚊が来ない庭にさせられる可能性はあります。

    ただ、蚊よらず以外の要因によっても影響されるので、以下のようなポイントを抑えてるようにすると蚊が来ない庭に近づくでしょう。

    • 蚊が嫌う植物を選ぶ
    • 蚊の発生源を減らす
    • 蚊の隠れ場所を減らす

    蚊は強い香りを嫌うので、ハーブ類や芳香植物を庭に植えると蚊よけになります。レモンバーム、レモングラス、ローズマリー、蚊連草、タイム、ペパーミント、ラベンダーなどがおすすめです。

    これらの植物は葉をこすると香りが強くなるので、手入れの際に葉に触れると効果的です。

    また、蚊は水の中で卵を産み幼虫や蛹になるので、庭に水が溜まりやすい場所があればこまめに水を捨てたり、水受け皿や鉢底石などを使って水が溜まらないようにしましょう。

    そのほか、庭に雑草や枯れ葉が多いと蚊の隠れ場所になるので、定期的に除草や掃除をほか、庭木や生垣は剪定して風通しを良くすると蚊が住みにくい庭にできるでしょう。

    蚊よけ植物で最強は蚊よらず?

    蚊よらずは、ゼラニウムとシトロネラを交配させて、蚊が嫌うシトロネラールという成分を多く含むように人工的に作られた植物です。

    蚊よけ効果のある植物としては、蚊連草、ニーム、ラベンダー、レモンバーム、レモングラス、ローズマリー、タンジー、タイム、ペパーミントなどがありますが、その中でも蚊よらずが最強だとされています。

    蚊よらずに猫や犬が寄ってくることはある?

    蚊よらずは蚊が嫌う香りを出しますが、この香りは猫や犬にとっては魅力的に感じるようで猫や犬が寄ってくることがあります。

    特に猫はハーブの中でもキャットニップやレモングラスなどレモン系の香りに反応する傾向があり、蚊よらずもレモン系の香りを持つため、猫が好んで匂いを嗅いだり、葉を食べたりすることが確認されています。

    犬も同様に、蚊よらずの香りに興味を示すことがあります。犬は嗅覚が優れているため、様々な匂いに反応します。

    また、犬は草を食べることで消化を助けたり、胃の不調を改善したりすることがあります。蚊よらずも草の一種なので、犬が食べてみたくなることもあるでしょう。

    蚊よらずは人間やペットに有害な成分を含んでいるわけではありませんが、過剰に摂取すると吐き気や下痢などの副作用を引き起こしたり、アレルギー反応を起こす可能性もあるので注意が必要です。

    蚊よらずは常緑の植物なの?

    蚊よらずは常緑の植物ではありません。寒さに弱く冬には枯れてしまいます。

    夏期の蚊よけ対策として、春に種まきをして準備をしておく必要があります。

    まとめ:蚊よらず(サザンウッド・アルテミシア)の育て方のポイント

    蚊を遠ざける効果があるハーブ「蚊よらず」の育て方についてご紹介しました。

    育て方は難しくないので初心者にもおすすめのハーブですが、植え付け時期や剪定・切り戻しの方法など、いくつかのポイントを押さえておくと良いでしょう。

    蚊の対策として、家庭菜園だけでなく屋内でも育てたいという方は多いと思いますが、室内での栽培も可能ですし、水耕栽培でも育てられるので挑戦してみてくださいね。

    蚊よけ植物の中で最強と言われる蚊よらずを上手に活用する際の参考にしていただけたらと思います。

     

    蚊よけのハーブとしては蚊連草もおすすめ。爽やかな香りを楽しみながら蚊よけができるハーブです。

    蚊連草の育て方について、こちらのページで詳しくお伝えしています。

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  • キャットニップ(イヌハッカ)の育て方|室内の栽培方法や種まきについて

    キャットニップ(イヌハッカ)の育て方|室内の栽培方法や種まきについて

    キャットニップは、別名西洋マタタビとも呼ばれネコが大好きなハーブとして有名ですが、人間にもリラックス効果があります。

    愛猫家をはじめとして多くの方が興味を持っており、育て方は簡単か室内でも栽培できるかと聞かれることが多い植物です。

    キャットニップは自宅で簡単に育てることができますが、いくつかのポイントを押さえておくとより良い成長を期待できるでしょう。

    この記事では、キャットニップの種まきから収穫までの育て方を詳しくお伝えしていますので、キャットニップを育ててみたい!という方はぜひ参考にしてみてくださいね。

    キャットニップの種まき時期と方法

    キャットニップ(イヌハッカ)の種蒔きは春(3月~4月)と秋(9月中旬~10月中旬)の年2回行うことができます。

    発芽温度は15℃~25℃なので、気温がこの範囲内に入る時期に行うのが良いです。

    ただし、気温が高すぎる夏場は避けたほうが良いでしょう。

    キャットニップの種は小さくて細かいので、まずは育苗ポットに入れた培養土の表面に2~3ヶ所浅いくぼみをつけて、くぼみの中に1粒ずつ種をまきます。

    軽く土で覆った後に霧吹きで優しく水やりを行い、土が乾かないように湿らせます。

    種まき後は、日当たりの良い場所に置きます。

    1週間~2週間ほどすると発芽してくるので、本葉が5~6枚生えてきた頃に生育状態の良い株を残して間引きます。その後、草丈が15cmほどに育ったら鉢や庭に植え付けましょう。

    キャットニップ栽培に適した環境(用土づくり・水やりと肥料の与え方)

    種まきを行ったらキャットニップ(イヌハッカ)栽培に適した環境づくりを行います。

    キャットニップ栽培に適した環境は、日当たりが良く水はけの良い用土です。

    キャットニップは、水はけがよければ土質はあまり選ばない丈夫なハーブですが、酸性の土は嫌うため、用土づくりをする場合は、以下の点に注意してください。

    1. 地植えの場合は、植え付けの2週間前に苦土石灰を混ぜて酸度を中和する。
    2. 腐葉土を混ぜて通気性をよくする。
    3. 水はけの悪い土の場合は、川砂を混ぜるなどして改善する。

    土を自作する場合は、赤玉土7:腐葉土3の基本的な配合の培養土を作り、少量の苦土石灰も混ぜておきましょう。草花用の培養土やハーブ専用の土を使うと手軽で便利です。

    水やりは土の表面が乾いたら行います。水やりの際は、根元からたっぷりと与えます。水やりの回数は季節や気温によって調整します。

    肥料は必要ありませんが、より旺盛な生育を促したい場合は、液体肥料を月に1回程度与えます。肥料は薄めに作ってください。

    また、花期に入る前に一度だけ緩効性肥料を施すこともできます。

    キャットニップの地植えの時期と方法

    キャットニップ(イヌハッカ)の地植えの時期は、春から秋までです。ただし、霜が降りる寒冷地では冬場は地植えではなく鉢植えにして室内に入れる必要があります。

    また、種まきと同様に気温が高すぎる夏場に地植えするのは避けた方が良いでしょう。

    地植えする場合は、株間を30cm~40cm程度あけて植え付け、水やりや除草などの管理を行います。

    キャットニップを鉢植え・プランターで育てる方法

    キャットニップ(イヌハッカ)を鉢植え・プランターで育てる方法もあります。鉢植え・プランターで育てる場合は、鉢底に穴があるものを選びます。

    鉢の中に鉢底石や赤玉土などを敷いて水はけを良くします。用土は市販の培養土や赤玉土などを混ぜて使います。

    鉢植え・プランターで育てる場合も日当たりの良い場所を選びます。

    水やりや肥料などの管理は地植えの時と同じで良いですが、鉢植え・プランターでは水分や栄養分が失われやすい点には注意してください。

    キャットニップの植え替え時期と方法

    キャットニップ(イヌハッカ)を鉢植えしている場合、根が鉢からはみ出すと成長が止まってしまうため、根が鉢からはみ出したら、大きめの鉢に植え替える必要があります。

    なお、キャットニップのの植え替え時期は春に植え替える場合は芽が出る前、秋に植え替える場合は、花が終わった後に行います。

    植え替える方法は以下のとおりです。

    • 水やりをしてから鉢から抜き取る。
    • 根球を崩さないように注意しながら古い用土を落とす。
    • 新しい用土を入れた鉢に根球を入れる。
    • 根元から水やりをして固定します。
    • 日陰に置いて様子を見ます。

    なお、地植えの場合は、株分けをして移植することもできます。

    キャットニップの花が咲く時期

    キャットニップ(イヌハッカ)の花は時期は夏から秋にかけて咲きます。

    花穂が伸びて小さな花が密集して咲き、花色は白やピンク、紫などがあります。

    キャットニップの花も猫に好まれる香りがありますが、人間にとっても美しい香りがします。花期中は切花として楽しむこともできます。

    なお、花が咲く前に液体肥料を与えると花付きが良くなるので、長く花を楽しみたい方は開花前に液体肥料を与えると良いです。

    キャットニップの室内での育て方

    ャットニップ(イヌハッカ)は室内でも栽培可能です。室内で育てる場合は以下の点に注意してください。

    • 日当たりの良い窓辺などに置く。
    • 水やりは土が乾いたら行うようにする。
    • 室内では乾燥しやすいので霧吹きなどで葉水を与える。
    • 肥料は液体肥料を月に1回程度与える。
    • 害虫や病気に注意する。
    • 家族の猫が食べ過ぎないように注意する。

    室内で育てる場合は、キャットニップの香りが部屋中に広がる可能性があるので、猫が興奮したり落ち着いたりする効果があります。

    猫がキャットニップを食べることは安全ですが、食べ過ぎるとお腹を壊したり吐いたりすることもあるので注意が必要です。

    また、キャットニップを食べると猫の性格や気分によっては攻撃的になったり嫉妬したりすることもあるので、初めのうちは特に注意して観察するようにしてください。

    キャットニップを水耕栽培で育てる方法

    キャットニップ(イヌハッカ)を水耕栽培で育てる方法もあります。水耕栽培とは、土を使わずに水や栄養液だけで植物を育てる方法です。水耕栽培のメリットは以下のとおりです。

    • 土を使わないので、用土の準備や交換が不要。
    • 水やりや肥料の管理が簡単。
    • 害虫や病気にかかりにくい。
    • 根が張らないので、鉢のサイズに制限されない。

    水耕栽培で育てる場合は以下の点に注意してください。

    • 水耕栽培用の器具や栄養液を用意する。
    • 水耕栽培用の苗か挿し木を準備する。
    • 水位や水温やpHなどを定期的にチェックする。
    • 栄養液は2週間~1ヶ月に1回程度交換する。
    • 日当たりの良い場所に置く。

    水耕栽培はそれほど難しいことがないので、気になる方は是非挑戦してみてくださいね。

    水耕栽培の詳しいやり方はこちらのページにまとめました。

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    キャットニップを剪定・切り戻しする方法と目的・時期

    キャットニップ(イヌハッカ)の剪定は、枝切りばさみやはさみなどを使って、茎の先端や花がらを切り取ります。切り戻しの場合は茎の半分くらいを切り取ります。

    切り口は、葉の付け根や節の近くにします。切り取った部分は、乾燥させて猫用のおもちゃや枕などに使うことができます。

    なお、キャットニップを剪定する目的は以下のとおりです。

    • 茎が伸びすぎて倒れたり、枯れたりしないようにするため。
    • 花が咲き終わった後に種が飛ばないようにするため。
    • 花の咲き方や形を整えるため。
    • 新芽の発生を促して植物の活力を高めるため

    上記のことから、剪定を行うのは以下の時期に行うようにします。

    時期 目的・行うこと
    芽が出る前に、冬に枯れた部分や病気になった部分を切り落とす。(剪定する)
    花が咲いた後に花がらを切り取ります。また、茎が伸びすぎている場合は半分くらいに切り戻す。
    花が終わった後に、種が飛ばないように花がらを切り取ります。また、株分けをする場合は、根元から10cmくらいの高さに切り戻す。

    キャットニップの夏越し・冬越しの方法

    キャットニップ(イヌハッカ)は夏でも耐暑性が高いので、特別に夏越しのための対策は必要としません。

    乾燥したら過湿にならない程度に水やりをすることと、日差しが強すぎる場所であれば移動するか日よけをする程度で問題ありません。

    キャットニップは耐寒性も高いので温暖地では冬越しの対策は必要ありませんが、霜が降りる地域では、霜が降りる前に種まきをするか、鉢植えにして室内に入れる必要があります。

    また、雪が積もる場合は、雪を払って凍結を防ぐと良いでしょう。

    キャットニップの増やし方

    キャットニップ(イヌハッカ)を増やす方法として、次の方法をご紹介します。

    • 挿し木・挿し芽で増やす方法と時期
    • 株分けで増やす方法と時期

    挿し木・挿し芽で増やす方法と時期

    キャットニップ(イヌハッカ)は挿し木・挿し芽で増やすことができます。挿し木・挿し芽で増やす方法は以下のとおりです。

    増やし方 やり方
    挿し木 新芽が出ていない健康な枝から10cm~15cm程度の長さに切って取ります。葉を半分程度落としてから水苔などに挿します。発根までは日陰に置きます。発根したら鉢植えか地植えに移植します。
    挿し芽 新芽が出ている健康な枝から5cm~10cm程度の長さに切って取ります。葉を2~3枚残してから水苔などに挿します。発根までは日陰に置きます。発根したら鉢植えか地植えに移植します。

    なお、挿し木・挿し芽でキャットニップを増やす時期は、春から秋まで(気温が高すぎる夏場を除く)が適しています。

    株分けで増やす方法と時期

    キャットニップ(イヌハッカ)は株分けで増やすこともできます。株分けで増やす方法と時期は以下のよおりです。

    植え付け方 やり方
    地植えの場合 スコップなどで株元から2~3個に分割します。それぞれ新しく穴を掘って植え付けます。
    鉢植え・プランターの場合 鉢から抜き取って根球を2~3個に分けます。それぞれ新しい用土を入れた鉢に植え付けます。

    なお、株分けで増やす方法も、気温が高過ぎる夏場を避けた春から秋までが適しています。

    キャットニップの収穫時期と方法

    キャットニップ(イヌハッカ)は春から秋口までの間で生育の良い時期であれば、いつでも収穫ができるハーブです。

    葉や茎を摘んで利用しますが、花を楽しむよりも香りを重視するなら開花する前に収穫したほうが良い香りを楽しめます。

    キャットニップの収穫時期と方法は以下のとおりです。

    1. 葉や茎を摘む
    2. 乾燥させる
    3. 刈り取る

    キャットニップの葉や茎は、株元から10cmほど上の部分を摘み取ります。摘んだ部分は水洗いして汚れや虫を落とします。

    キャットニップは生でも利用できますが、乾燥させて保存することもできます。乾燥させる場合は、茎ごと切り取って束ねて風通しの良い日陰に吊るします。

    完全に乾燥したら、葉を茎からはがして密閉容器に入れて保存します。

    刈り取る。乾燥して保存する場合は、つぼみがつき始める4月下旬~5月上旬にかけて、株元から株全体を刈り取るようにして収穫します。刈り取った株は同じく乾燥させて保存します。

    キャットニップの育て方に関するQ&A

    ここでは、キャットニップ(イヌハッカ)の育て方に関するQ&A(質問&回答)を紹介します。

    • キャットニップは繁殖力が強くて増えすぎるハーブなの?
    • 猫が喜ぶキャットニップの香りで野良猫や犬が寄ってくる?
    • キャットニップが枯れる主な原因は?
    • キャットニップ栽培で気を付けるべき病害虫は?
    • キャットニップの苗はホームセンターに売ってる?

    上記の問いについて詳しく回答していますので、参考にしてみてくださいね。

    キャットニップは繁殖力が強くて増えすぎるハーブなの?

    キャットニップは繁殖力が強くて増えすぎるハーブというイメージがありますが、実際はそうでもありません。

    キャットニップは種子や根から簡単に増えることができますが、適切な管理をすればコントロールすることができます。

    繁殖をコントロールするには以下のような対策が有効です。

    • 花が咲いたら摘み取って種子を飛ばさないようにする。
    • 根が広がらないように鉢植えやプランターで育てる。
    • 地植えの際は根をネットに入れて植え付ける

    猫が喜ぶキャットニップの香りで野良猫や犬が寄ってくる?

    結論から書くと、キャットニップを植えていても野良猫や犬が寄ってくることはあまりありません。

    キャットニップに含まれるネペタラクトンという成分が、猫の脳に作用して興奮やリラックスなどの効果をもたらすため、キャットニップの香りを嗅いだ猫はキャットニップのある場所に引き寄せられるのは確かです。

    しかし、キャットニップに対する感受性は遺伝的なものであり、すべての猫が反応するわけではなく、キャットニップに反応する猫でも個体差や気分によって反応の強さが異なります。

    また、犬にとってはキャットニップの香りは特別なものとして感じません。たまにキャットニップに含まれるマグネシウムやビタミンなどの栄養素が犬の健康に良い影響を与えることから香りを好むケースもありますが、それほど多くありません。

    ちなみに、イヌハッカの「イヌ」は動物の犬ではありません。昔は、似非(えせ)の意味合いで使われていた「イヌ」から来ており、「似非ハッカ」という意味から名付けられたものとされています。

    キャットニップが枯れる主な原因は?

    キャットニップが枯れる主な原因は以下のとおりです。

    枯れる理由
    水不足 水不足になると葉がしおれたり黄色くなったりします。水やりは土が乾いたら行うようにしましょう。
    水過多 水過多になると根腐れや茎腐れを起こしたりします。水やりは適度に行います。
    日光不足 日光不足になると葉が伸びすぎたり色あせたりします。日当たりの良い場所に置きます。
    寒さ 寒さに弱く、霜や雪に当たると枯れてしまいます。冬場は室内や温室などに移動させます。
    害虫や病気 次の項で詳しくお伝えします。

    キャットニップ栽培で気を付けるべき病害虫は?

    キャットニップ栽培で気を付けるべき病害虫は以下のとおりです。

    病害虫 特徴と対処法
    アブラムシ 葉裏や茎先に集まって吸汁します。葉がしおれたり変形したりします。手で取ったり水洗いしたりします。
    カイガラムシ 茎や葉に茶色や黒色の甲羅状の虫体をつけて吸汁します。葉が黄色くなったり落ちたりします。爪楊枝などで取ったりアルコールで拭いたりします。
    灰色かび病 茎や葉に灰色のカビが生えます。湿度が高いと発生しやすいです。感染部分を切除したり殺菌剤を散布したりします。
    立枯れ病 茎の基部から黒変して枯れてしまいます。水過多や根腐れが原因です。感染部分を切除したり用土を交換したりします。

    キャットニップの苗はホームセンターに売ってる?

    キャットニップの苗はホームセンターに売っているところもあります。ただし、季節や店舗によって在庫が異なることもあるのでご注意ください。

    また、同じイヌハッカ属で名前も似ているキャットミントと間違えることもあるので注意してください。(キャットミントは観賞用で食用にはできません)

    キャットニップの苗を購入する場合は以下の点に注意してください。

    • 健康そうで新鮮な苗を選ぶ。
    • 根詰まりしていない苗を選ぶ。
    • 葉や茎に害虫や病気の跡がない苗を選ぶ。
    • キャットニップと表示されている苗を選ぶ。

    まとめ:キャットニップ(イヌハッカ)の育て方のポイント

    この記事では、キャットニップ(イヌハッカ)の育て方について紹介しました。

    キャットニップは、猫に嗅がせると興奮したりリラックスしたりする効果があるハーブです。

    キャットニップは自宅で育てることができますし、猫にとっても人間にとってもメリットがたくさんあります。

    自宅で育てるには、種まきから収穫までに以下のポイントを押さえておくと良いでしょう。

    • 種まきは春から夏にかけて行う
    • 日当たりの良い場所に植える
    • 水やりは土が乾いたら行う
    • 肥料は月に一回程度与える
    • 花が咲いたら摘む
    • 収穫は茎から切って行う

    キャットニップを育てることは難しくありません。少しの手間で、愛猫の健康や幸せに貢献することができます。ぜひチャレンジしてみてくださいね。

     

    キャットニップはハーブティーとして楽しむこともできます。キャットニップのハーブティーの作り方はこちらでご紹介しています。安眠効果やリラックス効果など嬉しい働きがたくさんありますよ。

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  • 蚊よけハーブ「蚊連草(カレンソウ)」の育て方|冬越しや増えすぎを防ぐ方法も

    蚊よけハーブ「蚊連草(カレンソウ)」の育て方|冬越しや増えすぎを防ぐ方法も

    蚊連草(カレンソウ)は、ゼラニウムとシトロネラ草(レモングラスの一種)を交配して作られた植物で、葉に柑橘レモン系のさわやかな香りがあります。

    蚊連草の香りには蚊を寄せ付けない効果があり、虫除けとしても人気のあるハーブです(英語では「mosquito reed grass」と名付けられるほどです)。

    蚊嫌草、蚊取り草、蚊遣り草、蚊逃げ草、蚊よらずと表現されることもありますが、どれも蚊連草のことを指します。

    蚊よけの効果に魅力を感じて、蚊連草を自宅で育ててみたいと感じる人は多いと思いますが、どんな環境を好むのか、冬越しはできるか、増えすぎることはないかと気になる点は多いでしょう。

    この記事では、蚊連草栽培に適した環境づくりといった基本的な育て方から、挿し木や株分けなどの蚊連草を増やす方法についてご紹介します。

    蚊連草の種まきの時期と方法

    蚊連草(カレンソウ)の種は春から秋にかけて、気温が15度以上になる日が続く時期にまくことができます。日当たりが良くて水はけの良い場所が適していますが、鉢植えやプランターでも育てることができます。

    蚊連草の種は非常に小さいので土に混ぜてまく方法がおすすめです。実際の手順は以下のとおりです。

    1. 土を軽くふかしておく
    2. 土と種を1:1の割合で混ぜたものを土の表面に均一にまく
    3. 霧吹きで水を与える

    水やりは、土が乾かないように毎日行います。約2週間ほどすると発芽します。

    発芽したら、間引きをして本葉が2枚以上出たら根を傷めないように注意して植え替えます。植え付け間隔は10cm程度あけると良いでしょう。

    植え付け後は水やりや肥料を適宜与えて育てていけば、夏になると白い花が咲き始めます。

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    蚊連草栽培に適した環境づくり

    種蒔きをした後は、蚊連草の栽培に適した環境づくりを行います。

    蚊連草は日当たりの良い場所で水はけのよい土壌で育てれば、香り豊かな葉と可愛らしい花を楽しむことができます。

    用土づくり

    蚊連草は、水はけがよく適度に肥沃な土壌を好みます。有機物の多い肥沃過ぎる土壌は葉の香りを弱める可能性があるため避けましょう。

    また、粘土質な土壌は根腐れや茎葉の腐敗を招きやすいため避けて下さい。花壇に植える場合は、植え付けの前に土壌診断を行いましょう。

    土土質が悪い場合は、パーライトや軽石などで通気性を高めたり、堆肥などで肥沃さを調整したりしてください。酸度が高い場合は、石灰などで中和してください。

    土壌改良後は耕して表面を平らにして完成です。

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    水やり

    水やりは表面の土が乾いてからたっぷりと行いましょう。乾燥を好む植物ですが、水切れさせると枯れてしまう可能性があります。一方で、水やり過ぎも根腐れや病気の原因になるので注意してください。

    肥料の与え方

    肥料は3要素(リン、カリ、チッ素)がバランス良く配合された一般的なもので問題ありません。肥料は早春に土質を改善する堆肥と緩効性肥料を与え、秋に再度緩効性肥料の追肥を行います。

    1年に2回、時期としては早春(3月中旬から7月下旬)と秋(9月中旬から10月下旬)にすると良いでしょう。

    痩せ地の方が香りが強くなるため、肥料はやや控え目にする事をおすすめします。

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    蚊連草の地植えの時期と方法

    蚊連草(カレンソウ)は寒さに弱く、霜に当たると枯れてしまう可能性があるため、地植えする時期は霜が降りなくなった5月頃が適しています。

    もし早く植えたい場合は、株元に腐葉土を盛り上げたり不織布やビニールで覆うなどの霜よけ対策をすれば良いでしょう。(もちろん、暖地であれば霜対策は不要です)

    地植えの方法は、次の手順で行うようにします。

    1. ポット苗を水に浸して根をほぐしておく
    2. 株元から10cm~15cm離して穴を掘って苗を埋める
    3. 苗の周りの土を固く押さえる
    4. たっぷりと水やりをする

    地植え後の管理としては、蚊連草は乾燥を好む植物なので水やりは控えめにしましょう。目安としては、土の表面が乾いてから水やりを行う程度にします。

    蚊連草を鉢植え・プランターで育てる方法

    蚊連草は地植えの方が向いているものの、鉢植えやプランターでも充分育てられるハーブです。

    ここでは、蚊連草を鉢植えやプランターで育てる方法について、

    1. 鉢やプランターの選び方
    2. 用土づくり
    3. 適した日当たりと置き場所

    上記3点に分けてご紹介します。

    【鉢やプランターの選び方】

    蚊連草は乾燥を好む植物なので、水はけの良い鉢やプランターを選びましょう。素焼きやテラコッタなどの通気性の高い素材がおすすめです。

    また、深さがある方が根が張りやすくなります。鉢やプランターの底には鉢底石や粗めの土を敷いておくと、水はけを良くすることができます。

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    【用土づくり】

    肥料が配合された園芸用の土も利用できます。ただし、肥料分が多すぎると根が傷んだり、茎が伸びすぎたりすることがるため、その場合は培養土や赤玉土などで薄めて使いましょう。

    土を作る際には、市販の赤玉土(小粒)4割+パーライト2割+腐葉土4割+元肥の割合で混ぜてつくります。

    【適した日当たりと置き場所】

    蚊連草は日当たりと風通しの良い場所で育てましょう。日陰に置くと、茎が伸びすぎたり、花付きが悪くなったりします。

    また、長雨に当たると草姿が乱れたり、花が腐ったりしやすくなるので、その場合は屋根のある場所や室内に移動させましょう。冬は凍らせないように注意してください。

    上記のポイントについては、地植えと同じなので参照していただけたらと思います。

    蚊連草の植え替え時期と方法

    鉢植えの蚊連草は、根が鉢からはみ出したり、水やりが足りなくなったりすると根詰まりや栄養不足になるため、2年~3年に一度は春か秋に植え替えが必要です。

    植え替え方法は、以下のとおりです。

    1. 古い鉢から苗を抜き出す。
    2. 古い土や枯れた根を取り除く。
    3. 新しい鉢に用土を入れる。
    4. 苗を入れて空隙部分に培養土を詰める
    5. 苗の周りの土を固く押さえる
    6. たっぷりと水やりをする

    以上の手順で、蚊連草の植え替えは完了となります。

    蚊連草が伸びすぎるのを防ぐ方法

    蚊連草は成長が早く、放っておくと徒長してしまいます。

    蚊連草が伸びすぎると、見た目が悪くなるだけでなく株が弱ったり、病害虫にかかったりするリスクも高まるだけでなく、香り成分であるシトロネラールの含有量が減少して香りが弱くなったり、花芽がつきにくくなる可能性もあります。

    「蚊連草が伸びすぎ!」とならないように徒長を防ぐ方法について詳しくお伝えします。

    まず、蚊連草が伸びすぎる原因についてですが、蚊連草が伸びすぎる原因は、主に以下の3つが挙げられます。

    1. 日当たりが良すぎる
    2. 水やりが多すぎる
    3. 切り戻しや剪定をしない

    日当たりを適度にするためには、直射日光の当たらない半日陰の場所に置くか、カーテンなどで日光を遮ることができます。水やりは前述したとおり、土の表面が乾いたら水を与える程度にします。

    次に、蚊連草の切り戻しと剪定について、具体的な方法と最適な時期についてお伝えします。

    蚊連草を剪定する方法と目的・時期

    蚊連草の剪定・切り戻しの方法は、以下のとおりです。

    1. 切り戻しに用いるハサミを消毒する
    2. 葉を少し残すように草丈の約半分くらいの位置で切る

    葉を少し残すように草丈の約半分くらいの位置で切ることで、根や株への負担を減らしつつ成長を促すことができます。切り戻し時に病原菌や虫の感染を防ぐために、ハサミ消毒してから使うと良いでしょう。

    剪定の時期と目的は以下のとおりです。

    剪定の時期 目的
    早春 新芽を摘む(摘芯)ことで茎数が増えてフサフサとした草姿になり、沢山の花を咲かせることができます
    初夏 夏から秋にかけて再び花を咲かせる準備ができます。風通しや日当たりを改善し、過湿や過乾燥を防ぐことができます

    ハーブの剪定の方法については、こちらのページで詳しくお伝えしています。

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    蚊連草を切り戻しする方法と目的・時期

    蚊連草を切り戻しの方法は、剪定の項をご参照ください。

    切り戻しの時期と目的は以下のとおりです。

    切り戻しの時期 目的
    梅雨時期 春から続いた開花が一段落する梅雨時期に切り戻すことで、夏から秋にかけて再び花を咲かせる準備ができる。また、風通しや日当たりを改善して過湿を防ぎ、病気や虫の被害を予防する。
    乾燥する季節に切り戻すことで、水分の蒸散を減らして乾燥に耐えやすくするほか、株を小さくして冬越ししやすくする。

    剪定によって冬越しがしやすくなりますが、もう少し詳しく冬越しの方法をご紹介します。夏越しの方法と併せてご確認ください。

    蚊連草の夏越しの方法

    蚊連草は夏と冬に注意して管理すれば長く楽しむことができる植物です。

    それほど難しいことも面倒なこともないので、適切に管理して夏越し・冬越しを成功させたいですね。

    蚊連草は夏の暑さや乾燥に耐えることができますが、長雨によるジメジメとした過湿環境は嫌います。

    過湿による根腐れや灰色カビ病等の病気を防ぐため、長雨が続く場合は雨の当たらない場所に避難させたり、土の排水性を高かめておくといいでしょう。

    また、初夏に強く切り戻すことで株の風通しと株元への日当たりが良くなり、ジメジメした過湿が防げます。切り戻すと、また新芽が増えて強い香りが続きます。

    蚊連草の冬越しの方法

    蚊連草は寒さに弱く霜に長く当たったり強い霜に当たると枯れてしまいます。暖地ならば外でも冬越しできますが、寒冷地では室内に取り込んで管理する必要があります。

    室内で冬越しする場合は日当たりと風通しの良い場所に置きましょう。温度は10℃以上を保つようにします。

    水やりは土が乾いたら少量ずつ与えますが、肥料は必要ありません。

    晩秋に強く切り戻すことで、室内への取り込みやビニールを被せることが容易になりますし、枯れた茎や葉を取り除くことで病気や害虫を防ぐ効果もあります。

    蚊連草が増えすぎるのを防ぐ方法

    増えすぎた蚊連草

    蚊連草は挿し木・水差し・株分けの3種類の方法で簡単に増やすことができますが、ミントなどのように地下茎でどんどん繁殖して手に負えなくなるほど増えすぎるわけではないので心配はいりません。

    ただ、蚊や猫を寄せ付けないようにと、庭にたくさん蚊連草を植えた結果「増やし過ぎた」と感じるケースの方が多いかもしれませんが、このように意図的に増やさない限りは増やし過ぎたと感じることはないでしょう。

    効果を考えた場合、屋内にも屋外にもあると嬉しい蚊連草なので、計画的に増やしていきたいという方も多いと思います。

    次の項では、蚊連草の増やし方についてご紹介します。

    蚊連草の増やし方

    蚊連草は、葉に柑橘系の香りがあり、蚊を寄せ付けない効果があると言われるハーブですが、一つの株だけでは香りが弱く蚊除け効果も期待できません。

    蚊連草を増やして効果的に虫除けができるだけでなく花や葉も楽しめるので、インテリアとしても数を多くしたいという人は多いと思います。

    ここでは、蚊連草を増やす方法をご紹介します。

    増やす方法としては、

    • 挿し木で増やす方法
    • 水差しで増やす方法
    • 株分けで増やす方法

    上記3通りがあり、それぞれの方法とポイントについてご紹介します。

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    挿し木で増やす方法と時期

    挿し木とは、茎の一部を切り取って土に挿すことで新しい株を作る方法を指します。

    挿し木で蚊連草を増やす手順は以下のとおりです。

    1. 蚊連草の新芽が伸びた茎(5cm程度)を節から上方向に斜めに切り取る。
    2. 切り口近くの葉を落とす。(残す葉は2~3枚あれば十分です)
    3. 切った茎を半日から一日程度日陰で乾燥させる。
    4. 水はけの良い土を用意して、切った茎を半分ほど埋め込む。
    5. 水を与えて湿らせた後、日陰か半日陰の場所に置く。
    6. 土が乾いたら水を与える。

    約1ヶ月ほどで根が出てくるので、その後は普通に育てます。なお、挿し木の時期は春から夏が適しています。

    水差しで増やす方法と時期

    水差しとは、茎の一部を水に浸けて根を出させる方法を指します。

    1. 蚊連草のの新芽が伸びた茎(5cm程度)を節から上方向に斜めに切り取る。
    2. 切り口近くの葉を落とす。(残す葉は2~3枚あれば十分です)
    3. 切った茎を透明なガラス瓶などに入れて、節より下の部分が水に浸かるようにする。
    4. 日陰か半日陰の場所に置く。
    5. 水が減ったら足す。

    約2~3週間ほどで根が出てくるので、その後は土に植え替えて普通に育てます。なお、水差しの時期も挿し木と同様に春から夏が適しています。

    株分けで増やす方法と時期

    株分けとは、一つの株をいくつかに分割して新しい株を作る方法を指します。

    1. 蚊連草の鉢から株を抜き出す。
    2. 根球を手で崩しながら、茎や根が絡まっていない状態にする。
    3. 株を2~4個程度に分割し、それぞれに茎と根があることを確認する。
    4. 分割した株をそれぞれ新しい鉢や土に植え付ける。
    5. 水を与えて湿らせた後、日陰か半日陰の場所に置く。
    6. 土が乾いたら水を与える

    約1ヶ月ほどで新芽が出てくるので、その後は普通に育てます。なお、株分けの時期は春か秋が適しています。

    蚊連草の花が咲かない時の原因と対策

    蚊連草は夏には桃色の花を咲かせて魅力的な植物ですが、花が咲かないという悩みを持つ方もいるかもしれません。

    ここでは、蚊連草の花が咲かない時の原因と対策について紹介します。

    花が咲かない原因 対策
    肥料の種類や量が不適切 肥料は窒素よりもリン酸やカリウムが多めのものを選ぶようにします。これらは花芽形成や開花を促進する効果があります。与える頻度としては1~2週間に1回程度が適切です。
    日光不足 蚊連草は直射日光が6時間以上当たる場所が適していますが、真夏は日光が強すぎると葉焼けや水分不足になる恐れがあるので、午後から半日陰に移動させるのが望ましいです。地植えの場合は日陰を作るようにします。
    水やり過多 土の表面が乾いてきたら、鉢底から水がしたたり落ちるくらいたっぷりと与えましょう。雨水で土が湿っている場合は水やりを控えます。

    蚊連草の育て方に関するQ&A

    ここでは、蚊連草の育て方に関するQ&A(質問&回答)を紹介します。

    • 蚊連草が枯れる原因は何がある?
    • 蚊連草栽培で注意したい病害虫は?
    • 蚊連草の苗はホームセンターに売ってる?
    • 蚊連草が木質化する原因は?
    • 蚊連草は猫だけでなく犬も寄せ付けない?

    上記の問いについて詳しく回答していますので、参考にしてみてくださいね。

    蚊連草が枯れる原因は何がある?

    蚊連草に枯れるという時には、以下のような原因が考えられます。

    1. 水やり過多
    2. 日光不足
    3. 肥料の種類や量が不適切
    4. 病気や害虫によるもの

    1から3の対策については、上記の「蚊連草の花が咲かない時の原因と対策」を参照してみてください。

    病気や害虫の予防については、土が湿ったままにならないように注意することと、定期的に茎葉の状態をチェックして、病気や害虫の兆候があれば早めに対処することが大切です。

    なお、蚊が寄ってこない蚊連草ではありますが、カイガラムシやアブラムシなどの虫は付く可能性があります。

    病害虫については、次に詳しくお伝えしています。

    蚊連草栽培で注意したい病害虫は?

    蚊連草は病害虫に強いと言われていますが、完全に免疫があるわけではありません。

    特に湿気や水はけの悪い環境では、カイガラムシやアブラムシなどの害虫が発生しやすくなります。

    そこで、蚊連草栽培で注意したい病害虫とその対策についてご紹介します。

    主な害虫 害虫の特徴 対策
    カイガラムシ 茎や葉に小さな茶色や黒色の殻をつけた虫で、殻の中から吸汁針を出して植物の汁を吸って生育を阻害する。 日当たりの良い風通しの良い場所に植える。また、適度な水やりと肥料を与えて植物を健康に保つことが重要。
    アブラムシ 茎や葉の裏側に集団で付着する小さな緑色や黒色の虫で、植物の汁を吸って生育を阻害する。 弱った植物に付きやすいので、植物を健康に保つことが重要。虫は強めの水流で茎や葉の裏側を洗い流す。除去できない場合は洗剤水やニームオイルなどの殺虫剤を散布します。(夕方に行うのが効果的)

    蚊連草の苗はコメリなどのホームセンターに売ってる?

    蚊連草はポット苗は、園芸店やコメリなどのホームセンターで販売されていることがありますが、季節や店舗によって品揃えが異なります。また、「蚊嫌草」や「蚊取り草」「蚊遣り草」「蚊逃げ草」「蚊よらず」などの別名で販売されていることもあるので、探す際の参考にしてみてください。

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    ホームセンターで蚊連草の苗を探す場合は、以下のポイントに注意してみてください。

    • 春から夏にかけて出回りやすい
    • 冬は寒さに弱いため販売されていない場合が多い
    • 小型店舗や地域性によっては取り扱っていない場合も多い
    • ローズゼラニウムと同じとして出回っていることもある

    ローズゼラニウムは香りが似ていますが、観賞用ではなく食用として用いられることもあるため、注意が必要です。

    蚊連草が木質化する原因は?

    蚊連草に木質化という現象が起こるときには、以下のような原因が考えられます。

    木質化する原因 補足
    年数が経過した 蚊連草は多年草ですが、年数が経過すると茎や枝が硬くなり、木質化してしまいます。これは自然な老化現象であり、避けることはできません。
    日光不足 蚊連草は日向を好む植物です。日光が十分に当たらない場合は光合成が不十分になり、茎や枝が細く弱くなります。
    肥料不足 蚊連草は痩せ地を好むため、肥料はやや控えめにする必要があります。しかし、肥料が不足すると栄養分が不足し、茎や枝が細く弱くなります。

    対策としては、年数が経過した株や木質化した茎は切り戻して捨ててしまうのが良いです。

    増やすのは簡単なので、新しい株や挿し芽から新鮮な蚊連草を育てるのが最も簡単な対策です。

    日光や肥料については、上記の蚊連草栽培の環境の項を参考にしてみてください。

    以上のように、挿し木や株分けや日光や肥料といった基本的な管理を見直すことで、蚊連草が木質化する可能性を低減できます。

    蚊連草は猫だけでなく犬も寄せ付けない?

    蚊連草の香りは猫だけでなく犬も嫌います。

    犬や猫が蚊連草の香りを嫌う理由は、犬や猫の嗅覚が人間よりもはるかに優れているからです。

    人間にとっては爽やかで心地よい香りでも、猫や犬にとっては強烈で不快な臭いに感じられることもあり。特に柑橘系の香りは神経系に刺激を与えてストレスを引き起こすと言われています。

    また、犬や猫はハーブを分解する酵素を持たないため、ハーブを食べると消化不良や中毒症状(軽度の場合で口内や喉の灼熱感、重度の場合で読級困難や心臓麻痺)を起こす恐れがあります。そのため、本能的にハーブ類を避ける傾向があると考えられます。

    ローズゼラニウムと蚊連草の違いは?

    ローズゼラニウムと蚊連草は見た目や香りが似ているハーブですが、実は異なる品種です。ローズゼラニウムは、バラのような香りがするゼラニウムの一種で、ピンク色の花を春から秋にかけて咲かせます。

    一方で蚊連草は、ローズゼラニウムとシトロネラ(レモングラスの一種)を交配して作られた品種で、レモンのような香りがします。花は薄いピンク色で、春に一季咲きです。

    両者の最大の違いは、蚊よけ効果にあると言われています。ローズゼラニウムには、蚊が嫌がる成分であるゲラニオールが含まれています。蚊連草には、ゲラニオールに加えて、蚊の二酸化炭素探知能力を鈍らせる成分であるシトロネラールも含まれています。そのため、蚊連草の方が蚊よけ効果は大きいとされています。

    どちらも日当たりと水やりに気を付ければ育てれば良いので育てやすいハーブという点は共通しています。

    まとめ:蚊連草の育て方と増やし方について

    この記事では、蚊よけハーブとして話題にあがることが多い、蚊連草(カレンソウ)の育て方や冬越しや挿し木の方法などをご紹介しました。

    蚊連草は、ピンク色の小さな花を咲かせる可愛らしいハーブで、葉からする柑橘レモン系のさわやかな香りには蚊よけ効果があります。

    蚊連草は日当たりと水やりに気を付ければ、比較的簡単に育てられますが、冬は寒さに弱いので冬越しには注意が必要です。

    また、挿し木でも簡単にできるので、蚊が嫌いなハーブを増やしてべランダや窓際に置くのも良いですね。

    蚊よけハーブを上手に活用して、快適な住環境づくりをする際の参考にしていただけたらと思います。

     

    蚊除け効果が高い蚊よらず(サザンウッド・アルテミシア)の育て方についてはこちらのページで詳しくお伝えしています。

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